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怪盗ミルット 第二話 『ガンダーラ教の聖女』



50人弱の団体客が来てから一週間が経過した。

「すみませーん、ドラドラのびっくり鍋まだですかー?」
「わびさびサンドくださーい」
「おい、デュエルしろよ」
「はいはーい、お待ちおー!」

走り屋達の口コミ力はネット全盛の今でもあなどれないものだった。
店の外装や店員の姿やメニューの怪しさとは裏腹に料理はちゃんとしている、
元傭兵のサバイバル料理が安くて美味い店だという評判は瞬く間に広がり、
いつも暇にしていたアクートとサーメットはそれぞれの仕事にフル回転していた。

「ミルちゃん、この皿1番テーブルもってけ」
「はい、かしこまりました!」

尻を向けたままのアクートから皿を受け取りてきぱきと動くサーメット。
案ずるより産むがやすしとはよく言ったモノ。
何百回もの実践が接客をだいぶマシなレベルにしていた。

「ミルちゃん、会計済んだら魔法カードパック補充しておいてくれな」
「あのアクートさん」
「言いたい事は分かるが今は働け」

そして閉店後、サーメットは二人に問いただす。

「チカーロ様、アクートさん。今朝店に来たら喫茶店の半分のスペースが
カードショップになってました。これはどういう事ですか?」
「昨日貴女が帰った後にゲッツアーが一晩でやってくれたのよ」
「うわゲッツアーさんすんげ。いや、手段じゃなくて目的の方を教えて頂きたいのですが」
「前からお客こなくて赤字続きだったでしょ?だから兼業する事になったのよ。
幸い私もアクートも準備は十分だったから何の問題もナッシン」
「私何も聞いてないんですけど」
「だってお前ここ辞めるかと思ってたし。店長に炙られる度に泣いてたじゃねえか」
「あれは…正直快感です」
「貴女の感想は聞いてないわ。どっちにしろ今日喫茶店の接客は良かったけれど
カードショップの方での対応はダメダメね」

せっかく店が倒産の危機を逃れたのに再びクビの危機が近いサーメット。
今までのG退治と接客に加え突如カードゲーム店員としてのスキルも身に付けないと
ならなくなった。

だが―、

「うう…、全然分かんない。破壊とリリースってどこが違うの!?」

帰宅後サーメットは喫茶店チカーロで扱う事になったカードゲーム『KDR』の
ルールブックに目を通すがさっぱり分からなかった。

・KDR
正式名は「カラクリオーデュエルロボッツ」プレイヤー達には『デュエル』の略称で
呼ばれる事が多い。戦闘員を召喚したり魔法や罠カードを使い攻撃と防御を行い、
相手ライフを削り0以下にするか全てのカードを使いきらせるかあるいはその他の
条件を達成すれば勝利となる。
ルールが複雑、というか効果が曖昧なカードが結構あり初心者は混乱する事が結構ある。
元ネタは人気少年漫画「空繰王」の中で勝負に使われたカードゲーム。

「この仕打ち、チカーロ様は遠まわしに私にこの仕事辞めろって言っているのだろうか」

多分そうだサーメット。

「語り手にまで見捨てられた、もう駄目だ」


その日の夜、ここは喫茶店チカーロがある場所から一駅離れた大型カードショップ。
このカードショップでは毎月KDRの大会が開かれており、今日がその日だった。

「これで終わりです。羅甲パワードでダイレクトアタック」
「くっ!」
「ヘンリー選手を破りガンダーラ選手4連勝!今月も王位は動かず!!」
「私は負けません、なぜなら私は誰よりもこのゲームを知っていますからね」

鎧を着た大男はデュエルに勝利し得意げに笑う。

「この私、ガンダーラはいわゆるニートのレッテルを貼られている!
家の中ではいつも働かずゴロゴロし、仕事が無いなら実家の寺を告げと怒られる日々、
まともな恋愛もした事もないのに幼女と合体したいといつも夢見る駄目人間という奴だ!
おまけにハッピーターンの食べ過ぎで砂岩の様になった肌、鎧武者のコスプレして
この店に入る度に歩く仏像と言われる始末。だが、このKDRが私を変えた!!
このゲームで勝ち続ける私は賞金でウハウハな日々、おまけに念願の幼女に
モテモテな日々もゲットできたというわけだ!さあ私と合体しようではないか愛しの
ガンダーラガールズ達よ!!」

