時は近未来!!
地球へと侵攻を開始した宇宙最強の軍団ッ!その名は『神聖アムステラ帝国』ッ!!

開戦当初、力で圧倒的に勝るアムステラの地球侵攻はッ!
1ヶ月と経たずに成功するかに思われたッ!!

しかしッ!KGF(カラクリ・ガーディアン・フォース)及び、各国のスーパーロボットの活躍によりッ!!
侵攻は思うように進まずッ!この為ッ!アムステラ軍の幹部の中には、作戦成功させようと『腕利きの傭兵部隊』を雇う者まで現れたのであるッ!!

全銀河の傭兵達の間では、たちまちこの話が流れたッ!!

ある者は、膨大な報酬を得る為にッ!ある者は、己の名声を高める為にッ!また、ある者は戦いしか居場所がない為にッ!


傭兵達は地球を目指しッ!夢を追い続ける・・ッ!!


世 は ま さ に “ 大 傭 兵 時 代 ” ! ! !




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・・・・




○クロガネの賛歌 毘沙門外伝 ー 黒衣の粛清者 @ ー



 第 1 話 「 出 た ! 鋼 鉄 の 巨 人 ッ ! ! 」





・・・







・廃墟(モンゴル・アムステラ軍基地跡)



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


香り漂っていた。

油と。焦げた鉄片と。血生臭い死体の匂い。

それはこの場所が“戦場”であった事を指し示す。


戦闘法は『巨大ロボット』だ。

鋼のコクピットに乗りこみ。鋼のコクピットから『巨兵』を操る。

ロボはロボを穿(うが)ち。ロボはロボに射抜かれる。


そんな地獄絵図の真っ只中に。

1人の男が、舞い降りる。


「待たせたな。」

その男は傭兵であった。

頭巾とラフに纏った軍服を着こなした。

顎髭とデカッ鼻が似合うその男。

そう、その男の名は“オッペンハイム”。

「宇宙一の傭兵」とうそぶく三十路男である。


駆る機体の名は『ニセ妖爪鬼』。

騙されて購入してしまったパチモン操兵であり、外見は“影狼隊隊長機”『妖爪鬼』にそっくりだが、

機体性能は遥かに及ぶべくも無い“デッドコピー”であるモノも・・、オッペンハイムは逆にこの身軽さを利用し、

幾多の戦いの中で手に入れた様々な武装を携帯する事によって、ミッションに応じた装備にカスタマイズしているのが特徴である。


本来は腕部の刃(やいば)『蛇椀(じゃわん)』しか内蔵兵器が無い『ニセ妖爪鬼』だが、

この度の兵装は・・・、


 ー “凍結銃”気化冷凍ガン      ー “熱線大砲”ビームバズーカ


 ー “水圧渦銃”パッチャーマグナム  ー “連弾銃”アサルトライフル



・・・の4砲を携帯している。

オッペンハイムは先発隊にこう通信を入れる。

「(先発隊も)援軍の要請で来たンだってな。」

「この様子じゃ間に合わなかったようだが・・・。」


その問いに応ずる先発隊。黒眼鏡と白服を着こなしたその男。

“武門の銃士”オーデッド・カユゥーレがこう言う。

「ようやく来たか。」

「ずいぶんと遅かったようだが?」


オッペンハイムはこう言う。

「来て、早々嫌味かよ、オーデッド。」


オーデッドは高圧的に。

「 少 佐 を 付 け た ま え 。」


オッペンハイムはさばさばと。

「ああ、少佐ね。」


オーデッドは自嘲気味に。

「見ての通りだ・・。」


オッペンハイムは淡々と。

「全滅したみたいだな。」


オーデッド・・・。

「我が愛機『銃指威(ジューシー)』の健脚を飛ばしてこのザマだ。」

「この基地はこのモンゴル国でも『2番目』に戦力を備える基地だ。」

「此処まで完膚無きにまで、破壊されるとはな。」

  ・
  ・

  ・

・『 銃 指 威 ( ジューシー )』

オーデッド・カユゥーレの専用機。やや背高・痩せ型の機体。

一切の外付兵装を持っていないのが特徴で、人差し指から発せられる高エネルギー弾「デッドリボルバー」のみを武器としている。

身軽さ故の驚異の敏捷性と、速射性の高い銃撃性能を持つことから一撃離脱の中距離戦に無類の強さを誇る。

必殺技は銃の速射と連射を繰り返し、ただひたすらに銃弾の雨を浴びせかける「オーデッド・リボルバー」。

  ・
  ・

  ・

オッペンハイム。

「何者か知らンが“ソイツ等がヤバ過ぎる”って話だ。銃指威一機でどうなるって話じゃねえ。」

「それに幾ら少佐が飛ばしたって、アセトとヘラの機体じゃおっつかねえ。」

「(大事な事だからもう一度言うが)“銃指威一機でどうなるって話”じゃねえよ。」


オーデッド。

「フン・・。一理ある・・ッ。」


アセトとヘラ。

「・・オッペンハイム様。」「オッペンハイム様!」


オッペンハイム。

「・・あのね。“『様』付け”はやめろって言ってるでしょ。」

