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〜 Intermisson(いんたーみっしょん〜幕間〜)〜

最萌えトーナメント第12試合のSM(?)対決も、盛況のうちに決着が付いた。
妄想力を全開にした男性陣にも、ちょっとHな要素が入ったバラエティとして見ていた女性陣にも概ね好評だった内容。
もちろん某金髪青年の変貌っぷりが、一部の女性達に色々な波紋を巻き起こして居たのは言うまでもない。


 バ ッ チ ー ン ! !

・・・そんな会場の一角に、鞭を叩き付ける音が響いた。それと共に発せられたのは、野太い男の怒声。

「ぬるい! ぬる過ぎるわっ!! 牝共が恐怖の悲鳴と苦痛の呻きを発せぬ様な茶番劇で、なぁ〜にが『SM』かっ!!」
「第一! SMと言えば鞭! 鞭と言えば鞭捌きの達人たるワシを呼ぶのが筋と言う物だろうが!!」

禍々しい棘付き鞭を振り回しつつ、そう怒鳴り散らす大男。彼の名は『サザエ=サーン』という。
(近日発表予定のSRC作品『傭兵達の挽歌3』より。外見や性格は『一体さん第一部』の第九〜十話に登場する『サザゑさん』とほぼ同じ)

「・・・無知は罪よね」そんな蛮行を見ていた周囲の一般人が息を潜める中、ぼそりと呟く女性の声が静かに響く。
「あぁ〜ん? 聞こえんなぁ! おい。今、誰か何か言ったか?」
「はっ! 可哀相に。頭だけじゃ無くて耳も悪いのね。ただ苦痛を与えるだけで満足してる様じゃ、SMの道を究める事は出来ないわよ」

サザエ=サーンが声の方を見ると、そこに立つのは全身包帯姿のセクシーな美女! 百文字の相方、麗しき叡智(レディ・ミィラ)である。

「・・・ぬぅっ! 貴様は確か、百文字(ジ・ハンドレッド)のセコンドをしていた女っ!」
「今は『サザエ=サーン』で良かったかしら? 堕ちたものね・・・出番欲しさに騒ぎを起こすだなんて」
「メタ発言するな! というか、それはお前も同罪だろうが。このビッチ(牝犬)めっ!!」
「・・・牝犬(ビッチ)? ある意味、間違っては無いけど。嫌な響きよね」眉を顰めてその罵声を論評するミィラ。
「喧しいっ! 牝犬は牝犬らしく、まずは悲鳴を上げてご主人様の許しを請えいっ!」怒声と共に、サザエ=サーンは鞭を振るう。

 ビ ュ ン ッ ! !

その音速を超える鞭の先端が唸りを上げ、レディ・ミィラの頬に炸裂し・・・?・・・ない?!


 怒! 怒! 怒! 怒! 怒! 怒! 怒!

そう。JoJo的擬音を背負った黒衣の巨人が、その音速を超えた速さの鞭の先を指先で摘んでいたのである。そして静かに言い放つ!!

「 ワ シ は 今 、猛 烈 に 憤 怒 ( い か )っ て お る ! ! 」


「き、貴様ッ、百文字(ジ・ハンドレッド)ッッ・・・!」
「レスラーへの賛歌・・・だが、この度は特別だッ!!」その言葉と共に、近くにあった鉄の支柱へと駆け寄る百文字(ハンドレッド)。

 ガ コ オ ォ ン ッ ッ ! !

百文字は前方へと跳躍しながら身体を丸め、全身を発条(バネ)と化す! その体勢で両足から鉄柱にブチ当たると同時に一気に発条を解放!
そして、その鉄柱がへし曲がる程の発条跳び蹴り(ズゥーム・キック)による反動で、百文字の巨体が宙を水平に飛んだあぁ〜っ!!

「『七つの威力殺法』の5つ! ”耐空飛鉄”(スクランブル・アストロ・ダンディ)であるッ!!」


この殺法(わざ)、基本的には『レスラーへの賛歌 その2』の『爆弾小僧に捧ぐる、ダイビング・ヘッド・バッド』と同種の技である。
それならば顎を引き、伸ばした両腕は体の脇にピッタリと付ける体勢で頭から相手に突っ込む筈なのだが・・・「この度は特別だッ!」
逆に顎を上げて前方を見据え、曲げた左腕は胸元に構え、拳を握った右腕を伸ばした姿勢。そう、それはまさに”科学の子”の飛翔体勢!


 B A K O O O N ! !

アメコミ的擬音と共に、その拳がサザエ=サーンの頬桁にめり込み、彼を強かに吹き飛ばす。
だが如何に人外の威力を秘めた拳とはいえ、サザエ=サーンをこの一撃で仕留めたと思うのは見通しが甘い。「無論である!」
何とか立ち直るサザエ=サーンに向かって疾駆する百文字。バンッ! と地面を蹴った勢いで、その巨体が軽やかに宙を舞う!
百文字の巨体が放物線を描いて飛び、その弧の頂点で倒立した格好の百文字が両腕を頭上に伸ばす。その先には・・・


それは宙空状態にてッ! 両の手を、敵者の顔に『はさみて掴みッ!』そのまま『前転をするように、放り投げる ”必・殺・投・技”ッ!』

「『七つの威力殺法』の3つ! ”鉄腕原子”(アストロ・ダイン・スロイダー)であるッ!!」


 D O O O O O M ! ! !

サザエ=サーンはその頭を百文字に掴まれる事で、投げられて加速の付いた自重の勢い全てを首のみで受ける破目になる。
そして振り回された巨体も、ダンプカーと正面衝突するが如き衝撃と共に、床に叩き付けられたのだ!

「・・・『完遂した』この技を喰らって立ち上がった男は、未だ居らぬ・・・」と、静かに告げる百文字。
「ゴボッ…ゴフッ…な、ならばワシがあぁ〜…」踏み潰されたゴキブリの様な惨状にも関わらず、立ち上がろうとするサザエ=サーン。

 パ カ ッ ! 「…っ?! のわあぁぁあ〜〜〜??!」 ヒ ュ ル ル ル ル ル ・ ・ ・ ・

だが突然、サザエ=サーンの真下の床に大穴が開き、彼の巨体はその床に開いた大穴へと墜落していった。
その底の見えぬ穴に落ち、小さくなってゆくサザエ=サーンの姿を見下ろしつつ「絶望が、お前のゴールだ」と、告げる男。彼の名は・・・

「『(自称)宇宙一の傭兵(オッペンハイム)』・・・か」と、百文字が呟く。
「俺もあの野郎に貸しがあってな。悪く思うなよ、『耐撃の百文字』さんよ・・・あぁ、それから! その頭のカッコ書きは要らねぇ!」
「何、これは様式美(お約束)という奴だ。時に、今のそれ(大穴発生)は何なのだ?」
「あぁ、コレか? 『どこでもダストシュート』(第9試合参照)だ。こんな事もあろうかと、子機を1つパクっといた」

