未確認動物部隊UMA テスト2


「・・・・・・遅い」

人が待ち合わせ場所に、シューマッハもかくやのスピードで到着してみれば、待ち人まだ来たらじである。
あの男が時間にルーズなのは、とっくの昔に承知しているが。なにもこんな時にも律儀に遅れなくても良いだろう。
ああもう寒い。寒すぎる。先程までの戦闘による昂揚が過ぎ去り、忘れていた寒さがぶり返して来た。
それはもう、冷や汗をタップリと掻かされたせいか。寒さがより酷くなったのは、間違いないだろう。
いや実際の所、もう寒いとか言える次元ではないのだが。なんと表現したら良いだろうか。

・・・・・・お祖母ちゃんが、川の向こうで手招きしてる感じ?


ヒュンヒュンヒュンヒュン・・・・・・。


男の意識が空の彼方に旅立とうとした時、男が見つめる空の彼方から、静かな金切り音と共に巨大な円盤が姿を現した。
濁りし銀色の衣に覆われた、飛行する謎の巨大な飛行体。端々から溢れる強い光が、男の周囲を眩く照らしていく。
その光景はまさしく、SF小説に登場する『U.F.O』そのものであった・・・・・・。

「いんやー大佐、ゴメンゴメン。さっきその辺の草むらで、ツチノコ見つけちゃってさー」

あい変わらずの、人を喰った様な声が静まりかえった密室に響き渡る。
寒さに震えながら待ち焦がれていた男にとっては、待ちに待った救い主の登場な訳ではあるのだが。
現われてもちっとも嬉しくない救世主(メシア)というのも、中々に稀有な存在である。

「こんな雪山に、ツチノコなんか居るわけ無いでしょうッ!嘘つくならもう少し、笑える嘘にしてくださいッッ!!
それに、博士はもう少し・・・・・・もういいです。早く艦に収容してください」

相手のペースに乗せられると、このまま何時まで経っても極寒の真っ只中だと気付いた男は、早々に恨み言を切り上げた。
今迄幾度と無く繰り返されてきた、最早様式美と言っても良いくらい、使い古された会話内容である。
恨みを伝えるのも、時と場合。ケース・バイ・ケース。

『ははははは、了解したよ大佐殿』

ヒィューーーーーーーーーン・・・・・・。

UFOから発せられる金切り音が、1オクターヴ高くなるやいなや。
円盤の底が『カパッ』と開き、開かれた底より放たれた眩い光の柱が大猿人を包み込む。
その光が全身に行渡った時、なんと猿人が、全長40mを越す大猿人が、少しづつ大空へと浮き上がって行くではないかッッ!!
その様はまるで、UFOにアブダクション(誘拐)されるゴリラの様であった。

少しずつだが、確実に舞い上がり続ける大猿人。そして遂には、謎の飛行物体の底へと吸い込まれていった。
大猿をその腹の中に仕舞い込むと、先程まで開き放たれていた謎の扉は、また元の形へと戻り。
発せられる金切り音も、先程までの静けさを取り戻す。


・・・・・・・・・・・・ヴィッン!


暫しの静寂の後、空飛ぶ円盤は。『忘れ物を家に忘れてきた事に気が付いた小学生』の様に。
幾度か左右への急制動を繰り返すと、我が家への帰路への意思を決めたのか。
どんよりとした雲が密集する遥か空の彼方へと、猛烈なスピードで消え去った・・・・・・。


ココは件(くだん)の円盤の内部。

「ん〜〜〜〜〜」

男は『窮屈な個室』から、『吹雪が吹き荒れる雪山』から、そして何より『死線』から。
ようやく開放され、固まり縮こまった身体を伸ばすべく、その大柄な身体をフル稼働させ背伸びをした。
男の身体の端々から『ゴキン!ゴキン!』と鳴り響く、厳粛な骨音楽が彼の闘いの凄さを物語る。

