睨(ね)めつけているっ!


Dr.劉が、睨(ね)めつけているっっ!!




深く沈んだ、底光りをする眼光である・・・っ。




Dr.劉は、睨(ね)めつける。

百文字を睨(ね)めつける。



睨(ね)めつければ、睨(ね)めつける程・・・。




 キリキリキリ・・・・ッ!! (目尻が尖り、腹底が煮えくりかえる・・・っっ!!)




深くて深くて『暗い感情』。

クシャクシャになって、何かも己さえも壊してしまいたくなる『強い感情』。


その『暗黒の精神』を支える、一筋の『禍々しい底光り』が、劉にはあった・・・ッッ!!

それは・・・っっ!!



   『 己が信じる。 悪魔の科学力・・・ッッ!!! 』



Dr.劉は、己の中で、底光る禍々しいモノに『安らぎ』を憶えながら・・・ッ。

狂気に歪んだ鬼笑(わら)い声をあげ、百文字に言い放ったッッ!!!




「クッハッハッハッハッハッハッッ!!!」


「しゃらくさいとは、この事だぞ、『 ジ・ハンドレッド ッッッ ! ! ! 』 」




「お前を立ち上がらせるモノは、愛かッ?」


「お前を立ち向かわせるモノは、情かッ??」



「言っておこうッ! 私の科学力は絶対なのだッッ!!」



 「 愛だとか情などと言った・・・・ ッ ッ ! ! 」



 「『 下 ら ん モ ノ 』に、 負 け て た ま る か ァァアアアアーーーーー ッッッ ! ! ! 」 





Dr.劉は命令を下すッッ!!




「光指し込まぬ、暗黒の世界にて、ブッコロ死をし続けた、残虐ファイターの申し子『マスク・ド・サンキスト』よッッ!!!」


「生まれ変わりし、その姿ッッ!!」



 「 『 メタリック・サンキスト 』となりて、今再びこの地に『 血 の 花 』を咲かすのだッッ!!! 」




「 行 け ッ ッ ! ! ! 」



「 メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! 」




   「 ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド を、『 ブ ッ コ ロ 死 』 せ よ ッ ッ ッ ! ! ! 」




 「 と っ て も 、 『 果 実 的 ( フ ル ー テ ィ ) 』 に だ ァ ァ ア ア ア ー ー ーー  ッ ッ ッ ! ! ! 」





百文字(ジ・ハンドレッド)の殺害を命じたァーッッ!!!!






・・・・






両方(もろて)の拳を持ち上げる。

顎(ジョー)を引く。


頭部はそれでガードする。



百文字は、メタリック・サンキストを見据える。



今から20数年前。

自分は、生前のメタリック・サンキスト。


『マスク・ド・サンキスト』を、大車輪キックにて、一撃で屠り去った。


あれから20数年経った。


技術的な事はともかく、肉体のピークは過ぎている。
機敏な一撃で、颯爽(さっそう)と屠り去るような真似は、もう出来まい。


まして、今の自分は手負いである。


闘争(たたか)う事は可能だ。だが『レディに無理をさせてしまった。』



『無理をさせてしまった。』



『その事柄』をDr.劉に悟られては、ならない。

先に劉が言ったように『帰る場所』が無い自分達ではあるが・・・。



『 そ の 事 柄 を、悟られては、 存 在 で き る 場 所 すら無くなってしまうだろう。 』



今、自分が動ける事は『奇跡でも何でもない。』

然るべき事として『起こった出来事』であるからだ。





ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




百文字は誓うッ!

誰に誓うッ?


『自分に誓ったッ!』



 『 レディを助けると 自分に誓ったッッ!! 』



モノを言えぬ。感情すら持てなかった自分に『 戦う事が出来る事 』を教えてくれたの誰だッッ?


言うまでもないッ!

言う意味もないッ!


自分の心底に根付きッ!

そして、刻み込まれたッ!!




 『 こ の 誓 い 一 つ が あ る の な ら ッッッ ! ! ! 』





百文字は『メタリック・サンキスト』を睨みつけるッッ!!




(大口開けて、爆笑(わら)っていた事を見るにッ!)


(20数年前のように、口中に『オレンジジュース』を含ませて居る事はないようだなッ!)



(見せてみよッ!)


(メタリック・サンキストッッ!!)



(貴様が繰り出すハズであったッッ!!)