  ・
  ・

  ・

・『 ア セ ト と ヘ ラ 』

アムステラの貧民街出身の双子の姉妹。

かつて軍の手で強化処理を受けたという苦い過去を持ち、アムステラに対して強い憎しみを抱いていたが、

オッペンハイムとの出会いによりその傷は癒され、今はその部下として働いている。


瞳が赤くタレ目なのが『アセト』。瞳が青く釣り目なのが『ヘラ』。

機体は左肩のBOXにビットを仕込んでいる『羅甲パワード・SS(シャープシューター)』が「アセト」。

超大型大ハンマー「剛鉄鎚」を主武器とする『羅甲パワード・H(ホプロマシ)』が「ヘラ」である。


  ・
  ・

  ・

ヘラ。

「あ・・・。」


アセト。

「・・まぁ、お約束って事で。」


オッペンハイム。

「で、何ッ?」


アセト。

「・・ロビーはどうしました?」


オッペンハイム。

「ロビーか。ヤツなら遅れて・・・。」


と、その瞬間(とき)であったッ!!


「 ひ ょ え 〜 〜 〜 〜 〜  〜 〜 〜 〜〜 〜  〜 〜 ! ! ! 」


試験終了2分前の受験生の如く、必死こいた顔して、機体を走らせるヒョロイ男が1人居た。

その男の!その男の!その男の名は『 ロ ビ ー 』ッ ! !

先を行くオッペンハイムに遅れる事、数分ッ!

その際、残党狩りの「ハイエナ傭兵(=ならず者)」の機体に見つかって九死一生の心地持て、走り逃げている最中であるッ!!


ならず者達はこう言い迫る・・!!

「グハハハハハ!基地が煙吹いていると見て来てみたら、レアな機体を見つけたぞ!!」

「特別製の羅甲だァー!捕獲すればOMS(=コイツ等の勤め先)に高く売れるぞぅー!!」

「ん?おい待てよ。先に4機ほど機体が待ってるぞ?」

「かまへんかまへん!!一丁纏めて、一括りや!!!!」


この様子を見・・。

黙って見て居られぬ者は『オーデッド』であった!!

「おのれ蛮族め!我が愛機の名は『銃指威』ッ!この人差し指にて、滅殺してくれようぞッ!!」


オッペンハイム!!

「待ちな、オーデッド!」


オーデッド!!

「“少佐”と呼びたまえ!!」


オッペンハイム!!

「おっと少佐・・・。主人公は俺なんだ。らしい行動させてもらうぞ?」


オーデッド!!

「例え脇役と言えど、カユゥーレ家の男子として“先陣”は譲れぬなッ!!」


オッペンハイム。

「構わン。狙い撃つのが俺の十八番(オハコ)だ。射線に入るンじゃないぞ。」


オーデッド。

「フン。委細承知しようじゃあないかッ!!」


オッペンハイム

「それでは・・オッペンハイム傭兵隊いくぞ!」


アセト

「・・了解。」

ヘラ

「了解しました!」


ロビー

「ひょえええ〜〜〜了解〜!」


5機が一斉に駆け出した!!





・・・・





先陣を切ったのは、オーデッドの銃指威であった!!


ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ!!


走る!走る!走る!走る!!


突進ッ!そして、人差し指が輝く刹那ァーッッ!!!


「喰らえ!デッド・リボルバーッッ!!」


ビギュゥーン!! ビギュゥーン!! ビギュゥーン!! ビギュゥーン!!

ビギュゥーン!! ビギュゥーン!! ビギュゥーン!! ビギュゥーン!!

  ッ

  ッ

  !


ならず者達ッ!!

「う・うひょう!?突進して来た機体強ぇ!!?」

「しかも猛烈ゥ〜!?コイツは猛烈だぜぇ〜え!!?」

「とてつもなく速いやんけー!動きも!銃撃もやーっ!!」

「一発一発は大した事無ぇが、何発も喰らうとヤベェよ、コイt・・・!!?」


オッペンハイムはビームバズーカで狙いを定め・・・!!


「 傭 兵 魂 ッ ! ! 」


ドッッッッギュギュゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウンンン!!!

  ッ

  ッ

  !


「ひ・ひふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!?」

  ッ

  ッ

  !


ドッッッカァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアンンン!!!

  ッ

  ッ

  !

1機撃墜!ならず者達は焦るッ!!

「げぴッ!あっと言う間にやられた1機!!」

「ヤベェよぉぉおおお!コイツ等、ヤバくね!?」

「かまへんかまへん!ワイ等もイケテるwa・・・・わーッ!!?」


オーデッドが銃指威を敵機真上へと跳躍させる・・・!!

「合わせて貰うぞ・・アセト。この1機此処で仕留めるッ!!」

アセトはBOXを広げ・・・。

「・・サポート致します。」

そして・・・!!

