ムキィ ムキムキ!ムキィ!!
それは、ある種の怪奇現象であった。
頸椎をマットに叩き付けられたブラックゴールドの“異変”!!
筋肉が膨張している・・ッ!!
ハンドレッドと同程度の身長ハズが、確実にデカくなっている!!
ありうるのか?こんな事が??試合中に巨大化するレスラーだと・・・???
だが・・・!!
現に目の前に、こうして存在して“居る”ッ!
ブラックゴールド!ブラックゴールド!!
208cm149kgの大男にして、地下プロレスのチャンプ!!
これまでの防衛戦の中で、恐らくは最強と思わしき“ジ・ハンドレッド”を前にッ!!
更なる恐怖を覚え!そして恐怖した事により『未知なるパワーが発揮された!!』
『 そ れ が “ 巨 大 化 ” ! ! 』
220cm168kgと言ったトコロであろうか?
誰がどう見てもデカイ!コイツ、試合中にデカくなりやがった!!
非現実的な“現実”が目の前で起こっている!!
デカくなる事だけを見れば、さして珍しい事では無い。
例えば成長期。例えば骨延長手術。暴飲暴食をすれば、体重がモノを申して来るだろう。
成長と言う面で見れば、タミフルを飲ませたハイハイ歩きしか出来ない赤ん坊が、その日に立ったと言う実例もある。
しかし・・!!
これは余りにも“異常”である・・!!
これは余りにも“化け物”染みている・・・!!
10分程度の攻防の中、背が高くなり、筋肉が膨張する人間など何処にいるのだ!!?
事実、観客達もこの異常な状況に・・・!!
「「「・・・・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!??」」」
声ならぬ悲鳴を挙げている。
ゾッとした。俺達は血を見たいと思っている。助けてくれと懇願する敗者をみたいと思っている。
だが、これは・・・これはちょっと・・・・。ドーピングのやり過ぎか?今頃それが効いて来た??
不可解だ!“不可解な異形”は恐ろしく感じられる!!
ドヨ・・・ ドヨ・・・ ドヨ・・・
ドヨ・・・ ドヨ・・・ ドヨ・・・
ドヨ・・・ ドヨ・・・ ドヨ・・・
ドヨ・・・ ドヨ・・・ ドヨ・・・
そんなどよめきの中、ブラックゴールドが口を開いた。
「これは初めてだ。これ程までにパワーが溢れ出た感覚は無いぜぃ?」
「さっきまで同程度の目線に居たアンタが、今じゃ見下ろせるトコに居る。」
「言うならば『俺は人間を止めるぞ、ハンドレェ〜ッド!!』ってカンジかい??」
「まだ怖い。怖い事は怖いがこの上無い程『ハイってヤツ』だぜぇ〜い!!!!!」
ハンドレッドがこう言う。
「己が身に起きた吉兆に、愉悦を覚えていると言ったトコロか。」
「生憎ワシは、その手の『身体変化』で驚きを覚えぬ性質でな。」
ブラックゴールドはご機嫌だ!
「クッヒッヒ!そりゃど〜も、しっつれいしました〜てかァ〜?」
「が、確実に俺、歪みなくなったぜ。恐怖を消しさる時ぞ今ってカンジだぁな・・・!!」
「ミスター・ジ・ハンドレッド。言い残す言葉はあるかぁ〜い??このお耳で聞いてやるよ、モシモシしてくれよ、ハンドレェ〜ド!!」
ハンドレッドはこう言い放つ!!
「ならばその言葉、そっくりそのまま貴様へ返そう・・・ッ!!」
「如何なる敵であろうと!ワシは勝利しこの2本の足にて、リングを降りるのだッッ!!!」
ッ
ッ
「 来 る が 良 い !
そ し て 目 に モ ノ を 見 せ て や る ッ ッ ! ! ! 」
程
無
く
グォォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オオ オ オ ン ン ン ンン ! ! ! ! ! ! ( “ブラックゴールド”が突進したァーッ!! )
・・・・
○超鋼戦機カラクリオー外伝
クロガネの賛歌・番外 ー 響 鐘 ゥ ! 地 下 プ ロ レ ス 編 ! ! ー
「 化 け 物 ど も の 血 み ど ろ 決 戦 ! 」
・・・・
「 俺 の 肩 は “ シ ョ ル ダ ー タ ッ ク ル ” だ ぜ ぇ い ! ! ! 」
突進!ハンドレッドに!肩を突きだして!ぶちかまし行ったァァアァァアアアアアアアアアアア!!!!!
