間髪を入れない、淀みの無い動作で。
ズシィ・・! (デスロイドは歩く!)
ズシィ・・! (デスロイドは歩く!!)
ズシィ・・! (デスロイドは歩を進める!!)
先の激戦。
企業戦機・ダグラスとの戦闘を、微塵も感じさせない、その『 無機質な前進 』。
身長2m。
体重250kg
黒く光るその顔。
射抜くと光るはその眼差し。
殺戮を旨とする『ゴーレム』は・・・。
機械的にも、歩を進め。
QX団が本部。電力が消失した基地内に。
その暗闇の中へと、入り込み・・・。
『兵器の人間』は、その身を『 機械人間(サイボーグ)の只中 』へと赴かせる。
そして・・・。
その全てを視認する男、『 教授(EEE=エロイ・エチャノバ・アイザック) 』 。
絶えたは望み。打ちひしがれるは、狂気の現実。
嗚呼、憐れなり、彼は今こう『絶望』をしている。
(知りたくは無かった。)
(知りたくも無かった。)
(一生知らずに済めば幸せだった。)
(恐ろしい・・。)
(己(オレ)は、恐ろしい。)
(何が恐ろしいかって、柔装甲(マハン)さん。)
(何を恐れているかって、企業戦機(ダクラス)さん。)
(一つは・・・。)
(その科学力です・・ッ。)
・『 電 磁 フ ィ ー ル ド 』
人間大の科学(サイズ)で、
科学(バリアー)を発生出来る『 科 学 技 術 』など、 聞 い た 事 も な い 。
その科学力を戦闘に応用する、侵入者(=デスロイド)の科学(タクティクス)もさる者ではあるが・・・ッ。
企業戦機(ダクラス)さんの戦法は『 何一つ間違いは無かったッ!! 』
あんな反撃など『 読 め る 訳 が 無 い ッ ッ ! ! ! 』
未知なる者との戦闘ッ!
その事柄にして、既に『後手ッ!』
だのに『 未知なる科学 』とも『 相対しなければならない 』などッッ!!
どうしようもない位に『 戦力差は絶望じゃあないですか! 柔装甲(マハン)さん!! 』
(どうしようもない位の戦力差ッ!!)
(それは、ただ歩を進める侵入者(=デスロイド)からも伺い知れる事ですッッ!!)
・『 歩 行 速 度 』
時速4kmの保持ッ!
真っ暗闇と化した、基地内の歩行にも関わらず、その速度を保持している言う事ッッ!!!
科学(アンサー)は一つですよッッ!!!
侵 入 者 ( = デ ス ロ イ ド )は ッ ! 暗 闇 を 苦 と し な い の で す ッ ! !
まるで『 闇 夜 』を『 行 』く『衆(モノ)』だッッ!!
そして、その裏付けがッ!
今、己(オレ)の科学(シナプス・アイ)に投影され続けている、この科学(ムーヴメント)にあるッッ!!!
ズシィ・・! (時速4kmの保持しッ!)
ズシィ・・! (暗闇を闊歩する侵入者ッッ!!)
その前方に、倒れては伏す・・・ッ!
QX団サイボーグ・『闘売女(バトルビッチ)・ズレアバーシャ』の肢体をォ・・・ッッ!!
スッ・・・。 (大股を広げる事によりッ!)
ズ・・シィ! (闘売女(ズレアバーシャ)を避けッッ!!)
ズシィ・・! (そして、何事も無かったかのようにッ!)
ズシィ・・! (再び、その歩を進めているッッ!!)
これは『闘売女(ズレアバーシャ)の肢体(からだ)』を 視 認 しなければ出来ない 行 動 で す ッッ ! ! !
(そして、この行動はッ!)
(この己(オレ)、教授(EEE)にッ!!)
(確実にも訪れる『 死 の 恐 怖 』を刻み込む事になったのですッッ!!)
( 何 故 な ら 、 そ れ は ・ ・ ・ ッ ! ! ! )
・『 進 行 方 向 』
左にッ! 右にッ!!
迷宮にも似る、この基地内部の通路を、左に右にも曲がるのはッッ!!
一直線に己達(オレたち)の居る、この『部屋』へとッ!!
向 か っ て い る 事 を 意 味 し ま す ッ ッ ッ ! ! ! !
嗚呼、あの迷い易いッ!!
