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前回までのあらすじ



「う〜〜〜厠、厠」

 今、厠を求めて全力でNARUTOダッシュしている拙者は、スーパーロボットを操縦するごく一般的な男の子。

強いて他人と違うところをあげるとすれば、忍者に興味があるってことカナ…

名前はファントム。


 最萌トーナメントを最前列で観戦中に、尿意を催してしまったでござる。

あ!決して【放尿以外の用途】で厠を使いに行くわけではござらんからね?


 試合はちょうど今、1回戦の第3試合が終了したところ。

素早くすませて会場に戻らなければいけないでござるなあ………

どれも男として生まれたからには一戦たりとも見逃せない試合ばかりでござる、ニンニン。



 しかし、門番のマハン殿に厠の位置を聞いて、先ほどから探し回っているのだが、一向に見つからんでござる。

このままでは拙者の膀胱がピンチ。

致し方ない。野外で済ませるより他に道は無さそうでござる。


 と、人目につかない場所を探す拙者の目に入ったのは………


「ウホッ!いいショタ…」


と思わず声をあげてしまう、ジゼル=ジュノー少年でござらんか。


こんな人気の無い場所で一体何を…と思い立ち、物陰に潜み様子を伺う。

よくよく見ると、ジジ少年の下半身に一人のおなごが絡みついているでござる!

あのおなごは……たしか、アムステラの宰相の周りにいた、同じ顔した娘達の中の一人でござるか?

ムムム……これは事件の匂い。


 拙者は思わず、自らの存在を空気に溶け込ませる術を使い、二人に近づいた。

この忍術が使えるのは世界広しと言えど、拙者とフランスのストーカー野郎くらいのものだと自負しているでござる。

これは決して出葉亀とか覗きとか、そういう下劣な行為ではござらんよ?

世界の平和を守るためのパトロールの一環でござるよ、薫どの。


〜〜〜〜〜


 少年の衣服は乱れ、上気した頬と涙を浮かべた双眸は恍惚の色を見せている。

そして露出した下半身を妖艶な表情で弄ぶヘレナ。

その主砲(リーゲル・カノーネ)は、少女と見紛うような愛らしい顔とは裏腹に、天に向かって屹立しており…

ヘレナの蛇のように纏わり付く舌が、少年に喘ぎと桃色の吐息を漏らさせた。



「お、おねえちゃん…ボ、ボクもう…」


「あら?なぁに?もう、ダメなの?」


「う…うん、だから、あの…」


「ふふふ…じゃあ、次はどんなことをして欲しいの?どうしたいの?

はっきり言ってごらんなさい。その可愛いお口でね」


「え、えっと…恥ずかしくて言えないよ、そんなの」


「あら?じゃあこれで終わりにしちゃう?」


「! あ、あの…ボクの○○○○○を…おねえちゃんの××××に…」


〜〜〜〜〜

 
 拙者は思わず、『いきり立つ股間に手を当てた(シークレットペニス)』


「ほ、本戦より…こっちのシチュが萌えるでござるっ…」


そして決めた。

拙者はこの二人の成り行きを暖かく、行き着くところまで見守る、と。



会場の方角からは、次の試合の始まりを告げる観客達の歓声が響き渡る。


そう、拙者は犠牲になったのだ…古くから続く、『前回までのあらすじ』の犠牲にな…





第四話「酔った勢いで書いた。今では反省している。あらすじはもうちょっとだけ続くんじゃ」





ユリウス「諸君っ!! シークレットペニスの準備はいいかっ!!」


呼応する観客達の歓声。歓声。歓声。

果てる事無きDT達の声は轟音となって熱きフィールドを包み込む。



「武者震いがするのお!」

特に意味も無く、観客席でタリアスが呟いた。

偉大なる主カメジロウ=タケダリンクにぴったりの女性を探すためにこのトーナメントを観戦しに来たはずが、今は自分が常時シクペニの有様だ!



ユリウス「よろしい。ならば一回戦第4試合を開始する」


テッシン「次なる試合の題目は…『萌え萌えメイドご奉仕対決』じゃあ!!」

 年甲斐も無く、テッシンが眼を血走らせて叫ぶ。




   メイド…ご主人様の心と体を癒すため、日夜あんなことやこんなことをしてくれるエプロンドレスの天使ッ!


       そのインパクトは単純(シンプル)故に強烈ッッ!!

