レスラーへの賛歌 その16。

ビッグ・パパ・パンプと呼ばれた『スコット・スタイナー』へと捧げるプロレス殺法。


『FRANKEN・STEINER(フランケン・シュタイナー)』


突っ込んでくる相手に対して、ジャンプしながら両足首あたりで相手頭部を挟み!
自分の頭を振り子の錘(おもり)のように使って後方に倒れこみ、自らの脚力で相手の上半身を前のめりにさせ、


頭 部 を マ ッ ト に 強 打 さ せ る “ 荒 技 ” ッ ! !


ギガント28号が繰り出した「FRANKEN・STEINER」に、巌鈍斧は組み掛かってしまった。
このまま頭部が地に激突すれば勝負は決する。コブチは率直にそう“直感”した。

50m同士の巨体。ギガントの重量、自機「巌鈍斧」の重量、そして技の加速度等が合われば、程なくして首から上は砕け失うであろう。
そうなれば『メインカメラ』が破損され、満足に敵を捕捉する事すら難しくなる。レーダーを使えば遠距離戦は可能であるが、
近距離戦を得意とする機体同士で、メインカメラを破損する事は死活問題であると言えた。


“喰らってはいけない。”


“何としても回避する事。”


“回避方法は一つである。”



グィ・・・!  (背中である。)


グググィ・・! (巌鈍斧の背中を!)


グィッッ!!! (首より先に“激地”させる!!)


  今

  ッ

  !



ド ” ッ ” ッ ” ッ ”  グ” シ ” ャ ” ァ ” ア ” ア ” ア ” ア” ア ” ア ” ア ” ア ” ア ” ! ” ! ” ! ”


    ッ   ッ   ッ


    ッ   ッ   ッ



激震する!激震する!!とんでも無い程に激震をする!!


激 動 驚 地 ・ 震 撼 振 動 ! !


50m同士の機体が、総重量を込めて叩きつけたのだ!!

軽い訳が無い!軽い訳が無い!軽い訳が無ァーいッ!!!


        ッ


        ッ


コブチィーッ!!

「WWWWWRRRRRRRRRYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

コブチを絶叫を挙げた!今此処に起こりし激動驚地!!その破壊力とは!!
例え頑丈に守られた巌鈍斧の「コクピット内」とて無事では済まないからだ!!

激痛ゥ!激痛ゥ!激の痛ゥ!!そして絶叫ォーッッ!!


   ゲ ヴ ォ ・・・ ッッ!! (コブチは吐血をした!!)


全身の痙攣が身を襲い、痛みと痺れとがハーモニーを奏でるコブチが肉体!!
嗚呼。バーゲンセールだ。こんなにも痛みとは軽くも引き起こるモノなのか!!

その身を骨の髄にまで、ハンマーで持ちて打ち据えられたかのような『全身の激痛!!』

常人ならば動く事すらままならないであろう!


だがコブチは『怪人』であった!!そうだ『怪人』だ!!!
どんなに好きな食べ物の為とは言え『己の睾丸を握り潰せる人間』など何人いると言う?

常人でじゃあねぇー!コイツは『怪人』に値するってヤツだぜぇー!!


そんなコブチが!

そんなコブチが!!

そんなコブチが、今ぞ猛るゥーッ!!!

「この玉無しコブチ!こぉのエターナルチェリーに賭けても負けはせぬッッ!!」


そうだコブチ!

そうだァー!エターナルチェリーだぁぁぁぁああああああああああ!!

「私はアカネシアへの劣情を振り払い!このエターナルチェリーを手に入れたのだ!!」


そうだコブチ!

そうだァー!アカネシアだぁぁぁぁああああああああああ!!

「動け!我が肉体よ!!動きて今日もメシの種を手に入れるのだ!!」

「美味きメシを!たらふくのメシを!目一杯のメシをぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」


如何なる激痛にも屈しないッ!それがッ!“カリスマ玉無し”玉無しコブチと言う男よぉぉぉおおぉぉおおおおおおおおおお!!!!