科学(オールヌード)の銀装隠密(オレグレイ)さんが、一人泣きべそ掻いて迷子になった、あの十字路まで、知っているかのようにッッ!!!
否(いいや)ッ!
侵入者は『知っているのだろうッッ!!』
己(オレ)の科学(リースニング=推理)は確信に変わったッッ!!
電力の消失ッ!そして同時機と思われる、この『侵入者の襲撃』はッッ!!
『 動 け る 者 、 全 て を 排 除 し ッ ッ ! ! 』
『 動 け な く な っ た サ イ ボ ー グ を 確 保 す る 為 に あ る ッ ッ ! ! 』
目的は『戦力の増強!!』
侵入者はQX団が誇るサイボーグ軍団を『己の手駒』にする為に、此処へとこの場へ 攻 め 込 ん で き た ん だ ッ ッ ! ! !
そして動ける者、全てを排除をすると言う事・・・ッ!
それは・・・ッッ!!
己(オレ)が、科学(超マンチキン)に最後の最後まで逃げまわり、「ココまで逃げればもう安心だ」言ったトコロで・・・ッ!
瞬間ズバッと殺すまでッ!
『己(オレ)を追い続ける事を 意 味 し て い る ・・・・ ッ ッ ッ ! ! ! ! 』
(駄目だ。) (無理。) (絶望。) (死ぬゥ。)
(どうしてこんな!?) (嫌だ!) (受け入れられないッ!!)
(ありえない!) (ありえない!!) (ありえない!!)
教授(EEE)は頭を抱え。
ガタガタと震え、こう呟く。
「無理だッ。」
「無理だッ。」
「無理だッ。」
「無理だッ。」
自失。そして茫然。
(耐えられなかったッ!)
(そう叫ばずには居られなかったッッ!!)
(憤りすら感じられる、魔妖香酋長(プカハンタ)と邪曲家(ダークフーゴー)の視線を覚えようとも・・・ッッ!!!)
(己(オレ)は、獲り殺されそうな恐怖に、その身を任す事しか出来なくなくしまったのですッ!!)
「無理だッ!」
「無理だッ!」
「無理だッ!」
「無理だッ!!」
ー そして。
ー その刹那。
ー 己(オレ)は鷲掴みをされ、そのまま握り潰されるかのような、
『 鈍過ぎる 衝 撃 』 を こ の 身 に 憶 え た ・・・ ッ ッ ! ! !
ッ!
ッ!
ッ!
ッ!
ッ!
ッ!
ッ!
ッ!
「 『 己(オォォォオオオ オ オ オオ オ レ ) の 、
大ぁぁぁああ あ あ い 事(じ)な 、
科 学 ( タ マ ) が ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ ああああああああああ あ あ あ あ ! ! ! ! ? ? 』 」
・
・
・
・
・
・
・
・・・・
○クロガネの賛歌・第3章
ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令 ー 激 闘 ! サ イ ボ ー グ 編
第19話「 愛 と 憎 。 」
・・・・
己(オレ)は、そう「叫び声」を『科学(シャウト)』したッッ!!!
父さん!
母さん!!
妹の(CDE=クーデレ・ドエロス・アイザック)!!
と言うか、エロイとか、ドエロスとか、人の名前を何だと思っているんだよ、いや、問題は其処じゃあない!!
父さんと母さんの愛の育みに使用されたと考えられ、おそらくそれは事実であると『認識をする 科学(デリケート・オプション)にッ!!』
鳥肌を覚え、身の捩れを感じる、鈍くて重い『確固たる信念は肉親の情に勝るッ!』と言わんばかりの『 確かな痛み 』となって、己(オレ)の科学(ボディ)を侵略ッ!!
もしや『喪失したんじゃないのか?』と思えるぐらいの、身の毛のよだつ科学(ペイン)が続いているッッ!!
否(いいや)!? 本当に喪失したのか!!?
己(オレ)は幾度となく続く、この止まる事無い衝撃を堪(こら)え、
科学(ダブル・ハンド)にて、『 ソ レ 』の 確 認 し た ッ ッ ! ! !
だ・大丈夫だッ!!
「 『 己(オレ)の科学(タマ)は、二つある!! 』 」
しかし、確認をしたからと言って何か改善かあるかと言えば、『 全くもって、そんな事は無いッ!! 』
「 『 そして己(オレ)の科学(タマ)は、とても大きくなる!!! 』 」
と。
『錯覚』してしまうかのような、『 激しい苦痛ッ! 苦々しい激痛ッッ!! 』
痛いってモンじゃない!