          
           男ならば一度は思っただろうッッ!!己に従順なメイドさんを心ゆくまで蹂躙(ランペィジ)しつくしたいとッッ!!  


               まさに独男の永遠の憧れッッ! それがメイドさんなのだッッ!


                   ・


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                   ・


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                     ・



                     ・



                     ッ



                     ッ



                     !




 と、カジワラさんっぽい演出の中、観客達のボルテージもMAXに。




ユリウスの下に『新井式廻轉抽籤器』(ガラガラくん)を運んで来たハイヌウェレ達は、既に黒いワンピース、フリルの付いた白エプロン、フリルの付いたカチューシャの三種の神器を身に纏っていた。


ユリウス「まあ、余はある意味、毎日メイドさんのご奉仕受けてるんだけどね! 余の嫁はやっぱ最高!」

テッシン「ぐぬぬ…羨ましい…」

ユリウス「はははははは、余をそこらでシクペニしているキモオタどもと一緒にされては困るのだよ。

宰相だからな。余は宰相だから!」



宰相は偉いのだ。何でもできるのだ。

だから良い子のみんなは将来、宰相になれるように一生懸命勉強するんだよ!



ともあれ、ユリウスとテッシンが、ガラガラ君を回し始めた。



ユリウス「さあ、第四試合の一人目は…おおっと、ベロニカ=サンギーヌ!」

テッシン「こっちは…パン=アルバードじゃ!」


観客席から再び、わぁぁぁぁぁぁと歓声が上がる。



ユリウス「ほう、自キャラを選んできたかこの作者。贔屓がなければ良いがな」

テッシン「いや、それは無い。単に自キャラなら遠慮なく弄れるからでしょうな。むしろ作者はパン殿ファンですから。

妥当なセレクトじゃ」



 そんなメタ話をしつつ、彼らは指令を下す。


ユリウス「勝負の方法は至極簡単。こちらが指定する人物を審査員とし、彼女らに『ご奉仕』をしてもらう。

シチュエーションは客を応対する『メイド喫茶のウェイトレス』でも、『イメクラのフードル』でも構わん!」


テッシン「さあ、二人にとびっきり萌えるメイド服を届けるのじゃ!」


タリアス「武者震いがするのお!」


 ここは萌えの関ヶ原。

萌士(もののふ)達の天下分け目の戦いの始まりだ!


*****



―控え室・フランスサイド―



ベロニカ「……着方はこれで良いのか? ヒラヒラしててずいぶん丈の短いスカートだな…」


リリィ「すっっっごくお似合いですよ!お姉さま!」


 ベロニカのメイド姿を見て、セコンドのリリィは興奮を隠せない様子だ。

鼻からは二すじの赤い憧憬が垂れ落ちている。


ベロニカ「しかし、何で私がエントリーされているんだ? お前が出た方がよっぽど、その、『萌え』るんじゃないのか?

こういう客寄せ的なのは私は性に合わんぞ…」


リリィ「何を言ってるんですお姉さま! 絵版ではあられも無い姿を何度も披露しているじゃありませんか!」


ベロニカ「メタはやめろ! それはEX扱いだろう? 私がペンギンを調理しようとしたのと同じEXだ!」


リリィ「そっちは正史です! お姉さま!」


ベロニカ「マジでか!?」


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リリィ「(ふふふ…やっぱり勝手にエントリーしておいて良かった。お姉様の困った顔を見るのはサイコー)」


 目論見通り、メイド姿で右往左往するベロニカの姿が披露されそうだ。

リリィは満足げに微笑む。


ベロニカ「くっ…仕方が無いな。気は進まないが勝負は勝負。やるからには勝たせてもらう」


 ベロニカは決意新たに戦いに臨まんとす。

ぜんぜん関係ないけど、精神コマンドの「決意」って、持ってる人少ないからレアっぽくていいよね。

この人は「威圧」が反則っぽいって説もあるけど。


〜〜〜〜〜


―控え室・アムステラサイド―


パン「……ふう、できれば出番が回って来ずに、フェイドアウトできれば良いと思っていたんですが……」


一方のパンも余り乗り気では無さそうだった。

まあ、キャラ崩壊したらどうしようとか、気にしてもしょうがないよね。そういう企画なんだし!



