・アフリカ大陸南部 『 ー 秘密組織QX団 ・ 本部 ・ 基地内部 ー 』



「マハンさん!マハンさん!!」


 もう届かない、その通信。
 そうと知りながらも、教授(EEE)は呼び掛けずには居られなかった。

 喪失、不安、焦燥、恐怖、渦巻くは『 未曾有の混乱(パニック・エスカレーション) 』。
『柔装甲(ジェルメイル)』マハン=ガンにして、『戦力差絶望』と伝えるその相手・・・。

 それ程までに驚異であるのか?
 どうしようもない位に、圧倒的であるのか?

 秘密裏にして暗躍をし続けてきた『我等が組織』は・・・。
 言わば。そう。

 言ってしまえば・・・。


『 攻めに長け。 』


『 守りに劣る。 』



 攻撃ならば、何処からでも好きに戦える。
 此方の好きな時にだ。

 しかし、守りの戦いはそうは行かない。

 自由に攻撃してくる敵よりも。
 遥かに強力でなくてはならない。


 強力。

 現状、何が有利と言える??

 教授(EEE)は、こう思考する。



・地の利

 戦場は本部である。
 厳重な警戒体制と数々の科学(トラップ)。

 しかし電力の消失により、それらは全て『無意味』と化した。
 基地内は『真っ暗闇』。

 地の利はあると言えない。


・戦力

 自軍は『七十七のサイボーグ』の者達である。
 その内『 74名 』が本部を警護している。

 誰もが人間を超えた存在。
 アフリカ大陸南部と言うこの地にて、我等を超える戦力は存在しない。

 だが、現状。
 この己(オレ)、『教授(シナプスアイ)』EEE(エロイ・エチャノバ・アイザック)。

 そして、周りに居る。


『魔妖香酋長(まようがしゅちょう)』プカハンタ

『邪曲家(エビルソングライター)』ダークフーゴー


 は、健在であるモノも。

 著しい興奮状態の為、


『銀装隠密(メタルハイド)』オレグレイ・カレロフ 


 は、強制睡眠。


 他のサイボーグとは一切の連絡が付かない。
 生きているか死んでいるかすら、解らない。


 そんな中、唯一連絡があったのが、門番を務めていた『柔装甲(ジェルメイル)』マハン=ガンであったが・・・。


  『戦力差絶望。』


  『私、今死ぬ。』


 其の二言のみを伝え、彼女との通信は途絶えてしまった。
 恐らく彼女は、もう生きてはいまい・・・。

 彼女は今周りに居る、己(オレ)を含めた4人のサイボーグの中でも『 最も優れた戦闘力を持ったサイボーグ 』であった。
 その彼女にして『戦力差絶望』と評した敵軍。

 敵軍の戦力は一切の不明であるモノも、自軍よりも優れ、そして『 絶望的な戦力差を持つ軍団 』と予想出来るだろう。



・戦略

 この己(オレ)、教授(EEE)の独断と偏見ではあるが・・・。


『打つ手は無い』


『尻尾を巻いて逃げるが得策』


 そう断言をしたい。
 何故なら、地の利、既に無く。戦力差、到底埋める事の出来ない、底無しの『 科学(クレバス) 』のようなモノ。

 無利益。そして被害甚大な戦いを続ける事に『どれ程の意味があるだろう?』


 幸いな事に、最強のサイボーグ・・。


『耐撃の百文字(ジ・ハンドレッド)』

『鷲鼻のバトゥロ(エイグロン)』


 この両名は、別行動である。

 同じくこの場に居ない『組織が頭脳(レディ・ミィラ)』に指揮系統委ねるのなら、組織は存続していけるだろう。

 その時に。
 一人でも多くのサイボーグが行動を共にする事。

 それが今、己達が出来る『最有益』な事柄では無いだろうか?


 そう。
 その事柄を行う事により・・・。


 偉大なるは我等が総帥。
『Queen X(クイーン・エックス)』を失おうとも。


 そう。
 その事柄を決意する事により・・・。


 彩られるは狂気の科学者。
『ドクトル・ベイベー』死する事になろうとも・・・!


 そんなこんなと己(オレ)が科学(シンキング)をしていると。



ドッッッグシャアァァアアアアアアアアアアアアアア〜〜〜〜〜〜ーーーーーーーーーッッッ!!!!



 邪曲家(フーゴー)の鉄拳が、己(オレ)の科学(ノーズ)へと振り落とされた。



ドブゥォオオーッッ!!


 鼻から科学(オイル)を撒き散らし。
 一歩二歩とフラフラ後退をするこの己(オレ)に。



「ブゥゥワァァアアアアアアカ!

 者(モォノ)がァァァァアアアアアアアアアア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! ! 」


 と、叫声を挙げ。


ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!


 一発二発三発四発と・・・。
 打楽器でも科学(ノック)するかの様に、邪曲家(フーゴー)は幾度となく己(オレ)を科学(ナック)で殴り続けた。



「ッッ!!!?」


 何時もの事と思えども。
「今はそんな場合ですか!?」「少し激し過ぎはしませんか!!?」と不平を覚えながら、頭を両手で抱え、蹲(うずくま)ろうとしたその刹那。



「レガート(滑らかに)!

 アッッラ・マルゥゥゥウウウ チ ャ ッ ッ ! ! (そして行進曲奏でるが如く『 投げ転がるが良いッッ!! 』 ) 」



ゴッッロゴロ!


ゴロロロォォオ オ ン ー ッ ッ ! ! !



 その刹那、己(オレ)は『投げ転がされた』。
 邪曲家(フーゴー)は、蹲(うずくま)ろうとした己(オレ)の『髪の毛』を掴み。

 無造作に。
 そして『7位入賞レベルのオリンピック選手3人分位』の力で持って、己(オレ)を『投げ転がしたのだ』。



「〜〜〜〜ッッ!!!?」


 不意の出来事、甚だしい。

 己(オレ)は焦りを覚える!