「大佐おかえりなさーい!」

「おかえりなさい大佐」

戦場(いくさば)から帰還した男を、迎える声ふたつ。先程まで密室に響いていた、男の声ではない。
まだ若い子供の声。柔らかく、それでいて。此方の心が安らぐような、そんな声。
その筋の人々からすれば、たまらなく愛おしいと思えるような、そんな声

「おう、出迎えご苦労!」

大佐と呼ばれた男は声のする方へと振り返り、軽く手を上げると。声の主達へ、挨拶に対する労いの言葉をかけた。
振り向いた先にいたのは、大佐よりも一周りも二周りも小さい身体をした子供が二人。
軽くクセのかかった髪は栗色で、愛らしい声に寸分たがわずその容姿も愛らしい。
そして、一目で双子と理解できるくらい二人とも、全くといって良いほど同じ背丈に、同じ容姿をしていた。
服も同じ服装な為に、まるで鏡写しの様な印象を受ける。
その容姿の為、果たしてどちらが男なのか女なのか、はたまたどちらも同じ性別なのか。それすらも判別できないほど、全てが同じであった。


「ズルイよー大佐、アタシも遊びたかったよー」

おそらく、先程の戦闘を見ていたのであろう。大佐だけ、実戦を行なったのが不満だったのか。
双子の片割れの一人がブーたれながら、大佐の腹部を『ぺしぺし』と小突く。
子供特有の『相手に思いやりのひとつも見せず、全く手加減をしない拳』の為、思わず大佐が唸ったのは、言うまでも無い。

「こっちはなにも、遊んでたワケじゃねえんだぞ馬鹿。なんなら次は、お前が耐久やるか?
 もしかしたらまた、異星人のロボットが出てくるかもしれないぞ?」

「それは嫌ッッ!!」

大佐が悪戯っぽい笑みを浮かべながら、不満をこぼす双子の片割れに向かって提案する。
即座にその提案を、両腕を胸の前に交差させ、身体全体でめいっぱいに表現して拒否する双子の片割れ。
もちろん大佐は、本当にそんな事をさせる気はサラサラないが。相手もそれを十分に理解してのやりとりである。

「寒かったでしょ大佐?んふふー、温っめたげる」

「あ、ボクも」

先程の発言を忘れさせようとしたのか。双子はそう言うやいなや、大佐の身体によじ登り始めた。
身長が2mもかくやという大きさの、大佐の身体を器用にもヒョイヒョイと上っていく双子。
ついに肩にまでよじ登った双子は、大佐の顔に向かって力一杯にハグをした。

「あーもう、うっとおしいなお前ら。それに俺は、抱きついてもらうならお前らみたいな幼児体型じゃなくって、
こう・・・・・・ボイーンとした女性に、抱きついてもらいたいんだよ。わかるか?
って言うかお前ら、さりげなく人の頭を叩くな!人の髪に触るな!ヘアースタイルが崩れるだろうがッッ!!」

ハグついでに、大佐の頭を玩具にし始める双子達。大佐が身体を上下に振っても左右に振っても、一向に止める気配がない。
2m近くから落下した場合、落ち所が悪ければ普通に絶命しそうな訳だが。自慢の前髪を弄られたせいか、
大佐はその辺りの事をまったく配慮もせず、更に激しいヘッドバンキングで応戦するのだった。
むしろ、大佐のその行動が余計に子供達を増長させていると言う事は、言うまでもないのだが。


「さっきの話だけどさ・・メアリーみたいな人だったらOKなワケ?」

「そうそう、メアリー女史みたいな女性なら、抱きついても良いですよーっと」

人の頭に飽きたのか、さすがに弄るのを止めた双子の片割れが大佐に向かい、先程の言葉に対する疑問を口にする。
それに対し、もうどうでもいいやと言わんばかりに。青息吐息の、なあなあ返答で応答する大佐。
その『メアリー』当人が、自分の後ろに迫っていることも知らずに。

