・3か月前 アフリカ大陸南部 『 ー とある港 ・ 倉庫内 ー 』
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
薄暗い闇の中。
薄汚い奴等が今。
シィンとしたその空間で『交渉』をしている。
『密売』である。
人だったり、クスリだったり。
『売ってはいけないモノ』を『買おう』とする、その行為。
いけない事と知りつつもやってしまう。
何故なら『莫大』であるからだ。
利益も。その効能も。
そして、此処で『売買』されてる商品それは・・。
『 武具 』であり。
『 銃火器 』である。
故に『秘密』に行うのである。
故に『密か』に行うのだ。
売り手は『 マフィア 』だ。
非合法に利益をあげようとする組織の一般名詞であり・・・。
此処での固有名詞は『 おピンク・シュガー 』。
下半身の商売で財を得た団体が、今度は武器商売で更なるお金を手に入れようとしている『 新興マフィア 』である。
買い手は『 テロリスト 』。
秩序と言う名の元に、非秩序な死傷行為を繰り返す組織の一般名詞であり・・・。
此処での固有名詞は『 NEOッ・Pィー! 』。
6年前、大統領の暗殺と共に衰退をし、今や1武装集団とまでに成り果てた『 PPPのP国の残党テロリスト 』である。
マフィア・・・。
おピンク・シュガーの一人が言う。
「こいつは最新型小型機銃だ。」
「初心者でも簡単に扱える・・・。」
「これだけあれば、小さな国の軍隊とだって戦争出来るぜ?」
「あんたら『NEOッ・Pィー!』が何をやらかそうが知ったこっちゃないが・・・。」
「俺達『おピンク・シュガー』の名前は出さないでくれよ。」
テロリスト・・・。
NEOッ・Pィー!の一人が答える。
「そう言うお決めごとでございますからね。」
「貴方達『おピンク・シュガー』とのご契約内容は・・・。」
「だがご心配をめさるな、『おピンク・シュガー』の各々方。」
「神の思し召し我等にあり!
ゴブオバ・ボブド様の名に誓い、貴方達『おピンク・シュガー』の名を出す事はありませんよ、
PPPの『 N E O ッ ッ ・ P ィ ィィィイイイ イ イ イ イ イ イ ーーー ー ー ! ! ! ! 』 」
死人に口無し。
武装集団・NEOッ・Pィー!は団員の結束の為、6年前に死した大統領『ゴブオバ・ボブド』を『神』と崇めていた。
ゴブオバ・ボブドは階段でも昇るように、必然的に『支配階級』に上り詰め、『大統領』にまでなった男である。
暗殺と言うその死は、様々な陰謀説が入り乱れ、国の衰退へと繋がったが、
ある意味『ドラマチック』とも言えるその死は、信仰の対象(はけ口)として、ディ・モールト(とても)・格好ゥ。
こんな組織の一つも出来る。
NEOッ・Pィー!の一人・・・。
否(いいや)。
その場のNEOッ・Pィー!なお人達は、誰も彼もとこう言い叫ぶ。
「ううお!!」
「「おおおう!!」」
「聖戦だぁー!!」
「「聖戦だっあー!!」」
「悪しき魂を倒せねばならないぃー!!」
「「浄化だー!浄化だっだー!!」」
「悪しき虫けらは、死んだ方が世の為なのだぁー!!」
「「殺虫剤(キンチョール)だぁー!
我々は狂っている世界への殺虫剤(キンチョール)なのだっあぁー!!」
「PPPのPィー!!」
「「PPPのNEOッ・Pィー!」」
「おっP!おっP!おっPィー!」
「「NEOォー!NEOォー!NEOォーッッ、Pッィイイイイイーーーーーッッッ!!!」」
そんな意気揚揚な様を見て。
おピンク・シュガーの者達は、「クックック。」と笑う。
(精々殺し合ってくれ。)
(殺して殺して殺し合えば合う程に・・・。)
(俺等の武器は『おピンク』に売れて、『シュガー』のような『 甘い汁 』をすすれるんだからなあ・・!)
クックックックックックックック・・・・・!!!
悪党どもが、粋がる中。
闇をも溶かす・・・。
『暗黒』が一人、現れた・・ッ。
それは『黒尽くめの男』であった。
スーツだって黒いし・・・。
靴も黒い。帽子も黒い。手袋までも黒い。
色素の薄い肌が、その黒を際立たせ・・・。
黒づくめのその姿が、岩を人型にくり抜いたようなその巨体と顔に映えるッ!
鷹(たか)や鷲(わし)を連想させる猛禽類のような目を持ちッ!