ジョジョな長ゼリフを言いきると同時にガンダーラの取り巻きが駆け寄ってくる。

「ガンダーラ様、私に勝利の抱擁を!」
「サティ(旧)、今日も君は美しいね」

最初に飛び込んだロリをしっかりと抱きしめる。

「ガンダーラ様、サティもぎゅってする!」
「サティ(新)、今日も君はかわいらしいね」

二番目のロリのダイビングを背中で受け止める。

「ガンダーラ様、あ、あの私も…」
「サティ(違)、お前はそれ以上よるな」

三番目にいそいそと近づいたノットロリな女性に痰を吐きかける。
ガンダーラ、この男徹底してロリだった。

「ガンダーラさま〜ん、私をあ・げ・る?」
「サティ(誰)、…本当に誰ですか?」
「ひゅーほほほ!よくぞ気付いたわね、そう私は貴方の取り巻きじゃあないわ!
ミルット登場、ミルット解決!怪傑ミルーット!」

ガンダーラガールズに混じり一人明らかに人種レベルで別人がいた。

「ああっ、あの時のミルットと名乗った痴女ロボさん」
「痴女ゆーな」

たまたまこの大会に参加していたヘンリーが彼女の正体に気付く。

「今度は何してるんです?」
「いい所だからちょっと黙っていてねヘンリー君」

そう言ってからミルットはガンダーラをビシリと指さす。

「デュエルの帝王ガンダーラ。このカードショップ以外にも様々な大会で
向かう所敵無しの賞金稼ぎ。成程噂通り大した面の皮の厚さね、でも―
日本じゃあ二番目ね」

ミルットは不敵に笑う。

「ほほう、では一番は?」

ミルットはチッチッチと指を振り、クィッと親指で自分を示す。

「貴方が日本一だと、ははあなるほど。そんな事言われたら受けて立つしかないじゃないですか」

自分の優勝が確定した後に突如アポ無しでやって来たミルットの挑発に軽々と乗る、
それはガンダーラにとって何の得にもならない事である。
だが―『デュエリスト』はいつ誰の挑戦からも逃げない!!!!!

【デュエリスト】
デュエルに魂を掛ける真の戦士。ちなみにグラップラーとは何の関係も無い。

「それではこの勝負は僕、ヘンリー=ウィリアム=クレイトンがジャッジをさせて
頂きます。店員さんは公式戦の後片付けで手があいてませんので。
両者準備はよろしいですか?」
「ええ」
「バッチグーよ」
「それでは…デュエル!」

【先行:ガンダーラ デッキ名『サンド&パワード』】
【後攻:怪傑ミルット デッキ名『サント&シュート』】


(注)これよりしばらくの間いつもとは違う【遊戯王的ノリ】でストーリーが描かれます。
なお二人のデッキはいわゆるガチデッキではなくアニメ遊戯王に近い魅せるテーマデッキ
で構成されております。

『1ターン目』 (奇数ターンは先行のガンダーラ偶数では後攻のミルットがプレイングする)

ガンダーラ「互いに手札を5枚ドローしゲーム開始!そして私のターン!
カードをドローし、羅甲重装型を攻撃表示で召喚。さらに支援兵力PGを
守備表示で特殊召喚し、この2体のモンスターでシンクロ召喚!
レベル4羅甲重装型とレベル1PGを墓地に送り―、
宇宙の果てからやって来た!ロリを乗せてやって来た!ロリ・イン・ザ・大巨人!
アーキタイプガンダーラ!!」

羅甲重装型 火属性・帝国族 効果モンスター
攻撃力1800 防御力1400 レベル4
このカードが戦闘をした結果相手プレイヤーにダメージを与えた時
相手フィールドの魔法・罠カード一枚を破壊することができる。

支援兵力PG 水属性・連合族 チューナー
攻撃力100 防御力100 レベル1
自分フィールドに表表示のモンスターがいる場合、このカードを表側守備表示で
特殊召喚する事ができる。自分のフィールドにこのカード以外のモンスターがいない時
このカードは表示形式を変更できない。

アーキタイプガンダーラ 地属性・プレゼンター族 シンクロモンスター
攻撃力2100 防御力2000 レベル5 
召喚条件チューナー+チューナー以外のモンスター一体
このカードは相手のターンに戦闘を仕掛けられた時、このカードの攻撃力は
ダメージステップ終了までの間400アップする。
このカードはこのカードを対象とする魔法・罠・効果モンスターの効果によっては
破壊されない。