そう言いながらオッペンハイムは、手にしたリモコンのボタンを再度『ポチっとな』。すると大穴が消え、元のひび割れた床に戻る。

「それはそうと百文字さんよ。一つアンタに聞きたい事があってな」「・・・む?」
「いや。ヘラの奴が最近、『カポエイラ』とかいう蹴技にも興味を持っててな。お前さんがそういうのに詳しいんじゃないかと思ったのさ」
「・・・ワシの敵対者(腐れ縁)に、その使い手が数多居るが・・・余り勧める気はせんな」
「そりゃまたどうしてだ? 俺達がそいつらと手を組むのが怖いってか?!」
「いや、それは歯牙にも掛けぬ(割とどうでも良い)が・・・あの外見(美的センス)にお前達が耐えられるかどうかは別問題だ」
「何だそりゃ??」「つまり、『マスク・ド・サンキストの一族』でググレカスって事よ」と、レディが彼らの会話を締めくくる。

「というか、私(愛しき伴侶)を差し置いてお邪魔虫(オッペンハイム)と歓談するなんて酷い仕打ちと思わない、百文字(ハンドレッド)」
「男色嗜好(ナイン・ナイン・ナイツ・アゥーッエヴァー)に目覚めるのは、私の出番以外の時にして欲しいわね、百文字(ハンドレッド)」
「大体、さっきから本編にも入らず脱線しすぎなのよ。これ以上、私にメタ発言をさせない方が良いわよ。百文字(ハンドレッド)」
「大丈夫だミィラの姐さん! 俺はもう退散するから・・・って! こら百文字! お前も指折り数えてる暇があったら、とっとと動け!」


〜 一方その頃、救急看護室にて 〜

「あっ、あのっ・・・何か自分に手伝える事はありませんかっ?!」と、傷だらけの顔をした中年男が、精一杯の笑みを浮かべながら問う。
「ありがとう御座います。でも、今は特に無いですわね」と、萌えトーナメント出場選手の一人、ティカと同じ顔の娘が微笑む。
「てめーら、ウゼェから俺に構わずどっかに消えやがれっ!」と、不機嫌な顔をした肥満体の男が怒鳴る。

そう。この場に居るのは、看護担当のハイヌウェレ四女・クロトと、しばし前に死に戻ったウドラン、そしてデッド・フラグマン。
でも何でフラグマンがココに居るのか? それは、星になって(第8試合参照)目覚めた時に見た、クロトの微笑みに惹かれたからである。
そして彼は、アンドレとバガーノ兄妹の追及を受けぬ様に理由を誤魔化して別れ、再び看護室を訪れたという訳である。

「自分、フラグマンと言います! 腕っ節には自信がありますので、そこの不良患者をベッドから引き出す位はやりますよ!」
「いえ、大丈夫ですわ・・・そこまでは干渉しなくても良いそうですので」
「うるせ〜ッ! 不細工と化物めっ、俺様はここから一歩も動かんぞ!」
「貴っ様ぁ〜っ! こんな美人に『不細工』とは何だぁ!!」「阿呆かっ! そっちは『化物』だっ!」「なお悪いわっ!!」

全く事情を知らないフラグマンと、元々傲岸不遜で言葉を選ばないウドランが口論してるのを、柔和な微笑を浮かべつつ見守るクロト。
その口論に終止符が打たれたのは、ウドランが次の科白を放った時であった。

「えぇクソッ! もうこんな茶番に付き合ってられるか! 俺は、死んでも此処を動かんぞ!!」

この科白を聞いた瞬間っ! 人一倍『フラグ』に敏感なフラグマンは、濃厚な『フラグ』の発生反応を感じ取った!!

「ッ?! い、いかんデブっ! それは『死亡フラグ』だ〜っ!!」「はぁっ? 馬鹿か、テメ…」

 ヒ ュ ル ル ル ル ル ・ ・ ・ ズ ッ シ ー ー ン ! !

そう。さっきオッペンハイムにダストシュート送りされたサザエ=サーンが、ウドランの頭上に転送されたのである。
無駄に長い転送時間を掛けて落ちたサザエ=サーンは、東京タワーの天辺から落ちたのと同等の運動エネルギーを有していた。
そんな代物がウドランに直撃したのだ。(やるまでも無いが)診断結果・・・ウドラン:死亡! サザエ=サーン:死亡!

「あ・・・」「フラグマンさん、でしたわね? 折角ですからそこの肉塊を片付けるお手伝い、お願いできます?」「はっ、はい・・・」


・・・これ以上、挽肉の状態などを語っても仕方あるまい? なので本編に入るとしよう。



第十三話「今回はKDR対戦! 〜 これも一応、テーブルゲームの一種だよね? 〜」


〜 試合会場 〜

前試合で顔をボコボコにされたユリウス様であるが。休憩中に席を外して戻って来たら、いつもの端正な顔立ちと正装姿に戻って居た。

「待たせたな、諸君。次の試合のお題は既に決まって居る。テッシン、発表するが良い・・・んっ? テッシン、何処だ?!」
「いや悪ぃ、ちょっと待たせちまったな!」と、そのユリウス様の呼びかけに応えたのは若者の声?!
「・・・誰?」「見て判らねぇか? 俺だよ、俺!」「いや。オレオレ詐欺、要らないから」「違ぇーよ!」

いやまぁ、ユリウス様がこういう反応を示すのも無理は無かろう。なんせ目の前に居るのが『髪フサフサの逞しい若者』なんだから。

「まぁ冗談は置いといて、だ。コイツを使ったのさ」と、その若者が取り出したのは小さな機械。

それは、『若返りマシーン・アノヒアノトキアノバショデ』(第10試合参照)であった。

「しっ、しかしそれは余が肌身離さず持って…」「…無かったんだよな。途中でクールビズに着替えただろ(第11試合参照)」
「・・・持続時間は?」「さぁな? ただ、若い連中よりも短いとは思うぜ。だからこの効果が切れるまで、精々楽しませて貰うさ」

(※1.若テッシンの外見などに関しては、公式21話『邂逅』の末尾を参照の事)
(※2.尚、若テッシンの活躍は、SRC作品『金色の宇宙2』のEXステージでも見られます)


「さてと、それじゃあ始めるか。お題に期待(シークレット・ペニス)してる諸君、待たせたな!」
「悪ぃけど、今回はエロ要素が無ぇから。そこは諦めな・・・今度のお題は・・・『テーブルゲーム対決』だっ!」

 ウ オ ォ ォ ォ ォ ォ ! !