            ・
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・・・・




○クロガネの賛歌 第3.5章 ー 本 編 C ー



 第 4 話 「 エ タ ー ナ ル チ ェ リ ー 」





・・・・






・コブチ 16の夏「飯屋」


「MEISHYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」

「このコブチが!今!MEISHYを欲しているぞぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


飯屋でこう叫ぶ大柄な黒人男性が居た。
それはコブチ。16歳のコブチ。

操兵を操り敵機を撃破する、今売り出し中の新人傭兵である。


「あいよ!今日も食って来な!コブチ!!」

そう答えるは『飯屋の料理人・アカネシア』。
大柄な女性であった。肩幅が広く体も引き締まっている。
一見男性にも見えたが、優しげ瞳。整った唇。顎の細さが女性らしさ醸し出している。


そんなアカネシアが創る料理はマジ美味い。マジメ最高。
いくらでも入る。いくらでも食える。

コブチは一仕事終えた後、この飯屋でメシを食うのが日課となって行った。


そんな日々が続く中・・。

いつしかコブチは。その料理人。

アカネシアに恋をするようになっていった。



なんて美味いメシを創るのだ。

その手はまるで神の手のようだ。

汗だくになり、飯を創る様を見る度に。とても美しく見えてくる。

食知の結晶とでも言うべき料理を創り出せる事。そして・・・それを創り出す者。

その言葉は同義では無い。だが同じくするから、ソレは創り出されている。

コブチは食への愛を重ねるが如くに、その女を。アカネシアを愛するようになっていったのだ。



だが。そんなある日“事件”が起きた。





・・・・





事故であった・・・。

気が狂った阿呆が、銃を乱射した事故であった。

その場に居合わせたアカネシアは、それで死んだ。

仕事を終え、何時もの飯屋。何時ものメシを味わおうとした時・・。

コブチをそれを知った。


その日、コブチはメシを美味しく食べる事は出来なかった。

アカネシアの事で胸が一杯だったからである。


次の日も。次の次の日も。その次の日も。

コブチは何を食べても美味しくは無いし。
そもそも食欲など起きなかった。

ただただ。アカネシア会いたい。
アカネシアの創ったメシを食いたい。

明けても暮れても。アカネシアの事を考えていた。

しかし、それは・・もう適わぬ夢となった。

そしてコブチは・・・。


『 そ れ が“ 我 慢 ”な ら な か っ た ! ! 』


『 ブ チ ャ ァ ア ア ア ア ! ! 』


コブチは己の玉を握り潰した。そしてコブチは自分にこう言い聞かせた。
自分は『メシ』が好きなのだ。女の事を思うが故にメシがノドを通らぬなど、許せる訳が無かったのだ。

だから、玉を潰した。純潔をメシに捧げたのであった。


それは16の冬だった。

それは16の冬だった。。

それは16の冬だった。。。




    ・
    ・
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    ・

    ・

    ・


    ・



激痛により起動を停止する巌鈍斧!!!

その隙を百文字は見逃さなかったッッ!!


    ッ


    ッ


百文字ィー!!

「ワシは捧ぐるッ!

 『革命戦士』と呼ばれた、ハイスパート・レスリングの第一人者へと、

 こ の 『 サ ソ リ 固 め ( SCORPION DEATH LOCK ) 』を ッ ッ ! ! ! 」



・『サソリ固め(さそり・がため)』



 倒れている相手の両足の間に『右足』を入れ、相手の左脇腹の横へ踏み込み、
 相手の両足を膝でクロスをさせた後、相手の右足を自分の右腕でロック。

 右足を軸にして反転 (ステップオーバー) をし、相手をひっくり返し『腰を落とす!!』

 掛けられた相手の姿が『サソリのように見える』事からこの名が付いた!!
 完全に極まれば相手の「足首」、「膝」、「腰」が締め上げられ、また「気道」や「横隔膜の動きが」制限されるため、
 相手を『窒息』させる効果も併せ持つッッ!!

 故に、必殺の技ッ!

 フィニッシュ・ホールドとして使用される事が多い!!

   ッ


   ッ


ギチィ!ギチギチギチィ!ギチチ!!

ギガントが巌鈍斧の腰部位をヘシ折りに掛かるッ!!


ギチチチチィ!! (金属が悲鳴を挙げる。)

ギギギギギギ!! (さながら巌鈍斧の悲鳴である。)

ギチギチギチ!! (確実に金属はヘシ曲がって行く!!)