『科学(メンタル)』が『科学(パニく)』り!

『科学(スピン)』に『科学(ドランク)』を覚えるも!!

『科学(スタンダップ)』を試みようと、『科学(ヘッド)』を上げた そ の 目 の 前 に は ッ ッ ! ! !




「 『 フヘラフヘ ラ ヒ ケ ェ ーー ー ー ー ッ ッ ! ! !  』 」


 プカンハンタだ!

 魔妖香酋長(まようがしゅちょう)・プカハンタがッ!!


 半開きをしたその口を、己(オレ)の科学(リップ)目掛けて、ウワァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!





ズッッ ッ キ ュ ゥゥゥウウウウウウウウウウウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ン ン ン ! ! ! !



 泥水で!

 唇を、科学(リンス)してまいたくなるこの『嫌悪感』ッ!!



「やったッ!

 其処に痺れる憧れるであるゥゥゥゥウウウウウウウウウウ!!!!」



 痺れはするけど、憧れなんかしないィー!!?

 この痴女チカンですよ、邪曲家(フーゴー)さん!!?

 魔妖香酋長(プカンハンタ)が、己(オレ)に科学(KISS)をしたぁぁあああああああああああああああ!!!



 そりゃ世の中!

 口の周りにおべんとしたチョコレートを、舌で持ってレロレロとする、段取りが滅茶苦茶なラブコメイベントも有るかも知れないけど!!


 己(オレ)は「熟女持ってこい」だなんて言わないし!

「その世界では、大切な何かが、一つ失われていました」とか言いながら、現実から逃避をしたくもないんだぁぁぁああああああああーーー!!!?



 ・・・・いや。

 理解(わか)るんです。

 魔妖香酋長(プカンハンタ)のサイボーグ能力は『毒物の生成』と『毒霧による噴出』。
 覚醒作用のある物質も調合可能であり、これで自身や味方の強化、精神力の弱い相手なら自我を奪って手駒にする事も出来る能力でもある。


 即ち、この科学(KISS)の意味は・・・!!!




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


「そうだ、被りキャラ(EEE)めよ!

 何時までも、レント(スットロイ)で、ペルデンドシ(絶望的)な表情(かお)をしてる場合では無ぁぁあいぃぃ―――!!!」


「毒霧を噴出するサイボーグ能力ッ!

 故に特定!ピンポイントに能力を使役する場合、口移し(マウス・トゥー・マウス)で持って、毒霧を発生させなければならないッ!!」




 魔妖香酋長(プカンハンタ)が続ける!!



「フヘラフヘラ(その通り)じゃあ、邪曲家(ダークフーゴー)!!


『柔装甲(マハン=ガン)』の警護区域は『隠し扉』の門の番じゃてぃッ!

 ならばと、その区域を『視認』をする事によりぃ〜〜〜〜!!



 敵は何者かぁっ!何人居るのかぁ〜っ!!

 武器は!防具は!!実は銀装隠密(オレグレイ)の様に、裸ん坊であるのか等々とッッ!!!


 とっとと覗いて、出歯亀るのじゃあ、イヤーンじゃ イ ヤ ァ 〜 〜 〜 〜 ン ン ン ン ! ! ! 」



 人の能力をHENTAIみたいに言わないで下さいッ!?と思いつつ!

 残り全てを、己(EEE)が答えるッッ!!!



「毒物は、一種の科学(ステロイド)・・・。

 副作用は『痺れ』と『嫌悪感』。(嫌悪感は素であるし、認めたくは無いけれど、毒とは別の意味で痺れもしましたが)。


 効能、『 視力の強化 』。


 それに伴い、己(オレ)のサイボーグ能力、教授(シナプスアイ)は・・・。

『能力を一点集中させる事』により、より遠く物を『 見 据 え る 事 が 出 来 る ッ ! ! 』 」




・・・・ィィィィイイイイイイイインン!!!!



「己(オレ)の科学(シナプスアイ)は完璧です。」


「見えます。

 敵は一人・・・。
 身長は2m。がっしりとした体格。仮面を被っています。武器はありません。

 しかし、柔装甲(マハン)さんの亡骸・・・。
 飛び散った油(オイル)。ミンチと細切れの中間位の肉片。

 其処から推測される武具は、おそらくは『重火器(の類)』。
 幾度となく・・。回避する事もままならぬまま、弾丸のシャワーをその身に浴び・・・。」


「柔装甲(マハン)さんは、『絶命』したモノと思われます。」



   ギリィ・・ッ!


 己(オレ)は歯噛みした。
 口では言えないような悪事を行って来た己達ではあるが・・・。

 こんな柔装甲(マハン)さんの姿を見て。科学(アンガ)を感じない程、己(オレ)は科学(マシン)じゃあない!!


「続けよ、被りキャラ(EEE)。

 アジタート(苛立ち)は、小生が続ける。」


「は、はい。」

 己(オレ)は、続ける。


「敵。侵入者は、内部に入ろうとせず、外を見据えています。」

「目線の先は・・・。」



「『 あっ!!! 』」



「『 企業戦機(ジャック・ダグラス)ですッ!! 』 」


「『 企業戦機(モビルスーツ)ジャック・ダグラスが、其処に到着(い)ますッッ!! 』 」




○『企業戦機(モビルスーツ)』ジャック・ダグラス

 QX団No.3の戦闘力を持つサイボーグ。
 通信教育で会得したジャパニーズ・カラテを用いたスマートな戦いをメインとし・・・。

 そのサイボーグ能力は『頭角放電(ヒート・ロッド)』。射程距離こそ短いが、紫電改も真っ青な『 放 電 攻 撃 』を 行 う !


 だが、彼・・・。

 すっきりマッチョなアメリカ人、企業戦機(ジャック・ダグラス)が、
『QX団No.3の戦闘力を持つサイボーグ』と言わしめる所以は、その『サイボーグ能力』。その『カラテ・アビリティ』じゃあない。


 そう、それは!!