ガンダーラ「そしてカード2枚を魔法・罠フィールドにセットしてターンエンドです!」


ガンダーラ:ライフ8000、手札2枚、魔法罠カード2枚、モンスター1体。
ミルット:ライフ8000、手札5枚、自分のターンが来てないからフィールドは空。


サティ(新)「しょっぱなから大物が出た!よく見るガンダーラ様の勝ちパターンダヨ!
私初心者だからどれぐらい有利なのかわからないけれど多分有利なんだよねこれ?」
サティ(旧)「そうね、ATガンダーラを倒すには攻撃力2500以上のモンスターで
アタックするか全体破壊型の魔法・罠カードを使わないといけない」
サティ(違)「もし、シンクロ等の方法で次の相手のターンに強力なモンスターを召喚しても
あの伏せカードで返り討ちにするはずよ」

『2ターン目』
ミルット「私のターンね?一枚ドロー、ライフを1000払い魔法カード
秘密基地の停電事故を発動!このターンの終わりまで貴方は伏せカードを発動できないわ」
ガンダーラ「…っ」
ミルット「さらに魔法カード二つの顔を持つ黒兎!ATガンダーラを指定、
ATガンダーラは裏守備表示に変更、最後にサントトゥオーノを召喚!
バトルフェイズ、サントトゥオーノで裏守備のATガンダーラに攻撃。
サントトゥオーノは裏守備状態のモンスターと戦闘する場合ダメージ計算を行わず
相手を破壊するわ!」
ガンダーラ「わ、私のメインカードが何もできずに…。しかし黒兎の効果で私は一枚
ドローさせてもらいますよ」

秘密基地の停電事故 魔法カード
ライフを1000支払う。このカードを使用したターンのエイドフェイズまでの間
相手はセットした状態の魔法・罠カードを使用できない。

二つの顔を持つ黒兎 魔法カード
フィールドに存在するモンスターを一体指定する。そのモンスターが表側表示ならば
そのカードを裏側守備表示にする。そのモンスターが裏側守備表示ならばそのカードを
攻撃表示にする。この効果でカードの表示が変わった時相手はカードを一枚ドローする。

サントトゥオーノ 風属性・連合族 効果モンスター
攻撃力1600 防御力1600 レベル4
このカードが裏守備状態のモンスターと戦闘する場合、ダメージステップを
介さずそのカードを破壊する。

ミルット「ターンエンド!」


ガンダーラ:ライフ8000、手札3枚、魔法罠カード2枚、モンスターなし。
ミルット:ライフ7000、手札3枚、魔法罠セットなし、モンスター1体。


サティ(新)「切り札が何も出来ずに下級モンスターに倒されちゃったよ!
でもアーキタイプガンダーラって破壊効果が効かないんじゃなかったけ?」
サティ(旧)「モンスター効果は裏守備じゃあ発動できないからね、これはしょうがないわ。
ええ、決してアーキタイプガンダーラが弱いわけじゃないのよ」
サティ(新)「でもあっけなくやられたのは事実だよね?」
サティ(旧)「…」


『3ターン目』
ガンダーラ「私のターン、カードを一枚ドローしフィールド魔法カード港ステージを発動!
さらに前ターンで伏せておいたトラップカードを発動、狙撃する執事によって
相手フィールドの一番防御の低いモンスターを破壊します、しかし相手にモンスターが
一体しかいないので対象はもちろんそのサントトゥオーノ!」
ミルット「ちぃっ、フィールドがガラ空きになっちゃたわね」
ガンダーラ「もちろんこれで終わりではありません、港ステージの効果で手札から
玉鱗を特殊召喚!玉鱗が召喚された時、私はデッキから攻撃力2000以下のモンスターを
手札に加える事ができる!」
ミルット「攻撃力2000、そして港ステージ。…!」
ガンダーラ「そう、私が選んだのはこのカード。このターンはまだ通常召喚の権利を
使っていなかったのでそのまま玉鱗をリリースし召喚!
ガンダーラに乗りたい?無理無理、だって私1000年間ロリ待ってたんだもん。
あんたはこっち乗ってガンダーラのサポートしてろ、ラクシュミーΩ!!」

港ステージ フィールド魔法カード
このカードは「海」としても扱う。自分のターンごとに一回だけ手札から4レベル以下の
水属性モンスターを一体特殊召喚できる。

狙撃する執事 罠カード
相手フィールドモンスターの中で一番防御力が低い一体を破壊する。
この罠効果はカウンター罠で無効化できない。

玉鱗 水属性・帝国族 効果モンスター
攻撃力1200防御力1500 レベル3
このカードが通常召喚・特殊召喚・反転召喚に成功した時デッキから攻撃力2000以下の
水属性モンスター一体を手札に加える事ができる。

