ザッザッザッザッ (駆ける音。)
ザッザッザッザッ (ニセ妖爪鬼が駆ける音。)
「ニセ妖爪鬼」は「ギガント28号」の欠損した右上腕部を正面にしながら一定距離を保ち続けた。
何故ならそれが「ニセ妖爪鬼」が「ギガント28号」から取れる唯一の『死角』であるからだ。
小回りなら「ニセ妖爪鬼」の方が利く!射程なら『ニセ妖爪鬼』の方が長い!!
如何に己の利を生かし、如何に相手の利を殺すか・・!!
巨躯に対し、小回りで応ずる・・!プロレス殺法に対し、射撃で応ずる・・!!
共に「ニセ妖爪鬼」の特徴を生かした『鉄板の戦法』!!
利はッ!オッペンハイムが駆る『ニセ妖爪鬼』にあると言えるだろう!!
だが・・。だが戦況は決して芳しくなかった・・。何故なら両機に決定的な機体性能の差があるからだ。
そもそも5vs1で互角。手数で押す展開を繰り広げていた敵機『ギガント28号』である。
1vs1では、余りにも分が悪いと言うお話。
また火力も足りていなかった。
先に上腕を砕く事に成功したアサルトライフルを爆薬代わりとする、ビームバズーカの狙撃なら兎も角・・。
所謂『破壊力を重視した兵器』が装備されていない「ニセ妖爪鬼」・・。
如何にダメージが蓄積されている「ギガント28号」と言えど、手持ちの兵器では火力に不足。
このままではジワリジワリと追い詰められ。
然るべきプロレス殺法により、屠り去られる事は目に見えていた・・・。
だがッ!オッペンハイムは挫けない!!
何 故 な ら 、 そ れ が ッ ! !
「 そ れ が “ 傭 兵 ” っ て も ン だ ろ う が よ ! ! 」
そ う !
“ オ ッ ペ ン ハ イ ム ”は 挫 け な い ! !
・
・
・
・
・
・
・
・・・・
○クロガネの賛歌 毘沙門外伝 ー 黒衣の粛清者 C ー
第 4 話 「 不 屈 の 傭 兵 魂 ッ ! ! 」
・・・・
撃てッ!撃てッ!撃つんだッ!!
オッペンハイムは、ギガント28号の凹んだ胸部に照準を合わせる!!
「狙いは外さねェ・・!!」
ドギュゥゥーーーーウウウン!!!
ビームバズーカーが火を吹いたァー!!
対しギガント!!
「グ”ギ”ャ”ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”」
ドゴゥッッ!! (着光ッ!!)
ジュオォオオオオオオオオ!!! (溶解ッ!!)
あえて!あえて、ダメージを受けている『凹んだ胸部』で受け止める!!
百文字!!
「レスラーは逃げぬ!狙いたくば狙うが良い!!」
オッペンハイム!!
「 ぬ お お お お ! ! 」
ニセ妖爪鬼は「パッチャーマグナム」と「気化冷凍ガン」を同時に構えたッ!!
「同時に放てば『氷の渦』だ!くらえ!!」
ガッキンンガジュォォオオオオオオ オ オ オ
ガキュオオオオオオオオオオオオ オ オ オ オ ! ! !
襲う!氷の渦が!敵機ギガント28号をォー!!
ギガントォー!!
「グ”ギ”ャ”ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”」
ガシィィイイイイイイイイイイイイイ!! (ギガントが氷の渦を片手で抱きかかえた!!)
百文字ィー!!
「レスラーへの賛歌 その14ッ!!」
「ワシは捧ぐるッ!
『人間発電所』と呼ばれた、ブルーノ・サンマルチノへと、
こ の 『 B E A R H U G 』を ォ ー ッ ッ ! ! ! 」
・『BEAR・HUG(ベア・ハッグ)』
立位対面からのクリンチ状態より、両腕で相手の胴回りを抱き込み、
絞り込むように締め付ける事で、相手の背骨から肋骨にかけてを圧迫する。
その際に相手を持ち上げる事で、相手体重が加わり、より強いダメージとなる。
ッ
ッ
ギガントは片腕で思い切り「氷の渦」を締め付けぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!!!
ガッギョォォオオオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ ン ン ! ! !
“ 思 い 切 り 砕 き 散 ら せ た ”ァ ー ッ ッ ! !
百文字!!
「『Dr.劉(悪魔の頭脳)』を倒した、そ の 技 力 ・ ・ !」
「成るの程ッ!窺(うかが)い知れたぞ、傭 兵 宇 宙 一 ( オ ッ ペ ン ハ イ ム ) ッ ッ ! ! 」
オッペンハイム!!
「傭兵生活15年間で身に付けた実力を見せてくれる!」
オッペンハイムは手を休めないッ!!
グォオオ!! (「ニセ妖爪鬼」は『ギガント28号』へと 接 近 す る ! ! )
「銃ってのは接近すれば接近するほど『威力』が増すンだよ!!」
「五体満足なら兎も角、片腕のてめぇに遅れを取る程、接近戦を苦手としねェ!!」
百文字!!
「面白い!ならば返り討ちにしてくれよう!!」
オッペンハイム!!
「ぬかせよ!!」
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ!! (ニセ妖爪鬼が走る!!)
百文字!!
「突進せよギガント!!」
ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!!ドズン!! (ギガント28号が走る!!)
接敵する!接敵する!接敵する!接敵するゥー!
今
ッ
!
ドギュゥゥウウウウウウウウウウウウウウウンン!!!
ニセ妖爪鬼のビームバズーカが、近距離にて火を吹いたァー!!
狙いはモチロン、ギガント28号の凹んだ胸部だッ!!
バジバジバジバジバジバジィィィィィイイイイイイイイイイイイ!!!
火花散る!白熱する!そのまま!そのまま装甲を貫け!!
だ
が
!
百文字!!
「往くぞ、ギガントォー!!」
「“逆水平チョップ”であるッ!!!」
ブゥゥウウウウウウウウウ ウ ウ ウ ン ン ン ! ! !
ギガント28号の左腕が全て薙ぎ払うが如くに、今、放たれたァー!!
ッ
ッ
オッペンハイム!!
「バキバキ Beatin Heart!」
“水圧渦銃”パッチャーマグナムを撃つッ!!
“水圧”にて、威力を減衰させる腹づもりだァー!!
だ
が
!
?
バッキィィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!
直撃を食ったァー!!強し!ギガント強し!!
秘密は手刀!水圧を切り裂くが如く!突っ切り!!ニセ妖爪鬼に被弾をさせたッ!!
崩れる!ニセ妖爪鬼が崩れ落ちる!!
哀れオッペンハイム!!不利を跳ね返す事は出来ず、このまま敗れ去るかァー!!?
ッ
ッ
オッペンハイム!!
「こ・このまま接近する!!」
ドサァ・・・!! (右腕と!!)
ドサササ・・!! (首がもげ落ちるニセ妖爪鬼!!)
し
か
し
!
動ける!前に出れる!!
不屈の闘志のみで、そのまま進む!!
狙いは・・・『零距離射撃!!』
ダンッ!! (跳ぶ!!)
ンッッ!! (その無理な前進の為!!)
ボンッ!! (右脚が・・爆ぜるッ!!)
ンッッ!! (しかし、その爆発力の為!!)
ンンッ!! (跳躍が「ギガント28号」の胸部まで届いた!!)
ッ
ッ
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
ピタリ。ギガントの凹んだ胸部に、ビームバズーカを付ける。
カチリ。ほぼ同時にニセ妖爪鬼はバズーカの引き金を引いた。
そして、オッペンハイムはこう言い叫ぶ・・ッ!!