痛いってモンじゃない!
痛いってモンじゃない!!
薄れそうにして、はっきりとした意識の中ッ!!
己(オレ)は、魔妖香酋長(プカハンタ)の怪笑を耳にする・・・・ッッ!!!
「ヒヒヒヒヒケケケケケケケッッ!!!」
魔妖香酋長(プカハンタ)は続けるッ!
「絶望しよったな、教授(EEE)! 諦めよったな、教授(エロイ・エチャノバ・アイザック)!!」
「先にお主の唇を奪った『口移し(マウス・トゥー・マウス)』による毒霧の噴射はぁああ〜〜〜ッ!!
『一種のステロイド』を投与する事により、お主のサイボーグ能力である『 視力を強化したッッ!! 』 」
「それは『現状』をより知る為。
それは門番であった『柔装甲(マハン=ガン)』の身に、何が起こったか知る為にあるからじゃあぁぁああ〜〜〜〜ッッ!!」
己(オレ)は、科学(ダブル・ハンド)で科学(デリケート・オプション)を押さえ続けたまま、魔妖香酋長(プカハンタ)の声に耳を傾けるッ!!
魔妖香酋長(プカハンタ)は、こう続けるッッ!!!
「だが、しかしよのぉ、教授(EEE)!!
この魔妖香酋長(プカハンタ)は、懸念しておったのじゃ〜ッ!
それはお主への『 疑 い 』 。
お主が余りの恐怖により、戦闘を放棄するのではないかと言う『 疑 心 』を抱いておったのじゃてぃ・・・ッ!!」
「それはのぉおお〜〜、教授(EEE)・・・!!
それはお主が『坊や』であるからじゃ。それはお主の『頭が良過ぎる』からじゃ。」
「坊やであるが故の『耐性の低さ』。
それは人が初めて『成熟した異性の性器』を目にした時、その『ありえないグロテスクさ』に対して 驚 愕 を覚えてしまう事に似る。」
「『こんなハズじゃなかった!』
『もっとファンタジーに満ちたモノが其処にあるハズだ!!』
『受け入れがた難いぞ、この現実ぅ〜〜〜!!!』」
「そう・・・。
人は『輝かしい未来が、其処に無かった事を 目 に し た 時 ・・・ ッ ! ! 』 」
「 『 絶 望 を 感 じ て し ま う 生 き 物 な の じ ゃ 。 』 」
「・・・どんなに辛い事柄であろうとも、『現実を受け入れる事』で道が開けると言うのにな。」
「どんなに立場が悪かろうと『受け入れぬ限り』は、前へと進み『 打 開 す る 事 』が出来ぬと言うのにな!!」
「そして、悪い事にお主は、頭が『 良 過 ぎ る の じ ゃ 』 。 」
ー 瞬時に
ー 策と保険を思いついて
ー それを実行出来る内は
ー 余裕で居られる。
ー だが
ー 万策が尽きてしまったと感じたその時。
ー お主は『簡単に諦めてしまう』のじゃよ。
ー それも、いとも容易くな。
ー それは、無意識に近いレヴェルのお話。
ー 如何に『楽に諦められるか?』を考える為
お主は容易く『 諦 め て し ま う 』 の じ ゃ 。
そして魔妖香酋長(プカハンタ)は、こう言い放つッッ!!!
「サイボーグ能力とはッ!
『空気を吸って吐くことのように!』『HBの鉛筆をベキッ!とへし折る事と同じようにッ!!』」
「 『 出 来 て 当 然 と 思 う 事 じ ゃ あ ッ ッ ! ! ! 』 」
「銀装隠密(オレグレイ)のように『無意識の意識』で『 己の肌を、人に見せたくは無い 』と思うのなら、まだしもッッ!!」
「教授(EEE)ッ!
お主の能力は『使う事の意識をし!』
そして、使い続ける事により疲弊をすると言う『体調や精神のコンディション』により、効果・効能に『 差異が出る 能 力 じ ゃ あ ! ! 』 」
「故に、先の『口移し(マウス・トゥー・マウス)』の際、
『 遅 行 性 の 毒 霧 』もまた 噴 出 し て お い た 。 」
ー パニック症状に陥る事により、
『脳波の乱れ』。『過呼吸』。過度の声帯使用に伴う『心拍数の上昇』。
ー それら全てを発動条件とした、この魔妖香酋長(プカハンタ)が誇る『オリジナル・ポイズン』。
「 名付けて『 別 苦 ( ベ ッ ク ) 』 。
この毒に犯された者は、その時・・・ッッ!!