   ( 『 残 虐 フ ァ イ ト 』 の、 そ の 数 々 を ッ ッ ! ! ! )





 グ ン ッッ ! ! (百文字は、腰を深く沈めて、サンキストを待ち構えるッッ!!) 






・・・・






毅然(きぜん)とした。

凛(りん)とした立ち姿で見守っている。


レディ・ミィラが、百文字(ハンドレッド)を見守っている。


緑溢るる青い惑星(ほし)。

それは、決して自分にとって優しい惑星(ほし)では無かった。


遅れた文明。

同種すら差別をし合うその社会。


どちらも自分にとって、厳しい環境であると言わざる得なかった。


そんな自分を救ってくれたのが、百文字(ハンドレッド)であった。



モノを言わぬ。

感情すら無いと思われる、鈍感な彼(ハンドレッド)であったが・・・。

必死に自分から学ぼうとする彼(ハンドレッド)を見ていると・・。


このまま何もせず生きていく事が、『 罪 悪 』であると思えてならなかった。




 ジワ・・・ッ (レディの肢体(からだ)から。)


 ジワ・・ッ ジワ・・ッ (血が滲み、そして衣服(包帯))に染みる。)




 ・・・・・。 (レディの双眸(ひとみ)が。)




 ボゥ・・・ッ(微かに。)



      ッ(ほんの微かに、数 瞬 発 光 すると・・・。)





 シュル シュル シュル (指先より『包帯』が生成され、そのまま血が滲んだ箇所を、覆い巻いた。)





レディは、百文字(ハンドレッド)を見つめる。




(大蛇毒砲によって刻み込まれた、貴方の傷はとても深いわ。 百文字(ハンドレッド)。)


(特に頭部。頭蓋骨の傷が、酷く『内部裂傷』している。)


(頭蓋骨の縫合が外れる程の衝撃だなんて、ちょっと想像がつかないわ。)



(最低限、動ける程度には『傷を引き受けた』けれど、頭部に関しては『不完全』と言わざるを得ない。)



(気を付けて。百文字(ハンドレッド)。)



(ただの一撃でも、頭部に打撃を受けたのなら・・・。)



  (その時点で、『頭蓋骨の縫合が外れた時と同じ衝撃』が貴方を襲うわ・・・ッ!!)




レディは、百文字(ハンドレッド)を見つめている・・・ッッ!!






・・・・






残虐ファイト・・・。


故マスク・ド・サンキストこと・・・。

現メタリック・サンキストの代名詞である。



プロレス。

反則攻撃で見るのなら、やや古典的ではあるが『フォーク』や『栓抜き』で、
流血(ケチャップ)させるのが、ポピュラーと言えようか?


ハードコア(=大仁田 厚(本名)がパイオニア(先駆者)となったレスリングスタイル)に目を移せば、
有刺鉄線、爆薬、火炎噴射、蛍光灯で殴り付ける、場外に張り巡らされた五寸釘・・・etc。

果ては、ワニやピラニア、タランチュラまでも用いたモノも実在している。


傾向は『 流 血 を伴うケースが大多数である』と言う一点に絞られる。


血はリングに咲く花であり・・・。

演出上、スキを見て、己の額をカミソリで切り裂く場合(ケース)もあるほど、
プロレスに置いて重要な要素(ファクター)であるからだ。


故に、残虐ファイトもまた『流血を伴う』モノであり。

分類は『打撃(ストライク)』となる。


それは、締めじゃあないからだ。


切ったりするっ。

刺したりするっ。

抉(えぐ)ったりする・・・っ。


だから、その行為は『 打撃(ストライク) 』に分類をされるからだ・・っっ!!




  クィィィイ・・・(メタリック・サンキストは、腰を落とし・・・。)


  クィィイ クィィイ クィィイ クィィイ (顔面を防御しつつ。 左右に体を移動させる・・・。)





(そう。)


(試作型アンドロイドとして蘇り・・・。)


(人工筋肉と鋼鉄製の骨格に彩られた、ボクは・・・。)




    (全身そのモノが『 凶 器 』なんだよ。 ジ・ハンドレッドくん。)





  クィィイ クィィイ クィィイ (この動きは『ジンガ』。直訳は『よちよち歩き』。)



  クィィイ クィィイ クィィイ クィィイ (メタリック・サンキストは『ジンガ』を続けて、百文字を見据える・・・ッッ。)