だが観客達も、もう既にカオス展開だからと割り切ってるのか。大いに期待に満ちた歓声を上げる。

「それじゃあ選手を選ぶぜ! ガラガラ君、セ〜ットアァ〜ップ! うおぉぉぉ〜っ! やあぁっってやるぜ!!」

 ガラガラガラガラガラッッ!! ヒュッヒュッ!

若テッシンが勢い良く回したガラガラ君から、弾丸の如く飛び出した玉2つ。しかし次の瞬間、若テッシンの姿が"フッ"っと消える。

 パシッパシッ!

玉よりも速くひとっ飛びした若テッシンが握った拳を開くと、選手名の書かれた玉が2つ。

「・・・あ〜、悪ぃな。殿下の分も出しちまった」「いや、構わぬ。選手名を読み上げるが良い」

「それじゃ、お言葉に甘えてと。まずはステラ隊の赤い子、ステラ・アージェントだぜっ!」
「・・・あの、色で呼び分けるのは勘弁して貰えませんか?」舞台上に転送されたステラは文句を言う。

「対するは、大財閥の放蕩娘・趙遊華(チャオ・ユーファ)だっ!」
「コラッ、若作りジジイッ! 何て酷い紹介をするのよっ!!」同じく舞台上に転送された遊華も、怒って若テッシンに詰め寄る。

「はっはっは! 細かい事を気にするんじゃねぇ! 男だろ?」「女ですっ!!」「女だあぁっ!!」
「まっ、冗談はこの位にしとくか。聞いての通り、今回はテーブルゲーム対決だ。特に指定は無いから、どのゲームを選ぶか自由だぜ」

「・・・これは、困りましたね」若テッシンの発言を聞いて、思案顔になるステラ。
「んんっ? 何よあんた、怖気づいたの?!」ステラの反応を見て、遊華が挑発するが・・・
「あぁいえ、違いますよ。ん・・・貴方、『トライチェッカー』ってご存知?」ステラは落ち着いて遊華に問い掛ける。
「はぁっ? 何よ、ソレ」「訳すると『三次元将棋』とでもなるかしらね」「知らないわよ、そんなの!」

ワケの判らない事を言われたと思って唸る遊華に対し、ステラは冷静に指摘する。

「私達が互いにルールを知ってるゲームでないと、公平な勝負は出来ないでしょう? そうなると、地球のゲームから選んだ方が良いですけど」
「でも、私だって地球に遊びに来てるわけじゃありませんから。知ってるゲームと言われても・・・」

そういう風に言われれば、遊華だって馬鹿じゃあ無い。ステラも知ってそうなゲームの心当たりを考え始める。

「そうねぇ・・・名前は違っても、例えばトランプとかのカードゲームだったら何とかならない?」「カードゲーム・・・」

その遊華の発言に触発されたステラは、無意識に左前腕を水平に構え、体の前に突き出すポーズを取っていた。

「ッ!! ・・・あんた、もしかして"デュエリスト"なの?!」「では、貴方も?!」
「だったら決まったねっ!」「えぇ、良い勝負が出来そうですね!」

「・・・おぃ? 話が見えないんだが。どのゲームで勝負するかは決まったのか?」と、若テッシンが問う。
「決まったよ!」「決まりました。私達が勝負するゲームは・・・」


「 「 カ ラ ク リ オ ー ・ デ ュ エ ル ・ ロ ボ ッ ツ ( K D R ) ッ ! ! 」 」


【作者注記−『KDR』とは何か。及び、お詫び書き】
 要は、カードゲーム『遊戯王』のカラクリオー版です。詳しくは怪傑ミルット第2話『ガンダーラ教の聖女』を読破して下さい。
 なお、遊戯王をご存知の方は、出鱈目な記述があっても暖かく見過ごして下さい。ご存知無い方は、雰囲気で楽しんで下さい。


「それでは両者、準備に掛かるが良い! 休憩を挟んで、試合を開始する!」と、ユリウス様が凛とした口調で会場の皆に告げる。

その宣告を受け、ステラと遊華は準備の為に舞台から離れた。そしてそれを見届けた若テッシンはユリウス様に近付き、小声で尋ねる。

「・・・なぁ、今度の追加報酬は何なんだ? デーニッツ」「・・・ドーナツの割引回数券セットです」


〜 控え室への道中 〜

「・・・遊華さん。たった今、気付きましたが。私達、一つ重大な見落としをしてましたね」と、沈痛な顔になったステラが言う。
「へっ? 何がよ」と、キョトンとして問い返す遊華。
「貴方、『デッキ』を持って来てます?」「・・・あ"ぁ〜っ!!」

知らない方の為に簡単に説明すると。『デッキ』とは、『KDR』で使われる何十種類ものカードを、自分が扱い易い様に配分してまとめた
規定枚数のカード群の事である。だからカードが沢山あるからと言って、それで自分の戦術に合う『デッキ』を造れるとは限らないのである。

そしてこの場所は『最萌えトーナメント』会場。余程『KDR』に嵌ってる人でも無い限り、こんな所にまで『デッキ』を持参するなんて
酔狂な事はしない。無論、ここで『KDR』をするとは思わなかったステラや遊華が、自分の『デッキ』を持って来ている筈も無い。

「私の分なら、確か妹がカードを持って来てた筈ですから。それを借りれば何とか『デッキ』を構成出来るとは思いますが・・・」
「それじゃ、問題はあたしか・・・」「知り合いの方で心当たりは?」「そんな都合良く居るワケ・・・って、居たぁ!!」

で、お互い今回のデュエルで使う『デッキ』を完成させる為に、心当たりの元へと向かう。ステラはメディの元へ。遊華はと言えば・・・

「・・・あぁっ、そこに居たのねっ! あんたの『デッキ』を貸して頂戴っ!」
「えっ? 俺の?! そりゃ良いけど、自分のは…」「…持って来て無いから言ってんの!」


〜 そして、試合開始 〜

「選手の準備は良い様だな。しかしテッシン、そこの連中は一体何だ? 審査員にしては多すぎるが」と、ユリウス様(影武者)が尋ねる。
「あぁ、解説役だけどな・・・だが、俺もこんなには呼んでないぞ?」と、若テッシンも不審げな顔をする。
「では、そこの連中に自己紹介させて、要らない人員にはお引取り願うとしよう」

「レンヤだ。カードゲームの講師をした経験もあるぜ」「よし、頼むぞ」
「ルルミー・ハイドラゴンだ。アスパラはアタシが育てたっ!」「・・・アホは追い返せ」「HA☆NA☆SE!」
「俺はオッペンハイムだ」「私はアセト」「ヘラよ」「ロビーです」「解説枠に収まらん。全員纏めて引き取りたまえ」
「メドゥーシア・アージェント・・・お姉ちゃん、私のカードで『デッキ』を組んだから・・・」「それなら、解説を頼む」
「エウリア・アージェントよっ!」「あぁ、まだ試合が終わって無い選手では差し障りがあるのでね。観客席で我慢するのだな」