 生身の頃から「72時間働ける続けられる」脅威のスタミナ!

 サイボーグとなった現在の彼には『 最 早 休 息 を 必 要 と し な い の だ ! ! 』


 何時だって『スタンバっている!!』


『よろし?』と問われるその前に!


『 ダ グ ラ ス 行 き ま す ! 』そう答えるでだろう!!



『 正 義 の 怒 り を !


  ぶ つ け ろ ! !



  ダ  ァ ァ ァ ア  グ  ラ  ァ ァア ア ア ア ア アア  ス  ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! !  』



    ・
    ・
    ・

    ・

    ・

    ・



 しかし・・・!


 己(オレ)は、『あえて言おう。』



「『カスであると!』」


「・・・いや!そうじゃあない!!」


「しかし、相手が『悪過ぎますッッ!!!』」



「隠し扉を破壊形跡を視認!
 其処から計測される、侵入者の破壊能力は・・・!!

 QX団が誇る最強のサイボーグ『耐撃の百文字(ジ・ハンドレッド)』や『鷲鼻のバトゥロ(エイグロン)』クラスのモノ!

 またはそれ以上の破壊能力であると『推測が出来ますッッ!!!』」


「もう一度言いますよッ!相手が悪過ぎるッッ!!
 聞こえこそ良いですが『QX団No.3の戦闘力を持つサイボーグ』と言えど、両名と比べれば『戦力差は甚大!』

 そして、柔装甲(マハン)さんと比べて、どれ程の『実力差』がありましょうか???

『 戦力差絶望!! 』 その言葉は余りにも科学(ヘビー)!余りにも科学(ヘヴィ)です!!」



「黙ぁーとれい!
 被りキャラめがぁぁあああああ―――!!

 企業戦機(アヤツ)の言葉を借りるなら『戦いとは、いつも2手3手先を考えて行うモノ』である!!


『私もよくよく運のない男だな』とでも気取ってるヒマあったら、

 テンポ・ジュスト(正しいリズム)に実況を続けるのだ、QX団の実況能力は世界一イイイイィィィィ!!!」



「案ずるなぁぁあああ〜〜〜!

 案ずるでは無いぞ、EEE(エロイ・『エロイ』・アイザック)〜〜〜〜!!」



「EEE(エロイ・『エチャノバ』・アイザック)です!!」



「良いか、教授(EEE)〜〜〜!


 先にお主はこう言ったな!

『QX団創成期より、数々の修羅場を潜り抜けて来た、

 魔妖香酋長(アナタ)の科学(ブレイン)は、我々を勝利へと導く事でしょう。』


 となぁ〜〜〜っ!


 そうじゃ、教授(EEE)!!

 既に策有り、障子にメアリー!!


『こんな事もあろうかと〜〜〜!』

 張り巡らした策こそはッ!!


 今その場に到着をしたぁ、

『企業戦機(ジャック・ダグラス)』その人なぁぁああのじゃぁあああ あ あ あ あ あ ! ! ! ! 」



「な・何ですって!!?」


 そして、魔妖香酋長(プカハンタ)はこう言い放つ!!


「 『 そ の 策 と は ! ! 』 」


「その策とは!?」


「 『 そ の 答 え と は ッ ッ ! ! 』 」


「その答えとはぁぁぁああああ あ ああ あ あ あ あ あ ! ! ! ! ! ? 」




            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





・・・・




○クロガネの賛歌・第3章


 ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令  ー  激 闘 ! サ イ ボ ー グ 編
指 令  ー



  
第18話「 企 業 戦 機 の 奮 迅 !  魔 妖 香 酋 長 の 策 謀 ! ! 」




・・・・






・『 ー 秘密組織QX団 ・ その本部 ・  隠し扉(入口付近)  ー 』


ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド



ト・・。 (企業戦機(ダグラス)は歩む。)

ト・・。 (憎きは侵入者。)

ト・・。 (デスロイドの周りをである。)

ト・・。 (方向はデスロイドから向いて、『左の方向』。)

ト・・。 (仮にデスロイドが『右利き』であり『右ストレート』を得意とするなら、其の方向が『最も遠い位置』となるからである。)

ト・・。 (故に企業戦機(ダグラス)は、デスロイドから向いて『左の方向』を歩んでいる。)



対し、デスロイドは・・・。



・・・・。 (見据える。)

・・・・。 (只、見据える。)

・・・・。 (デスロイドはこの「HAHAHA」と笑い、笑顔もステキなこの男に、警戒心を抱いていた。)

・・・・。 (『全てを曝け出しているようで居て。大切な何かは隠したまんま・・・』。と。)

・・・・。 (そんな印象を持つからだ。)

・・・・。 (故に見据える。出方を待つ。)


企業戦機(ダグラス)が歩みながら、こう呟く。


「私は君に『させるか!』と言うだろう。」

「いや、『やらせるか!』と言うかもしれない。」

「案外、『そこぉ!』と言うかも知れないな。」

「それとも、『やるぅ!』と言うべきだろうか?」


デスロイドはこう受け取る。


「・・・。」(他愛も無い台詞。と。)

「・・・。」(何かある。と。)

「・・・。」(この男、何かを仕掛ける。と。)

「・・・。」(その瞬時、銃撃する。と。)


企業戦機(ダグラス)続ける。


「その仮面。顔の下半分が、隠れて居ないモノで・・・。」

「そして、額に『触覚の様な角』が付いたモノにしようとする、発想は無かったのかね?」

「私が君に言って貰いたいセリフは、多数あるのだよ?」


「『認めたくないものだな』。『若さ故の過ちというものを』。『君は良い友人であったが』。『君の父上がいけないのだよ』。」


「等々。盛り沢山お届けをしたいのだがね。」


「ん、誰にかって?」


「HAHAHA、ビジネスマンたる者、何時だってCMに余念がないモノのだよ。」


「売り上げグラフと睨めっこの毎日さ。」



デスロイドは警戒を強める。



「・・・。」(近付いている。と。)


「・・・。」(何かが。と。)


「・・・。」(多弁はそれを悟られない為。と。)


「・・・。」(笑った。そろそろ戯言は終わりか?、と。)




企業戦機(ダグラス)は。



ト・・。   (歩みながら。)


ト・・・。  (極、自然に・・・。)


スッ・・・。 (足元の『何か』を拾い上げる。)




  ・・・・!!!! (その僅かな隙を『デスロイドは見逃さないッッ!!!』)




「 『 排 除 す る 。 』 」




ド ” バ ” バ ” バ ” ァ ” バ ” バ ”バ ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !



  五指がバルカン!


  五指がバルカン!五指がバルカン!!


  五指がバルカン!五指がバルカン!!五指がバルカン!!!



  撃った!企業戦機(ダグラス)目掛けて即、右手!!



   『 五指のバルカンッッ!!! 』



だが、その手は『企業戦機(ダグラス)』もまた、予測(よ)んでいたッッ!!



「ダグラスッ! 行きまぁぁあああああああああああああすッッ!!! 」



ドゥオーーーッッ!!!


 跳躍(と)んだッ!


 企業戦機(ダグラス)、跳躍(と)んだ、宙(ちゅう)を行く!!


 跳躍斜角30度!

 先に破壊をされた、隠し扉の残骸目掛けてッ!!


 腕を組み、右の手を顎に当て『スマートにジャンプしたァー!!』


 残骸への着地推定時間はあと、『 0.3秒 』ッッ!!



   に対し!デスロイドは無造作に!!



ガシュウーッ!



 もう一方の手!左手(レフトハンド)をぉぉおおおおーーーーー!!!!


 構えたッ!この間『 0.05秒 』ッッ!!


 確実なるは『着地』の瞬間ッ!!


 一時(いっとき)、動きが止まる『その瞬間』ッ!!


 その時機(タイミング)に合わせて、五指のバルカンを『 着 弾 さ せ る ッ ! ! 』


    ――― 今ッ!


 ・・・ガッ! (それは、ほんの僅かの衝撃であった。)


 ・・・ガッ!ガッ! (たった三つ。ただそれだけの軽い衝撃。)


    だが、ずれてしまうは『射軸』と『好機』。



「・・・ッ!」


さしもの、デスロイドも、この『現象』には驚きを覚えた。


それは、この現象が起こるまでの『 間 』 。

企業戦機(ダグラス)が跳躍したからの『 0.1秒 』の『 間 に ! ! 』



クィッ!   (企業戦機(ダグラス)は、右手で己の『ネクタイ』を引っ張る!!)


ピコォン!! (角だ!その動作に連動をして、企業戦機(ダグラス)の頭に『角』が生えたァー!!)


ペタァン!!!(左手のォー!先に拾った『何か』を『 角 』に『 ひっ付けるゥゥウウウーーーー!!! 』 )



   そして、企業戦機(ダグラス)は、『 こう 咆 哮 す る ! ! ! 』






「 解 る ま い ッ !


  ノ コ ノ コ と 侵 入 を し て き た 貴 様 に 、


  私 の 身 体 へ と『 集 結( あ つ ) ま る  力  が ぁ あ あ  !  !  !  !   』  」





バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!!!!




放電ッ!

電撃を発する『頭角放電(ヒート・ロッド)』目掛けてッ!!



ギュン!!

ギュン!!ギュン!!

ギュン!!ギュン!!ギュン!!

ギュン!!ギュン!!ギュン!!ギュン!!



それは、飛んでくるゥー!

そいつが、集まって来るのだァー!

一つまた一つとォー!!


一杯!一杯!一杯!!


百ァァァァァァク!連ッ発ゥゥゥウウウウウウウウウウウウウ!!!!!



それは!

そいつは!

それこそは!!

その正体はァァァアアアアアーーーー!!!!




「 『  HAHAHAHAHAHA H A H AH A ー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! !


     見たまえッ! 先に侵入者(きみ)が殺した、同 士 の 遺 産 ッ ! ! !



     液 体 金 属 ・ 柔 装 甲 ( ジ ェ ル メ イ ル ) の  勇  姿  を ッ ッ ! ! !  』 」




   ヴ ”ァ ” ヴ ”ァ ” ア ”ア”〜〜 〜 〜 ン”ン” ッ ッ ! !



そうだァァアアアアーーー!!

先にデスロイドが無残にも撃ち殺した、柔装甲(マハン=ガン)のサイボーグ能力ゥゥゥゥウウウウウウウッッ!!!


液体金属・柔装甲(ジェルメイル)が今此処にィィィイイイイイイッッ!!!



企業戦機(ダグラス)が発生された『電力のエネルギー!』

放電能力『頭角放電(ヒート・ロッド)』に呼応をしてッッ!!!


今一度、その姿をば、露わにたわわにコンニチワッッ!!!



これには、流石のデスロイドにして『驚愕』を覚えるッッ!!!



そして、企業戦機(ダグラス)は間髪入れずにッッ!!!


液体金属『纏わせて!!』


形成させた『 そ の 姿 と は ァ ァ ァ ア アア ア ア ア ア ア ア ッ ッ ! ! ! 』



      ッ


      ッ


      !



「 『  企 ・ 業 ・ 戦 ・ 機 ィ ー ッ ! ! !



     ダ  ァ ァ ァ ア  グ  ラ  ァ ァア ア ア ア ア アア  ス  ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! !  』  」




   ド ”ォ ” オ ”ォ ” オ ”オ”〜〜 〜 〜 ン”ン” ッ ッ ! !




往年のロボットヒーローを、再現させたかのような『トリコロールカラー』が良く似合うッッ!!!