『油臭(ガソリンしゅう)』と『機械音』がするその男こそは・・・ッッ!!!
Q X 団 最 強 の サ イ ボ ー グ ッ ッ ! !
耐 撃 の 百 文 字 、 そ の 人 で あ る ッ ッ ! ! !
・
・
・
・
・
・
・
・・・・
○クロガネの賛歌・第3章
ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令 ー 激 闘 ! サ イ ボ ー グ 編
第16話「 奏 で ら る る は 序 曲 。 題 目 は 『 破 滅 』 。 」
・・・・
声ならぬ「ドヨメキ」が起こった。
それは無音の「ドヨメキ」である。
それは静寂の「ドヨメキ」である。
ウンともスンとも言わない、雑音すら起こさずに『ドヨドヨとドヨめく』と言う事・・・。
それは「黒尽くめの男」が放つ、『異質感』によるものだ。
それは「耐撃の百文字」が放つ、『オーラ』のようなものだ。
それは「ジ・ハンドレッド」が醸し出す、『佇まい』から為されるものだ。
男の纏(まと)うモノ・・・。
尋常では無い『戦力』。
ただ其処に居るだけで、我々に干渉しうる『存在感』。
見る人が見れば・・・ではなく。
誰もが見ても理解(わか)る『何か』が・・・。
その男、耐撃の百文字から。姿と形より溢れていた。
・・・・ッ”
・・・・ッ”ッ”
・・・・ッ”ッ”ッ”
高まり続ける緊張。
圧迫感に耐えきれず。
「ドワオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
マフィアだ!
おピンク・シュガーの用心棒が動いたッ!!
「ぐっへっへー!」
「わしゃ〜〜っ!
プロレスラーの時、リングで3人殺しちょる『 ドワオ・爆山(ばくざん) 』じゃあああ〜〜〜〜っっ!!!」
ズドドド ド ド ド ド ! ! ! !
走ったッ!
ドワオ・爆山が走ったッッ!!
黒尽くめの男、耐撃の百文字に向かってッッ!!
そして・・・ッッ!!
「ドワオォオオ〜〜〜ッ!!
『ドワオ・ラリアット』じゃあああ〜〜〜〜〜っっっ!!!!」
ヴ”ィ”ッ”!”!”
タ”ァ”ァ”ァ”ア”ア”ア”ア”アアアアアアアア ア ン ン ! ! !
入ったァーッ!
ドワオ・爆山の丸太ン棒のような腕が、耐撃の百文字のその首にィーッッ!!
ぐっへっへーって気分だ!凄いインパクト!!
爆山すっげー、ドワオじゃあドワオォオオオオオ!!!
そんな空気が1〜2秒ほど流れたが・・・。
再び、皆は『思いも知る・・・ッ!!!』
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
「レスラーへの賛歌 その9・・・ッ!!」
ガッ! (百文字は『顎(ジョー)』で持って、爆山の『腕(アーム)』を挟むッ!)
ブゥン!! (百文字が『放り投げるッ!』 爆山を『無造作』にッ!!)
ゴロン・・・! (転がりッ! 仰向けになった爆山の『両足(ダブル・レッグ)』を!!)
ガシィーッッ!! (百文字が『捕獲』ぅぅぅううううううううううううううううううーーーーー!!!!)
「ワシは捧ぐるッ!
『革命戦士』と呼ばれた、ハイスパート・レスリングの第一人者へと、
こ の 『 SCORPION DEATH LOCK ( サ ソ リ 固 め ) 』を ッ ッ ! ! ! 」
・『SCORPION DEATH LOCK ( = サソリ固め ーさそり・がためー ) 』
倒れている相手の両足の間に『右足』を入れ、相手の左脇腹の横へ踏み込み、
相手の両足を膝でクロスをさせた後、相手の右足を自分の右腕でロック。
右足を軸にして反転
(ステップオーバー)
をし、相手をひっくり返し『腰を落とす!!』
掛けられた相手の姿が『サソリのように見える』事からこの名が付いた!!
完全に極まれば相手の「足首」、「膝」、「腰」が締め上げられ、また「気道」や「横隔膜の動き」が制限されるため、
相手を『窒息』させる効果も併せ持つッッ!!
故に、必殺の技ッ!
フィニッシュ・ホールドとして使用される事が多い!!
「ドワオ・爆山と言ったな。」
「『地獄』にて。リングで殺したその3人とやら、手招きをして待っていよう。」
「 『 ちぇりぃぃいいいぁぁぁあああ あ あ あ あ ああああ ーーーー ー ー ー ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
メ”キ”メ”キ”ョ”ォ”オ”オ”
メ” メ” タ” ァ ァアアア”アアア”ア”ア”ア ーーー ー ー ッ ッ ッ ! !”!”!”!”!”