最も犯される事を拒んでいる、その箇所(サンクチュアリ)に身悶えする程の『 激 痛 』が 発 生 す る ・ ・・ ! ! 」
魔妖香酋長(プカハンタ)は、教授(EEE)をマジマジと見つめ『こう言う。』
「そうか教授(EEE)・・。
お主は、足の親指と親指の間にある『 そ の 場 所 』が・・・!
其処が一番、『 痛 め つ け ら れ た く な い 』と考えていたのだな、この『 エ ロ ス 』め ッ ! ! 」
ー エロイですッ!
ー 教授(EEE)は、そう言う事を望んだ。
ー だが教授(EEE)は、激しくも襲い来るその鈍痛に、
返 事 す る 事 す ら、 ま ま な ら な い ッ ッ ! ! !
「何の為に、こんな事をしたと思うか教授(EEE)?」
「それは、この魔妖香酋長(プカハンタ)、『 第 2 の 策 』 の 為 ッ 。 」
「 『 さ す れ ば 邪 曲 家 ( ダ ー ク フ ー ゴ ー ) ッ ッ ! ! ! 』 」
・・・ッ。 (邪曲家(フーゴー)は、魔妖香酋長(プカハンタ)を見やる。)
「さて、邪曲家(ダークフーゴー)。」
「お主、この『役立たずとなった教授(EEE)』を ど う 使 う ・・ ・ ? 」
「煮るも良し、焼くも良し・・・。」
「お主の『好き』にするが良い。」
邪曲家(フーゴー)は答える。
「フム・・・。
『おーおー好き勝手言いなさる』と聞いておれば、何が『第2の策』か検討も付かぬ話であるな。」
「女狐老婆の魔妖香酋長(プカハンタ)め!
貴様の手の平かと考える事、不愉快一つも憶えよう事柄ではあるが、
この被りキャラの不甲斐なさには、小生もまたアジタート(苛立って)していたトコロである・・・!!」
邪曲家(フーゴー)は、教授(EEE)を睨み付ける!
「被りキャラめが!
小生はペルデンドシ(失望)である!!
幾度となく、共に死線を潜り抜けてきた貴様が『こんな程度』で音を上げるとはな!!」
「良いか被りキャラめよ!!
貴様はQX団が誇るサイボーグ1の『破壊能力』を持つ『 小 生 の 超 実 戦 オ ー ケ ス ト ラ 』を潜り抜けてきた男であるッッ!!!」
「『狂想曲・水の剣士』を潜り抜けてきた貴様が!
『非想曲・鼠捕りの末路』を聴き抜けてた貴様が!!
『立ち向かう事』を良しともせず!
ただただ股間を握りしめ『戦いたく無いでござる』とでも言いたげに、その場から『 動く事すら出来ぬとはなッッ!!! 』 」
教授(EEE)は、ただただその言葉を受け止める。
返す言葉もない。返す事すら出来ない。
ゴクリと、唾を飲み込むは教授(EEE)。
ー こうなってしまったら、後の祭り。
ー 女々しい男の『情けない言い訳』に、聞こえよう話ではあるが・・・。
ー SMと言う交流(コミュニケーション)が、根底に『 決して自分を見捨てる事は無い 』と言う、
S(サディズム)の攻撃性を肯定する『 濃 密 根 深 い 信 頼 関 係 』によってなされる、『 お遊戯(プレイ) 』である事に似て・・・。
ー 己(オレ)は、たった一つ彼を信頼している、『淡い科学(マゾヒズム)にも似た感情』を抱いていた。
( それは潜り抜けてきた 『 邪 曲 』 の 数 。 )
( それは聴き抜けてきた 『 組 曲 』 の 数 で あ る 。 )
( 所構わず破壊をする。見境なく破壊をする。
そんな彼、邪曲家(ダークフーゴー)と行動を共にし、たった一つ彼を信頼している 濃 密 根 深 い『 そ の 事 実 。 』 )
( そ れ は 、 破 壊 を 伴 う『 孤 高 の 音 色 』 を 。
潜 り は 抜 け 、聴 き て は 惚 れ て き た 『 こ の 現 実 』他 な ら な い 。 )
( 己(オレ)は・・・。
その事柄を『 侮 辱 』 し た 。 )
( 恐れる事で『侮辱』した。 絶望する事で『侮辱』をしてしまった。 )
( 踏みにじってならない、デリケートな科学(テリトリー)をである・・・。 )
( だが。