(そして、あの日ね。)


(君にお見せする事の出来なかったね。)



(僕の残虐ファイトを、今お見せしよう、ジ・ハンドレッドくん。)



(とてもスティッフ(直訳は「堅い」。転じて「妥協の無い」を意味する)な『 フェイバリット・残虐・ファイト 』・・・ッ。)





    ( 『 カ ポ エ イ ラ 』だよ。 ジ・ハンドレッドくん・・・・ッッッ!!!! )





・『 カ ポ エ イ ラ  』



 ブラジルの格闘技。
 相手に蹴りや攻撃を当ててしまうものは下手とされ、基本的に相手には触れず、プレッシャーをかけてゆく。

 そのため、格闘技とダンスの中間に位置するものとも考えられている。


 だが、その源流に遡(さかのぼ)れば、血生臭い『黒人奴隷の歴史』にまで。
 16世紀以来アフリカからブラジルへ、『奴隷』として連れてこられた黒人たちがッ!


 『 主人の虐待から、身を護るために編み出された 、 文字通りの 護 身 術 ッ ッ ! ! ! 』


 ダンスにカモフラージュし、丹念に丹念に『降りかかる理不尽から身を守る為に創りあげられた 不 抜 の 格 闘 技 で あ る ッッッ!!!! 』






  「 『 キ ィ ィ ス  キ ス キ ス  サ  ン  キ  ス  ト ッ ッ ッ ! ! ! ! 』 」





メタリック・サンキストのッ!

ピコピコとした、爆笑(わら)い声が響き渡るッッ!!




「一度死ンデネッ!」


「解ッタ事ガネッ!」


「アルンダヨ、 ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド 、 ク ン ン ッ ッ ッ ! ! ! ! 」





「虐ゲラレタ者ハ、必ズ『 復 讐 』ヲ、誓 イ ッ ! ! 」


「ソシテ、復讐ヲ、晴ラシキッタ、『 ソ ノ 瞬 間 』ヲッッッ!!!!」




   「 『 恋 イ テ  恋 イ テ  恋 イ 焦 ガ レ ル ン ダ ッ ッ ッ ッ ! ! ! !  』  」




 「 『 ト ッ テ モ 、 果 実 的 ( フ ル ー テ ィ ) ナ 、 ソ ノ 瞬 間 ヲ サ  ッ ッ ッ ッ ! ! ! !  』 」





メタリック・サンキストが、いきり立つッッ!!!





「『 キ ィ ィ ス  キ ス キ ス  サ  ン  キ  ス  ト  ッ ッ ! ! ! 』 」


「 行 ク ヨ ッ !  ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド  ク ン ッ ッ ! ! 」



「 全 身 凶 器 ッ ! 」


「 残 虐 フ ァ イ ト  ノ  権 化  ト  ナ ッ タ  コ ノ  僕  ガ  ッ ッ ! ! ! 」



「 『 カ ポ エ イ ラ 』デ、君 ヲ、



  『 ブ ッ コ ロ 死  』 サ セ チ ャ ウ カラネ ネ ネ ネ ネ ェ ェ ェェェエ エ エ ンン ン ン ! ! ! 」





   「 『  ジ !  ハ ン ド レ ッ ド  ク ク ク ク ゥゥゥゥウウウ ウ ウ ウ 〜〜〜 〜ン ン ンン ! ! ! ! 』 」





そして、メタリック・サンキストはッ!!



   百文字(ジ・ハンドレッド)に、襲いて掛かったッッ!!!






・・・・




○クロガネの賛歌・第3章 ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令  ー



 第 8 話  「 君と僕との 真 剣 勝 負 ( ブッコロ 死 合 ) ッッ !!! 」






・・・・






 グォォオオオオ!!! (唸るッ!!)



  ォォオオオオオオオ!!!(メタリック・サンキストの右足が唸りを上げるッッ!!)




    ォォォオオオオオオオーーーーーッッ!!!! ( 『 ポ ン テ イ ラ ッ ッ ッ ! ! ! 』 )




          それ即ち、つま先で蹴り抜く、『 カポエイラ 』の『 前蹴り 』が ッッッ !!!!




 グッ ッ ッ ジ ィ ィ ィ イ イ イ イイイイイイイイイイッッッ!!!!! ( 百文字の腹部を『 蹴り抜いたッッッ!!!! 』 )





「 キスト キスト キィィィストッッ!! 」(サンキストは、嘲笑(あざわら)うッッ!!)