ラクシュミーΩ 水属性・連合族 効果モンスター
攻撃力2000 防御力700 レベル5
フィールドが海ステージの場合このカードは以下の効果を得る。
・このカードは2回攻撃ができる。

ガンダーラ「バトルフェイズ、ラクシュミーΩで2回直接攻撃し4000ダメージ!
ターンエンド!」

ガンダーラ:ライフ8000、手札3枚、魔法罠カード1枚、モンスター1体。
ミルット:ライフ3000、手札3枚、魔法罠セットなし、モンスターなし。
フィールド:港ステージ

サティ(違)「ガンダーラ様のメインアタッカーが出たわね。これで相手の痴女の
ライフは半分を切ったけど、はあ…」
サティ(旧)「どうしたの(違)お姉ちゃん?」
サティ(違)「あの召喚時の口上もうちょっとなんとかならないのかしら」
サティ(新)「リリースが必要な上級のくせに攻撃力2000しかないから
あれぐらいでいいんじゃないの?下手すると次の相手のターンで下級モンスターに倒されちゃうしね」
サティ(旧)「だ、大丈夫よ。最近は効果を使ったモンスター戦が主流だから2000の下級
モンスターはめったにデッキに入ってないわ」
サティ(新)「ふーん、だったらいいけど」


『ターン4』
ミルット「正直厳しい状況よね。このドローでいいカードが引けないと…」
ガンダーラ「そんな事いってもドロー力は上がりませんよ」
ミルット「でも引いちゃった。私は今引いたドリス姉さんのジャック!を発動、
ライフを半分払いそのラクシュミーΩのコントロールを奪うわ?」
ガンダーラ「なにい!?」
ミルット「そして魔法カードヘタリアの汚名返上。墓地のサントトゥオーノを
復活、そしてサントネビアを通常召喚。バトル!3体でダイレクトアタック!」
ガンダーラ「それを全部喰らってはまずいですね。しかたありません、
罠カードツナミ・サンダーボルト発動!対象は私のフィールド魔法!」
ミルット「あらら、フィールドが無くなってラクシュミーが一回攻撃に戻っちゃたわね。
じゃあそのまま全員で殴ってと」
ガンダーラ「2000+1600+1700=5300のダメージ。私のライフは2700残りましたね」
ミルット「このカードを伏せてターンエンド」

ドリス姉さんのジャック! 速攻魔法カード
ライフを半分払う。相手フィールドの表表示モンスター一体のコントロールを得る。

ヘタリアの汚名返上 魔法カード
墓地からサントと名の付くモンスター一体を特殊召喚する。

サントネビア 風属性・連合族 通常モンスター
攻撃力1700 防御力1100 レベル4
鋭い突きと切り札の飛び道具で敵を倒す騎士。

ツナミ・サンダーボルト 罠カード
自分、または相手の魔法・罠カードを1枚選び破壊する。


ガンダーラ:ライフ2700 手札3枚 フィールドガラ空き
ミルット:ライフ1500 手札0 モンスター3体(Ω・サントコンビ) 魔法・罠1枚


サティ(新)「うん、ラクシュミーΩは倒されなかったね。でも裏切るなんて思わなかった、
見事な悪女だよねー」
サティ(違)「し、しかたないじゃない。そういうルールなんだし」
サティ(新)「アーキタイプもラクシュミーもダメダメだね。やっぱりガンダーラ様の
切り札と言えるのはあのカードだけなんだよ」
サティ(旧)「サティ(新)ちょっと」
サティ(違)「先輩、落ち付いてください。相手は子供です」
ヘンリー「そこ、デュエル中は静かに」


『ターン5』
ガンダーラ「そろそろ決めたい所ですね…ドロー…条件が揃いました!
魔法カード千年の儀式!手札のモンスターカード2枚を捨てて最上級モンスター
召喚!1000年の眠りの果て―、目が覚めたのはお前の為だジークロリ!
ロリっ子大好き守護神ガンダーラァァァァァァ!!!!!!!」
ミルット「き、来ちゃったの?ガンダーラ!さすがチャンピョン、凄い引きね」
ガンダーラ「フフフ、ガンダーラが召喚された時相手フィールドのカードを3枚まで
破壊できます。指定するのはその伏せた魔法・罠フィールドのカードとラクシュミーΩ、
そしてサントネビア!音撃破壊、ブッダボイス!」