「・・・まぁ、アムステラ側からはこんな処か。次は地球陣営だな」

「ジッ、ジゼル・ジュノーです・・・」「ウルスラ・オイラー。ジジの付き添いですっ!」「悪いが、保護者同伴は認めてない。戻りたまえ」
「俺はセルス・イウサール。趣味はカードゲーム!」「ふむ、解説役には向いてそうだな。採用だ」
「シグムンド・ハーケット! 今回遊華が使ってるのって、俺の『デッキ』だからさ」「そうか。ならお前にも頼もう」
「シグニィ・ハーケット。ボクは…」「…付き添いは、観客席だ」「えぇ〜っ、ケチ!」

「っと、キリが無いから地球側もここで打ち切ろうか。丁度2人ずつだしな」


【解説席】(本名:通称)
・レンヤ:本名よりも短い通称が無い。(通称で書くなら例えば「アスパ…」「しばくぞ、コラッ!」)
・メドゥーシア・アージェント:メディ
・セルス・イウサール:セルス
・シグムンド・ハーケット:シグ


【選 手】(本名:通称 /使用デッキ)
・ステラ・アージェント:ステラ /デッキ名【特務衆の結束】   
・趙遊華:遊華 /デッキ名【ポンコツの意地】

「それじゃ、試合開始だっ! 俺達はこのゲームを良く知らねぇから、解説はそこの四人に任せた!」と、若テッシンは言う。


レンヤ「えー、コホン。という訳で、俺達で実況・解説をする事になった。初心者にも判り易く解説する様に心掛けるぜ。まずは・・・」

そう言ってレンヤはまず、構えを取るステラと遊華の方を指差す。2人共、左腕に扇型の機械を取り付けて居る。

レンヤ「あの機械はデュエルディスクと言ってな。搭載されたソリッドビジョンで、セットしたカードのイメージを立体映像で映し出す」
セルス「で、LP(ライフポイント)って奴があってさ。基本的には手持ちのカードを使って、相手のライフを0にすれば勝ちなんだ」
レンヤ「ダメージを受けたりしたら、多少フィードバックが来るってのも、この手のゲームじゃお約束って奴だな」
メディ「カードの種類には、操兵/機動マシン、魔法、罠なんかがあるけど。その効果は試合中に説明するね」
シ グ「まー、ルール説明とかしてたらキリが無いし。後は試合を見ながら解説を聞いててくれよな!」


「・・・先行は、私の様ですね」「それじゃ、闘(や)ろうか!」 「 「 デ ュ エ ル ! ! 」 」


〜 第1セット開始 〜(便宜上、双方1ターンずつ済ませた時点で『1セット』とカウントする)

【ステラ】 
 ライフ:8000
 手 札:□□□□□+□
 魔・罠:無し
<フィールド>
  無 し

【遊 華】
 ライフ:8000
 手 札:□□□□□
 魔・罠:無し
<フィールド>
  無 し


ステラ「では行きますっ! カードドロー! 伏せカード1枚と裏守備操兵を置いて、私はターンエンド!」

【ステラ】
 ライフ:8000
 手 札:□□□□
 魔・罠:■
<フィールド>
[裏守備]???


レンヤ「あー、裏守備ってのはカードを伏せた状態で守りの機体を置く事だ。守備状態なら、基本的にプレイヤーにまでは攻撃が通らねぇ」
メディ「最初は手札5枚から始めて、自分のターンが来る毎にデッキから1枚、カードを引く(ドローする)よ」
シ グ「上記の□は手札の枚数、■は伏せカードを表してるぜ。表向きに置かれたら、その都度表示するから安心してくれ!」
セルス「それと通常召喚は1ターンに1回だけ。でも、特殊召喚なら別個に出来るから。それを上手く使う必要があるね」


遊 華「それじゃ、あたしの番ね! ドロー! まずは4型を召喚して、裏守備の機体に攻撃!」

遊華の宣言と同時に。アサルトライフルを構えた茶色の汎用機動兵器・4型が出現し、宙に浮かぶ闇に向かって射撃を開始する。
その闇の中から現れたのは、太い手足を持つ緑色の操兵。どうやら今の射撃が直撃したらしい。そのまま火花を散らし、爆散する。

[攻 撃]4型(地属性/汎用種)○攻撃力1200/防御力800/Lv3
[裏守備]斬空一式・凶風(風属性/斬空種)攻撃力1400/●防御力900/Lv4


レンヤ「今のは4型の攻撃力が、裏守備だった凶風の防御力を上回ったから破壊出来たんだ」
メディ「でも凶風は守備表示だったから、お姉ちゃんのライフには影響しないね・・・」
シ グ「そゆこと。それから、表記形式なんかが『ガンダーラ教の聖女』とは異なるけど、そこはバージョンが違うと思ってくれ!」
セルス「まぁ、今回の本筋にはあんまし影響しない表記もあるんだけどさ」
メディ「セルス・・・それ、ぶっちゃけすぎ」


ステラ「・・・くっ、しかし問題無い! ジャンク墓地の凶風、能力発動! デッキから攻撃力1500以下の操兵、恙霞を攻撃表示で召喚!」

ステラの科白と共に現れたのは、長大な銃を持つ狙撃仕様の空戦操兵。

[攻 撃]斬空七式・恙霞(光属性/斬空種)攻撃力1000/防御力500/Lv3


セルス「使用済みのカードや、破壊された機体なんかは、ジャンク墓地に送られるんだけど。機体の特殊効果は…」
シ グ「…墓地に送られる事で発動する場合もあるんだぜ! この凶風の場合、特定の条件で機体を召喚する効果だな!」
レンヤ「それとだな。悪いが、今回のデュエルではカード効果の詳細説明は割愛するぜ」
セルス「文章量が増えるし、あんまし細かい効果を書いてるとボロが出るもんな〜」
メディ「・・・だから、ぶっちゃけすぎだってば」


遊 華「それじゃ、あたしは2枚伏せカード置いてターンエンドね」


〜 第2セット開始 〜

【ステラ】
 ライフ:8000
 手 札:□□□□+□
 魔・罠:■
<フィールド>
[攻 撃]斬空七式・恙霞(光属性/斬空種)攻撃力1000/防御力500/Lv3