(ああ!)


(これだよッ!!)


(この感覚ッ! この感触なんだよッッ!!)


(恋いてッ! 恋いてッ! 恋い焦がれたこの実感ッッ!!!)



(僕は今ッ!)



   (ジ・ハンドレッドくんを、蹴り抜いているッッッ!!!!!)





  (なんてッ!なんて、果実的(フルーティ)な情感(気持ち)なんだッッ!!!)



 (オーレンジ!オーレンジ! 濃縮還元が完了し、100%果汁のオレンジジュースになった時のようなッッ!!!)



( 『 サワヤカ酸味 』の、『 フルーティーな気持ち 』に 、 なっていくよ よ よ よぉ ぉ お お お お ん んん ! ! ! )







     「 『 キ ィ ィ ス  キ ス キ ス  サ  ン  キ  ス  ト ッ ッ ッ ! ! ! ! 』 」





メタリック・サンキストは、爆笑(わら)い声をあげながらッ!!




  グゥゥン!! ( 『 ア ウ ー ッ ッ ! ! 』 )



  それ即ち、『 側 転 』。 動作中は地面についた手を見ずに、『 敵者を見続ける 』ッッッ !!!!






  グォォオオオオオオ!!! ( 続け様、『 ア ジ コ ン パ ッ ソ ッ ッ ! ! 』 )



  それ即ち、『 蹴 り 上 げ ッ ! ! 』



  地面に手をつきて、敵者を『 蹴 り 上 げ る 』ッッッ !!!!






ガッッ ッ ゴ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ( サンキストは、百文字の右腕を、蹴り上げたッッツツ!!! )





「キスト!キスト!キィィスト!!」


「ヤルネッ!」

「ガード ヲ 崩サナイ ナンテ ネッッ!!!」


 ・
 ・

 ・

 ・


(けれど、その腕、痺れているねッ!)

(まるで、2階とか3階とかから、突き落された衝撃が、君の体を走っているだろうぅぅうう? ジ・ハンドレッドくぅぅう う ん ? ? )




  ( キ ィ ィ ス  キ ス キ ス  サ  ン  キ  ス  ト ッ ッ ッ ! ! ! ! )



(此処からねッ!)

(とっても、目まぐるしくねッ!)


(蹴らしてもらうからねッッ!! ジ・ハンドレッドくんッッッ!!!)



(今度こそ、聞かせて欲しいンだッ!!)


(丸ごとミキサーに掛けられるオーレンジが、容器の中の刃によってねッ!!)

(粉砕して混ぜる時に発生する『 けたたましい 混合重音(ミクシーサウンズ) 』のような、酷い声をだねッッ!!)



(吠えてねッ!)

(叫んでねッ!)


(泣きベソをかきながら、この『メタリック・サンキスト』の恐ろしさを『 思い知って行く事 』になる・・・・ッッ!!!)



       ( そ の 様 を、 だ よ よ よ ぉ ぉ ぉ ぉ お ん ! ! ! )





「 『  ジ !  ハ ン ド レ ッ ド  ク ク ク ク ゥゥゥゥウウウウウウ〜〜〜〜〜〜ン ン ンン ! ! ! ! 』 」





不抜の格闘技ッ!

黒人魂(ブラッティ・ソウル)の結晶、カポエイラの連撃連蹴がッッ!!!


今、メタリック・サンキストの身を借りてッ!


今ぞ、放たれるッ! 今ぞ、百文字(ひゃく)を蹴り抜くッッ!!




  今 ぞ ッ ッ ! ! !




「 『 キィィィス キ ス キ ス ッ ! ! ! !  』 」 



「 『 サ  ン  キ  ス  ト ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オオオオオオオーーーーー ッッッ ! ! ! !  』  」






百文字を、叩(はた)いてッ!

砕 き 始 め た ぞ ぉ ぉ ぉお おお おお おお おお お お お お お お !!!!!!






・・・・






グッ!(蹴るッ!)


ゴッ!(蹴るッ!)



ゴゴゴッッ!!(メタリック・サンキストが蹴り続けるッッ!!)



グジィ!(肉をッ!)


グジィ!(肉をッ!)



グジィ!(百文字の肉をであるッッ!!)



ゴグゥ!(力一杯、蹴り抜けるッ!)