エド「何を言う! そのメイド服、露出が多くてサイコーじゃないか! 何なら八旗兵のパイロットスーツ、お前だけそのコスチュームに変えてもいいぞ!」


 頼みもしないのにセコンドについてきたエドに、強烈なハイキックをかます。

「グボォッ」という叫び声と共に吹き飛び、壁に叩きつけられる主君を尻目に、パンは再びため息をつく。


執事「まあまあ、そう気負うものでもありませんよ、パン殿。逆に考えるのです。

『軽いテーマの時に出番が来てよかった』と。

『おっぱいマッサージ』とかに当たらなくて良かったじゃありませんか

それに、『メイド』とは、我々のような主君に仕える身にとってはうってつけの題目じゃないですか。」


パン「う…そう言われればそうですが…」


 執事が我が子を諭すように語りかける。


執事「メイドは即ち『女中』です。私も執事となって長いですが、『ご奉仕』の秘訣は同じ。

如何にして相手にご満足頂くか、それのみを考えるのです」


パン「つまり、相手のニーズを理解した方が勝つ、と…」


執事「左様。そこで貴女にとっておきのアイテムを授けましょう」


 そう言って懐から『あるもの』を取り出し、パンに差し出す執事。


パン「これは…」


執事「これは男心をくすぐる秘密兵器です。

貴女がのっぴきならない状況に陥ったときに使うと良いでしょう。

断言します。

『これが嫌いな男子なんていません』」


 百戦錬磨の老執事にそう断言されると、不思議な自信が沸いてくる。

パンはそのアイテムを受け取り、しっかりと握り締めた。


パン「ありがとう、執事殿。相手が先の戦いで因縁のあるあのパイロット、というのも僥倖。

お屋形様の名を汚さぬように、しっかりと勝って参ります」


 そう言い放ち、スカートを翻して控え室を後にするパン。

壁に頭から突き刺さったエドが脚をじたばたと上下させて、その背中にエールを送った。


 
*****



ユリウス「それでは、選手入場ッ! 青龍の方角ッ!! ベロニカ=サンギーヌッ!!」

テッシン「続いて白虎の方角ッ!! パン=アルバードッ!!」


ドドドォン!!

鳴り響く銅鑼と共に、二人の萌士(もののふ)が姿を現した。


胸元を大きく開け、ギリギリまで詰められたスカートのメイド服に包まれた二人の美女の豊満なボディは、見るだけで観客達を前のめりにするのに十分な魅力を有していた。


ウ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ッ !!!


歓声を浴びながら、両者は闘場の真ん中でバチバチと火花を散らす。



タリアス「ヒールで踏まれてみたいのお! 武者震いがするのお!!」

Mっ気のある人間は、彼女らに睨まれただけでシクペニしてしまいそうだった。



ユリウス「両者、揃ったな。それでは、本試合の『審査員』の入場である」

テッシン「『審査員』は両選手にとって、最も『ご奉仕』しにくい存在をピックアップさせてもらった」



ベロニカ「ご奉仕しにくい…?」

パン「それはつまり…我々の憎むべき敵であったり、苦手とする存在であったりということでしょうか…?」


 頭の回転の速い二人の選手達は、この審査システムをたちどころに理解し始めたようだ。

例えば、自分がメイド喫茶のウェイトレスだったとしよう。

そこに、自分の良く知る、憎むべき相手が客として来たとしよう。

単にマナーの悪い相手であれば、仕事と割り切って応対する事もできようが…


果たして、普段どおりの『ご奉仕』ができるだろうか?


如何にして己を殺し、相手を満足(サティスファクション)させられるか。

これは、そういう勝負なのだ。


ユリウス「さて、まずはベロニカの審査を担当する者を紹介する。

…ふっ、これは我ながら残酷な人事だったと言わざるを得ない。

この男はな…お前の『宿敵』だよ、ベロニカ=サンギーヌ…」


ベロニカ「なっ…『宿敵』…まさか、あの黒き…」

 急にシリアスな顔になって語り始めるユリウスに、戸惑いの色を隠せないベロニカ。



ユリウス「そうだ! お前の言うとおり、奴は『悪魔』の化身。

ふふふ…お前は憎むべきこの男に対して、どのようなご奉仕を見せてくれるのかな? 実に楽しみだ…」



 その時、闘場の床が突然せりあがり始め…

ベロニカの前に、その恐るべき『悪魔』が姿を現した。



              ベロニカ「お、お前はッ!!」


                   ・


                       ・
                   ・


                      ・


                    ・



                     ・



                     ・



                     ッ



                     ッ



                     !