・
・
・
・
・
・
・
ズッッ ッ ッ
ドォオォ ォ オ オ オ オ
オオオオオオ オ オ オ オ オ オオ ! ! !
「ぬぅぅうう・・・ッッ!!堪え切れぬか・・・ッッッ!!!!」
ズ バ ァァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ! ! !
ショルダータックルをッ!まともに食らったジ・ハンドレッドは!!
ドッッ ッ ッ ザ ァ ァァ ア ア ア ア ア ア アア ア アア ア ! ! !
ッ
ッ
コーナポストにまで、吹っ飛ばれるぅぅぅぅうううううううううう!!!
「ググゥ・・ッ!!」
・・〜〜ッ!!! (一種の張り付け状態になったァー!!)
ッ
ッ
「もッ一発ァァァァァ ァ ァ ァ ア ア ツ ! ! ! 」
ッ
ッ
ズォォォオオオオオ! (コーナポストに居るハンドレッド目掛けて!)
グゥグォオオオオオ! (もう一発ショルダータックルをブラックゴールドがッ!!)
ッ
ッ
対し!我等がジ・ハンドレッドはッ!!
「来るが良いッ!!」 (ハンドレッドは避けない!そのまま受け止めるつもりだッ!!)
これぞ耐撃の矜持ッ!!
例え吹っ飛ばされた技であろうともッ!!
真 正 面 か ら 迎 え て 撃 つ ッ ッ ! !
ッ
ッ
対し!ご機嫌ブラックゴールドはッ!!
「カッコ良いねぇー!だが、そのカッコ良さが命取りだぜぇぇえぇえぇぇぇ〜〜〜い!!!」
「サンドイッチにしてやる!喰らえ!俺の肩は“ショルダータックル”だぁぁぁあああああああああ!!!」
そのまま直進ッ!!
ど真ん中に思い切る体当たりが向かうッ!!
そ
し
て
ドッッッッギャアアアアアアアアア
アア ア ア アア ア アア ア ア
ア アン ン ンン ン ン ン ンンン ! ! !
激突音!激突する音ォー!!
哀れジ・ハンドレッドは!
肥大化し、未知なる筋力を手に入れた“ブラックゴールド”にッ!
見るも無残にもコーナポストで “ サ ン ド イ ッ チ ” に ・ ・ ・ ッ! !
否
否
ァ
!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ッ
ッ
それは力点に対しッ!真正面返しをした防御法ッ!!
右の足を“マット”に!左の足を“コーナーポスト”に!!
そして腹筋と胸筋を“ブラックゴールド”に向け、包み込むように“ショルダータックル”を『 受 け 止 め る 』ッ ! !
正面から力に対し、最大限のパワーで持って、受け止める事が出来る『 最 善 の 防 御 策 』で あ る ッ ッ ! !
ッ
ッ
ブラックゴールド。
「赤胴を殺しただけあるな。単純な技量。戦闘知能もまた長けている。」
「更には『赤胴真空切り』をまともに食らっても、耐え得る事の出来る“筋肉の鎧”ッ!“身体能力”ッ!!」
「怖い!恐ろしい!恐怖を覚える・・・ッッ!!震えてきそうだヒヒヒヒィ〜〜〜〜〜〜!!!????」
だ
か
ら
「このままだ!このまま!このまま!!」
「このまま押し潰してやるぞ、“ゴールデン・ショルダー・ブラック・プレッサー”ッッ!!」
ッ
ッ
ギリ・・・ギリギリ・・・ギリリ・・・・!! (ブラックゴールドが強引に押し込む・・・ッ!!)
ッ
ッ
ギリ!ギリ!キュッ!ギギ!!ギ!ギリリ!! (負けじとジ・ハンドレッドが押し返す・・・ッ!!)
ッ
ッ
ギリ・・!ギリ・・!ギリ・・!ギリ・・!! (一進一退・・“否”ッ!!)
ッ
ッ
クィハハハハハハヒヒヒィィィィィィィ!!! (この攻防ッ!は“ブラックゴールド”が『 有 利 』ッ!!)