額に『Vの字のアンテナ』を取り付けた『 あ の 姿 』にてぇぇぇええええ!!!


企・業・戦・機ィィィイイイイイ!!!



『   合  ァァァアアア  身  ッッ !   完  ンン ン ン  了  ォォォオオオオ ゥ ー ッ ! ! ! ! 』



    ・
    ・
    ・

    ・

    ・

    ・



・・・・




・アフリカ大陸南部 『 ー 秘密組織QX団 ・ 本部 ・ 基地内部 ー 』


「駄目ですから、それぇぇえええええーーーー!!!?」


 己(オレ)は思わず、ツッコミを入れた。
 何が駄目かは良く解らないが『兎に角ダメだ』。

 色々『やってはいけない事』を や っ て し ま っ た 。

 そんな気がしてならない。


 ・・・とは言うモノも。


 企業戦機(ダグラス)の身体能力に、柔装甲(ジェルメイル)が加われば、戦力差は十分埋まったと言えるだろう。


 しかし驚きだ。

 射程距離の短く。地味で。ピコォンと角が生えるし、「おじぎ」をしないと上手く当てられない『使い勝手の悪い能力』・・・。


 そんな『頭角放電(ヒート・ロッド)』に、こんな裏技があるだなんて・・。


 そして、各個人個人のみが使用できると思われた『サイボーグ能力』が、他の人間(サイボーグ)に操れるとは・・・。



 驚嘆と疑問。


 魔妖香酋長(プカンハンタ)が、それに答える。


「そうじゃそうじゃそうじゃあああ〜!

 これこそが、この魔妖香酋長による『苦肉の策』ぅぅうう〜〜〜!!」


「そうじゃ、教授(EEE)〜〜!


 これが!そう、これこそが『 魔 妖 香 酋 長 の 策 謀 』であるのじゃぁぁあ あ あ〜 〜 〜〜 〜 ! ! 」



 魔妖香酋長(プカンハンタ)は続ける。


「もしも。じゃ・・・。

 もしも、このQX団が本部に『危機』が訪れるとすれば・・・。


 それは『絶対的な戦闘力を保有する1個人』であると、この魔妖香酋長(プカンハンタ)は考えたのじゃあ。

 耐撃の百文字と鷲鼻のバトゥロにして『対等以上』と評する人間は『3人』居る。」



    ・ 一人は、幻の中国拳法「白華鳳凰拳」の伝承者『李白鳳』。

    ・ もう一人は日本防衛軍空軍長官、『柳生 月心斎』。

    ・ そして最後。 謎に包まれた『黒兎(くろうさぎ)』。



「この3人の内、一人でも本部に攻めても来たのなら、我等が勝機は十分と言えぬ。

 何人かが『相討ち』『自爆覚悟』にて迎撃をし、始めて勝機らしい勝機が生まれると言えよう・・・。」


   ー どうせ『相討ち覚悟』なら。

   ー はたまた『自爆覚悟』であるのなら。


「故にと、この魔妖香酋長(プカンハンタ)は・・。


 その『もしも』に備え。この警戒体制に『IF(もし)』を盛り込んだのじゃ。」


「それこそが、この。

『企業戦機(ダグラス)』が『柔装甲(ジェルメイル)』を使用する『 IF(もし) 』であり・・。

 それこそが、この魔妖香酋長(プカンハンタ)の『苦肉の策』である・・・。」


「この『IF(もし)』の為、柔装甲(マハン)を隠し扉に配置をし。」

「その『IF(もし)』の為、企業戦機(ダグラス)に『嘘の集合時間』を教えていたのじゃあ〜〜〜!」


「それは全てッ!!

『企業戦機(ダグラス)』に『柔装甲(ジェルメイル)』を使用をさせる『 IF(もしも) 』の為にッッ!!!」



 己(オレ)は、この策謀に科学(ショック)を覚える!



「嘘の集合時間ですって!?

 企業戦機(ダグラス)さんは、別任務の最中では無かったのですか!!?


 それに柔装甲(マハン)さんは、何も知らずに居たのではないですか・・・ッッ!!?」


 己(オレ)は、そう口走らずには居られなかった。


 相討ち覚悟だって?自爆覚悟だって??

 確かに己達は、いつ何時であろうとも、死の覚悟を持って任務を遂行しているのかも知れない。

 だがそれは、例えその結果が『死』であろうとも、甲斐を持ち遂行する事を『旨』とするからである。


 こんな何も知らずに遂行をし。何も知らずに死んで行くなど・・・!

 謀られ死ぬ事と『ほぼ同義!!』

 其処に残るのは。


『 無 念 』 だ け だ ・・ ・ !


 最初から、企業戦機(ダグラス)さんが。

 初めから、企業戦機(ダグラス)さんが居れば、また違う結果にだって・・・!!


 いや。


 ・・・そうは。

 ・・・そうは、ならなかったろう。


 この警戒体制。

 柔装甲(マハン)さん以上に、門番に適した『サイボーグ能力』を持つ者など、居なかった。


 そして己(オレ)は、さっきのさっきまで『どうしようも無い戦力差』に、逃げる事以外思いもつかなかった・・・。


 己(オレ)は断言ができる。

 最初から企業戦機(ダグラス)さんが居た状態でこの状況を迎えれば。


 事態はもっと悪化していただろう。と。


 それにこうも考えられる。

 企業戦機(ダグラス)さんが遅れてくる事により、彼だけは生き残る科学(ケース)もあるじゃあないか。と。


 それはさっき己(オレ)が科学(シンキング)した。『最有益』な事柄と、類似をする事では無いだろうか?


