「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! !   」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


    狂喜乱舞する会場内。血に飢えた観客共は酔いて、そして酔い痴れた。
    何と強い男なのだろう。あのブラックゴールドまで倒しちまいやがった・・・!!

    俺等は今この時を生きてる事に感謝する・・・ッ。
    こんなにも!こんなにも強い男に巡り合えた事を・・!!



               ッ


               ッ



「 「 「   ハ ン ド レ ッ ド 、  サ イ コ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! ! 」 」 」





「 「 「   強 ぇ ぇ え え え え え ! ! !




        サ イ コ ォ ォ オ オ オ に 、 強 ぇ ぇ え え え え え え え え え え え え え ! ! ! ! 」 」 」



             ・

             ・

             ・


     皆で畏怖するチャンプを讃えた・・・ッ!!
     その腰に巻かるるは『王者の証(チャンピオンベルト)』。

     誰がどう見てもこの聖地(リング)の主は『ジ・ハンドレッド』であった・・・!!



     ・
     ・
     ・
     ・

     ・

     ・


     ・





・・・・




○超鋼戦機カラクリオー外伝

 クロガネの賛歌・番外 ー 響 鐘 ゥ ! 地 下 プ ロ レ ス 編 ! !  ー



 「 最 終 話 ! プ ロ レ ス 王 、 此 処 に 在 り ! ! 」







・・・・







ー “柳生月心斎”宅


日本防衛軍空軍長官『柳生月心斎』。
この度、ジ・ハンドレッドとレディ・ミィラに地下プロレスの存在を教え、そして勧めた男であり。
日本防衛軍に圧力をかける「蔵金 馬黒(くらがね ばぐろ)」こと『ブラックゴールド』の殺害を依頼した男でもある。

その柳生が2人にこう尋ねる。

「本当に謝礼金は要らんのかね?」

「無理に渡すつもりはないけど、何かと必要になるハズだよん。」


ハンドレッドが答える。

「ケジメだ。柳生の爺さん。ワシ等は裏社会の人間。」

「公式非公式関係無く、金品に受け渡しは行わぬ方が良い。」


再び柳生が尋ねる。

「レディちゃんも同じかね?」


レディが答える。

「お爺の気持ちを、無碍にしたくないけど・・・。」

「これとそれはってカンジね。余り関わらない方が良いわ。」


柳生が頭を掻きながら。

「律義じゃのう。鈴之進ちゃんもそうじゃったな。依頼を受けた時、頑なに“礼”を断ったよん。」

「ワシの頼みなら、首を縦に振るしか答えを知らないと言ってね。」


ハンドレッドは大きく息を吐き出して。

「赤胴は強かった。」


レディも頷き。

「決着こそ早期だったけどね。出来れば別の会い方をしたかったわ。」


「・・・・そんな事言っても始まらないけど。」


柳生も息を吐き。

「そう言って貰える事が唯一の供養だよん。」


ハンドレッドが姿勢を正す。

「強かった。ワシが言える事はそれだけだ。」


柳生がこう告げる。

「兎も角。要らないのなら、無理に謝礼金を渡そうとはしないよん。」

「改めてありがとね。馬黒ちゃんを倒してくれて。」


ハンドレッドは軽く頭を下げ。

「柳生の爺さんに役に立てたのなら、それに越した事はない。」


レディも軽く頭を下げ。

「風当たりが良くなると良いわね、お爺。」


「ブラックゴールドの死は『蔵金馬黒の事故死』として発表された。」


「黒い噂こそ流れたモノも、元々汚職議員として名高い馬黒故・・・。」


「日本防衛軍の陰謀説だけならず、ヤクザ陰謀説、タカ派陰謀説と様々な説が流れている・・・。」


レディは頭を上げ。

「際立って風評被害を受けない限り、風当たりは良くなると思うわ。」


「何にせよ、お爺の役に立てて良かった。」


ハンドレッドが立ち上がる。

「では、そろそろ・・・。」


レディもまた立ち上がる。

「お暇するわ。またね、柳生のお爺。」


柳生は手を振りながら。

「たまに遊びに来ると良いよん。」

「“勘”を取り戻したい時があるからね。」


そうして、2人は去って行った。






・・・・







ー “蔵金馬黒”宅


ザク・・・!ザク・・・!!