             ゲバール「イヒィ! ガミジンかと思ったか? 俺様だよッ!!」






 最高にUZAI笑顔で、今世紀最強のディープストーカー、ドゥール=ゲバールが顔を醜く歪ませて(何故かビキニパンツ一丁で)ポージングを決めていた。



一同「ゲェーーーーーッ、ゲバール!!」


 まあ、その、割とお約束な感じがあるが。

一応リアクションはとらせておこう。


テッシン「ユリウス殿下は恐ろしいお方じゃ…誰しもがご奉仕したくないと思う、『女の宿敵』を審査員に選ぶとは」

ベロニカ「………チェンジ! チェンジでお願いします!!」

ユリウス「ダメ! チェンジとか認めないからッ!」



 敵であるはずのパンが、同情の余りベロニカの肩をポンッと叩く。

こいつが自分の審査員じゃなくて本当に良かった。

思えば、これまでの試合の審査員は比較的男前ばかりであった。

なるほど、一見楽そうに見える対決テーマには、こんな落とし穴があったとは。


 観客席からは一斉にブーイングの嵐。

ゲバールは自分への罵声を平気な顔で浴びつつ、不愉快な笑顔でベロニカに話しかける。


ゲバール「イッヒィーーーッ!! 本当はリリィたんが出場すると思ってたから審査員引き受けたんだけどなぁ!

てめーに積年の恨みを晴らせると思ったら、悪くない気がしてきたぜェ、ベロ公よォ!!

くっくっく…せいぜい、この俺様にご奉仕してもらうとするぜェ、んん〜」


ベロニカ「あ…?あ…?リリィ!」

余りのキモさに後ずさり、セコンドに助けを求めるように振り返るが…


そこに控えていたはずのリリィは忽然と姿を消していた。



ベロニカ「INEEEEEEEE!! あの小娘! 逃げやがった!!」

たった一人の、孤独な戦いが始まろうとしている。



〜〜〜〜〜



テッシン「お次は、パン殿の審査員の登場じゃ」


パン「(…まあ、あの変態に比べればどんなキモ男が来てもマシなはず…)」


と、安心し切っていたパンの眼は、床の下から登場したその男を目撃する事によって驚愕に見開かれる事となる。




闘場を覆うドライアイスが晴れ、慄然と立ち尽くすその男はッ……



フランダル「ふむ。久しぶりだな、パンよ。息災であったか?」



パン「お、お屋形様ッ!!!」


アムステラ軍の中枢を担う、大物・トーゴ=フランダル中将の登場だッ!!



ベロニカ「お、おい! その男はパン=アルバードの主君…つまり、本物の『ご主人様』だろう?

審査をするには彼女に有利すぎるじゃないか! 抗議する!!」


 ベロニカの抗議に、人差し指をチッ、チッと動かし、モハメド・アヴドゥルのように渋く決めながらテッシンが答える。


テッシン「ふっ…お前さんは解っておらんのう…

フランダルはパンにとって大恩ある主であると同時に、『父親』にも匹敵する存在。

考えてもみろ。

自分が働いているちょっとアブナイお店に、お父さんが来ちゃったよ!! 知らずに鼻の下伸ばして来ちゃったよ!

…どの面下げて、『ご奉仕』すればいいのだ?

参観日の時、やたら張り切って後ろで息子を応援してるオカンの前で、いつも通り挙手して先生の質問に答えられるか?


つまり、最もご奉仕しにくい存在の一つ…それが『身内』なのだッ!!!」



ユリウス「むむむ…確かに。

作者の中学時代の同級生の女の子が、夜のススキノでバイトしてたら父親が会社の同僚と一緒に店に来ちゃって…

なんて話もあるが。きっついわー、それ。マジきっついわ…」


※フィクションですからね? 作者がたまたま脚を運んだそういうお店で、偶然中学時代の同級生と再会した時に聞いた話だとか、そういう事実はないからね?



ベロニカ「うーん…そーかなー…私は普通にお父様にご奉仕できるが…」


ユリウス「ファザコン!」

フランダル「ファザコンだ!」

テッシン「やっぱりファザコンだった!!」

タリアス「武者震いがするのお!!」




 一方のパンは主君の突然の登場に動揺を隠せずにいる。

緊張で肩が小刻みに震えているのが解った。


執事「むう、これはいけませんな…お屋形様は大変お厳しいお方。

幼少の頃よりそれを知っているパン殿が、萎縮してしまうのも無理からぬ事。

他の男ならば軽くあしらえもしようが…」


エド「おーい叔父貴ィ!! パンが困ってるぞぅ。俺様と審査員代わりやがれ〜ずるいぞ自分ばっかり〜」


 パンのセコンド陣営も焦り始めたようだ。


ユリウス「だからチェンジは認めません! でないとわざわざ苦手な相手を選んだ意味がないからな」


テッシン「萌えの道は一日にしてならず…困難を乗り越えてこそ、真の萌士(もののふ)になれるのじゃ!