ッ
ッ
「コーナーポストだけに、逃げ場はねぇぜぇ〜い!!」
「このまま!このまま!このまま押し殺してやるかぁぁぁぁぁぁッ!!!」
ッ
ッ
ギリギリギリギリリリリリリリリイリリリ!! (押し込む!押し込む!押し込む!!)
ッ
ッ
ギイリリリリリリリリリリリリリリリリリ!! (圧迫祭りだ!圧殺するぜぇ〜い!!)
し
か
し
!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ジ・ハンドレッド!!
「ワシの右足の位置を知らぬのか?両足ともコーナーポストにある事実を。」
ブラックゴールド!!
「あぁん?それがどーした!両足使って垂直に押し返そうが、俺のが強ぇぇんだ・・・よッッ!!」
ジ・ハンドレッドォー!
「脳筋とはよくぞ言ったモノだな。ワシはこのまま“ロープを歩くのだ!!」
ブラックゴールドォー!
「ぬわぁ!?ぬわにぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいい!!!?」
ッ
ッ
ト… (一歩であった。一歩右のロープへと足を踏み出したその瞬間ッ!!」
グイン!!(ロープがひしゃげ!更なる反作用となって、ブラックゴールドを押し返すッ!!)
ト…ゥ!!(そして、もう一歩・・・ッッ!!)
ッ
ッ
グォォ ォ ォ ォ ォオオ オ
オ オオ オ オ オ オオ オ
オ オオ オ オ オ オオ オ オ ン ン ! ! !
( 自力+固定された足場+ワイヤーロープの反作用=『強烈な押し返し』ッッ!! )
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「うぉわぁぁぁああああ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! 」
さしものこれには、ブラックゴールドも押し切れなかったッッ!!
急激な膨れ上がる反作用利用しッ!ジ・ハンドレッドは押し返すに成功するッ!!
そ
の
ま
ま
!
ジ・ハンドレッド!!
「寝技ならば、筋力の差に大きなウェイトを占めぬ。」
「手始めにその腕折ってくれるぞ、ブラックゴールド!!」
ッ
ッ
ドンッ!! (それは!)
ドン!!! (飛び付き腕拉ぎ十字固めの要領で!)
ド!!!! (ブラックゴールドに絡みつき!!)
!!!!! (ブラックゴールドを組み倒す!!!)
ッ
ッ
ジ・ハンドレッド!!
「ぬぅぉぉおおおおおおお!!!」 (腕拉ぎ十字固めで、腕を折りに掛かるジ・ハンドレッド!!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「クィィィヒィィィィィイ!!!」 (両手をクラッチさせ、そうはさせじと堪えるブラックゴールド!!)
ッ
ッ
ジ・ハンドレッド!!
「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 (全体体重を傾けて、腕を折りに掛かるジ・ハンドレッド!!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「ヒィヒィィヒィィィヒイ!!!」 (絶体絶命!最早折られる寸前のブラックゴールドッッ!!)
だ
が
!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
そ
れ
は
!
再び恐怖を覚えた事による、異常なパワーッ!!
この男、まだまだ強くなると言う事だ・・・ッ!!
パワーだ!パワーだッ!力こそパワーだァーッ!!
ヘラクレスにでも愛されたかのような“力の化身”!!
ッ
ッ
ムキ!ムキムキ!ムキィィィイイイイイイイ!!(更にも力が肥大化するッ!!)
ッ
ッ
恐怖だ!恐怖だ!恐怖を覚えるのだ!!
何も出来ない事が恐ろしい!力無き事が恐ろしい!!
だから恐怖をすれば恐怖する程に肥大化して行くこの“パワー”に愉悦を覚えるッ!!
ッ
ッ
力!力こそ正義だ!!Supermanみてぇなパワーで、この窮地も乗り切ってやるッッ!!
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「クッヒッヒッヒッヒィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」
ム
ク
!
何気ない!当たり前のような行動!!
“ 立 ち 上 が る ” ! !
何と、十字固めを食らってる状態で立ち上がったッ!
ブラックゴールド!
「俺って力持ちだろう、ジ・ハンドレッド?」
ッ
ッ
ジ・ハンドレッド!
「ムゥ!」 (技を外そうとするが!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「駄目だぜ?逃げちゃあ??」 (ガシッ!ハンドレッドの右脚を掴んだ!!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「力だ!腕力だ!!力こそが全てを制するッッ!!」
ッ
ッ
ガチッ! (もう片方の手もハンドレッドの右脚を掴んだッ!!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「クィィィヒッヒッヒッヒッヒ!!」
ッ
ッ
ブゥン!ブゥン!!(上下に!上下に!!)