  ッ

  ッ

  !

ギュン! ギュン! ギュン! ギュン! ギュン!

ギュン! ギュン! ギュン! ギュン! ギュン!


数多のビットが大地を駆け!

地面スレスレ!敵機に円取りッ!!角度45度からビーム砲照射!!


「・・この暗宿からは、逃れられないわよ。」

  そ

  し

  て

  !


ギュヴァァン!! ギュヴァァン!! ギュヴァァン!! ギュヴァァン!!


ギュヴァァン!! ギュヴァァン!! ギュヴァァン!! ギュヴァァン!!


照射されるはビーム砲!照射されるはビーム砲!!

  更

  に

  は

  !


「真上から、連射をするッ!!見やれ、この人差し指がッ!!」


「オゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥオゥ!!!」


「オォォォォオオオオオオーーデッド・リボォルバァァァァアアアアア ア ア ア ア ー ー ー ー ー ッ ッ ! ! ! 」

  合

  わ

  せ

  て

  !


ヴァギョギョギョギョギョギョギョギョ!!


     ギョォオオオオゴォオオオオヴァァアアアアア!!



             ア ア ア ア ア  ア ア ア ア ア ア ア ア ン ン ! ! ! !


見 事 撃 破 ッ ! !

  ッ

  ッ

  !


「んげぇー!?ウソだろおい!!?」


「ヤバイぜぇー!マジに・・・なぁななななななななぁぁああああああああああああ!!!?」


その間、間合いを詰めるはヘラッ!

超大型大ハンマー「剛鉄鎚」を主武器とする『羅甲パワード・H(ホプロマシ)』であるッ!!


グワァ・・・ン(思い切りハンマーを振り被り・・・!!)


「一撃で決める!」


ズッッッッグオワァァァァアアアアアアアア ア ア ア ア ア ! ! !


「 チ ェ ス ト ー ! 」

  ッ

  ッ

  !


ドッッッッグシャァァ ァ ァ ァ


      アア アアアアアアアアア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !


無 論 撃 破 ッ ! !

  ッ

  ッ

  !


「ひぃ!?残り俺1人ィー!!?」

そして、最後はッ!!

「やるときはやるんだい!」

オマケの“爆脚”ロビー!!

「ウオオオオオッ!」

  ッ

  ッ

  !


爆裂ゥ!爆裂ゥ!爆裂ゥ!爆裂ゥ!

爆 裂 ロ ー キ ッ ク ゥ ゥ ウ ウ ウ ! !

  ッ

  ッ

  !

グショ・・・ォワァァァアアアアアア ア ア ア ア ア ア ア  ア ! ! !

やったぜ、ロビー!!

まさかの撃破だッ!!

そんなまさかに、ロビーは粋がる!!

「『起きてこい!オラァッ!』いってやった!いってやった!」


オッペンハイムが突っ込む!

「黙れバカチン!」

「敵を引き連れてくるとは何事だ!!」


そう。元はと言えば、敵に見つかったロビーがマヌケなのだ、ヌケサクが!


ロビー。

「 ひょぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! 」


ロビーは絶叫をあげた。


オッペンハイムは呆れながら・・・。

「そんなに驚かなくてもよいでしょが。」


と言うが。

オーデッドは緊張感を持って。

「いいや。オッペンハイム殿。」

「どうやら『この基地を“破壊”した者』が現れたようだ・・・。」


と、告げた。

オッペンハイムは。

「なンだって!!?」

そして理解をする。

  ッ

  ッ

  !


ゴッッヴァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!

基地廃墟から“巨大な腕”が現れたッ!!

  続

  け

  て

  !

ゴッッヴァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!

基地廃墟から“巨大な胸”が現るるッ!!

  そ

  う

  !

それは“巨大な身体”ッ!!

そう!それこそは“鋼鉄の巨人”!!



ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド


無骨な鉄の塊と表するに相応しい『鋼鉄の巨人。』

鉄材をハンマーで持って整形に整形を重ねたかのような『顔面』をしている。
その頭部は長髪。造形、オールにてバック。

鉄板と鉄板とをつなぎ合わせ、緩やかな曲線が描かれた胸部。
肘から先と膝から先、そして腰回りもまた緩やかな曲線で描かれたぶ厚い鉄材『堅牢にて強固』。

肩部は楕円。イボのついた楕円の鉄材が、部位(肩のつなぎ目)を守る鎧と化す。
首、上腕、腹、大腿が鋼鉄蛇腹になっている。


  ー その怪力、目前全てを叩き潰すッ!


その名も!QX団が最終兵器ッ!

ギガント28号、此処にありッッ!!

  そ

  う

  だ

  !


“鋼鉄の巨人”!

『 ギ ガ ン ト 2 8 号 』ゥー!!

  そ

  し

  て

  !

“その操者”!

『 耐 撃 の 百 文 字 』で あ る ! !






ーーーーーー





 ・・・続く。