【遊 華】
 ライフ:8000
 手 札:□□□
 魔・罠:■■
<フィールド>
[攻 撃]4型(地属性/汎用種)攻撃力1200/防御力800/Lv3


ステラ「それでは私のターン、ドロー! 黄泉影を召喚します!」その科白と共に、四枚羽根を持つ、淡い黄色の空戦操兵が出現する。

[攻 撃]斬空二式改・黄泉影(風属性/斬空種)攻撃力1800/防御力1300/Lv4

ステラ「まずは黄泉影でフィールドの4型にアタック!」

空中の黄泉影が両肩からミサイルを発射。4型はそれを必死に迎撃するが、その隙に拡散ビームキャノンの雨を浴びて崩れ去る。

[攻 撃]斬空二式改・黄泉影(風属性/斬空種)○攻撃力1800/防御力1300/Lv4
[攻 撃]4型(地属性/汎用種)●攻撃力1200/防御力800/Lv3

遊 華「あうっ!」ライフ:8000−600=7400


メディ「今のは攻撃表示同士での対決だから、負けた側が攻撃力の差分だけライフを削られるんだよね」
レンヤ「しかも4型が破壊されたから、フィールドはがら空きだぜ?」


遊 華「あたしの場が空っぽで、敵フィールド上にのみ機体が居る場合! 魔法カード『ブリティッシュ・ウォール』を発動できるっ!」

伏せたカードの1枚を開いた遊華の叫びと共に、右肩からは大砲を突き出し、左手には巨大な盾を持つ機動マシンが、3機並んで登場した。

[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2


シ グ「よし来たっ! 魔法カードは上手く条件さえ満たせば、こうやって有利な状況に持ち込めるぜ!」
セルス「これだけ守備を固めれば、そう簡単に突破出来ないよな」
メディ「それは甘い考えだよ・・・」


ステラ「恙霞、攻撃開始! 恙霞は自フィールド上に他の斬空が居る場合・・・」

先ほど攻撃を終えた黄泉影が空を飛び回り、キャノンショルダー達の注意を惹く。フト気付くと、恙霞が居ない??

 B E A M ! !

超上空へと舞い上がった恙霞からのビーム狙撃。それはキャノンショルダー達の頭上を越えて、遊華を直撃した!

ステラ「・・・敵機体から妨害を受けずに、プレイヤーに対してダイレクトアタックを仕掛ける事が出来る!」
遊 華「きゃあぁっ!」ライフ:7400−1000=6400
ステラ「ターンエンドです」


レンヤ「・・・とまぁ、他の機体と連携して効果を発揮する奴も居るからな。油断大敵ってこった」
メディ「でも、まだ勝負はこれから・・・」


【ステラ】
 ライフ:8000
 手 札:□□□□
 魔・罠:■
<フィールド>
[攻 撃]斬空二式改・黄泉影(風属性/斬空種)攻撃力1800/防御力1300/Lv4
[攻 撃]斬空七式・恙霞(光属性/斬空種)攻撃力1000/防御力500/Lv3

【遊 華】
 ライフ:6400
 手 札:□□□+□
 魔・罠:■
<フィールド>
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2


遊 華「よくもやったわね! ドロー! 手札からフィールド魔法『大河』を発動! そしてキャノンショルダーを1機、リリース!」

斬空とキャノンショルダーの間を濁流が分断すると同時に。1機のキャノンショルダーが忽然と消滅した。


レンヤ「フィールド魔法ってのは、置かれてる間はフィールド上に何らかの影響を及ぼし続けるぜ」
メディ「それから『リリース』っていうのは、1機以上の機体を墓地に送る事で、高レベルの機体を召喚する行為なの」
シ グ「おっ、ここでリリースって事は・・・手札にあれが来たのか!」


遊 華「母なるガンジスの流れに請う! 大地の守護者を援ける、河水の守護者を導き給え・・・ラクシュミーΩッ!」

遊華の召喚に応じて、濁流の中から腕組みして現われたのは、ピンク色をした無貌の機体。

遊 華「全機、攻撃表示に変更! そしてラクシュミーΩで、まずは恙霞を攻撃っ! 行っけえぇ〜、『濁流の剣』っ!」

濁流に大きな水柱が上がり、恙霞の上へと跳躍したラクシュミーΩが、掌から放つ水流の刃で恙霞を叩き斬る。

[攻 撃]ラクシュミーΩ(水属性/改良種)○攻撃力2000/防御力700/Lv5
[攻 撃]斬空七式・恙霞(光属性/斬空種)●攻撃力1000/防御力500/Lv3

ステラ「くううっ・・・中々やりますね」ライフ:8000−1000=7000
遊 華「まだ、あたしのターンは終わってないわ! 喰らえっ! 『チャクラハイドロクラッシュ!!』」

空中で身体を捻ったラクシュミーΩが両掌を合わせると、そこから噴出した激流が黄泉影を捉え、粉砕する。

[攻 撃]ラクシュミーΩ(水属性/改良種)○攻撃力2000/防御力700/Lv5
[攻 撃]斬空二式改・黄泉影(風属性/斬空種)●攻撃力1800/防御力1300/Lv4


メディ「えっ、2回攻撃?!」
シ グ「ラクシュミーΩは、水のフィールド上だったら2回攻撃出来るんだぜ!」


ステラ「・・・っ!」ライフ:7000−200=6800
遊 華「お次はキャノンショルダーでダイレクトアタック! 一斉射撃開始っ!」

遊華の号令によって、2機のキャノンショルダーが肩の大砲から砲撃を開始する。

ステラ「くはっ・・・これは・・・痛いですね」ライフ:6800−400×2=6000
遊 華「ラスト、罠カード『飛鮫騎士団』オープン! このカードは敵機を全滅させた時に発動して・・・」

金色の機体を先頭にしたグラニMの編隊が、戦闘が終わった跡を掃討してゆく。

ステラ「・・・」ライフ:6000−100=5900
遊 華「相手のライフに100ダメージを与えつつ、自デッキから2枚引ける・・・ねぇシグ? このカードって何かセコくない?!」


シ グ「う、うん。俺もそう思う・・・」
レンヤ「元ネタの性根が良く判るカードだよなぁ・・・」


遊 華「まぁ良いわ。キャノンショルダー2機は守備表示にして、ターンエンドよ」


〜 第3セット開始 〜

【ステラ】
 ライフ:5900
 手 札:□□□□+□
 魔・罠:■
<フィールド>
  無 し

【遊 華】
 ライフ:6400
 手 札:□□+□□
 魔・罠:フィールド魔法『大河』
<フィールド>
[攻 撃]ラクシュミーΩ(水属性/改良種)攻撃力2000/防御力700/Lv5
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/防御力1000/Lv2


ステラ「面白くなって来ましたね・・・ドロー! まずは、手札から如闇を攻撃表示で召喚します!」

ステラの召喚に応じて、龍を思わせる姿をした深紫色の操兵が、音も無く出現する。

[攻 撃]如闇(闇属性/隠形種)攻撃力1800/防御力1200/Lv4

ステラ「そして、フィールド魔法『闇霞』で『大河』を上書きして、如闇でラクシュミーΩを攻撃!」


レンヤ「フィールド魔法は1種類しか設置出来ないからな。上書きで自分に有利な状況に持ち込んだか」
セルス「でも、あの如闇の攻撃力じゃラクシュミーΩには勝てないだろ?!」
メディ「まぁ、見てて・・・」


陣地を分けていた大河が掻き消え、薄墨の様な闇が辺りに広がる。そして身構えた如闇の姿が、その闇に消える。

 ド シ ュ ッ ! !