ッ
ッ
ブンブンブゥン!!(ハンドレッドと言う“鞭”をしならせるかのように!!)
ッ
ッ
ブォォォオオオ!!(腕力で持って、上下させるブラックゴールドッッ!!)
ッ
ッ
ブラックゴールドォー!!
「クヒヒヒ!『ゴールデン・ホイップ・ブラック・スロイダァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 』 」
グォォォォ!! (“ゴールデン・ホイップ・ブラック・スロイダー”!!)
ォォオオオ!! (原理は簡単ッッ!!)
オオオオオ!! (投げつけるのみ!!!!)
「クィィィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ハ ァ ァ ァァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア アア ! ! ! 」
ズォォォォ ォオ オ オ オ オ オオ
オオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オオ オ
オオ オ オ オ オ オオ ン ン ン ン ! ! ! ! !
ドッ ッ ッ ッ ッ グ ゥ ゥ ゥ シ ャ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !
( ジ・ハンドレッドを逆方向のコーナーポストに叩きつけたぁぁぁああああ あ あ あ あ あ ああ あ あ あ あ ああ あ あ ! ! ! ! )
ッ
ッ
十字架にでも磔(はりつけ)られたかの如く、コーナーポストでうなだれるジ・ハンドレッド!!
ッ
ッ
ブラックゴールドッ!
「クヒッヒッヒッヒッヒッヒ!クァハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
「これで終わりだろう、ジ・ハンドレッド? 後はその首捩じ折ってやるぜッ!!!」
ッ
ッ
ト… ト… ト… ト… (ブラックゴールドが歩み寄る。)
ッ
ッ
ブラックゴールド!
「ほぅ・・・・。」
ッ
ッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「・・・ムォ!」 (徐々に!)
「ォォォオオ!」 (徐々に!!)
「〜〜〜〜ッ!」 (ジ・ハンドレッドが立ち上がる!!)
ッ
ッ
それを目視したブラックゴールドはッ!!
「クヒィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
ヴァァアアアアアンン!!! (ハンドレッドへ向かってダッシュ!!)
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「クッヒッヒッヒッヒィ〜ン!!」
「“ゴールデン・ストーム・ブラック・チョッパー”!!」
「チョップの連打で、コテンパンだぜぇ〜い!!」
「俺のチョップに酔いな!ジ・ハンドレッド!!」
ッ
ッ
シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! (チョップだ!チョップだ!チョップだ!チョップだ!!)
シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! (何度も!何度も!何度も!何度もォォオオオオーー!!)
シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! (嵐だッ!嵐だッ!嵐だッ!嵐だァァアアアアーーッ!!)
シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! シュバァン!! (チョップの!チョップの!チョップの!チョップの!!)
ッ
ッ
「グゥ・・・!!」 (防御する力も無く!)
「グ・・・・!!」 (力無く耐える、ジ・ハンドレッド!!)
ッ
ッ
グォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! ( ブラックゴールドは己が右腕をぉぉぉぉおおおおおおお!!! )
ッ
ッ
「クゥイハァー!!ゴールデン・アーム・ブラック・ボンバー!!」
( 力任せに叩きつけたぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!! )
ドッッ ッ ッ ッ
グゥ オ オ オオ オ オオ
オ オ オ オ オオ オ オ オオ オ ! ! !!
「グゥウウウウ!グム・・・・ッッッ!!!」
グワッ シ ャァ ァ ア ア ア ア ア ア アア ! ! ( ジ・ハンドレッド!耐え凌ぐッッ!! )
ッ
ッ
ギャゥゥゥゥイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンン!!! ( ブラックゴールドは己が左拳でぇぇぇえええええええ!!! )
「俺は右腕のサウスポー!喰らえ!ゴールデン・レフト・ブラック・フックッッ!!」
( 力任せに殴りつけたぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!! )
ドッッ ッ ッ ッ
グゥシ ャ ァ ァァ ァ ァ ァ
ア アア ア ア ア ア アア ア ア!!!!
「ヌゥ・・・ウォォオオオ・・・・・!!!」
グルゥオォォオオオオオオオオオ!! ( ジ・ハンドレッド!耐えるモノも足腰がふら付く!! )
ッ
ッ
ブラックゴールド!!