さあ、前置きはここまでじゃ! 双方、良き萌えを見せるが良い!!」



*****



 闘場には、メイドカフェを模したセットが設営された。

ウェイトレスに扮したハイヌウェレたちがところ狭しと歩き回る中に、半裸のゲバールが悠々とテーブルについている。



ゲバール「うぉぉぉい! そこの牛チチ女ぁ! まだ水が来てねーぞ! この店は客をどんだけ待たせる気よ? あぁん?」


 性質の悪いクレーマーの演技をするゲバール。

いや、どこまでが演技なのだろうか?

イラッと精神にクる、もやもやとした感情を、会場の観客たちも共有していた。


ベロニカ「お、お待たせ致しました。申し訳ございません…ご…ご…ご主人様…くっ」


 屈辱に耐えつつ、お冷とメニューを届ける。


ゲバール「ったく、使えねーな。気の強そうな年増女がメイド服着てるだけで、こっちは不満だってのによ。

お? お? なんだその反抗的な眼。

メイドつったら、絶対服従! こっちの言う事は何でも聞く! どMな女が定番だろうが!」



ベロニカ「…失礼致しました、ご主人様。ご、ご注文をどうぞ…」


ゲバール「(イッヒヒヒ…あのベロ公が、俺様の命令を聞いてやがる。こりゃ気持ちE!)」


 変態が新たな快感を見出し始めた様子だった。


ゲバール「熱ぅぅぅい味噌ラーメンを一丁! あと食後にチョコレートパッフェな! 1分だ。1分でもってこいや。

ちょっとでも時間過ぎたら全裸で土下座しやがれ。イヒィ!」



ユリウス「うーん…これは…予想以上にウザいな」

テッシン「ウザいですなあ…」

 
 次第に調子に乗り始めるゲバールを見て、ベロニカならずとも皆、青筋を浮かべ始めていた。


怒りに震える拳を握り締め、ベロニカが注文の品を運んできた。


ベロニカ「お、お待たせしました、ご主人様。味噌ラーメンを…」



 と、その時、ゲバールが突然、手前に置いてある水をひっかけ、自分の体に浴びた。


ゲバール「おおっと! うっかりこぼしちまった…テヘッ☆ 俺様ってドジっ男ちゃん!!

あー、一張羅が汚れちまったなー、おい、お前、ちょっと拭いてくれよ! ご主人様の命令だぞぅ〜」


 一張羅=ビキニパンツである。

それしか身に着けていないのだから当然である。


こぼした水をメイドさんに拭いてもらう…それ自体はごく一般的な男の夢なのかもしれない。

しかし、股間を指差し、どや顔でそれを求めるゲバールを見ていると…

とてつもない怒りがこみ上げてくるのが観客達にもわかった。


ざわ…ざわ…UZEEEE…ざわ…KIMEEEE…


これはやり過ぎではないか? さすがに放送コードに引っかかるのでは?

皆がそう思い始めた、その時である。



トレイを持ったまま、わなわなと震えていた、ベロニカの眼がキュピーン!と眩く光を放ち…


ベロニカ「そぉい!!!」


 出来立ての味噌ラーメンが、ゲバールの一物にかぶせられた。



ゲバール「あ、あ、熱っっっぢぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」



股間を押さえ、悶えながら転がり続けるゲバールを見て、ベロニカは、はっと我に帰る。


ベロニカ「あっ!! しまった、余りのウザさについ…」


堪忍袋の尾が切れ、ついに起こってしまった悲劇。


ベロニカ「ああ…すまん、リリィ。これで私は失格だな…堪え性の無い私を許してくれ…」


しかし、誰も彼女を責めることはできない。

恐らく、同じ立場なら誰しもがそうしていたに違いないのだから…



リリィ「いいえ、お姉様、GJです!」


いつの間にか、姿を隠していたはずのリリィが背後でサムズアップしていた。

そして、会場からは満場の拍手。


ユリウス「ふっ…確かにこれは褒められるべき行為ではない。しかし彼女は…自らの尊厳を守ったのだ」

テッシン「勝利よりも勝ち誇るに値する敗北がある…ですな」


 それは子犬を助けて予選敗退を喫したあのピンク色のアイドル超人のように。

試合に負けて勝負に勝った、と言えるのではないだろうか?