「 『 傭 ” 兵 ” 魂 ” ッ ! ! ! 』 」
ッ
ッ
!
ド”ォ オ ォ オ”ォ” オ”ォオ ォオ ォ オ
ォ”オ”ォ” オォ オ ォ” オ” ォ” オ ォ オ ォ” オ” ォ” オ ォ オ
ォ”オ”カ”カカカカ”カ”カ”ァアァア ァ ァ ァ ア ア アア ア ア ア ァァァァ”ア”ア”ア”ア”ア”
ア”ァ”ァ”ァ”ァアアアァァァァ”ァ”ァ”アアアア ア ア ア ン ン” ン” ン” ン”ーーー ー ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
!
ぶっ放した!ぶっ放した!ぶっっ放したぁぁぁあああああああああああ!!!
その「光」ッ!その「熱」ッ!その「爆発力」がッッ!!
ジュォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
凹んだギガントの装甲を貫き!!そして、内部!機械部位をッ!!!
ドカドカドカドカァァァアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
内 部 爆 発 さ せ た ぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ ! ! ! !
ッ
ッ
!
これが零距離射撃ってモンだ、おとっつあん!!
その内部爆発!零距離での爆発は「ニセ妖爪鬼」をも巻き込み!!
ボロボロの機体が更にズタボロに焦げ崩れるッ!!
左腕上腕部を欠損し!胴の外部が溶解!左脚もまた、着地の際、過負荷が掛かり真っ二つに折れるッ!!
最強にして最後の攻撃!!これ以上・・否(いいや)これ以下の攻撃はすらもう繰り出せない!!
ドゴゥ!ドゴゥ!ドゴゥ!ドゴゥ!ドゴゥ!ドゴゥ!!
乱爆発を繰り返す「ギガント28号」!!巨星堕つか「ギガント28号」ォー!!
否
ッ
!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ギ・・ギギギ (持ちこたえる・・・!!)
ギシュ・・ン (バネ仕掛けを用い・・!!)
ギシュン!! (ダメージを全身に分散させた!!)
ゴゴゴゴゴ! (これぞ受けを美学とする!!)
ヴァーン!! (プロレスリングの金字塔ォーッ!!)
ド
ン
!
百文字!!
「勝敗は決した!」
「言い残す事はあるか?」
そう!勝敗は決した!!
動けぬ「ニセ妖爪鬼」と耐えきった「ギガント28号」!!
誰がどう見ても「ニセ妖爪鬼」が詰んでいる!!
その巨体から繰り出されるどのプロレス殺法を持ってしても、ニセ妖爪鬼にトドメをさせるであろう。
そして、百文字はオッペンハイムに介錯を行おうとしている!!
オッペンハイムは。
オッペンハイムは!
オッペンハイムはこう言い放つ!!
「勝負はついてねぇ。この距離なら相討ちだろうさ。」
ガ ン ! !
オッペンハイムは自爆スイッチを押し・・・!!
ピ カ ァ ・ ・ ・ ・ ! ! !
ニ セ 妖 爪 鬼 は 自 壊 を 開 始 し た ・ ・ ・ ! ! !
ッ
ッ
!
〜”〜 〜 〜 〜”〜” ツ”ッツ ッツ ッ ツ
ッ”ツ”ッ” ツッ ツ ッ” 〜” 〜” 〜 〜 〜 〜” ツ” ッ” ツ ッ ツ
ッ”ツ”ツ”〜〜〜〜”ツ”ツ”ッツッツ ッ ッ ッ ツ ツ 〜〜 〜 〜 ツ ッッッッ”ツ”ツ”ツ”ツ”ツ”
ツ”ッ”ッ”ッ”ッ〜〜〜ッッッッ”〜”〜”〜〜〜〜 ツ ツ ツ ツ ツ” ツ” 〜” 〜”〜〜〜 〜 ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
!
そ の 結 末 と は ! ! ?
ーーーーーー
・・・続く。