「クィヒッヒ!まだ倒れねぇ!怖ぇ!怖ぇよ!」
「い・一丁だ!!大技いってみっかぁ〜ウラッシャアーッッ!!」
ッ
ッ
ガシィ!! (ハンドレッドの背後から、腰回りを掴む!!)
ッ
ッ
「パッワァホォール!! ゴールデン・捻り式・ブラック・バックドロップ!!」
( 力任せに投げつけたぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!! )
ッ
ッ
「クィィィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ヒ ィ ヒ ィィ ヒ ィ ァ ア ア ア ア ア ア アア ! ! ! 」
グォォォォ ォオ オ オ オ オ オオ
オオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オオ オ
オオ オ オ オ オ オオ ン ン ン ン ! ! ! ! !
ドッ ッ ッ ッ ッ グ ゥ ゥ ゥ シ ャ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !
( ジ・ハンドレッドに!捻りを加えたバックドロップで持って!! マットに!マットに! 叩きつけたぁぁああ あ あ あ ああ あ ! ! ! ! )
ッ
ッ
ジ・ハンドレッドッ!
「・・・・・・〜〜〜〜ッ!!」
痙攣する肉体!誰がどう見ても・・『大ダメージ!!』
ブラックゴールドッ!
「クヒッヒッヒッヒッヒッヒ!クァハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
「やったぞ!やったぞ!怖い!怖い!怖い!でも気持ちい!最高だァ!!!」
「良しフィニッシュだ!完全にトドメを刺してやるぜ、クィーヒヒヒヒヒヒィーッ!!!」
ッ
ッ
ダッッ!! (ブラックゴールドが走るッ!!)
ダッ!!! (コーナポストに向かってッッ!!)
ダッ!!! (そしてコーナポストを駆け上がりッ!!)
!!!!! (頂点にてバク宙!狙いはジ・ハンドレッドだァー!!)
ッ
ッ
ダッシュ!ジャンプ!バク宙から成り立つこの必殺技!!
名 付 け て ェ ー ! ! ! ! ! !
ッ
ッ
「 『 バ ク 宙 ・ ゴ ー ル デ ン ・ ダ イ ナ マ イ ト ・ ボ デ ィ ・ ブ ラ ッ ク ・ ア タ ァ ァ ァ ァァ ァ ク ! ! ! ! 』 」
ッ
ッ
「クィ〜〜〜〜〜ヒッヒッ ヒ ハ ハ ァ〜〜〜〜〜〜〜 〜 〜 〜 〜〜 〜 ! ! ! 」
ッ
ッ
「後は着弾するのみだよ!俺ッ!! パ ネェ ェェ エ エ エ エ エエ ! ! ! ! 」
そ
の
時
ブラックゴールドは確かにも“耳”にした!!
ッ
ッ
「・・・・“レスラーへの賛歌 その28”だとッッ!?」
・
・
・
・
・・・・
レディ・ミィラは確信をしていた。
絶対的不利な状況。覆せぬパワー差。
しかし信じていた。何故ならそれは、この『レスラーへの賛歌 その28』の布石であるのだから。
ー 相手の力を『7』とするのなら・・・。
ー その力を『8』、または『9』までに引き上げ。
ー そして、己の『10』の力で、捩(ね)じ伏せる『 風 車 の 理 論 』を根底とした、
『 ハ ン ド レ ッ ド 殺 法 ッ ッ ッ ! ! ! 』
かつて。
この『風車の理論』を提唱した、『燃える闘魂』と呼ばれる男はこう言ったわ。
「 5の力を持つ対戦相手を、捻り潰すのは簡単だ。
その相手を7の力にまで引き上げながら、こちらは8か9の力で勝ってみせるのだ。 」
「 危険を犯しながら相手を7の力まで引き上げる。
馴れ合いでやれば、茶番(ショー)になるだろう。
だ が ッ !
命 を 賭 け て い る 『 闘 い の 最 中( さ な か )』 な ら ば ッ !
そ れ を、 『 格 闘 茶 番( シ ョ ー ) 』と は 呼 ば せ な い ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! 」
・・・・
そうッ!
耐撃にッ!
耐撃を重ねッ!!
地 獄 に 垂 れ 落 ち た 『 蜘 蛛 の 糸 』を、手 繰( た ぐ り )て 寄 せ る ッ ! !