少年はぬいぐるみを何度も刺していた。

車。車。車のぬいぐるみである。

バタフライ・ナイフで持って何度も刺している。


そう・・・ナイフだ。

お父様こと・・。蔵金馬黒が買ってくれた『バタフライ・ナイフ』である。


お父様はこう言って、ナイフを渡してくれた。


「良いか芯太郎。肌身離さずこのナイフを持ち歩くんだぜぇ〜い。」

「このナイフがある限り、誰もお前に勝てっこねぇ。」

「どんなに相手がお前を劣等視しようともだ。何故なら、お前にはそのナイフがあるんだから・・・な♪」

「解ったな、芯太郎。そのナイフ、決して手放すじゃあねぇ〜ぞ♪」


芯太郎は独白をする。

「車です!車です!!交通事故がお父様の命を奪ったのです!!」

「これは腹いせです!これは怒りの矛先です!!」

「お父様!天国で御覧下さい!!僕はこのナイフと共に、立派な大人になって見せます!!」



 ー 蔵金 芯太郎(くらがね しんたろう)(8歳)


   蔵金馬黒の子にして、その狂気を受け継ぐ少年。
   これより後10年後。ブラッククロスの幹部として、
   蔵金馬黒の死因。『ブラックゴールドの敗北』を知る事となる。

   父の復讐が『打倒!ジ・ハンドレッド』を掲げるに至り、
  『Dr.劉の招聘』『大蛇毒砲の参戦』へと繋がる事になるが・・・。

   それはまた別のお話である。






・・・・







ー “赤胴鈴之進”宅


それは主を失った邸宅。
鈴之進の死亡。息子・進一の脳死。

一子相伝の武術が故に親戚類は誰も居ない。

ひっそりと。ひっそりと潰れ行くハズの赤胴流の技の数々。


・・・で、あるハズだった。

だが、その邸宅に感じられるのモノは・・・時代と共に消えゆく風化ではない。

感じらるるは『熱情』。銃刀法の中で生き抜いた『剣への“執念”』


『 そ れ は ・ ・ ・ 。

  待 望 と な っ て 其 の 場 所 に て 待 ち 望 ん で い た 。 』


赤胴流“秘伝の巻物”。

そうだ。“赤胴の技”は待ち望んでいた。

自分にとって相応しい主が持ち出してくれる事を。

秘密結社ブラッククロスが保有したまま。手つかずのまま残り続けるこの道場。


この地に『悪魔の頭脳を持つ科学者』が現れ。

巻物(自分)を引き取ってくれる事になるのは・・・。


まだまだ先の話である。

今はただ待つ。ただそれだけの話である。






・・・・







ー 半年後・地下プロレス会場






「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! !   」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


「 「 「   ジ ッ !  ハ ン ド レ ッ ド ッ ッ ! ! ! !  」 」 」


               ッ


               ッ


    狂喜に乱舞する。けたたましくは会場内。今日もまた哀れな挑戦者が血の海に沈む。
    そうだ。今日は楽しい“タイトルマッチ”。『 ジ・ハンドレッド20戦目 』の“ 死 合 相 手 ”とは〜!?



「 キィィィィスキスキスサンキスト!!

  本場のね。味をね。見せてやるんだからね!


  アメリカはフロリダ。タンパ出身の『マスク・ド・サンキスト“フロリダ”』だよよよよぉ〜ん!!」


オレンジ畑で鍛え上げられたナチュラルボーンの“オーレンジファイト”が凄いと言う触れ込みでぇー!!!

またまたまたまた、マスク・ド・サンキストの一族の1人がお相手だぁぁあああーッッ!!



ジ・ハンドレッド!!

「来るが良い。目にモノを見せてやろう。」


サンキスト“フロリダ”!!

「オーレンジオーレンジジュース!」

「世界一美味しいオーレンジジュースが、驚く程お手軽な価格で飲める、

 アメリカはフロリダ!タンパ出身の『マスク・ド・サンキスト“フロリダ”』の恐ろしさを君は思い知る事になる!!」


    程


    無


    く



  カァァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア アア ア ア ン ン ン ンン ! ! ! ! ! ! ( ゴングが打ち鳴らされたぁぁああああ!!! )





・・・・



     ッ


     ッ


     ッ


いきなりだ!