この体は、未だ消ええぬ『恐怖』が突き抜け・・・。
そして、己(オレ)を蝕(むしば)む、この科学(プロブレム)は・・。
まるで別生物のように、痛みを発し。
A LOVEる事よろしく、猛け狂っては 激 痛 を 走 ら せ て い た ・ ・ ・ 。 )
そんな教授(EEE)の様を見て。
邪曲家(ダークフーゴー)は焼け溶ける鋼鉄にも似た、溶解質な白光を伴う熱っぽい『 ブ チ 切 れ 憤 怒 』をその身に宿らせた。
( 聴衆や批評家の安っぽい風評に惑わせれない、『真の組曲』を創り上げる為・・・。
小生は『オーストリア軍』を通じ、この『QX団』へと身を投じる事にした。 )
( それは、この身を『サイボーグ化』するその為に。
その事柄により、真なるはその『音色』。『己の体を通して出る、 怪 音 波 』を手に入れる為にあった。 )
( その怪音波は『戦場』によってのみ『 奏 で ら れ る 事 』を旨とした! )
( 何故なら『戦場』こそが、最も『 人の本質が曝け出される場所 』であり!
その場で創り上げられる『邪曲』こそが『 真の組曲 』である!! そう思えたからだ!!! )
( だが・・・。 )
邪曲家(フーゴー)はこう言う。
「創り上げられる邪曲が『苛烈』であればある程に。」
「織りなされる音色が『重奏』であればある程に。」
「絶対なるは『破壊』を伴い。」
「誰の耳にも『留まる事』は無かった。」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ー だからこそ、己(オレ)は聴き抜けられた、その事柄を『 頼 』と信じた。
ー だからこそ、小生は弾き続けられた、その事柄に『 信 』を頼った。
ー 己(オレ)は、そんな『 頼 』を、恐怖で踏み躙(にじ)り。
ー 貴様は、そんな『 信 』を、不甲斐なくも 無 に 帰 し た 。
そして、邪曲家(ダークフーゴー)は。
その切れっぷりにて、『 堪忍袋の緒 』を『 千切った・・・!! 』
プッッチ”ィ”〜〜〜〜ン” ! ” ! ” ! ”
「切れた。」
「小生の中の『何かが切れた』。」
「被りキャラめよ・・・ォ ッ ! ! 」
「 『 小ォォォォオオオ オ オ オ オ 生 ェ い は ァァ ァ ア ア ア アアアアア ア ア ア ア ア ! ! ! ! ! 』 」
「 『 貴ィィィィイイイ イ イ イ イ 様 ァ ま を ォォ ォ オ オ オ オオオオオ オ オ オ オ オ ! ! ! ! ! 』 」
ー 邪曲家(ダークフーゴー)が、怒りに任せ!
ー 魔妖香酋長(プカハンタ)が、妖笑を浮かばせ!!
ー 教授(EEE)が、覚悟を決めた『 そ の 時 ! ! ! 』
・
・
・
・
・
・
・
ッ
ッ
!
ガ”ッッッシ”ィ”〜”〜 〜 ーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! !
「 『 何 が あ ろ う と も 、 守 り 切 っ て や る !
有 ぁ ぁ あ り 難 く 思え ぇ ー い !
被 ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ ぶ り キ ャ ラ め よ ォォ オ オ オ オオ オ ― ― ― ッ ッ ! ! ! ! 』 」
ー『抱擁(だ)いた!』
父親が幼子を抱き締めるかのような『優しい抱擁(ハグ)!!』
険しくも独善たる、その男が『守る』と口にした!
そして『切る』と、そ う 告 げ た の で あ る ! !
ー 教授(EEE)は・・・。
呆気とられる。
ポカーンとする。
それに伴い・・。
あれだけ激しかった痛みも・・・。
徐々に。
徐々に薄らいで行く。
とか、思っているとぉーーーッッ!!!!
・・ ・ ス コ ー ン ! !
小気味良く、拳骨(げつこつ)が振り降ろされた、頭上殴打(HEAD・HIT)!!
そして、邪曲家(ダークフーゴー)はこう続けて、言い放つぞぉおおおおーーーーッッ!!!