 また・・。

 策とは言えあくまで『保険』。

 何事も無く終わる科学(ケース)もまた、想定が出来る・・・。


 だが現に、柔装甲(マハン)さんは・・・。


 いや。


 しかし・・・。



 甘くも辛い、思慮故に迷宮。


 その時。



ポン。


 己(オレ)の科学(ショルダー)に、ポンとも叩いた。

 その男の名は、邪曲家(ダークフーゴー)。


 そして、邪曲家(フーゴー)は、こう言い放つ。



「アパッシオナート(熱情でも良い)!! エネルジコ(だが、力強く生きよ)!!!」


 と。


・・・。


 己(オレ)は。


コクリ。


 静かに頷いて。


「はい!!」


 そう答える。


 思慮故に迷宮となるのは『より確かな出口を求めるが故。』

 だが。今はそれが安易でも構わない。


 今するべき事は『唯一つ』であるのだ!

 見よう。この『科学(シナプスアイ)』で。


 戦いはまだ終わらない。むしろ始まったばかりと言えるのだから・・・!!


 そして・・・。


 魔妖香酋長(プカンハンタ)は、こう付け加えるのだ。


「言うまでも無いが『液体』と『金属』は『 電気を良く通す性質 』を持つ。

 頭脳から発生をする企業戦機(ダグラス)の電撃は、言わば『 意識を持った 電 流 』。


 故に、あのような芸当。

 裏技染みた『サイボーグ能力』を発現出来ると言う訳じゃ。」


「さて。企業戦機(モビルスーツ)よ・・・?

 さて。企業戦機(ジャック・ダグラス)よ・・・?


『 君 は 生 き 延 び る 事 が 、 出 来 る か え ぇ ぇ ー ー ? ? ?  』  」




「 『 ヒ・ホ・ハ・ホ・ハハヒ・ケ ェ ェ エ エ エ エ エ エ エ エ エ ー ッ ッ ! ! ! 』 」



    ・
    ・
    ・

    ・

    ・

    ・



怪声響き渡る中、一人蚊帳外で・・・。


誰にも見えぬ、その姿にて。

ホロリと一筋の涙を零し・・。

眠りも続ける『銀装隠密(オレグレイ)』を姿を『 誰も知らない 』・・・・。


その涙は、孤独が故の泣きっ面か?


はたまた、想うは仲間の死。


憂いて流すよ、哀悼の涙か・・・?





・・・・





・『 ー 秘密組織QX団 ・ その本部 ・  隠し扉(入口付近)  ー 』



 ガシィ!


 ガシィ!


 ガシィ!

 ガシィ!

 ガシィ!



打撃音が響き渡るッ!


通信教育は、学びし『ジャパニーズ・カラテ』ッ!!

彼の仕事っぷりのようにパーフェクト、且つスマートなローキックが幾つも入るッッ!!


他人のせいで、己のパーフェクトっぷりが適わなくなるとイライラをし!

『特に時間にルーズなヤツはダメだ。遅れた倍働け』と叱咤をする『 完璧主義者 』な彼が放つ キ ッ ク な だ け あ り ッ ッ ! ! !


スマートにて、ビューティフォォオオオオオ!!!


柔装甲(ジェルメイル)による、攻防能力向上の恩恵も重なってぇぇぇええええ!!!


さしもの、デスロイドも舌を巻いてるぞォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオーーーーーー!!!!



「HAHAHA!!

 偉く頑丈な仮面と、頑強な体躯には辟易したモノも、流石に関節部まではそうじゃあないようだね、侵入者!!

 ”人間機関車”ばりのローキックの連撃に、防戦一方じゃあないか!」


「そんな君に訪れる末路! こんなセリフを送るとしようッ!!」



「 『 足(あんな)の飾りです!


    偉い人には! そ れ が 分 か ら ん の で す よ ぉ ぉ ぉ お お お お お ! ! ! !  』  」




  ガシィ!


  ガシィ!!


  ガシィ!!!

  ガシィ!!!!

  ガシィ!!!!!
  ガシィ!!!!!!



更にはだぁぁああーー!!

蹴撃連撃『加速に撃ッッ!!』

疾(はや)い!重厚(おも)い!!中途(と)まらない!!!
これぞ、生身の頃から「72時間働ける続けられる」脅威のスタミナッ!


何時までも蹴っていられるのだッ!!

無呼吸連打ばりの、途切れなさであるのだッッ!!!


カラテの間合いに入ったが最後ッ!
最早、彼(ダグラス)を止められる術(すべ)は無いッッ!!


デスロイドは防戦一方である!

デスロイドは防戦一方である!!




  ガシィ!


  ガシィ!!


  ガシィ!!!


  グゥ ラ・・ ・ ッ ッ ッ ! ! ! !



デスロイドは『グラついた』。


何故なら、それはァァアアアーーーッッ!!!




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


「『 私は運が良い・・・。 』

 君の後方不注意ではあるが・・・。

 倒れて伏した『 も う 一 人 の 門 番 』に足を引っかけるとわね。


『 迂 闊 で す ぜ 』 侵 入 者 ・ ・・・!! ! ! 」




そう!


門番は柔装甲(マハン)の他に、もう一人居た!!


電力の喪失に伴ってッ!

糸の切れた『操り人形(マリオネット)』のよぉおーにッッ!!!

関節が曲がるまま、重力に導かれるように『ドッシャン』音立てて『 倒々不立(とうとう ふりつ) 』となったもう一人のサイボーグがぁぁああああああ!!!!




「私は『やめましょうや』など、言わない。

『俺にとっちゃあ・・・。 侵入者は眩しすぎるんだ。世界が違うンだな・・・!!!』」


  ー 企業戦機(ダグラス)はこう言う!!


「『柔装甲(ジェルメイル)発動ッッ!!!』

 左脚部に集中ッ!!この『左下段廻し蹴り』にて、転倒してもらうぞ、『 侵 入 者 ッ ッ ! ! !  』  」



       ギ”ュ”ゥゥウ ウ ウ ウ” ウ”ン” ! ! !