ゴゴッ!(華麗な動きで、蹴り抜けるッッ!!)



グンッグンッググンッッ!!(側転ッ! 大地に手を付く動き(ムーヴ)を交えながら、『蹴り続けるッッ!!』)



バジィ!(凶暴なエネルギーだッ!)


バジィ!(高圧の爆発だッ!)


バジィ!(凶暴な、風ッッ!!)


バジィ!(暴風のように、サンキストの蹴りが疾(はし)るッッ!!)



ドグシャ!(切れていたッ!)


ドグシャ!(何かが、サンキストの内部で切れていたッッ!!)


ドグシャ!(意識が何処かに飛んで行ってしまいッッ!!)


ドグシャ!!(感情の塊と化した、その肉体ッッ!!)



グゴ! グゴ! グゴ! グゴゴォッッ!!!(人工筋肉ッ!鋼鉄の骨格ッ! 試作型アンドイドのその『 体 駆(にくたい)』がであるッッ!!)



グジジ!(蹴り続けるッッ!!)


グジジ!(蹴り続けるッッ!!)


グジジ!(華麗で流麗なッッ!!)


グジジ!( カポエイラの『 連 撃 連 蹴 』 ッ ッ ッ ! ! ! )




グジィ! グジィ! グジィ! グジジジィイ イ イ イ イ イ ! ! ! ( 蹴ってッ! 蹴ってッ! 蹴ってッ! 蹴り続けながらッッ!!! )






「 『 キィィィス キ ス キ ス ッ ! ! ! !  』 」 




「 『 サ  ン  キ  ス  ト ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オオオオオオオーーーーー ッッッ ! ! ! !  』  」





メタリック・サンキストは、狂 喜 し ッ ッ ! !



そ の 狂 笑 ( わ ら ) い 声 が 、 宴 ( こ だ ま ) を し て い た ッ ッ ! !






・・・・






メタリック・サンキストは快感しているッッ!!



なんて、果実的な・・・ッ!


なんて、果実的(フルーティー)な瞬間なのだろう・・・ッッ!!!



僕は生前ッ!

数多(あまた)の対戦相手を『血の海(マット)』に沈めてきた・・・ッッ!!



泣いて懇願する対戦相手の傷口に、100%果汁のオレンジジュースを擦り込む事なんてしょっちゅうだし・・・ッッ!!

相手が、もう二度と動かなくなるまで・・・ッッ!!


切ったりねッ!

刺したりねッ!!

抉(えぐ)ったりしながら、蹴り続ける事が当たり前の日々だった・・・ッッッ!!!!



けど生前味わった来た、どの果実的(フルーティー)な瞬間よりも・・・ッ!!



今、この時の瞬間がッッ!!


最もサワヤカ風味でッ!!


最も果実的(フルーティー)なッッ!!



「 ブッコロ死的 な 『 真 剣 勝 負 ( ブ ッ コ ロ 死 合 ) 』が 出来ているよよよよぉぉおおおんん ッッッ ! ! ! 」





とぉぉおおおってもッ、渋いオーレンジの様だった君がッッ!!!


もうすぐ『 煮込み過ぎたオォォオオオーーーレンジ 』のようにぃぃーーッッ!!



『 見 る も 無 残 な 姿 』 になっていくって事さささ さ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あんんん ッッッ ! ! ! !






「 『 キィィィス キ ス キ ス ッ ! ! ! !  』 」 




「 『 サ  ン  キ  ス  ト ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オオオオオオオーーーーー ッッッ ! ! ! !  』  」







    グォオオオオオオオオオオ!!! ( 『 ハ ス テ イ ラ ッ ッ ッ ! ! ! 』 )




      地面にかがみこむような姿勢で、 敵 者 の 足 を『 払 う 蹴 り 』ッッッ !!!!





    グゥゥ・・・・ンッッ!! (百文字が、足を後にッ。そして、一歩後退するッッ!!!)






    ・・・ ニ マ ァ〜〜ンン ♪ (メタリック・サンキストは、満面の笑みを浮かべながら・・・・ッッ!!)





    グゥゥゥォォォオオオオオオオオ!!! (そのまま己を軸とし、『 回 転 を す る ッ ッ ! ! 』)




    ォォォオオオオンンオンオンオンオン!!! (倒立状態となりッ! 頭部を軸として『 大 回 転 を 始 め る ッ ッ ! ! 』)






ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド






(オーレンジ!オーレンジ!!)