「何ぁぁぁあにを、しておる、
こぉぉおおおおおの、被ッッぶりキャラめがァァアアアアアアア―――ッッッ!!!!!」
「良いぃぃいいいいいか、よっっっく聞けぇぇぇえええええええい―――ッッッ!!!!!」
「QX団が誇るサイボーグ1の『破壊能力』を持つゥゥゥゥウウウウウウウウ―――ッッッ!!!」
「『 邪曲家(エビルソングライター)・ダークフーゴー 』こと、
『 小生(しょぉぉおおおせい) 』が警護に当たっていると言う最も!最も!!最も!!大きな警護的利点をォォォォオオオオオ―――ッッッ!!!」
「『 今 ぞ 、 聴 か せ よ う オ ー ケ ス ト ラ ッ !
聴 客 一 人 ッ !
即 ち 貴 様 だ マァ ァ ァ ア ア アア ヌ ケ ィィィ イ イ イ イ イ イイ イ ―――ッッ ッ ! ! ! 』 」
もう。
「は・はい!
邪曲家(フーゴー)さん!!」
痛みも無ければ、恐怖も無い!!
「『 行くぞ、被りキャラめが!!
小生が囮となるッ!小生が陽動するッ!!
所構わず破壊をし、その際、貴様が『道連れ』になろうとも、小生は組曲を奏でる事を止めはしないッ!!
ならば、被りキャラめよ!!
必死こいて回避をせよ! 聴いていたけりゃ、回避をせよ!!
そ し て 、 耳(み)ィィイイ み” に す る の で あ ぁ ぁ あ あ あ る ―― ― ッ ッ ッ ! ! ! !
オ ー ス ト リ ア の 作 曲 力 は 世 界 一 イイィィ ィ ィィ ィ ―― ― ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
「『 はい! 邪曲家(フーゴー)さんッ!!
何度も言うようですが、己(オレ)の科学(ディフェンス)は完璧ですッッ!!
特殊視力を使い、敵の科学(ウィークポイント)を発見しますッ!
次第、忍び寄るように高速接近しますッ!!
そして、両腕から放つ『振動衝撃波』によって、一撃で倒してみせましょうッッ!!
改めて言いましょうッ!
己 ( オ レ )の 科 学 ( シ ナ プ ス ・ ア イ )は 完 璧 で す よ 、 邪 曲 家 ( フ ー ゴ ー )さ ん ! ! 』 」
そして!
邪曲家(フーゴー)は号令を掛ける!!
「 ス ピ リ ト ー ゾ ! コ ン ・ フ オ ー コ ! ! ( 気合いを入れよ、烈火の如くッッ!! ) 」
コン・ブリィィィオ(活気に燃えて)、 Q ゥ ゥ ゥ ゥ X ゥ ー ッ ッ ! ! ( QXを謳い挙げるのだッッ!! ) 」
バ ” ッ ” ッ ” ! !
ー 二人、右の手を、
高々と上げ、こう言い放つっ!!
「「 『 全 て は ッ ! !
Q X 団 の 名 に 下 に ッ ッ ! ! ! 』 」」
二人は、立ちて向かった!
二人は、立ちて向かった!!
二人は、こう理解をしている!!
それは、決して!
どうあがいても、決して!!
『勝ち目など、一つもない!!』
『死と敗北のみを結果とす、無残極まり無い 戦 い で あ る 事 』 を ! !
だが、二人は立ちて向かう事を選んだのである!!
ー 無駄な失敗や!
ー 駄目な結果が!!
ー ありえない位続く、そう、その時!!!
ー 人はクソ面白しくて、仕方無くなって来る事を 知 る か ら で あ る ! !
ー そ う す る っ き ゃ あ 無 い 事 と !
ー 気 付 き !
ー ひ た 向 き !
突 き 進 む か ら で あ ぁぁあ ああ あ あ あ る っ っ ! ! !
だから、二人は向かうのである!!
例え行き着くその先が『地獄の一丁目』であろうとも!!
二人は、立ちて向かうのである!
二人は、立ちて向かうのである!!
そして・・・。
そんな二人を見送った、魔妖香酋長(プカハンタ)は・・・!
ゴッックゥーウウ!! ( 己の毒を服毒し!!)
ィィィィィイイイ!! ( 自身の聴力、強化を行う!!)