「 『 そ こ ぉ ぉ お お お おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお お お お ! ! ! ! !  』  」





       ガ”ッ”ッ”ッ  ギ”ョ”ォ”ォ”オ”オ”オ”! ! ! ! ! !




 決まったァァアアアアー!!!!


 スマートにして、パーフェクトッッ!!!


 パワフルで、ストロングで、ベリーベリーデンジャラスな企業戦機(モビルスーツ)の一撃がッッ!!!


『 連 邦 ( Q X 団 ) の  企 業 戦 機 ( モ ビ ル ス ー ツ ) は  化 け 物  か ぁ ー ー ー ! ! ?


  っ て な 、 ば り に H I T を し ッ ッ ! ! !


  デ ス ロ イ ド は 転 倒 っ た ぞ Do o o o ooooOO OO O O W N !!!!!!!!!!!!!!!!!!! 』




      ゴ”ロ”ッ!



      ゴ”ロ”ロ”ゴ”ロ”ォゥーーーッッ!!!




 無様にも、ゴロゴロゴロってるぞ、侵入者だぜデスロイドッッ!!!


 そして!


 企業戦機(モビルスーツ)は、この『勝機』を見逃さなかったッッ!!!!




「 『 ジ ャ ッ ク ッ ッ ! ! !



    ダ グ ラ ス ッ !




    行 き ま ぁ ぁ あ あ あ  ああ ああ ああ あああ あああ ああああああ あ あ あ ああ あ あ あ す ッッッ!!!!!! 』 」 




  ヴ” ァ” ッ” ッ ッ ! ! ! ! 



  ギ” ョ” ギ” ョ” ォ ォオオオオオ オ オ オ オ” オ” オ” オ”オ”オ” オ”オ”ン”ン”!” ! ” ! ” ! ” ! ”




跳躍(と)んだぁぁああああああああああああああ!!!


またしても跳躍(と)んだッッ!!!



 『翔べ!ダグラス』ってカンジにだぁぁぁあああーーーー!!!



  も、え、あ、が、れ ぇ ー ! !


  燃、え、あ、が、れ ぇ ぇ ー ー ! ! !


  燃、え、上、が、れ ぇ ぇ ぇ ーーーー ! ! ! !



『 ダ  グ  ラ  ス  ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウウ ウ ウ ウ ーー ー ー ! ! ! ! ! 』



  そして繰り出すは『必殺の技ッ!!』


  ジャパニーズ・カラテ、秘伝の奥義ッッ!!!


  昭和の時代!!


  少年サッカー界に突如!彗星の如く現れた『 空手キーパー 』にして『 極 意 ッ ッ ! ! ! 』


  驚 愕 の 三 角 形 ( ト ラ イ ア ン グ ル )のォオ オ オ ウ ッ ッ ! ! !


  そ の 名 も ! そ の 名 も ! そ の 名 も ! !


  そ ・ の ・ 名 ・ も ぉ ぉ ぉ ぉ お お お お お お お お お お お お お お ! ! ! ! !



      ッ


      ッ


      !



「 『  H A H A H A  H  A  H  A  H  A  !  !  !  !  !  !  !   』  」



「 『  三” 角” 飛” び” だ  よ  、  侵” 入” 者”  ッ ッ ッ ! ! !




     キ ェ ェ ェ ェェ エ エ エ エ 〜 〜 〜 〜〜 〜 〜 ! ! !




     チ ェ ス ト ォ ォ オ  オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオ オ オ オ オ ! ! ! ! !  』  」 





        ギ”ュ”ギ”ュ”ゥ”ゥ”ン”ン”!”!” (跳び、着す事、ガレキの門ッ!!)




        ヴ”ァ”ッ”!”!”           (反ッ!動する事ッッ!!)




    ヴ”ァ”ヴ”ァ”ァ”ア ” ア ” ン ” ン ” ッ ” ! ” ! ”  ( 三 角 飛 び ぃぃぃいいいいいいーーーー!!!! )




( 企業戦機(私)は今、波に乗る・・・!!


  そう。『不況荒立つ、波の中』。


  ビジネスマンは!QX団のサイボーグは!!


  立ちはだかる『荒波』に!立ちては向かう『 勇 気 』を持たなければならないッッ!!! )


          ー 今 だ !


            放 つ ん だ 『 企 業 戦 機 ( ダ グ ラ ス ) ! ! ! 』


「 『 そ れ が 三 角 蹴 撃 ( ウ ェ ー ブ ・ ラ イ ダ ー ) ! ! ! 』 」


「   だが、今の今、侵入者!!


    起き上がろうとする、君の『延髄』に『足刀』を叩き込む『技の名』は!!


  『 こ れ こ そ が  相  応  し  い  ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! 』 」



    ー シ ュ ッ パ ァ ー ン ! ! ! ( 変幻変化、『 流 線 形 ッ ッ ! ! 』 )


    ー シ ュ ッ ピ ィ ー ン ! ! ! ( そう!これこそが『柔装甲(ジェルメイル)』の真骨頂ゥゥゥーーーー!! )



         流線形の身体(ボディ)の突撃からッッ!!!


         侵入者が延髄に!叩き込むぞ、『足刀』が『変化(CHANGE)』をしたぁぁあーーッッ!!!



   ー ヴ ァ ヴ ァ ア ー ン ! ! ! ( そう!その脚の形態(名)は、刃 ( ブ レ ー ド ) ッ ッ ! ! ! )




            そ し て 、 こ れ が ッ ッ ッ ! ! !





「 『  柔  剣  脚  刃  (  ジ  ェ  ル  ・  ブ  レ  イ  ド ォ ォ オ オ オ オ オオ オ オ )  !  !  』  」 



「『 マハァァンッッ!!!


   俺はもう悲しまないぜ!!!


   お前みたいな娘を増やさせないために『侵入者』を叩く! 徹 底 的 に な ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! 』 」



     ー こいつぅぅぅううううううっ! お ち ろ ぉ ぉ おお お お お お お お お お お ー ーー ー ! !






