前回までのあらすじ

「もうダメッ…!お願いですボクの○○○○○をお姉ちゃんの××××に…!」
「うふふ、正直ね坊や。いいよ、私の××××に入れてあ・げ・る」

自らも下半身の衣服を下着に至るまで全て脱ぎ、ヘレナはジジの
リーゲル・カノーネに向かって腰を下ろしていく。

(ジョビジョビジョバー、パパパヤ〜)

「何?この水音は」

合体まで後5センチの所だった。ヘレナは物陰から流れてくる水音に気付き、
そちらへと顔を向ける。

(ジョッビジョッビジョビー、ヘイヘイヘイボーイズカッコワールイアサダッテ
ガンバリマッショーウ)

物陰の壁、その一部から激しく水が流れていた。水からは僅かにアンモニア臭がする。

「水漏れですか?」
「分からないわ。何でこんな所から水漏れが…、そう言えば水と言えば液体、
液体と言えばマハン。ジジ君、私この水漏れ何とかできそうな人連れてくるから
君はここで待っていなさい」
「はーい」

4話に渡り続いていたエッチイベントは謎の水漏れによりようやく止まったのだった。
…そこ、物を投げない、ブーイングしない。

(ジョッビジョビジョビドゥドゥドゥ、ジョッビジョビジョビイエーイエー)
「それにしても何だろうこの水漏れ。何でこんな所から」

ジジは水が漏れている壁穴の周りを指で突いてみる。ぶにゅりと柔らかい感触が指を
通して伝わって来た。

「うわっ!この壁なんか変だよ!!」

読者諸君はもうお気づきだろうか。それでは正解発表をしよう。
ヘレナ嬢とジジキュンの愛の劇場を中断させた憎き水漏れの正体それは―、

(しまったでござる〜、小便を我慢していたのをすっかり忘れて見とれていたら
漏らしてしまったでござる〜。ああ〜、美少年に見つめられたりいじられたりで
まだ止まらんでござる〜。このままじゃあバレルから何とかせねばならぬのに
小便は一向に止まらんでござる〜)

気配を消し壁に同化していた、エセ忍者のくせにこういう技能は一級品なファントムその人だった。



第五話「激烈ツンデレ341連発!第五話にしてようやくマトモなタイトルだとかどういう事だてめーら」



ユリウス「諸君、余はツンデレが好きだ。諸君、余はツンデレが好きだ。諸君―」
テッシン「それ、長くなりますかな殿下?」
ユリウス「そうだな、では以下略で余はツンデレが好きという事だ。余の嫁達にも
ツンデレについては対応済みである。嫁達がツンデレにも対応可能な点については
かなめりあさんの小説はいぬれシリーズを読むべし」
テッシン「では、そんなわけで今回はツンデレ対決ですな」

対決内容が知らされ会場の客席からはほほうと感心する様な声、前回までの熱狂は
僅かに冷めた様に見える。そう、ツンデレとはツンとデレというフラグを経て至高の
萌えへと至る一連の行動。今回の勝負で漏れなくツンを見せられるとあっては
彼らのシークレット・ペニスもまた静まって行く。その後のデレにおいて再び、
そして元以上に隆起させんが為。

ユリウス「フッ、そうだ、それでいい。ツンデレを楽しまんとするならば
『静』の姿勢で『ツン』を受け石の様に『デレ』を待つのだ」
テッシン「まるで武術の達人の様なセリフですな」
ユリウス「達人だぞ。余は強いんだぞ。さて、観客の姿勢も整った所で抽選ゴー!」

ユリウス&テッシンの回すガラガラくんから続けざまに2つの玉が出てくる。

ユリウス「一人目は…ルルミー・アホの子・ハイドラゴン!」
テッシン「そして二人目は…クローディア・ルナ・アホの子・ニャンガーじゃ!!!」

電光掲示板に並ぶ二人のアホの子の名前。
アムステラの天才武術家ルルミー・ハイドラゴン、属性はアホの子。
大剣を自在に操りし機兵の主クローディア・ルナ・ニャンガー、属性は同じくアホの子。
諸説あるがこの二人とギタランが萌えトーのアホの子トップスリーというのが有力である。
そんなアホの子対決、観客は少しだけ不安を抱き、前試合以上のグダグダぐらいは覚悟した。