   ッ


   ッ


コブチィ!!


「UUUUUUUULAAAA・・・・・・ッ!!」

「勝負は・・・!まだ・・・!これからァ・・・ッッ!!」



ガシィ!!(操縦桿を握りッ!)


ギギギギ!(巌鈍斧を“腕立て伏せ”の要領で!)


ギィイイ!(ギガント、巌鈍斧、大地の間に“隙間”を創り出しッ!)



「WWWWWWWWWWWWWRYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAA!!!」


グルリ!! (でんぐり返しの要領で『脱出』をはかるッッ!!)

   ッ


   ッ

コブチィー!!

「この玉無しコブチ!このッ!エターナルチェリーに賭けても負けはせぬッッ!!」


  ググリッッ!! (ギガントの股下を潜り抜けッ!!)


  ヴァァーン!! (サソリ固め脱出成功ゥーッ!!)

   ッ


   ッ

コブチィー!!

「バネ仕掛けを用いぬ“単純なパワー”では巌鈍斧に分があるようだな!!」


百文字!!
「では“バネ仕掛け”を使用(つか)うとしよう。」

ギガント!!

「ゴ”ッ”! ゴ”ッ”ゴ”ッ”!!」

   ッ


   ッ

その時、コブチはソレに気付いたッ!!

「そなた!『胴のバネ仕掛け』を既に“ 縮 め て い た ”のかッッ!!」


“故に先程、脱出が出来た!”


“既にこの展開が読まれていた!!”


“今、バネ仕掛けを用いて起こり得る事柄は!!!”


   ッ


   ッ


百文字ィー!!

「 『 寸胴的超跳躍故似天空 ( ス ト ロ ン グ ・ ズ ゥ ー ム ・ ス プ リ ン ガ ー ) ! ! !  』  」








      ズ ッ ッ ッ  オオ オオオ オオ オ オ




                オオオ オオ オ オ  オ オ オ ー ー ー ッ ッ ! ! !





        ギャンギャンギャンギャンギャ ン ギ ャ ン ギ ャン ギ ャ ン ギャンギャンギャン





                 ギィィィィイイイキャァァァァアアアア ア ア ア ア ア ア ア アーーー ー ッ ッ ! ! ! !







     跳んだ!ギガント28号が!!巌鈍斧の両脚を“右脇”に抱え、空へと跳んだ!跳んだ!!跳んだぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!



                              そ


                              し


                              て


                              !




                       「レスラーへの賛歌 その8!」


                     「北斗の流星と呼ばれた、戦う国会議員へと!!」




      グォォオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオンオンオンオンオ ンオ ン ン ン ン ォ オ オオ オ オ ! ! !



    「 ワ シ は 、 こ の 『 G I A N T  S W I N G  』 を 捧 ぐる ゥゥウウウーーーー ッ ッ ! ! ! ! 」




・『GIANT SWING(ジャイアント・スウィング)』



 仰向けの相手の両足首(または両膝)を脇の下に挟み込んでから抱え上げ、回転しながら相手を振り回す荒技。
 1950年代から1970年代にかけて活躍したアメリカのレスラー、ロニー・エチソンが創始者である。

 だが、数あるレスラーの中で、随一の使い手を挙げよ言われれば、ただ一人。

 高校教員にして、プロレスラー。
 国会議員にまで上り詰めた『馳 浩(はせ ひろし)』その人であると言えるだろう。


 毎試合の如くジャイアント・スウィングを行いっ! 保永昇男に25回転を仕掛け日本記録を更新するとっ!
 全盛期には30回転を超えっ! 遂には前人未到の『60回転』までをも達成をしたっっ!!

 引退試合では自身の年齢と同じ45回転を達成するっっ!!!

 氏が得意とする、裏投げやノーザンライト・スープレックスなどと比べ、決め技となる『必殺技(フィニッシュホールド)』 では無いものも・・。
 これ程、プロレスが持つ『エンターテイメント性』を表現した技は無いと 断 言 を す る っ ! !