「私が何なのです大佐?」

思わぬ方向から発せられた声に驚き、反射的に振り向いた大佐の鼻先数cm前に、一人の女性が立っていた。
肌はきめ細かく、淡雪の如き白い肌。瞳は濃く深い青。プラチナブロンドの髪を、行動の邪魔にならぬよう髪留めでまとめ。
その容姿は、見た者が思わず溜め息がこぼしてしまうほどに、美しく整った顔立ちをしていたが。
その容姿に反目するが如く双眸には、力強い光に満ち溢れており、凛とした空気を周囲に発していた。

「あのねーメアリー。大佐は、メアリーみたいな人に抱きついて欲しいんだってー」

双子の片割れが大佐の肩に乗ったままの体勢で、先程の話題を空気も読まずに掘り返す。

「・・・・・・本当ですか大佐?」

「・・・・・・ええ、まあ。た、例え話みたいなものですが」

メアリーと呼ばれたブロンド美人は、じとーっと、大佐を凝視しだした。
その双眸の光は、それはもう凄まじいの一言で。さしもの大佐といえども、言葉もマトモに選択すらできない程であった。

「・・・・・・一応、褒め言葉として受け取っておきます。ありがとうございます大佐」

「・・・・・・いえ、どういたしまして。」

じとーっとメアリーにガン見された大佐は、視界を外し虚空を眺めつつ、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ。
まるで、先程までの雪山にいるかのように。周囲を取り巻く空間は凍りついたままであった・・・・・・。


「お疲れ様だね〜大佐殿。約束の珈琲をお持ちしましたよ〜」

そんな空気を打破するべく、現われたのでは『無い』のは間違いないが。
通路の奥から、ゆらゆらと湯気の立ったマグカップを片手に、一人の男が姿を現した。
巨大兵器『ビッグフット』の開発者であり、テスト中に大佐とのやり取りをしていた、ユーマ・ヤオイ博士その人である。

髪は伸ばし放題で。前髪を少々残し、余りは全て無造作に後ろに流し束ねていた。
ソコソコに整った顔立ちが見て取れるが、無精ヒゲのせいで幾分損をしている様だ。本人は気にもしていないだろうが。
黒縁の眼鏡に隠れ、瞳は良く見えない。口元には、人を皮肉っているような笑みを浮かべながら、こちらへ向けて歩を進めてくる

「大佐!まだあんなコールタールの様な液体を飲んでいるのですか!?
 博士と言い大佐と言い、私に紅茶の素晴らしさを何度説明させれば気が済むのですか、まったく!」

奥から現われた男の言葉に反応して、大佐の隣にいたブロンドの女性が『くわわ!』と口を開く。
その凛として美しい容姿は怒りを表してもなお、彼女の魅力を失う事はなかったが。
あいも変わらず対象に、有無を言わさぬ迫力に満ちみちていた。

「いや自分は、今は身体が温まれば別に何でも・・・」

ブロンドの女性の物凄いの剣幕に、しどろもどろになりながらも大佐は言葉を紡ぐが。
この言葉が、更に火に油を注ぐということに、大佐は言葉を全て言い終わってから気が付いた。

「いーえ!大佐達が救いがたい人種だという事は、もう十二分に理解致しました。
 せっかく大佐の為にお淹れしたお茶が無駄になりましたから、紅茶は子供達と頂く事にします。
セレス、サノス。向こうでスコーンでも食べながら、お茶にしましょうね。」

「は、はーい!×2」

ブロンドの女性に名前を呼ばれた双子は、女性の後に続き、通路の奥へと消え去った。
いやむしろ、子供達を強引に連れ去ったと言った方が正しいか・・・・・?
うん、子供達も。こちらをチラチラと見てるし。


「ああ、もう・・・・・」

最初からメアリー女史が、紅茶を淹れてくれていたとわかっていれば、博士との珈琲の約束などしなかったのに。
やはり今日は、人生最悪の運勢で間違い無い様だ。うん、そうに間違いない。ここまでの悪境、そうはないぞ。
大佐は、行き場の失った手をだらりと下げると、博士の方へと顔を向きなおす。