千年の儀式 儀式魔法カード
手札から合計8レベルになるようにモンスターを捨てる。
手札から守護神ガンダーラを特殊召喚する。

守護神ガンダーラ 地属性・連合族 儀式モンスター
攻撃力3100 防御力3000 レベル8
このカードは儀式カードの効果以外で通常召喚・特殊召喚できない。
このカードが特殊召喚に成功した時相手フィールドのカードを3枚まで破壊できる。
この効果は無効化できない。また、このカードの特殊召喚に成功した時このカードに
マジックカウンターを一つ乗せる(最大一つまで)。
このカードが魔法・罠により破壊の対象になった時
マジックカウンター一つを除去する事で破壊を無効化する事ができる。

サティ(新)「伏せカードと攻撃力の高いモンスターが破壊された!これで痴女を守るのは
攻撃力1600のモンスター一体だね」
サティ(旧)「ガンダーラの攻撃力は3100、差分の1500のダメージでぴったりトドメね」
サティ(違)「相手の罠が心配だったけれどこのカードは一度だけ罠・魔法では
破壊できないし相手は伏せカードを使うそぶりも見せなかったわ」

ガンダーラ「さあこれで終わりです!ガンダーラでサントトゥオーノに攻撃!」
ミルット「何勘違いしてるの?まだ貴方のバトルフェイズは開始してないわ」
ガンダーラ「ひょ?」
ミルット「貴方が破壊した伏せカードは神父の不意打ち!」

神父の不意打ち 罠カード
このカードはモンスターの破壊効果によって破壊された時に効果を発動し、
破壊効果を発動したモンスターの元々の攻撃力分のダメージをそのモンスターの
持ち主に与える。

ミルット「よってガンダーラの攻撃力分の3100ダメージを受ける!」
ガンダーラ「ば、ばかなぁぁぁぁぁぁ」
ヘンリー「それまで!ライフが0以下になった事により勝者怪傑ミルット!!」

こうして、カード大会終了後の乱入者対チャンピョンのエキシビジョンは幕を閉じた。
正式参加ではないミルットには賞品は出ず、この敗北がガンダーラの権威を失墜する事
にもならなかった。だが、彼女の華麗なプレイングとそのエロいコスチュームに惹かれ
デュエル終了後、参加者達が彼女の元に集まり次々と質問していく。

「イヒヒヒィ、痴女ぉ俺様にオパーイ揉ませろ!」
「ミルットさん、峠でカリームと戦ったミルットさんですよね?」
「普段大会で見ないカード中心のプレイですがこのデッキのメインは何ですか?」
「というかどこにいけばお姉さんにあえますか?」

ミルットはチッチッチと指を振り、

「皆さん、落ち付いて。一度に全部は答えられないわ。それにもう夜も遅いし
そろそろ帰らせてもらうわね。ただ一つだけ言える事があるわ」

ミルットは親指でクイッと自分では無く店の外、隣町の方を指す。

「こないだ隣町の商店街にもカード屋が出来たのよ。喫茶店チカーロって所でね、
そこが私のオ・ス・ス・メ? じゃあね、バーイ」

人波をかきわけ立ち去って行くミルット。彼女のトリコになったデュエリスト達は
シークレットペニスの状態のまま喫茶店チカーロの名を反芻していた。


そして次の日、あれから徹夜してなんとかゲームルールを暗記したサーメットは―、

「ミルちゃん、そっちのデュエルが終わったら次は4番テーブルの相手してやってくれ」
「アクートさん厨房の仕事はいつやればいいですかー!」
「今日はアクートさんがウェイトレスも兼業しますから、サーメットはデュエルの
相手だけに集中しなさい」
「はーい!」

その日一日むっちゃ忙しかった。来た客来た客全員がサーメットを指定してデュエルを
申し込んできたのだ。
客の間からは口ぐちに、
「このミルって昨日のと何かちがわなくね?」
「きっと10連勝ぐらいすれば真の姿を現すんだよ」
「あの、やっぱり貴女が怪傑ミルットなのでしょうか?」
「頑張ってねこの店のミルさん。私も応援しているわ?」
などなど、サーメットには意味がよくわからない事を話している。
まあ、こうして自分がこの店のお客様に必要とされているという事はクビの心配は
当分しなくていいという事である。チカーロもアクートも趣味に生きる男だが
それ以前に利益追求に貪欲な二人である。これならおいそれと自分をクビにするとは
言えないだろうと思い胸を撫で下ろす。