 尚、この技をかけた際に自分の目を回さないようにするコツは、目線を回す方向とは逆にしながら回す事との事。

 これはバレエのフェッテ(爪先立ちの片足を軸に回転する)のコツと同じ原理である。

      ッ

      ッ


「少々変則ではあるが、GIANT SWINGだッッ!!!」


「サソリ固め中途の体勢のまま、宙空にて貴様をブン回してくれるッ!!」

      ッ

      ッ


「 『 ちぇりぃぃいいいぁぁぁあああ あ あ あ あ ああああ ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」


                 ッ


                 ッ


グォォオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオンオンオンオンオ ンオ ン ン ン ン ォ オ オオ オ オ ! ! !


     剛力に任しッ! 巌鈍斧をブン回し続ける『 ギガント28号 ッッッ!!!! 』


                 ッ


                 ッ


ダッッッッッ ギュュュ ュ ユ ユウ ォ オ オ オ オ オ オ オ  オオオオ オ オ オ オオオオ ーーーーーー ッッッッ!!!!


     勇壮!それはバネ仕掛け! 跳び続けるは『 ギガント28号 ッッッ!!!! 』


                 ピ


                 タ


                 !


     最上点に達し、


          そこで、ギガント


                  28号はッッ!!



「 『 ヌゥうゥぉおお お ぉ ぉ ォ お お お お お お オ 雄(オ) ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」



                 ブン投げた!ブン投げた!ブン投げた!!


                 巌鈍斧を「地」へとブンンン投げたぁぁぁああああああああああああ!!!





・・・・





ゴッッッッッッッヒィィィイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! (投げられたァー!!)


アンアンアンアンンアンアンアンアンンァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!! (巌鈍斧が投げられた!!)


           ッ


           ッ


それは凄まじい!とても凄まじくも、さながら全長50mの砲弾のようであった!!

回転を繰り出しつつ、そのまま空中へと跳び上がり、最上点にしてブン投げられた巌鈍斧だッ!!

回転×高度×投擲力=『 破 壊 力 ! ! 』



  ズザザザザザザザ!!

        ザザザザザザザザ!!

            ザザザザザザザザザザザザ!!


  ズッッッザァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

(大地を擦る様に、勢い良く地を舐め削り行く“巌鈍斧”は・・・!!)

    ッ

    ッ


ボンッ!! (頭部が破損し。)

    ッ

    ッ


ボボンッ!!(右前腕を欠損する。)

    ッ

    ッ

ズズズザザザザザザ・・・!!(何度も何度も地面を舐め削られ。)


・・・・・・・・・・ッッ!!(ようやくにて、巌鈍斧は止まった。)


・・・・・・・・・・・・!!(巌鈍斧はピクリとも動かない。)


・・・・・・・・・・・・・。(先のFRANKEN・STEINERよりも・・・。)


・・・・・・・・・・・・・・(強烈無比な衝撃が“玉無しコブチ”を襲ったのである。)

    ッ


    ッ


「UUUMMMM・・・・。」


「グェエッ!ゲボォッ!!」


コクピット内の玉無しコブチは瀕死の重傷であった。

全身が痺れ。全身が痙攣する。五感がオカシイ。天と地の感覚すら曖昧である。


「グググボェ!!」「グォハッッ!!」


吐血を繰り返す玉無しコブチ。

最早。誰が見ても・・・。


戦 闘 不 能 。


後はどうなる?

捕獲をされ、捕虜にされ、尋問でもされまくるか?

最後は処刑か?侵略戦争の兵士に情けなど無しか?