「・・・・・・さて大佐殿、騒がしい面々が去った所で『イエティ』の感想を聞こうか」

困惑気味な表情を浮かべながら、博士は腰に掛けたボードを手に持ち直しつつ、大佐に向けての用件を切り出した。
先程の実戦での、機体の感想を聞きたいのだろう。期待を込めた眼差しでこちらを見つめている。
こちらの気も知らないで、まったく呑気なものだ。

「『イエティ』?・・・・・・機体の名前は『ビッグフット』と、博士直々に教えてもらったハズですが?」

博士の口から突然、耳慣れぬ言葉が出てきたせいか。大佐は試作機の名前を思わず聞き返した。
博士には変な所に『こだわりを持つ』と言う、はた迷惑な性分があり。今までにも同じ事が幾度も有った。
その度に現場が混乱する為。大佐はそのような時は、素直に聞き返す事にしていたのだ。

「大佐殿、雪山なんだから『イエティ』に決まっているだろう?せっかくの、寒冷地仕様なんだからね」

博士はやれやれといった感じで、さも皆が知っていって当たり前な常識を答えるかの如く。
大佐の質問に対して答えた訳ではあるが、一般の常識で無い事は誰から見ても明らかな為、。
再び大佐の頭上には疑問符が浮かぶ事となった。

「で・・・・・・、例のビッグフ・・・『イエティ』についての感想ですけど。
今の所は問題は無いですね。パワーも申し分ないですし、スピードも予想以上のモノでした。
 急ごしらえの寒冷地仕様でしたが、現在のままでも十二分に使用に耐えうるでしょう。
願わくば次は、パイロットスーツをしっかりと着込みたい所ですがね。
問題があるとすれば大きさですか、さすがにコレはやりすぎでしょう博士。例の異星人が使う起動兵器より、2倍は全長がありましたよ。
 正直、あと10mはシェイプしないと量産には向かないでしょうね」

大佐の贔屓目の無い、率直な感想に耳を傾けながら、博士は要所要所うんうん頷くと。
その手が残像で見えるくらいの猛スピードで、ボードにペンを走らせる。

「だろうね・・・・・・いや、アレでも僕は遠慮した方だよ。うん。
本当は全長120mで、ロボットと爆撃機と、重戦車に変形するヤツ作ろうと思ったんだけどね。
さすがに、予算が足らなくなりそうだから止めたのさ。うーん、僕的には良い案だと思ったんだけどねー」

博士はケラケラと笑いながら、己の趣味丸出しの妄想を嬉しそうに喋りだした。
正直な所、博士の今までの行動からして、本心とも冗談とも図りかねる発言である。
この男なら本当に、予算があれば普通に作り上げそうで恐ろしい。

「そんなスーパーロボット、『ジェームス・ボンド』でもない限り、乗りこなせませんッッ!!
 明らかに量産させる気ないでしょう博士。そんなもの作られたら、笑い話にもなりませんよ」

この男に開発を任せて良いものかと、知り合ってからそれはもう、幾度と無く思ってきた訳だが。
よくよく、心配になってきた。いやもう、本当に大丈夫だろうか。うん。
一度、この男の頭蓋を割って脳味噌を見てみたいものだ。中で小人が、せっせと働いてんじゃないか?