そんな風に無理やりいい話にしてみたが、このSSにツッコミ役は不在なので問題はなかろう。



ユリウス「本来ならばベロニカを即失格、とするところだが、減点3を与えた上で試合を続けるとしよう

後は、パン=アルバードの試合内容を見て、我らが結果を判断する」


ユリウスは宰相なので温情もたっぷりあるのだ。宰相だからね。

皆そこに痺れて憧れるのである かしこ



*****



不幸なアクシデントが発生してしまったが、試合はパンの手番へともつれ込む。


パン「な、何で続けるんだ…私の不戦勝でいいじゃないか…」


覆面を外したパンの麗しい顔は、いまや蒼白となっている。

大恩あるお屋形様を相手に、まるで夜鷹のような真似をしろと、本気で言っているのか?

なんという無茶振り!

※そこまでする必要はありませんが、彼女は混乱しています。



フランダル「泣き言を言うな、パンよ。勝負から逃げる事など、私は教えていないぞ?」

パン「うう…」

フランダル「さあ、こっちに来い。そしてお前の成長を見せてみよ!!」


 背景がメイドカフェなのに、大物オーラを出しまくるフランダルが威厳に満ちた声で言った。


執事「頑張るのです…パン殿」

エド「俺様も審査員やりてーなあ…」


セコンドの応援を背に受け、パンはぎこちなく歩を進めた。



パン「お、お帰りなさいませ、ご主人様…ご注文をどうぞ…」

フランダル「表情が固いのう…そんな引きつった笑顔では客は満足せんぞ」


 厳しいコメントを投げかけるフランダル。


ユリウス「ふむ…フランダルは公正な男だな。審査員に選んで正解だったようだ」

テッシン「あの男は身内だから加点するような、不公平な真似はしないでしょうな」

タリアス「武者震いが(ry」



しかし、観客席では、普段の強気な姿から想像できない、彼女のそんなしおらしい姿に萌える声もあがっていた。

ギャップ萌え、という奴である。


だが、審査はあくまでも審査員であるフランダルが行うもの。

彼に、ギャップ萌え属性は存在しないようだ。



そして、パンが緊張の余りつまづき、持っていた水をフランダルに浴びせてしまう!


パン「あ…?あ…? も、申し訳ありません、お屋形様!! すぐにお拭きして…」


フランダル「無用だ! なんと、情けない…女中が主人に水をかけるなど、己の職務を果たせぬ愚か者よ!!」


 フランダルは大物なので、ゲバールのように無理やり体を拭かせようとはしない。

そしてドジっ娘萌え属性も存在しないようだった。

本来は美味しいシチュエーションであるにも関わらず、パンはピンチに陥ってしまった!



エド「うわあ…やべーぞ、これ…叔父貴はああいう失敗が大嫌いだからなあ…」

執事「…」



パンの頭の中を様々な思いが駆け巡る。

どうしたら良い…どうすればこの窮地を乗り切れる…



と、その時。

彼女の脳裏にとある記憶が蘇る。


―これは男心をくすぐる秘密兵器です。

貴女がのっぴきならない状況に陥ったときに使うと良いでしょう―


執事の助言と共に手渡された、このアイテム。

今こそ使うときではないのか?



パンは懐から『それ』を取り出し…

素早く、頭のフリル付きカチューシャを取り外して、アイテムを装着した。



その瞬間、フランダルの眼の色が変わる。


そう、そのアイテムの名は… 『 ネ コ 耳 カ チ ュ ー シ ャ 』



―断言します。『これが嫌いな男子なんていません』―



会場がどよめく。

この行動が、起死回生の一撃となるや否や。



パンは顔を赤らめ、目を瞑って相手の反応を待っている。


フランダル「も…も…」


フルフルと両手を突き出し…フランダルが叫ぶ。


フランダル「萌えぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


取り乱し、執拗にパンの頭を撫でようとするフランダル。

その姿にもはや大物のオーラは無い。



執事「この勝負、勝ちましたな」



 ニヤリ、と執事が笑みを浮かべた。

彼は知っていた。

主が根っからの「ネコ耳萌え」である事を。


1回戦第二試合にて、「君とにゃんにゃん」ネコ耳シャイラに熱い声援を送っていた事を。

廊下で会ったクローディア=ニャンガーに直筆のサインを求めていた事を。


そして何よりも…彼の古き記憶に残された…


エド「ああ…あれはまさに…二週目以降EXバージョンの叔父貴だッ!!」


まさに、『計算通り』! どこまで読んでいたのか銀色の魔弾よ!!