突然、ラクシュミーΩの腹部から手が生えた・・・いや、違う! 背後の闇から現れた如闇の貫手に、深々と貫かれたのだ!

ステラ「『闇霞』の効果・・・隠形種が自分より高い攻撃力の敵に攻撃を仕掛けた場合、攻撃力を1000点加算する」

[攻 撃]如闇(闇属性/隠形種)○攻撃力1800+1000/防御力1200/Lv4
[攻 撃]ラクシュミーΩ(水属性/改良種)●攻撃力2000/防御力700/Lv5

遊 華「やっ、やってくれるじゃない・・・」ライフ:6400−800=5600
ステラ「まだ終わってませんよ! 伏せカード『影牢』発動! 手札1枚とライフを800払って、影狼部隊を召喚!」ライフ:5900−800=5100

[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4


セルス「あれっ? まただ。あの攻撃力じゃ、キャノンショルダーの『防御力』は超えられないよな?!」
メディ「うん・・・でも、影狼は闇の中でならそれを補う事が出来るよ」


狼を思わせる頭部を持つ黒い操兵・影狼が3体出現し、闇に姿を溶け込ませつつ、防御体勢を取る2機のキャノンショルダーを包囲する。
次の瞬間、影狼の左手から黒い粉状のモノが噴出。動きが止まったキャノンショルダーに対し、電磁棍の連打が浴びせられた。


メディ「あの粉末が影狼の武装の一つ『鉄砂塵』だよ。闇の中なら、戦闘判定前に守備表示の機体を一方的に破壊出来るの」
セルス「・・・考えてるなぁ〜」


[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)○攻撃力1000/防御力800/Lv4
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/●防御力1000×/Lv2

[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)○攻撃力1000/防御力800/Lv4
[守 備]キャノンショルダー(地属性/汎用種)攻撃力400/●防御力1000×/Lv2

[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4

ステラ「残る1機は無論、ダイレクトアタックです!」
遊 華「あぅっ・・・」ライフ:5600−1000=4600
ステラ「私はこれでターンエンド。まだやれますよね?」

遊 華「ったり前じゃない! 見てなさいよ、ドローッ! ・・・これはッ! あたしは修斗と伏せカードを置いて、ターンエンド!」

遊華の召喚に応じて現れたのは、ロボット格闘競技用の白い修斗。はっきり言って、軍用機動兵器とやり合うには力不足もいいとこである。

[攻 撃]修斗(光属性/汎用種)攻撃力300/防御力200/Lv1


レンヤ「こいつぁ〜罠だな。さーて、赤組のネェちゃんはどう対応するかな?」
メディ「・・・赤組って・・・」


〜 第4セット開始 〜

【ステラ】
 ライフ:5100
 手 札:□□+□
 魔・罠:フィールド魔法『闇霞』
<フィールド>
[攻 撃]如闇(闇属性/隠形種)攻撃力1800/防御力1200/Lv4
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4

【遊 華】
 ライフ:4600
 手 札:□□□
 魔・罠:■
<フィールド>
[攻 撃]修斗(光属性/汎用種)攻撃力300/防御力200/Lv1


ステラ「私のターン。ドローッ! 間違い無く誘いでしょうね・・・ですが、ここはあえて仕掛ける! 行けっ、如闇!」

ステラの言葉と共に、如闇の手刀があっさりと修斗を貫いた。

[攻 撃]如闇(闇属性/隠形種)○攻撃力1800/防御力1200/Lv4
[攻 撃]修斗(光属性/汎用種)●攻撃力300/防御力200/Lv1

遊 華「くっ、やったわね! 修斗の破壊にチェーンして、伏せカード『師匠の仇!』を発動!」ライフ:4600−1500=3100

修斗?「チョーーッ!! 出られたと思ったら、何でこういう役アルかぁ〜!!」
???「しっ、師匠オォォ〜〜!!! 貴ッ様アァ〜ッ! よくも師匠を!!」
両 尾「・・・この両尾が成敗してくれるっ!! いでよ、BUN-syuうぅーっ!!」

ツインテールの怪しげなゴーグル男の叫びと共に現われたのは、弓矢を持った武人風の機動マシン。

遊 華「更にBUN-syu/GUN-ryoが互いに持つ能力、『義兄弟の契り』を発動! 義兄弟を召喚する!」

???「どうした、兄者!」
両 尾「・・・奴等は、師匠の仇だ!!」
馬須九「何いぃ・・・許せんっ!! 我等兄弟の怒りを受けるが良いっ!! 来いっ、GUN-ryoおぉ〜っ!!」

ポニーテールの怪しげなゴーグル男の叫びと共に現われたのは、ドリル槍を持った武人風の機動マシン。

[攻 撃]BUN-syu(風属性/改良種)攻撃力2200/防御力1000/Lv5
[攻 撃]GUN-ryo(火属性/改良種)攻撃力2000/防御力1500/Lv5


レンヤ「何だぁ? あの奇天烈な連中は!!」
メディ「レベル5の機体を2機も出せるなんて・・・」
シ グ「その代わり自分の場に修斗1機しか居ない状態で、それが攻撃表示で破壊されないと『師匠の仇!』は発動出来ないんだぜ」
セルス「いや、それでも状況次第では良い性能だとは思うよ、うん・・・キャラは濃いけどさ」


遊 華「そしてBUN-syuの能力『不倶戴天』を発動させ、強制戦闘に持ち込む!」
ステラ「まずいっ! この状況では向こうが『攻撃側』になるから、『闇霞』による攻撃力上昇の効果が受けられない!」

「陽炎千石弓っ!」如闇が闇に溶け込むよりも速く。BUN-syuが放った矢の雨が、如闇を穴だらけにした。
「破天槍禽羊勢っ!」影狼が闇に溶け込むよりも速く。GUN-ryoが放ったドリル槍の一閃が直撃。そのまま貫き通した。

[攻 撃]BUN-syu(風属性/改良種)○攻撃力2200/防御力1000/Lv5
[攻 撃]如闇(闇属性/隠形種)●攻撃力1800/防御力1200/Lv4

[攻 撃]GUN-ryo(火属性/改良種)○攻撃力2000/防御力1500/Lv5
[攻 撃]影狼(闇属性/隠形種)●攻撃力1000/防御力800/Lv4

ステラ「ぐふっ・・・迂闊でした」ライフ:5100−(400+1000)=3700
遊 華「あたしも、『まだやれる?』と聞き返してみるわよ。答えは決まってるだろうけど」
ステラ「ふふっ・・・当然やれるに決まってるでしょう。影狼を守備表示に。伏せカードを1枚置いて、ターンエンドしますよ」