いきなりの事であった!!



マスク・ド・サンキストの口から『何か』が迸(ほとばし)る!!




   ブッッシャァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! ( オレンジ色の液体ッ! 『100%果汁のオレンジジュース』だッッ!! )


          更


          に


          は


          !


「 カ ベ サ ー ダ ( 頭 突 き ) ッ ! ! 」


“ 毒 霧 殺 法 ”と “ 肉 弾 ” の 『 ダ ブ ル 奇 襲 攻 撃 』を 仕 掛 け た ァ ー ! !


          ッ


          ッ


(キィィス キスキス  サ ン キ ス ト ッッッ ! ! !)


(ゴングが鳴り響くと同時に、この奇襲攻撃ッッ!!)


    ッ


    ッ


(これから君はねッ!)


(吠えてねッ!叫んでねッ!)


(泣きベソをかきながら、この『マスク・ド・サンキスト“フロリダ”』の恐ろしさを『 思い知って行く事 』になるンだよよよぉぉぉぉおん!!!)




    ( ジ !  ハ ン ド レ ッ ド く く く く ぅぅぅぅうううううう〜〜〜〜〜〜ん ん んん ! ! ! ! )




(こぉぉぉぉれが、ナチュラルボーンの“オーレンジファイト”がウリのぉぉぉおおおおッッ!!)


(謎の覆面レスラーッ! 『 マスク・ド・サンキスト“フロリダ” 』が繰り出す“本場の味”の数々ぅぅぅうう う う う ううう ! ! ! ! )





                      「  だ ッ ッ ! ! ! ?  」





これが、マスク・ド・サンキスト“フロリダ”の最後の一声となった。





・・・・




ブッッシャァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! ( オレンジジュースが、噴き出されるよりも速くッッ!! )



  ド ッ ッ ゥゥ ゥ ウウ ウ ン ッ ッ ! ! ! ( 己が後方に跳ぶは、ジ・ハンドレッドッッ!!! )




              己 が 後 方 ッ ! そ れ 即 ち ッ ッ ! !




                    ギシィ!  (ロープだッ!)



                    ギシィ!! (ロープだァーッッ!!)



               ギッッッシィィィィイイ イ イ イ イ イ イ イ  ! ! ! ! ! !



        ( 鋼 ッッ 鉄 製 の 『 ワ イ ッ ッ ヤ ァ ァ ア ロ ォ ォ オ オ オ プ ! ! ! ! ! )



                 ッ


                 ッ


                 !




ジ・ハンドレッドは『両の脚』にて、後方ロープに斜め45度着綱をしたッ!!!


必然的に引き絞る『 弓矢(アーチェリー) 』の様にッ!!!


弦引き絞る程に、そ の ” 破 壊 力 ”を 増 す 『 事 実 ゥ ー 』 ッ ! !


矢 は 人 間 ッ ! 人 型 の 巨 石 ぞ 、 ジ ・ ハ ン ド レ ェ ー ド ッ ッ ! !




「 〜〜 〜 ッ ッ ! ?  ?  」



オレンジジュースを噴出させ、頭突きを試みたサンキスト”フロリダ”は着弾しない事実に目を白黒させたッ!



  ド ッ ッ ゥゥ ゥ ウウ ウ ン ッ ッ ! ! ! ( そんな“フロリダ”気にも留めず高くも跳ぶは、ジ・ハンドレッドッッ!!! )


       そ


       し


       て


       !


   ー グ ゥ ・・ ・ ン ッ !

     空中で横転ッ! 加るるにッ!!



  ー ズ バ ァ ァアアアーー ン ン ッ ッ ! !

    捻り、それ即ち、『 踵 、 廻 脚 (えんきゃく) 』と化すッッッ!!!!!







「 『  レ ス ラ ー へ の 賛 歌  そ の  1  ッ ッ ッ ! ! !  』  」




「『 前田独特の軌道を描くッ! ニ ィ イイ ル  ・ キ ッ ク ゥ ー ッ ! !