だがしかし、現実はもっとひどいのである。それを観客は思い知る。

テッシン「青龍の方角、地球軍への謎の助っ人クローディア・ルナ・ニャンガー入場!」
クロ「あいあーい」
ユリウス「白虎の方角、藤宮流空手ルルミー・ハイドラゴン入場!」
ルルミー「キャオラッ!!」

(パチパチパチ…おぉーおぉーおぉー…)

煙幕の中から入場してくる両名、ツンデレといえば女子高生というテッシンの安直な
考えにより学生服姿の二人をそれなりの拍手と歓声で迎える紳士モードの男達。
アホの子コンビが何かやっちまいそうな不安も加わり盛り上がりは控えめである。

ユリウス「そしてぇ、本試合のビックリドッキリ装置と特別審査員玄武の方角より来たれ!」

ユリウスの号令に合わせ、閉ざされていた玄武の扉が開きガラガラと音を立てリアカーを
引く太った男が入って来る。

ウドラン「ウドラドラドラウドラ谷〜っと、俺様参上!」

小道具のたっぷり詰まったリアカーを引き入場してきたのはビキニパンツ一丁のウドラン。
とりあえず最萌えトーではウドランは殺しとけとまで言われているウドラン。
満を持して壱回目の登場。だが、会場の反応は薄かった。

『はあ、何だあウドランかあ』『期待してたけどまあこんなもんだな』

パンツ姿で登場と同時に一身にブーイングを受け、ゲハハハと大笑いする予定だった
ウドラン。ところが現実には微妙な空気と優しい目で自分を見る観客達。
こういう雰囲気は一番苦手なウドランはとりあえずユリウスに抗議する。

ウドラン「ちょ、ちょとー!エロ殿下―!?」
ユリウス「何だブタ」
ウドラン「観客の反応うっすいんだけど!?本編でウザキャラで売ってる俺様が出れば
大ブーイングで盛り上がるって殿下が言うからこんな格好で待機してたのにこの微妙な空気は何だよ?」
ユリウス「お前が悪い」
テッシン「左様、この微妙な空気はお主のせいであるな」

前試合、銀河究極ウザキャラであるゲバールが『ミソラーメンそぉい』によって
退場するまでの間本領を発揮し続け観客の顰蹙を買っていた事は記憶に新しい。
もし、ウドランが先に出ていたならばその存在感で大ブーイングの嵐を受けていた
事は想像に難くないが、悲しいかなウドランのヨゴレとしての力量はゲバールには及ばない。

ユリウス「ブタよ、お前のウザさは精々カラクリオー最ウザトーナメントベスト4レベル。
なぜならお前はウザキャラであると同時に強敵であり強化人間三人セットの
リーダーという立ち位置も持つからだ。
純粋なる変態属性一本伸ばし、ウザキャラグランドチャンピョン級のゲバールの
登場直後ではそりゃあこんな空気になる」
テッシン「この空気どうしてくれるのだウドラン」
ウドラン「だーから、順番決めたのは俺様じゃなくてあんたらだろっ!」
ユリウス「それでは今回のルールを説明する」
ウドラン「無視すんな!」
テッシン「今回のルールは簡単、台車の中にある数多のアイテムを自由に使い、
見事ツンデレを演じ特別審査員ウドランを満足させた方の勝ちじゃ!」

テッシンによるアホの子でも分かる簡単ルール説明が終わりいよいよ試合スタート。
だが開始の合図が起こっても二人とも一歩も動かず、その場で頭を抱え込んでしまった。
まさか、ルールが理解出来なかったのか?いや、違う。クローディアとルルミーは
それぞれ別の理由で思い悩んでいたのだった。

ルルミー(…くっそ、どーゆー事だ?ツンデレって一体何だ?)
クロ(リアカーにモノが一杯、芸人として最高のモノボケをしないと)

ルルミーはテッシンの言ったルールは理解していた。だがツンデレという言葉の意味を
知らなかった。
クローディアはツンデレの意味も知っているしルールも理解した。
だが、台車に積まれたモノの方に目が行き完全にルールそっちのけでモノボケの
お題に挑む女芸人と化していた。

ユリウス「どうしたのだお前達」
ルルミー「ツンデレ…ユリウス様が好きだっていう事は食い物か?それともエロ本か?」
クロ「あのアイテムの山…、でもこの微妙な空気を打破できるボケは私には難しい」
ユリウス「もしもーし?」