「まあまあ、止めたんだから良いじゃないか大佐殿。上が高性能な戦闘機と大型戦車を作れって言うものだからねー。
 つい、両方良い所取りのを作ってやろうと思ったのさ、上層部の要望からは外れてないだろう?
 ま、大佐の言う通り。誰も乗りこなせない高性能機なんて、『動かない鉄の棺桶』だからね〜」

使い手の存在しない兵器など、兵器として生まれたとしてもそれは既に、兵器とすら呼べないモノ。
操縦者を選ばず、新兵にも熟練兵にも対応できる。そんな量産機が、異星人と対するには必要なのだ。
アムステラが用いる操兵の存在によって、戦闘機や戦車での戦争の時代は終わりを告げたのである。

従来の兵器では太刀打ち出来ず、辛酸を舐めてきた各国も。新兵器の開発に着手し始めたた昨今の情勢を見れば。
今更に昔の兵器をブラッシュアップしても効果は薄いだろう。現在の状況を打破する為には、全く新しい機軸での兵器が必要なのだ。
だからこそ、博士の出番な訳だがこの人は・・・・・・。

「とりあえず、『イエティ』の出来栄えを見た上が、GOサインを出してくれたお陰で。
他の試作機も、実戦でテストして良いって話だし・・・・・・。ココから先は、大佐の指揮の見せ所だね。
 その手腕に期待しているよ、『黒鬼』さん」

博士は、こちらの反応を楽しむかのような瞳で、こちらの双眸を見つめてくる。
もちろん、ボードに走らせるペンのスピードは全く落とさずに、その様はまるで手品のようだった。
よくもまあ、紙面も見ずに文章が書けるものだ。素直に感心してしまう。

「まったく、博士も上も。私を過大評価し過ぎだと思いますが・・・後ろが後ろなんで、頑張りますよ。
ガキ共に、目の前で死なれては寝覚めが悪い。勝手に逝くにしても、歳の順は守ってもらいませんとね」

自分に与えられた責務を全うするだけ。ただそれだけなのに、それがとてつもなく難しい。
幾多の戦場で、幾多の鉄火場で、男は戦い続けてきた。時には、誤情報に踊らされ。手痛い代償を払った事もあった。
時には、何も出来ずに。自分以外の味方が目の前で全滅した事もあった。それでも男は歩みを、前進を、生きる事を諦めなかった。
だからこそ博士は、この隊の戦闘隊長に大佐を選んだのだ。失う事の辛さを、誰よりも知っているこの男に。


「あはははは、それはそうだね。まったく大佐の言う通りだ。・・・・・・あー、邪魔が入ったせいで伝えるのを忘れてた。
今しがた、『フェイスレス』の上層部からの指令が、僕らに下ったよ。
『各国の異星人との戦闘を支援しつつ、量産機完成に向けてのデータを取得せよ』ってさ。
・・・・・・ようやく僕達、『UMA』の晴れ舞台ってワケだねえ」

大佐の試作機に対する感想や、その問題に対する改善点などをまとめたのか。
先程まで一向に、止まることのなかったペンがピタッと止まると、博士はボードを小脇に抱え。
手をヒラヒラと大佐に向けて振りながら、ドックから今来た通路へ向けて歩いていった。


「そうですか、遂に作戦開始ですか・・・・・・」

誰もいなくなったドックで大佐は一人、虚空に向けてひとりごちた。

上からの指令が降りたという事は、あの幼い子供等を戦場に駆り出すという事だ。
まだ年端もいかぬ子供を戦場へ放りこむなど、マトモな大人の神経でする事ではない。
しかし、自分達はそれをしなければならない。子供達を戦場に、容赦なく送り出さねばならない。
だが、彼らは全てを承知してこの部隊にいる。戦場に出れば、未来が一瞬で閉ざされる事となろうとも。
そして、それを止める権利など自分には持ち合わせていないのだ。これほど、情けない大人がいるものか。

理解していても割り切る事が出来るほど、自分はまだ達観していないつもりだ。
そんな自分に出来うる事と言えば、生き残る為の戦いを教えるだけ。人殺しの技術を教える事のみ。
己を守る為に、進んで相手の蝋燭の光を消させるなど、なんとも皮肉な話じゃないか。


今の己の姿を、鏡にそっくり映して見れば。
まだ新兵だった頃、自分達を見守ってくれていた教官の姿に良く似ているかもしれない。
一抹の寂しさと、己の不甲斐なさを悔やむようなあの姿に・・・・・・。


続く