【ステラ】
 ライフ:3700
 手 札:□□
 魔・罠:フィールド魔法『闇霞』、■
<フィールド>
[守 備]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4
[守 備]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4

【遊 華】
 ライフ:3100
 手 札:□□□+□
 魔・罠:無し
<フィールド>
[攻 撃]BUN-syu(風属性/改良種)攻撃力2200/防御力1000/Lv5
[攻 撃]GUN-ryo(火属性/改良種)攻撃力2000/防御力1500/Lv5


遊 華「あたしのターンね、ドロー! まずはグラニ1を召喚! 次にGUN-ryoで影狼を潰す!」

ハルバートを持った青いグラニが空から舞い降り、BUN-syuとGUN-ryoの隣へと立つ。そしてGUN-ryoが一歩前に進んで影狼と対峙。
「破天槍禽羊勢っ!」防御の構えを取る影狼に、GUN-ryoが放ったドリル槍の一閃が直撃。そのまま貫き通した。

[攻 撃]GUN-ryo(火属性/改良種)○攻撃力2000/防御力1500/Lv5
[守 備]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/●防御力800/Lv4

遊 華「GUN-ryoのドリル槍は、防御を貫き通す! きっちり差分ダメージを受けて貰うわよっ!」
ステラ「くぅっ・・・でしょうね。でも、それが命取り・・・」ライフ:3700−1200=2500
遊 華「何ですって・・・?!」

ドリル槍に貫かれた状態の影狼が、GUN-ryoにしがみついた瞬間! その手足が爆発してGUN-ryoの自由を奪い、影狼自体の爆発に巻き込んだ!

BUN−syu「おっ、弟よ〜ッ!!」

ステラ「守備状態の影狼が使える自爆能力『骸破』。只でやられる程、お手軽な相手じゃ無いですよ」
遊 華「・・・下手に手を出したら、相打ちに持ち込まれるのね。ごり押しは出来るけど・・・やめとくわ。1枚伏せて、ターンエンド!」


〜 第5セット開始 〜

【ステラ】
 ライフ:2500
 手 札:□□+□
 魔・罠:フィールド魔法『闇霞』、■
<フィールド>
[守 備]影狼(闇属性/隠形種)攻撃力1000/防御力800/Lv4

【遊 華】
 ライフ:3100
 手 札:□□□
 魔・罠:■
<フィールド>
[攻 撃]BUN-syu(風属性/改良種)攻撃力2200/防御力1000/Lv5
[攻 撃]グラニ1(水属性/改良種)攻撃力1800/防御力1600/Lv4


ステラ「私のターン、ドロー! チューナー機体、プラント艦・醜魂(しこたま)を召喚!」

ステラの宣言に応じて現れたのは・・・ぶっとい宇宙艦?!

[攻 撃]醜魂(地属性/創造種)攻撃力0/防御力2200/Lv4


シ グ「何だありゃ! ・・・宇宙艦?!」
レンヤ「・・・あー、まぁ。この際、細かい事は気にすんな」
メディ「『チューナー』っていうのは、他の機体と融合させて特殊な機体を召喚するのに必要なんだよ」
セルス「この方法で召喚される機体は、手札や通常デッキとは別の場所に保管されたカード山から出てくるんだよな」


ステラ「ここで一気に仕掛ける! まずは醜魂と影狼を融合!」

醜魂の下部から出た光の柱に影狼が吸い込まれ、その直後、艦の中からは怪しげな作業音が響き始める。

ステラ「変幻する巌(いわお)よ、我等の敵を防ぐ堰(せき)となれ・・・いでよ、水鋼獣っ!」

魔改造を終えて上空へと去って行く醜魂から投下された赤銅色の塊。それは蠢きながら人型を取ってゆく。


ステラ「更にライフと手札1枚を払い、伏せていたもう一枚の『影牢』を発動! そして影狼3機をリリース!」ライフ:2500−800=1700

闇の中から3機の影狼の姿が滲み出て居たが、その姿が再び闇へと溶け込んで行く。

ステラ「闇に潜む影よ、光に溶けし影よ、その見えざる爪にて汝の敵を切り裂け・・・いでよ、妖爪鬼っ!」

それに応じて闇の中から現れたのは。無貌の頭と長い腕を持ち、犬の頭にも似た突き出た胸部から、単眼を光らせる異形の機体であった。


[攻 撃]水鋼獣(地属性/改良種)攻撃力2100/防御力2600/Lv8
[攻 撃]妖爪鬼(闇属性/隠形種)攻撃力3400/防御力2400/Lv8


セルス「・・・えっ、えぇ〜っ! ここで上級機体が2機も来たぁ?!」
シ グ「だっ、だが・・・勝負はまだ終わっちゃ居ないぜ!」
メディ「そうだね。・・・でも・・・何で?」
レンヤ「ふふん・・・そうするのか」ニヤリ


ステラ「まずは水鋼獣でBUN-syuに、そして妖爪鬼でグラニ1に攻撃を仕掛ける!」


セルス「うわっ、まただよ。水鋼獣じゃBUN-ryoの攻撃力に届いてないのになぁ。隠形種じゃないから上乗せも無いし」
メディ「うん。でも、判ってると思うけど。攻撃手段には色々とあるんだよ」


「陽炎千石弓っ!」BUN-ryoの放つ矢が次々と水鋼獣に突き刺さるが、針刺しの様になっても水鋼獣は怯まず歩み寄る。
逆に、水鋼獣が両手を打ち合わせて造った流体金属の球体に取り込まれたBUN-ryoが、握り潰されたミカンの様な無残な姿となる。

[攻 撃]水鋼獣(地属性/改良種)○攻撃力2100−500/防御力2600−500/Lv8
[攻 撃]BUN-syu(風属性/改良種)●攻撃力2200×/防御力1000/Lv5


シ グ「ありゃあ何だ?!」
レンヤ「あれは水鋼獣の特殊能力だな。戦闘判定の前に攻防の値を500ずつ減らして、敵機を墓地送りに出来るって奴だ」


一方。妖爪鬼は闇に溶け込み、ハルバートを構えたグラニ1を嘲笑うかの様に死角から斬撃を浴びせ続け、グラニ1の各所から火花が散る。

[攻 撃]妖爪鬼(闇属性/隠形種)○攻撃力3400/防御力2400/Lv8
[攻 撃]グラニ1(水属性/改良種)●攻撃力1800/防御力1600/Lv4


メディ「これで決まる・・・のかな?」
レンヤ「そうだな。ここでフィールドが空いちまうと、逆転はちょいと難しいんじゃねぇか?」
シ グ「・・・いや、あのカードさえ来てれば・・・ッ!」