(カポエイラには、『 メイア・ルーア・ジ・コンパッソ 』と言う『 コンパス蹴り 』と呼ばれる蹴り技が存在するッッ!!)



(土下座をするように大地に手を付いてッ!)

(そのまま、地面から『 強烈な遠心力 』を用いて相手を蹴り抜ける 『 カポエイラ 最大の必殺蹴撃 だ ッッ!!! 』 )




(僕はその『コンパス蹴り』に、『 ミ キ サ ー 』の要素を混合(ジュース)した・・・ッッ!!)


(更に改良させた『 コンパス蹴り 』を編み出したのだよッ! ジ・ハンドレッドくくくくぅぅううううんんんッッッ!!)





「 『 名 付 ケ テ ッ ッ ! ! 』 」





「 『  メ イ ア ・ ル ー ア ・ ジ ・ サ ン キ ス ト ・ オ ー レ ン ジ ッ ッ ッ ! ! ! ! 』 」



( 100果汁のオレンジジュースを作るが如くの、ミキサー的な、メタリック・サンキストの オ ー レ ン ジ な キ ッ ク ッッッ ! ! )





  そして、メタリック・サンキストはッッ!!


  己の頭部を軸にしッ! さながら独楽(こま)のようなッ! 竜巻、巻き起こるが如くの激烈な回転(スピン)を実行するッッ!!



  足は刃(やいば)だッ! ミキサーの容器内にある『 オ ー レ ン ジ を粉砕して、混ぜる時に使用される  刃(やいば) だッッ!!! 』




  メタリック・サンキストの丸太ン棒の様な太い足が、『 鈍 器 の 刃 と 、 今 ッ ! 化 し て ッ ッ ! ! 』




  そして、百文字にッ!



  渦を巻きてッ! 襲いて掛かるッッ!!






「 コ レ デ 、 終 ワ リ ダ ッ ッ ! ! 」



「 ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド 、 ク クク ク ゥ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ン ン ! ! ! ! 」





「 『  メ イ ア ・ ル ー ア ッ ッ ッ ! ! ! 



     ジ ッ ッ ! !  サ ン キ ス ト ・ オ ー レ ン ジ ィィィィ イ イ イ イ イ イ ーーー ッ ッ ! ! ! 』 」









     ギ ィ ィ ャ ヤ ヤ ルル ルルル ルル ル ル





                ルルル ルル ル ル  ル ォ オ オ オ オ オ オ オ






         オ オ オ オ ギャンギャ ン ギ ャ ン ギ ャン ル ルル ル ル ルルルル






                 ルゥゥゥゥルルルルゥゥルルゥォォオオオオ オ オ オ オ オ オ オオオオ オ ッ ッ ! ! ! !







    その様、正にミキサーよッッ!! 


     弾ける果実だオーレンジッッ!!!


      砕けて粉砕ジュースとなりてッッ!!!




  『  ブ ッ コ ロ コ ロ  ブ  ッ  コ  ロ  死  亜  無  っ て ヤツ だ ァァ ァ ア アアア ーー ッ ッ ! !  』










 そしてッ!!



 百文字はッッ!!!







   ゴ ッ ッ ッ  ツツ ツツツ ツツ ツ ツ




             ギャア アア ア ア  ア ア ア ー ー ー ァ ァ ァ ァ ァ





     ァンアンアンアンアンァンアン ァ ン ァ ン ァ ンア ン ア ン アンァンアンアンァ





              ゴッッッッガガガガァァアアァアアア ア ア ア ア ア ア アーーー ー ン ッ ッ ! ! ! !






百文字が、吹っ飛ばされますゥーッッ!!


ダンプに跳ね飛ばされたゴムマリみたいに、弾けて弾んで倒れ伏すゥゥゥウウウウウーーーッッ!!!







「・・・・・。」



「・・・・・。」



「・・・・・。」






  ・・・・・・・・・・・・・・。





「静カダ・・・ッ。」



「耳ガ、痛クナル位ニ・・・・ッ。」



「僕ハ・・。」


「今、コノ瞬間・・・ッ。」






  「  『   ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド ク ン  ヲ 、  ブ  ッ  コ  ロ  死   シ タ  ・・・・・ ッッッ 。 』  」







ーーーーーー


 ・・・続く。