そして、彼女はこう呟く。
「聞こえているね、銀装隠密(メタルハイド)。」
「いいや、聞こえているハズだよ、銀装隠密(オレグレイ・カレロフ)。」
「先にお主に、吸引させた毒霧は『クロロホルム』じゃあない。」
「体の自由を奪っただけ。
だから意識はあるじゃあ〜〜〜。
そうだねぃ、透明マッパの銀装隠密(オレグレイ・カレロフ)よぉおお〜〜〜。」
・・・・。
銀装隠密(オレグレイ)の。
返事は・・・無い。
「キヘヘヘヘヘ!
答えられる訳も無しかぇのぉぉおおお〜〜〜!!」
「だがのぉ、銀装隠密(オレグレイ)。
これは事実じゃてぃ。これは現実として、起こった事じゃてぇ。」
「そう。
『お主の愛しい教授(EEE)』は。
透明マッパの『お主』なんかにゃあ 目 に も く れ ず に ・ ・ ! !
カッチョイイ、ナイスミドルの『邪曲家(ダークフーゴー)』と共に戦う事を 選 らん だ の じ ゃ あ 〜〜 〜 〜 ! ! ! 」
「二人は決して!
二人は決して『 生 き て は 、 帰 る ま い ! ! 』 」
そして魔妖香酋長(プカハンタ)は、こう言い嬲(なぶ)る!!
「フヘラフヘラキヘ、銀装隠密(オレグレイ)ィィイイイ〜〜 〜 〜 〜〜 ! ! ! 」
「そうじゃ、銀装隠密(オレグレイ)〜〜〜!!
この魔妖香酋長・プカハンタが、今から、その有様を『 実 況 中 継 』してやろうと、そう言っておるのじゃあああ〜〜〜〜!!」
「心して耳にするのじゃ、銀装隠密(メタルハイド)!!
愛しい教授(EEE)が、どんな様して死んでいくのか!!!
「心して耳にするのじゃ、銀装隠密(オレグレイ・カレロフ)!!
何も出来ないお前とは違って! どう邪曲家(フーゴー)が、カッチョ良く戦ってくるのかをぉ〜〜〜!!!」
「心して耳にするのじゃ!」
「心して耳にするのじゃ!!」
「透明マッパの キ モ ! キ モ ! ! キモ ォ ォ オ オ オ オ オ オ イ ! ! ! !
銀装隠密(メタルハイド)のオレグレイ・カレロフ、心して耳にするのじゃあ、
フヘラフヘ ラ ヒ ケ ェ エエエエエ エ エ エエ エ エ エ エ ーー ー ー ー ッ ッ ! ! ! 」
怪笑ッ!
嘲笑(あざわら)うは、奇笑ッ!!
魔妖香酋長(プカハンタ)の嬲り声、響き渡るその中に・・・!!
銀装隠密(オレグレイ)の。
・・・・。
返事は・・・無い。
そして、この毒舌嬲りこそ。
魔妖香酋長、『第2の策』。
『第2の策』にして。
『 最 後 の 策 』。
それは・・!!
『 銀装隠密(メタルハイド)の 真 な る 覚 醒 ・・・ ッ ッ ! ! ! 』
無意識の意識にて、全身を透明同化出来る男・銀装隠密(オレグレイ・カレロフ)が
『 意 識 的 に 、 能 力 を 扱えるようになる そ の 時 ! ! 』
銀装隠密(メタルハイド)は、QX団最強のサイボーグとなる事を『 彼 女 は 知 っ て い る 。 』
愛しき男の死では足りない。
もっと。
彼の根底にある劣等感を、侮辱し、真の怒りを引き出すその時。
彼は『本当の力』に目覚める事が 出 来 る だ ろ う 。
そして、その時。
彼女は『自分がどうなるか?』と言う事を理解している。
怒りに狂った銀装隠密(オレグレイ)は、容赦も無くに。
『 自分を捻り殺すであろう、その事を理解している・・・!! 』
だが。
『 そ れ で も 構 わ な か っ た 。 』
滅びゆく一族の運命を、更にも惨めなモノとされ。
たったと一人残される。
その要因となってしまった『あの日の事。』
『 白いタキシードのキザ男 ・・・ ! ! 』
過ちは二度と繰り返さない。
この世で最も惨めな事は『大切な何かを、踏み躙られる事である・・・!!』
『 全てはQX団の名に下に! 』
彼女にとって・・・。
その言葉は、何よりも『 重 い 』。
ーーーーーー
・・・続く。