百文字は反り返る事により、爆山の腰を150度以上に『 捻じ曲げたッッ!!! 』
爆山は・・ッ!
もう・・。
ピクリともしない。
ドワオ・爆山は『絶命』をした。
その『激痛(いたみ)』、断末魔一つ、放つ事許さず、肉体が『死』を決断したのだ。
そして。
百文字は・・・。
ムクリ・・ッ! (ムクリと立ち上がる。)
ギシュン。 (歩を進める。)
ギシュン。 (歩を進める。)
ギシュン。 (この異質間が漂う空気の中を。)
ギシュン。 (当たり前の様に。)
ギシュン。 (斯くあるべきの様に。)
ギシュン。 (百文字は『歩を進めるッ!』)
マフィア(おピンク・シュガー)とテロリスト(NEOッ・Pィー!)が息を呑み、ソレを見つめるッッ!!
・・・・ッ” (高まるは緊張ッ。)
・・・・ッ”ッ” (高まるは緊張ッ!)
・・・・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜 〜 〜 〜 ッ ” ッ ” ッ” !”!” ! ” ! ”
耐えきれなくなった!
こんなの嫌だ!嫌だ嫌だ耐えらんない!!!
「オキャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
ドッッウゥゥーーン!!
ドッッウゥゥーーン!!!
一人が銃をぶっ放したッ!百文字、目掛けてだッッ!!
発狂寸前!故に当たらず!故に無駄弾!!
だが、ユルりと闊歩する、百文字の前進ッッ!!
ダ”ッ”ッウウゥゥゥウ ウ ウ ウ ン ! ! !
当たる時は当たるゥー!!
射手は狂喜して叫ぶッッ!!!
「当たったッ!死んだ!!
死んだ死んだ死ねぇぇぇええええええええええええ!!!!」
「ッッ!!?」
「えぇっぇええぃぇぃえぃえええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」
ギシュン。 (百文字は、歩を進める!)
ギシュン。 (百文字は、歩を進める!)
ギシュン。 (当たり前の様に!)
ギシュン。 (斯くあるべきの様に!)
ギシュン。 (百文字は気に留めず、歩を進める!!)
「オキャ!!」 ドッッウゥゥーーン!!
ー止まらないッ!!
「オキャ!!」 ドッッウゥゥーーン!!
ー止まらないッ!!
「オキャ!!」 ドッッウゥゥーーン!!
ー止まらないッ!!
ドッッウゥゥーーン!! 「オキャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ー止まったッ!今度は止まったぞぉー!!
「やた・・!やたやたやったったー!!」
半笑いしながら、安堵する射手!!
だが・・!
射手は気付けて居なかった・・!!
百文字は、止まるべきして止まったのだッ!!
何故なら・・・ッ!
ポン・・。 (百文字は両の手を、射手の両肩に置いた。)
ーそして、こう言う。
「貴様は『ビスケットカデンツ』を見た事があるか?
ビスケットカデンツ。それはオーストリアが製作している『子供向けのその番組』の事を云う。」
「そして、これが・・・。
偉そうな態度をする中国拳法家や、マナーのなってないカスどもの駆逐をする、
マスコットが『 ジ ー ク 』が得意とする『 ム エ カ ッ チ ュ ア ー 殺 し ッ ッ ! ! ! 』
ーーーーーー 馬 鹿 だ ぜ 、 ア ン タ ッ ッ ! ! ! ーーーーーー
ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! )
ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! )
ゴ” ッッッ キ” ュ”ウ”ウ”ウ”ウ”ゥゥ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ァ ァアア ア ア ッ ッ ! ! ! )
ジャガったとは何か?
あえて言おう!!
『ジャガった』のだ!!
誰が何と言おうと『ジャガった』のだ!!
百文字は、その豪力にて!
射手を『 ジ グ ザ ク に、 押 し 潰 し た 』の で あ る ッ ッ ! ! !
無論・・・。
言うまでもなく・・・。
射 手 は 『 絶 命 』 ッ ッ ! !
そして!!
百文字は『こう言い放つ』ッッ!!!
「貴様等が行ってきた、これまでの所業ッ!」
「貴様等が行うであろう、これからの所業ッ!!」
「畳の上で死ねるモノと思ってはいまいッッ!!!」
「故にこのワシが、『訪れるべきその最期』を与えてやろう・・・。」
「全ては・・ッ!」
「『 Q X 団 の 名 の 下 に ッ ッ ! ! ! 』」
そうして百文字は、彼等を『粛清』した。
唯一無二。
絶対の意味を持つ、その言葉の為。
そう。
全ては。
Q X 団 の 名 に 下 に で あ る ッ ッ ! !