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パン「ちょ…おやかたさ…いや、ご主人様! お止めください!」

フランダル「ネ、ネコ耳…ハァハァ…」


 目を血走らせて頭に触れてくるフランダルに気圧され、パンは思わず拒絶の意を示した。

そして、一行に止まぬセクハラに…思わず体が反応してしまうッ!!


パン「いい加減に…して下さい!!!」


 反射的に放った踵落しが、フランダルの脳天を直撃した。



一同「あっ…」



白目を剥き、床に崩れ落ちるフランダル。


悲劇がまたしても起こってしまった…

禁じられた審査員への暴行。



ユリウス「えーと…この場合は…」

テッシン「…減点3を与え、総合的に結果を判断、ですかな?」


ついにこのグダグダの展開に終止符を打つときが来た!



*****



 ユリウスとテッシンが神妙な顔持ちで、会場に姿を現した。

度重なるアクシデントの末、審査結果の発表と相成ったのだ。



ユリウス「えー…今回、審査員二人が不測の事態で病院へと運ばれてしまったが、彼らの審査表は回収できている。

これに我らの見解を加え、勝者を発表するものとするッ!!」


ざわ…ざわ… と観客席がどよめいた。





ユリウス「それでは開票するぞ。ジャッジ・ゲバール。

『味噌ラーメン怖い』 無効票!!

っていうか、正直スマン。あの審査員を選んだ余が悪かった。

よって無効ね!!」


そんなテキトーな…と観客席から不満の声もあがったが、相手は宰相だから逆らう事などできない。宰相だから。



テッシン「続いてジャッジ・フランダル。


『あのネコ耳に…満足するしかねぇ!!』 パン=アルバードに一票!!



よって勝者… パ ン = ア ル バ ー ド ッ ! ! 二回戦進出じゃ!!」




ワ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ !!




ユリウス「『ご奉仕』とは相手の満足を引き出す事。

それに見事に成功したパンの勝ちだな」


テッシン「フランダルは前後不覚に陥るほど萌えていましたからな。

最後の踵落しは頂けませんでしたが、むしろその行為にすら満足を覚えていた様にも見えるのう」




ベロニカ「おめでとう! 貴女の勝ちだ」


開始前は睨み合っていた二人も、試合が終わればノーサイド。

ベロニカがパンの検討を称え、握手を求める。


というか、これでもう萌士(もののふ)の呪縛から逃れられる事を喜んでいるようにも見えた。



パン「…ありがとう」

握手を返すパンは対照的に複雑な表情を浮かべている。

大恩ある主君に大変失礼な事をしてしまった…後でフランダルの見舞いに行かなければ…


ネコ耳をつけて。


〜〜〜〜〜


ユリウス「第四試合もこれにて終了。次の戦いも楽しみだな」


テッシン「武者震いがするのお!」


タリアス「武者震いが…あっ!!」


萌士(もののふ)達の戦いはこれからも続く!!



*****



ユリウス「ティカ! ティカはいるか?」


ティカ「はい、ユリウス様。ここに」


 ユリウスは、傍に控えるティカに、ネコ耳カチューシャを投げてよこす。


ユリウス「………今夜はこれをつけて、寝室に来るが良い」


ティカ「…はい、喜んで」


 ピンク色の空気が場を支配した。

宰相は新たなる萌えを見出した。

今宵も楽しい夜と相成るや。



*****



マハン「しかし…相方のチャモワン・ヘレナは一体、どこに消えたのか…」


一人寂しく門番を続けるマハン=ガン。

会場の方角からは観客達の歓声が聞こえる。


マハン「向こうは盛り上がってるなあ…」


と、その時、彼女は背筋が凍るような、言いようの無い感覚を体験した。

ゾクリ。


慌てて振り向く彼女の眼に映ったのは…紫煙に包まれた、黒い黒い…兎の…


チャモワンの悪夢はまだ、始まったばかり…



続く