場面は変わって隣町の路地裏にて、三人の聖女がにらみ合っていた。

「サティ(新)、あんたがガンダーラ様に勧めたカードのせいでどこの馬の骨とも分からない
痴女に負けちゃったじゃないの」
「負けたのは、二人が勧めたカードのせいじゃないの?ガンダーラ様はいっつもサティに
言っていたヨ。あの二人の年増がしつこくて困るって」
「何を言ってるの?ガンダーラ様は私のデータ管理こそこれからのデュエルに
必要だと言っていた。ルールもちゃんと理解していないバカガキと戦術の古い
女にはもううんざりって言っていたわ」
「ふうん、流石に詐欺師は嘘がお得意ね。ガンダーラ様は最初から、
そうデュエルスペースで会ったその時から私だけを真のパートナーだといつも言っていた。
あなた達なんて所詮は取り巻き程度の存在なのよ」

互いに毒を吐き合う三人、今まで溜まっていたのが昨日の敗戦がきっかけで吹き出したのだ。
壁際では小さくなったガンダーラが居心地の悪さに耐えきれずこっそりと逃げ出そうと
している。

「「「ガンダーラ様!?」」」
「は、ハイ」

しかし逃げられなかった。聖女からは逃げられない。

「「「誰が好きなのですか?」」」
「え、えーっと」

追いつめられたガンダーラ。今まで調子のって二人きりの時に色々適当に言っていた
ツケを払う時が来たのだ。だが、ガンダーラは謝る気も誰か一人を選ぶ気も全くない。
この場を何とか切り抜けようと彼はとんでも無い事を言い出す。

「三人の中で一番強い子が好きだ。私はデュエリストだからね。だからこの喧嘩は―」

デュエルで決着をつけようと言おうとした。だが一番強い子という言葉に反応した三人
の背後に巨人の影が現れる。

「し、しまったぁ!こうなってはもう私では止められない!!」

デュエリストとは所詮はゲーマー、実際にモンスターを召喚する事は出来ない。
ならば彼女達は何者か、答えは一つしかない。
彼女らは三人ともが――グラップラーなのである!!

【マジシャン】
自然に働きかけ魔術を使用するグラップラークラス。その破壊力は他の追随を許さないが
接近戦能力が皆無かつ味方を巻き込みかねない大技ばかりで小回りがきかないという
欠点を持つ為活躍する戦場が限られる。マジシャンには各人事に得意な属性があり、
一つの属性を極めた者はマスターと呼ばれる。
このクラスのグラップラーは感情の起伏が激しく熱情と冷静を併せ持つ人物が多い。
また、改造グラップラーの割合の低さもあって彼らはこう呼ばれる事もある。
『最も人間に近いが最も関わりたくないグラップラー』と。

「クレイゴーレム!まずはその礼儀のなってないガキを全力で潰しなさい!」
「ミストゴーレム!最善を尽くし何としても勝利の道を駆けるのよ!」
「ガイアゴーレム!二人纏めて押しつぶしちゃえ!」

己が主人の命令に応え、召喚された三体のゴーレムは咆哮をあげる。
グラップラーではないガンダーラは自分に集中する視線が無くなったのを
チャンスとばかりに脱兎のごとく逃げ出す。

この日、三人の戦いは熾烈を極め匿名の通報によってグラップラーポリスが
到着するまで続いた。本編とは何の関係もないので勝敗についてはここには
書き記さない。

ミルット「今回の最強カードはこちら!サントスパーダ!」

サントスパーダ 風属性・連合族 融合モンスター
攻撃力2600 防御力1800 レベル7
召喚条件サントと名の付くモンスター×2
相手フィールドに帝国族モンスターがいないとき、このカードは
相手プレイヤーに直接攻撃ができる。

ミルット「不意打ち上等が信条のサントスパーダ!条件を整えれば相手の壁を
無視して大ダメージを与えられるわ!さーて、次もミルッと解決よん」



『次回予告』

「ひょーほほほ、私はミルーット。あけお○こで大凶よーん!」
「待ちなさい、偽物!皆騙されないで、本物の私はこっちよ!」

ミルットが二人!?果たして偽物の正体は?

「○○○○、大した演技力ね…でもそれは二番目」
「いいえ、二番目はあなた。一番は―」
互いにクイッと自分を親指で差すミルット。

次回怪傑ミルット第三話「ミルット対ミルット?」
お楽しみに!



続く