遊 華「さっせるかあぁ〜っ! 伏せカード『耐撃の二つ名』を発動っ! グラニは戦闘破壊を免れる!」ライフ:3100−1600=1500

闇に潜む妖爪鬼の鉤爪に深々と切り裂かれ、傷だらけになりつつもグラニ1はその場に踏みとどまる。

遊 華「そして『耐撃の二つ名』の効果によって、カードを1枚引く!・・・ッ!!」
ステラ「ならば次のターンが勝負ですね。水鋼獣を守備状態にして、私はターンエンドします」


【ステラ】
 ライフ:1700
 手 札:無し
 魔・罠:フィールド魔法『闇霞』
<フィールド>
[守 備]水鋼獣(地属性/改良種)攻撃力1600/防御力2100/Lv8
[攻 撃]妖爪鬼(闇属性/隠形種)攻撃力3400/防御力2400/Lv8


【遊 華】
 ライフ:1500
 手 札:□□□+□+□
 魔・罠:
<フィールド>
[攻 撃]グラニ1(水属性/改良種)攻撃力1800/防御力1600/Lv4


遊 華「あたしのターン、ドローっ!・・・頼むわよ、グラニ1っ!! まずは今さっき引いた魔法カード『ブラスター化』を発動!」

その声と共にグラニ1のボディが輝き始め、周囲の闇を押し返す程の光を放つ。

[攻 撃]グラニ1・ブラスター(水属性/改良種)攻撃力1800+1000/防御力1600+1000/Lv4


遊 華「次いで手札からグラニ2をコストにして、装備カード『ノートゥング・ランサー/バスター』をグラニ1に装備させる!」

そして輝くグラニ1が頭上に手をかざすと、光の中から現れた巨大な槍がその手に納まる。

[攻 撃]グラニ1・ブラスター(水属性/改良種)攻撃力2800+?/防御力2600/Lv4


遊 華「これで終わりだぁ〜っ!!『ノートゥング・ランサーッ!!』」
ステラ「ッ?! 妖爪鬼、『蛇牙』を放て! そして返り討ちにしなさいっ!」

輝きを帯びたグラニ1が、槍を構えて突撃する。その腕に影の中から飛来した針が突き刺さるが、グラニ1は構わずに突進し・・・

 ザ シ ュ ッ ! !

妖爪鬼の両腕は確かにグラニ1を貫いていた。だが、グラニ1の槍も妖爪鬼の胸板を貫き通していた!!
相討ちで倒れ伏す2機だが、その衝撃でステラの場が崩壊し始めた。

[攻 撃]妖爪鬼(闇属性/隠形種)○攻撃力3400/防御力2400/Lv8
[攻 撃]グラニ1・ブラスター(水属性/改良種)●攻撃力2800−500、攻撃力貫通/防御力2600/Lv4

遊 華「どう? 『ノートゥング・ランサー』の切れ味は!」ライフ:1500−1100=400
ステラ「・・・攻撃力貫通による相打ち狙いでしたか・・・お見事」ライフ:1700−2300=0


シ グ「『ノートゥング』で攻撃時は、勝敗に関わらず相手の攻撃力を0と看做してダメージを与える事が出来るんだ。でも・・・」
メディ「妖爪鬼が攻撃された時にカウンターで放つ『蛇牙』は、相手の攻撃力を500減らせるから・・・」
セルス「『ブラスター化』が無かったら、攻撃力貫通を入れても倒す事は出来なかったね」
レンヤ「ともあれ、良い勝負だったな」


「・・・デュエルの結果、勝者は趙遊華とする!」経過を見届けたユリウス様(影武者)が、そう宣言する。
「遊華さん、良いデュエルでしたね」と、ステラは穏やかな笑顔で遊華に手を差し出す。
「そちらこそ! 又、機会があったらデュエルしたいわね!」と、遊華は爽やかな笑顔でステラの手を握り返した。


〜 試合後・遊華サイド 〜

「ぃやったぁ! まずは一回戦突破! あぁ、シグ。デッキありがと! お礼にうち(趙財閥)のレストランで会食する権利をあげるわ!」
「ソレ、どこぞのワゴンみたいな台詞だな、おぃ?!」
「・・・ふーん、そう。別に構わないけどさ。あんた、後でみんなを食事に招待する約束をさせられたんでしょ? 会場が要らないんなら…」
「ッ!! 遊華…いや、遊華様! 俺が悪かった! 是非ともその権利を俺にくれ〜っ!」
「ふっふーん。どうしよっかな〜♪」「頼むうぅ〜!」


〜 試合後・ステラサイド 〜

「お疲れ、お姉ちゃん」「有難う、メディ」
「・・・でも、何故なの?」「えっ? 『何故』って?!」
「第五セットで影狼を3機、召喚した時。あそこで妖爪鬼にする前に、そのまま影狼達でグラニ1に仕掛けてたら勝てたんじゃない?」
「・・・やはり気付きましたか。確かにそれだと勝つ『だけ』なら出来たでしょうね・・・」
「勝つ『だけ』なら?」

 シュボッ!

「つまり、お前のねーちゃんは『魅せる』試合をしたかったんだよ」と、何処からか現れたレンヤが煙草に火を付けつつ言う。
「先に影狼3機でボコってりゃ、そりゃあ勝ってた可能性は大だがよ。試合の締め括りとしちゃ、ちょいとセコ過ぎる気がしないか?」
「・・・そうだね」「フフッ・・・そう、そこのお節介な人が言われた通りですよ。あぁ、それとレンヤさんっ!」
「んぁっ? 何だ?!」「ここは禁煙ですよ!」「・・・あ〜っ、済まん!」


〜 そして、その頃の救急看護室 〜

「う・・・うぅ・・・俺様は一体・・・」頭を振りながらウドランはベッドから起き上がる。
「おや? お目覚めですか」それを見たクロトが、優しく語りかける。
「げっ!・・・き、キサマは・・・ッッ」しかしウドランは、又もやその声に怯えを見せる・・・

「さぁ。起きたのなら、次の出番の為に準備して下さいね」微笑を浮かべつつ、クロトは言う。
「次の・・・出番、だと?!」
「・・・デジャブって怖いですわね」「いや、テメーに言われたか無ぇっ!!」
「あの肉片から再生するとは・・・一体、どういうフラグなんだ?!」「って、不細工! おめーもまだ居るのかよっ!!」

「それはそうと。私、ずっと看護役なんで気晴らしをしたいんですよね・・・」相変わらず微笑んだまま、クロトが言う。
「でしたら自分が…」「…いえいえ。ココにはもーちょっと過激な娯楽があるんですよ・・・」

そう言って、にこにこと微笑んだままクロトはウドランの方を向く。

「と、いう訳で。さぁ、逝きましょうか? ウドランさん。今度はどういう姿で戻って来るか、楽しみですわ・・・」


      〜 第十三試合終了 〜    第十四試合に続く! 続け!