                     ・


                       ・
                   ・


                      ・


                    ・



                     ・


                     ・

                     ・


                     ・



                     ッ



                     ッ



                     !






正に必殺の足撃ッッ!!!

勝負!決したかに見えた、その瞬間!!!



企業戦機は思いも知るのだ!!!


君はッ!


刻(とき)の涙を見る事をぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!



ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド


そう・・ッッ!!


それはデスロイドの『策謀』・・・ッッ!!!


企業戦機(ヤツ)の弱きを攻めるが良し!と考え!!

『距離』を取る事を望み!!

その後『突進』してくれるのなら、尚、有り難いと願うるは!!

これから繰り出すこの『兵器』から!!


逃れる術は『一切』にして、『皆無』となるからであるッッ!!!


そう分析(理解)をした故に!!



わざとは躓(つまず)き!


作りし隙は!!


ゴロゴロ転倒、これまた擬態!!


企業戦機(ヤツ)が己の弱点と理解した『関節部』の中でも・・・!!!

特にも『致命傷』となる『延髄』を無防備、晒(さら)すのは!!



後は!

時機(タイミング)を図るのみと『確信』するからである!!


三角の動きは、想定外!!



しかし結果は変わる事無きぞ!

『排除』をされるのだ、『企業戦機(モビルスーツ)!!』



何故ならば・・・!!



これがぁぁぁああああ!!!


こ  れ  が 、  デ ス ロ イ ド の 『 奮 迅 』 と な る か ら だ ぁぁああああああ ! !



    ー その瞬間ッッ!!!


    ー 眩(まばゆ)くも、瞬(またた)くは頭部の髪(ヘヤー)ッッッ!!!!




     バ ” リ ” バ ” リ ” バ ” バ ” バ ”リ ”





                ブ”ゥ” ア”ア” ア” リ”  ブ” ァ” リ” リ”






         ヴ ” ァ ” ヴ ” ァ ” ヴ”ァ”リ”バ”ァ” リ ” ン ” バ ” リ ” バ ”






                 バ ” リ ” ア ” バ”リ”ァ”ヴ” ァ ”ヴ  ” ァ ” ァ ” ア ” ッ ッ ! ! !






   ーーーー 「   『    電    磁    フ    ィ    ー    ル    ド    !    !    』    」  ーーーー



  『電磁フィールド』が出たぁぁああああ あ あ あ あ ああ あ あ あ あ ああ あ あ ! ! ! ! !


     ありとあらゆる拒むは『バリアー!!』


        電磁の障壁、『電撃硬膜!!』


          ああ、悲惨なりは『液体金属』!!


             そんなモノを『身に付けていては!!』


     企 業 戦 機 ( モ ビ ル ス ー ツ ) が 末 路 は 一 つ ッ ッ ! ! ! !  




ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリィ!!!


ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクゥン!!!



  『感電』だぁぁぁああああ!!!


   そして『痙攣(けいれん)』するぅぅうううう!!!


   ガクガクガクガクと『筋肉』が『強制収縮』ぅぅうううううううう!!!!


   電速でぇぇええッ!!


   伝即にてぇぇぇえええッッ!!!



   肉体は!電撃の衝撃により『 痙 攣 』を覚えるのだッッ!!!


   間置かずして、電流するのなら!!


   終わる事無い『永久の痙攣(エンドレス・ケンボーション)』と相成ろうッッ!!!



   更には高熱・・ッ!!


   電磁の発する、煉獄の灼熱は!!


   容赦も無くに!企業戦機(ジャックがダグラス)焼きては焦がすぅぅうううーーーッッ!!!!



        嗚 呼 、 そ れ こ そ は 正 に ! !


        嗚 呼 ァ ァ ッ ! !


        そ れ こ そ は 、 文 字 の 通 り の ぉぉぉおおおおお ッ ッ ! ! !




         地 獄 で あ る !

         地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る !

         地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る !


         地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る !


         地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ! 地 獄 で あ る ぅ う う ! ! !




     唇一つの自由を奪われ・・・。


     企業戦機(ジャック・ダグラス)、術(すべ)無く、こう思(い)う・・・。




       ( 大きな星が、点いたり消えたりしている。 )



       ( A、HA、HA、大きい・・・。 )



       ( 彗星かな?イヤ、違う、違うな。 )



       ( 彗星はもっとバーって動くもんな。 )



       ( 暑っ苦しいなココ。 )



       ( ん・・・。 )



       ( 出られないのかな。 )



       ( おーい、出し下さいよ・・・。 )



       ( ねぇ・・・? ね ぇ ・ ・・ ? ? )



            ・
            ・

            ・

            ・

            ・




    ー 真黒焦げにて、焼け死ぬ企業戦機(ダグラス)。


    ー 彼は。


      最後に、こう思うのであった。



「 『 僕は、取り返しのつかない事をしてしまった・・・。


    ああ、マハン・・・。


    刻 が 見 え る ・ ・ ・ ・・ ! ! !  』  」



        ・
        ・


        ・


        ・



  ー 『企業戦機(モビルスーツ)』ジャック・ダグラス 男 年齢 30代半ば

     サイボーグ能力 頭角放電(ヒート・ロッド)と、一時的にレンタルした柔装甲(ジェルメイル)



           ・・・ ・ ・ ・ ・ 『  死 亡 。 』



      ・
      ・
      ・

      ・

      ・

      ・



この成り行きを、能力(み)続けた。


教授(EEE)はただ震え。

そして。怯えずには居られなかった・・。


  『戦力差絶望。』


  『私、今死ぬ。』


其の二言のみ伝え、死んでいった柔装甲(マハン)の言葉を・・・。


深く深くと噛みしめて。

痙攣(ふる)え。


絶望(きょうふ)するしか、不動(でき)ずに居たのだから・・・。







ーーーーーー





 ・・・続く。