敵者の速度と己の速度を利用し・・・ッ!
敵者のバランスを崩す・・・ッッ!!
その時、敵者の直進運動 は 、 急 激 な『 円 の 運 動 』へ と 変 わ る ッ ッ ! ! !
ー 円運動は『遠心力』を生みッ!!
ー 遠心力は、回転の中心からの距離の『 絶対値 』および『 回転運動の角、速度の二乗 』に比例して大きくなるッッッ!!
肥 大 化 し た エ ネ ル ギ ー は 、『 破 壊 力 』 と 化 し ッ ッ ッ ! ! ! !
そ し て ッ ッ ! !
そ の ま ま シ ン プ ル に 放 り 投 げ る 事 に よ り ッ ッ ! ! !
『 絶 対 無 比 の 必 殺 投 撃 と な る ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! 』
ー 師ッ曰くッッ!!
耐撃に耐撃を重ねッッ!!
5の力を持つ対戦相手の力をッ! 7まで引き上げるのだッッ!!
肥大化した力は『歪み』を生みッ! 歪みは脆くも『崩れて落ちるッッ!!!』
敵者が生み出した歪んだ直線運動とッ! お前の創り出す円の運動とがッッ!!
お前の力を『8』にもッ! 『9』にもッッ!!
否(いいや)ッッ!!!
お 前 の 力 を ッ !
『 百 力 の 大 風 車(ひゃくりき の だい かざぐるま) 』 へ と す る だ ろ う ッ ッ ッ ! ! !
そして・・・ッッ!!
これがッ!お前に教える『 最後のレスラーへの賛歌 』・・・ッッ!!!
これがッ! 俺がお前に授ける『 風車の理論 』ッッ!!
これがッ! この巴 二十八が、お前へと授ける『 最後のハンドレッド殺法 』ッッ!!
『 必 殺 投 撃 ・ 地 獄 の 大 雪 山 』・・・ッ!
改 め ッ ッ ! ! !
名 付 け て ぇ ぇ ぇ ぇ え ええ え えええええ え え え え え 〜〜〜〜〜 っっっ ! ! ! !
・
・
・
・
・
・
・
「 『 ハ ン ド レ ッ ド ・ タ イ フ ー ン ッ ッ ! ! ! 』 」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ム
ク
リ
!
ソイツはムクリと立ち上がるッ!!
迫り来るブラックゴールドをギロリと見つめる!!
ガシィ!! ( 狙いは“足”ッ! )
グォ!!! ( 掴む事にてぇ!! )
オ!!!! ( “引力”と“遠心力”の働いている“ブラックゴールドの体躯”に!! )
!!!!! ( “円 運 動”を、加算させるぅぅううううううううううッッ!!! )
ッ
ッ
「見 よ ッ !
ブ ラ ッ ク ・ ゴ ー ル ド ッ ッ ! ! 」
ーーー いかなる『台本(ブック)』や『仕掛け(アングル)』によっても演出する事の出来ない・・・ッッ!!!
ーーー 『 豪 壮 無 類 な プ ロ レ ス 殺 法 ッ ッ ッ ! ! ! 』 ーーー
『 レ ス ラ ー へ の 賛 歌 そ の 2 8 ・ ・ ・ ッ ッ ッ ! ! ! 』
『 故 ・ 巴 二 十 八 直 伝 ッ ッ ッ ! ! ! 』
そ の 名 も ッ ッ ッ ! ! !
「 『 ハ ン ド レ ッ ド ・ タ イ フ ー ー ン ッ ツ ツ ッ ッ ! ! ! 』 」
グ ” ッ ” ッ ” オ ” ォ ” ォ ” ォ ”ォ ”
オ”オ” オ”オ” オ” オ” オ” ォ” ォ” ォ”
オ ” オ ” オ ” オ ” オ”ォ”ン”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”
ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !
ズ ” ッ ” ッ ” ォ ” オ ” オ” オ” オ”オ”オ”オ”オ” グ ” オ ” オ ” オ ” 〜〜〜〜 〜 〜 〜 ッッッ ! ! ! !
・
・
・
・
・
・
・
・・・・
「 クィ ィ ィィ ィ ィヤ ァ ァ ハ ァ ァ ァ ァ ア ア アア アア ア ア ア ア アア ! ! ! ! ? 」
ブラックゴールドはこの上無く恐怖をした!!