(5分経過)
ざわ…ざわ…
相変わらず動こうとしない二人に対し観客もおかしいのではないかと思い始めるのが
出てくる。

ルルミー(ツンデレ、言葉自体は最近聞いた事ある。ユリウス様もこれが好きだって
さっき言ってたしこれまでの大会の傾向からエロに繋がる何かなんだろうな)
クロ(あー、だめだ。あのリアカーの中にあるどれ使っても観客を沸かす事が
出来そうもない、これと言うのもあのウドランというブタが空気を微妙にしたせい。
せめてシロが横にいればいいボケが浮かぶかもだけど)

ユリウス「本当にどうした二人とも?このままでは両者失格でリザーバーを上がらせるぞ」

フィール(インド大好き作者)なら本当にそのオチにしてサティを出しかねない。
が、ルルミーにはユリウスの言葉を別の意味の方に取った。

ルルミー(リザーバーと言えばスヴァ、アタシがここで負けてスヴァの奴が
上へ行くって事になって、つまり)
控室で自分を小馬鹿にするスヴァの顔が浮かぶ。(無論ルルミーのイメージです)

ルルミー「それだけはさせねー!!」

ダダダッ!!
ルルミーが駆けだした、ルルミーが先に仕掛けた!

ルルミー(正直ツンデレが何なのかまだよくわかってねーが、推理して正しい
答えを導けアタシ!)

ルルミーは脳みそをフル回転させ、アホの子なりにツンデレの意味を探る。
そして思い出す、藤宮流の同士達がよく自分の事をデレのないツンデレだと
言っていた事を。あの頃意味は分からなかったが悪口っぽかったので取りあえず
ボコっといたが今になって同門の皆に感謝する。

ルルミー(つまり、普段のアタシが『ツン』そのものって事だ!ならば―)

ガシッっとリアカーの中に手を入れ、たまたま手に触れたテニスラケットを引っ張り出す。
ウドランの方を見てニッカリと笑いラケットを振り上げる。

ルルミー「にっ」
ウドラン「へ?」
ルルミー「突ん(ツン)!」

ドグシャーァァァァ!!
ルルミーがフェンシングの様にラケットを突きウドランの目を撃つ。

ウドラン「あべしぃー!!な、なにをするだぁ俺様が誰だと―」
ルルミー「お前が誰かなんてしらねぇー!ただこのルルミー・ハイドラゴンは
勝利を手にするまでお前にツン(突き)を繰り出す!突ん突ん突ん(ツンツンツン)―!!!」
ウドラン「うばじゃー!」

ルルミーが得意とする技、直突きの応用で槍の様にラケットで突き続ける。
強化人間とはいえメカに乗らねばただのデブでしかないウドランはかわす事もガードも
出来ず、目・鼻・喉・股間と的確に急所をラケットで潰されていく。

ルルミー「突ん突ん突ん突ん(ツンツンツンツン)―!!!」

最早倒れたまま文句言う事もできないウドラン。
ドンビキしているエロ殿下&エロ爺&観客。
こいつやっぱり趣旨理解してなかったー!!と頭抱える控室のスヴァ。
返り血に染まりつつもなおも自らの信じる『突ん』を放ち続けるルルミー。

クロ(空気が変わったわ。観客ドンビキだけどさっきまでの微妙すぎる
空気よりかはマシ。シロだって飛びだすなら今だと言ってくれるはず)
シロ「言わないから」

相方のツッコミは残念ながら遠すぎて届かなかった。
クローディア、ルルミーから遅れる事2分半、ついに動く。
そして、リアカーの中に手を入れるがクローディアの手は空を切る。

クロ「???まさか…」

最悪の展開を思い浮かべながらルルミーの足元を見る。クローディアの予感は当たった。
ウドランだったものの周りには折れたテニスラケット、粉々になった弁当箱、
その他諸々の原型をとどめていたりとどめていなかったりのツンデレ演出用の小道具が
散乱していた。全部、そうこの対決用の小道具全部ルルミーの『突ん』に耐えられず
ぶっ壊れていたのである。

クロ「何という事、だがニャンガー星人はうろたえない」

そう言いリアカーの中を探っていた手を引きもどし、がっしとリアカーの手すりを
両手でつかむ。

テッシン「あーっと、クローディア選手カラッポのリアカーを両手に持ったぞ。
まさか、まさか持ち上げてしまうのかー?どうでしょうユリウス殿下?」
ユリウス「あのリアカーは細身の女性が持ち上げられるものではない。だが、
クローディアのスキルは大剣。身の丈以上の武器と言う点ではリアカーも同じ事。
彼女ならやってくれる、そう思いたいですねー」