思考。混濁。思い浮かぶは・・悪しき未来。


そんな。極限状態のコブチに・・・。

夢か幻か・・「女人」の声が響き渡る。


女人はこう言う。

「コブチ。なぁ、コブチったら聞けよ、コブチ。」


コブチが問う。

「・・・。アカネシアか?」


アカネシアがこう言う。

「そうだよ。アタシだよコブチ。」


コブチ。

「何をしに来た、アカネシア・・。」


アカネシアはこう言った。

「もう良いじゃん。と言いに来たのさ。」

「もう止せよ、ここでGAMEOVERだよ。」

「またメシ創ってやんよ。」

「だから、もう此処で終わりにするんだよ、コブチ!!」


アカネシアが伝えた事。


それは『敗北勧告』であった。


コブチよ、お前は負けたのだ。もう良い。もう十分頑張った。

もう良いじゃないか。またメシを創ってやるよ。

だから、コブチ。もう此処で終わりにするのだ。


それは甘美な勧告・・・。

そんな甘美な勧告に対し・・・。


玉無しは・・。

コブチはこう言い放った。

「死しても尚、我が心に居座るつもりか?アカネシア。」

「アカネシアよ。このコブチが此処までやってこれたのはだな・・・。」

「全てこの“コブチの力”なのだ。アカネシアよ。」


コブチは続ける。

「両の玉を握り潰したその日から、このコブチは『 玉 無 し コ ブ チ 』と相なった。」

「如何なる哀しみも苦しみも『腹一杯メシを食いたい』と言う気持ちのみで、切り抜けて来た男の“その名”だ!」

「其処に・・・。女人への慕情など一つもない。」


そして、コブチはこう言い放つ!!

「だから、アカネシアよ!」

「このコブチは。この“玉無しコブチ”は!!」


「そなたの声など・・・ 耳 を 貸 さ ん ! ! 」

     ッ


     ッ


ベリィ!ベリベリベリベリ!! ベ リ ッ ! !

千切り取ったァーッ!

コブチは巌鈍斧の『腹部』を“千切り取った”のである。

コブチは巌鈍斧腹部にあるコクピットを露出させたのだ。

これにより頭部をやられた事によって遮られた“視界”を創り出す。


そして、こうする!!


Vim・・・!! (立体映像を投射!!)


ヴ ァ ン ! !(“玉無し”の股間をどアップさせ!男はこうと言い放つゥー!!)

     ッ


     ッ


「『 貴 様 は こ の “ エ タ ー ナ ル ・ チ ェ リ ー ” を 知 ら ぬ の か ? 』 」

     ッ


     ッ


「『 私 が 噂 の ・ ・ ・ “ 玉 無 し コ ブ チ ” だ ! ! 」

     ッ


     ッ


 ヴ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ン ! ! !

 玉無しのォ! 玉無しのォ! 玉無しのォ股間をヴァンと見せ付ける!!

 玉無しであるがこそ、成し得る事が出来たこの玉無しならでは『食への“欲求”』ゥーッ!!

 そして、食には限りなく多くの血が伴い、血が流れれば流るる程、己の“欲”を満たす事が出来た・・・!!

     ッ


     ッ


 ならば今日も!ならば今日もまた!!

 赤き血に彩られる『強欲』荒ぶるままに喰らってくれようぞ!!

 そして必殺のぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!


「一斧多砕流・鈍斧術!! 破滅大技!!

『レフト・ハンド・アバズレ・ガァァァァアアアアアアアアアアアアアルゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウ!!』」

     ッ


     ッ


ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!! (猪突猛進!)

ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!! (突撃と共に、縦横無尽に斧振るう!!)

ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!! (近付きて!)

ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!!ドサッ!! (そしてギガントを断ち切るのみ!!)

     ッ


     ッ

コブチィー!!


「 『 WWWWWWWWWRRRRRRRRRRRYYYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!! 』 」


コブチは唸り声を挙げた!

コブチは唸り声を挙げた!!

コブチは唸り声を挙げた!!!




    ・
    ・
    ・
    ・

    ・

    ・


    ・




勝負はこの時点で決していた。

機体のど真ん中。コクピットを露出させると言う事。

最早如何なるプロレス殺法を持ってしても、その箇所に影響を及ぼさぬ攻撃は無いからである。

ましてや、巌鈍斧最大の攻撃を繰り出している最中・・・。

反撃は激しくも“激動”。苛烈にも“動地”。無事では済まぬ事“一目瞭然”であるからだ。


故に百文字は・・・。


「レスラーへの賛歌その128・・・!!」



『“最大の攻撃”』にて受け答える事を誓った。

死手に両足を突っ込んででも、死合に臨むその散り際への“灼熱染みた「勇壮」”・・・!!


全霊をもって臨む事こそ『意義』があるからであるッッ!!




「ギガント・トルネード!!」


百文字はその128にして、101番目の賛歌の名を口にした。








ーーーーーー





 ・・・続く。