母に殺されかけた時よりも!初めてこのリングに上がった時よりも!
当時のチャンプに挑戦した時よりも!赤胴真空切りに恐怖した時よりも!!
ッ
ッ
「クヒ!クヒヒン!!怖ぇ怖ぇ!マジ無理!!マジ無理!!」
ッ
ッ
だが、幾ら恐怖しようと!!
「ヒィギャー!!また早くなった!!!」
ッ
ッ
だが、幾ら力が肥大化しようと!!
「(まるで、俺の恐怖に呼応するかのよぉーに!!?)」
ッ
ッ
そうだ!力を倍加させて投げに転ずる『必殺投技』の性質上!!
全 て は 逆 効 果 ! ! !
ー 円運動は『遠心力』を生みッ!!
ー 遠心力は、回転の中心からの距離の『 絶対値 』および『 回転運動の角、速度の二乗 』に比例して大きくなっていくッッッ!!
ギィィ ィ ィ ヤ ァ ァ ル ゥ ルル ルルルゥ ッ ッ ォ ォ オ オ オ オオオオ オ オ オ オ ー ー ー ー ー ー ッッッッ ! ! ! !
ーーーー 百 力 の 大 風 車 は、 次 第 に 臨 界 点 を む か え て ・ ・ ・・ ッッッ 。
グ ッ ッ ッ ン ン ウ オ オオ オ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ー ー ー ー ー ッッ ッッッッ ! ! ! !
ーーーー ジ・ハンドレッドは、青コーナー!“格下コーナー”に 狙 い を 定 め て ・ ・ ・・ ッッッ 。
パ ァ ッ ッ ン ン ー ー ー ー ー ー ッ ッッ ッ ! ! ! !
ーーーー ブ ラ ッ ク ゴ ー ル ド を、 解 き て 放 っ た ・ ・ ・・ ッッッ 。
〜 〜 〜 〜 〜〜 〜 ” 〜 ” 〜 ” 〜 ” ー ” ー ” ー ” ー ” ー ” ー ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ! ! ! !
ーーーー ブ ラ ッ ク ゴ ー ル ド は、 死 を 確 信 し 『 こ う 願 っ た 』・ ・ ・・ ッッッ 。
せめて!クヒ!せめて地獄だけは行きたくないぃー!
せめて地獄だけは嫌だ!本当にどうしようもなく嫌なんだ!!?
往生際が悪いだと!?そんなん知るか!!これが人間の性ってヤツだ!!
死にたくない!もっと暴れたい!!もっと壊したい!!
愉悦したい!S○Xしたい!殺したい!殺したい!殺したい!殺したい!
ーーーーーー→→→→→→→ そして、ブラックゴールドは、『 断 末 魔 を、挙 げ る ・・・ ッ ッ ッ ! ! ! ! 』
「 『 ク ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ィ ー ハ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ーーーーー ッッッッ ! ! ? ? 』 」
ゴッッ ッッ ッ
ド ド ド
ド”ッ”ッ”パ” ァ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ”ア” ア”ア”ン” ン” ン ”ン ” ン ” ! ! ! !
・
・
・
・
・
・
・
叩きつけられたコーナポストで。
そのまま十数回回転を続けた。
止まりしその時。
ブラックゴールドの首は。
ブラックゴールドの四肢は。
全て不自然な方向に折れ曲がっていた。
この瞬間。以後30年に渡って君臨をする『“地下プロレスの王者”ジ・ハンドレッド』が誕生したのである。
そして、ジ・ハンドレッドはこう言い放つ・・・!!
「ワシもまた外道を行く者。しかれども、貴様は狂うがままに覚悟無き人間も殺す“くされ外道”である。」
「貴様に授けたモノ、それは“地獄への片道切符”だ。 閻魔にこの『必殺投技・ハンドレッドタイフーン』を土産話にでもするのだなッ!!」
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ー ブ ラ ッ ク ゴ ー ル ド 男 年 齢 4 8 歳
必殺技 『 バ ク 宙 ・ ゴ ー ル デ ン ・ ダ イ ナ マ イ ト ・ ボ デ ィ ・ ブ ラ ッ ク ・ ア タ ッ ク 』
・・・ ・ ・ ・ ・ 『 死 亡 ッ ッ ! ! ! 』
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・・・続く。