剣士としてのプライドか芸人としての意地かは分からない、だがウドランが乗っても
壊れないアムステラ製スーパーリアカー『人力王』はクローディアの持つ
『腕力+技量+発想のスケールで勝ちたい気持ち』によってふわりと持ちあがって行く。
そう、まるで棒きれを持ちあげるかの様に軽々と。と、言いたいシーンだったが―

クロ「もうだめー、たーすーけーてー」

本当に無理だったのか、彼女なりのオチなのかはわからないがクローディアは
膝をプルプルさせながら中途半端に持ちあげたリアカーと共にゆっくりと倒れ込む。
あぶなーい!その先には、ルルミーとスープ状態のウドランが!
このままではリアカーによって二人が『突ん』されてしまう!

ガシャァァァァン!!!!
100キロを超えるリアカーはクローディアの手を離れウドラン達に向かい落ちる。
観客の誰もが押しつぶされたと思った、が様子がおかしい。
引力によって自由落下するはずのリアカーは僅かに浮き静止していた。
ルルミーが背中でリアカーを受け止めていたのだ!

ルルミー「やらせねー、やらせねーよ」

ウドランの方を見ていてとっさの受けが出来なかったルルミー。
それでも後頭部から血を流しながらリアカーを自分の体で受け止めウドランを守っていた。

ルルミー「うぐッ…大丈夫かブタヤロー」
クロ「な、なんで自分で散々殴った相手をかばっているの」
ルルミー「まだアタシはこいつに『デレ』を見せてないだろーが。結局ここにある
アイテムは全部使った。『突ん』をやってる内に『デレ』に辿りつけるだろうと
3分弱に計340発の『突ん』をやっちまった。だからこそ、『デレ』を見せるまでは
こいつを傷つける事は誰にもさせられないんだよ!」

それは凄い身勝手で、それは凄い頭の悪い理由だった。が、その言葉は凄く無理やりに
解釈すれば『デレ』に取れない事も無い。ルルミーの足元のウドランは最後の力を
今こそ振り絞る時だと口を開く。これ以上アホの子の勝負が長引けば本当に死にかねない。

ウドラン「こ、この勝負ルルミー・ハイドラゴンの勝ちだ!だからもう
『ツン』は止めだお前ら!」
ルルミー「なにー!まだアタシらの『デレ』を見てねーだろ何さまだお前!」
クロ「そうそう何様よあんた」
ウドラン「この勝負の特別審査員様だ!ルルミー、お前の『デレ』はさっきの
俺様をかばった時にこれ以上無いほど堪能した!」
クロ「私のは?」
ウドラン「んなもん知らねー。シャイラ対かつみんの前例に基づき、先手が
圧倒的すぎたら見なくても問題ねーんだよ。だからルルミーの勝ち、はいこの勝負終わり!」

例え審査員がどんなウザキャラだろうとただの変態だろうと投票は全て有効である。
そして、この試合の審査員がウドラン一人である以上彼が勝者を選べば試合は終わる。
そう、これでウドランは地獄から解放された。

ルルミー「よっしゃー!何かしらんが勝った!」

両手を上げガッツポーズをするルルミー。そのままキャッホーとアラレちゃんの
キーンのポーズでウイニングランをする。当然彼女が支えていたリアカーは一旦
持ちあがった後、物理法則に従い動けないウドランの上に落ちてくる。

ウドラン「んぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

ぷちっとな。
そう、これでウドランは『死によって』『一旦は』地獄から解放されたのだった。
ウドラン一回目の死亡。(死因:圧死)

クロ「こんにちは、一回戦で敗北しちゃったにゃんがーるずクロです」
シロ「あいあーい。相方が負けちゃっても頑張るにゃんがーるずシロです」
クロ「あいあーい。ショートコントお聞きください。ショートコント『反省』」
シロ「ちょっとー、何負けてんのよクロ」
クロ「すみませーん」
シロ「謝ればいいってもんじゃないでしょ。それに読者が期待していたエロも皆無
だったじゃない」
クロ「エロはあったわよ。ホラ今回の対決は両者学生服だったでしょ」
シロ「あったわねそんな死に設定」
クロ「だから3分間に340回もの突きを繰り出したルルミーのスカート
舞い上がりまくりーのパンチラしまくりーのでしたよー」
シロ・クロ「はい、にゃんがにゃんがにゃんがにゃんがにゃんがにゃんがにゃがにゃがー」



一回戦第六試合に続く