     大  車  輪  キ  ッ  ク  で  あ  る  ッ  ッ  ッ  !  !  !  !  』 」





   ゴ ッ ッ ッ  バァ アアア アア ア ア ア ア(レスラーへの賛歌その1ッ! 必殺の『 大車輪キック 』をォーッッ!! )





     ー「 当 た り 前 田 の ォ ー ッ ! ! 」





         アアア ア ア ン ア ァ ァ ア ア ア ( 目を白黒させるの『マスク・ド・サンキスト“フロリダ”』の後頭部、目掛けてッ!! )





「 『  ク  ラ  ッ  カ  ァ  アアア ア ア ア ア ア ア ア ア ー ー ーーー ッッ ッ ! ! !  』





             ア ア ン ア ァ ァ ア ア ン ッ ッ ッ ! ! !( 叩 き 落 と し た ァ ァ ア ア ーーー ! ! )




 ・

 ・

 ・



 ゴ ッ  ッ ッッッ  ( 鈍くも。 )


 ・

 ・


 ズッッ ォ オ オ オオ オオオ・・・・・・ ッッッ!!! ( 重 音 鳴り響く 。 )





鈍器を。

頭の後部に、殴り打ち据えたかのような。



    『 頭 蓋 骨 の 陥 没 。 』




マスク・ド・サンキスト“フロリダ”は即死した。


マスク・ド・サンキスト“フロリダ”が・・。

ナチュラルボーンの“オーレンジファイト”として、

どのようなファイトを得意としていたか解らないが・・・。


そのほとんどを出させずにして・・。



 『 ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド は、 勝 っ て の け た の で あ る ッッ !!! 』





  ー マスク・ド・サンキスト“フロリダ” 男 年齢(謎の覆面レスラーの為、不詳。)

    必殺技 ナチュラルボーンの“オーレンジファイト”



           ・・・ ・ ・ ・ ・ 『  死 亡 。 』





・・・・




観客達は皆、驚愕をした。

強ぇ…!本当にこの男は強ぇ…!!



そして。

程無くして。




 ウォォォォオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオ オ オオ オ オオオ オ オ オオオ オ オ  オ オ オ ! ! ! ! !




大歓声が巻き起こるッ!!!




「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」


「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」


「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」


「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」
「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」
「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」

「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」
「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」

「「「 ジッ! ハンドッ! レッドッッ!!! 」」」




 カァン カァン カァン カァン カァン カァァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ン ン ! ! ! ( 死合終了を知らせる、ゴングが、鳴り響き・・・。)





スゥ・・ッ(ジ・ハンドレッドは悠然と、リングを降りる。)





 ト・・ッ(緩やかな速度で、闊歩をする。)


 ト・・ッ(ジ・ハンドレッドこと、百文字豪介に・・。)




ワァァア ア ア ア ア ア ア ! ! ! (観客達は群がっていく。)




「ハンドレッド最強ォォォオオオオオオオオオオオオ!!!」


  ペタ。(ジ・ハンドレッドの体に、万札を貼り付ける。)


「プロレス最強ォー! やっぱハンドレッドは最強に強ぇぜぇー!!」


  ペタ。(他の観客も、ジ・ハンドレッドの体に、万札を貼り付ける。)


「ハンドレッドの大車輪キックは、何時見ても重量感と破壊力が凄ぇよー!!」


  ト・・・ッ(そんな事など、もろともせずに。)


「当たり前田のクラッカー!見事にサンキスト“フロリダ”を屠ったよなぁー!!」


  ト・・・ッ(闊歩をするは“耐撃の百文字”。)




 ト・・・ッ(そして、その向う先には。)




浅黒い肌をしている・・。

『 黒髪の女性 』が一人佇む・・。




そう。レディ・ミィラが、ジ・ハンドレッドに語りかける。



「上出来よ、ハンドレッド。」




ジ・ハンドレッドは・・・。


「。」


答えない。






「行くわよ、ハンドレッド。」


「この世は残酷かも知れない。」


「けれども。暗闇の荒野に進むべき道を切り開いていく『覚悟』を持つなら・・・。」


「いつの日か。辿りつける『真実』へと向かっていけるのかも知れない。」




そして二人は、共に会場を後にした。






ーーーーーー





 クロガネの賛歌・番外 ー 響 鐘 ゥ ! 地 下 プ ロ レ ス 編 ! !  ー




                          ー 『 完 』 ー