・・・・
ガガッ!
ピ!!
通信である。
百文字は通信を受信した。
「耐撃の。其方はどうだ?」
鷲鼻のバトゥロからである。
「手筈通りだ、鷲鼻の。」
「我等が総統『Queen X(クイーン・エックス)』が動けぬこの最中(さなか)・・・。」
「失敗などは許されぬ。」
「双方組織に大打撃を与えた。」
「無論、足跡も残しておらぬ。」
鷲鼻が応える。
「息災なによりだ、耐撃の。」
「此方も先ほど、全てを終えた。」
「この作戦。台頭する二つの組織の駆逐・・・。」
「どうやら。成功の下、終える事が出来そうだ。」
耐撃が問う。
「時に鷲鼻の。」
鷲鼻が応える。
「どうした、耐撃の?」
耐撃が続ける。
「会えぬか?」
鷲鼻は応える。
「向おう、耐撃の。」
・
・
・
・
・
・
・アフリカ大陸南部 『 ー とある荒野 ・ 深々とした真の夜の中 ー 』
鷲鼻がこう云う。
「物珍しいモノだな、耐撃の。」
「QX団がサイボーグ・・。1、2を争うと言われる我等が二名。」
「修羅よ阿修羅と例(い)われる我等が。」
「こうも深々とした静寂の最中。」
「争い一つも無くに・・・。」
「綺羅星を肴(さかな)に、何の用と言う?」
「満天なるこの星空が、目の的であるならば、レディ・ミィラと歓談でもすべきではないのか、耐撃の?」
耐撃が応える。
「生憎・・・。」
「レディに星空。静寂の星空。」
「それは『孤独を共にす、遥かなる旅路』を意味にする。」
鷲鼻が訂正(い)う。
「失礼した(エクスキュゼ ムワ)。」
「世話の余計。謝罪にて終えよう。」
「なれば・・・。しかれば、耐撃の。」
「やはり。我等が総統『Queen X(クイーン・エックス)』に降りかかりし、災悪・・。」
「『 重 の 傷 』。」
「生身にして我等と同等と言うべく、怪人染みたその力を持つ『Queen総統』にして・・・。」
「それだけの傷を負うたという、この事実。」
「どうと、見るか耐撃の?」
耐撃はこう見る。
「我等二人を除き。」
「総統と対峙できる者はおそらくは『3名』。」
鷲鼻がこう解答(い)う。
「一人は誰ともなしに思いも浮かぼう。」
「幻の中国拳法「白華鳳凰拳」の伝承者『李白鳳』」
・『 拳 王 ・ 李 白鳳 』
「百年に一人の逸材とされる世界No.1の若き武術王。」
「中国武術省にて毎年開催をされる、ロボット同士の格闘技戦『操機武術大会』無敵のチャンプでもある。」
「我等が両名。」
「半機械(サイボーグ)の体躯を持つ我等二人にして、彼奴(きゃつ)に勝ち得る事、良くて五分(ごぶ)・・・。」
「百年に一人とは例えて妙なモノだ。」
「あのような漢(おとこ)見た事も無い。」
「だが・・・。」
耐撃は答える。
「そうだ、鷲鼻の。」
「亜細亜の人。拳王来阿(アフリカ大陸に拳王が来た)の報など聞いた事も無い。」
「世界の僻地。アフリカ大陸その南部。」
「故に我等QX団の行動もまた『秘密裏』にて行えている。」
「では二人目か?」
「二人目は、柳生。」
「日本防衛軍空軍長官、柳生 月心斎。」
・『 日本防衛軍空軍長官 ・ 柳生 月心斎 』
「数十年の昔より、老人の姿のまま長官を務めている。」
「公的にして、謎に包まれたその人物であるが、その実力・・・。」
「言うなれば『 百式の観音 』。」
「ワシはかつて『ジ・ハンドレッド』と名乗っていたが、あの翁(おきな)。」
「冠するのなら『マスター・ハンドレッド』とでも言うべきか・・。」
「一連の動作をこの上無く流麗且つ、緩やかに行われたかのように感じさせるその男。」
「しかし・・・。」
鷲鼻が答える。
「ああ、耐撃の。」
「貴殿と浅からず関係があると聞き及んでいる。」
「味方とも言えぬが、敵とも言えぬ。」
「そして日本国と勢力がブツかる事のないこの土地で・・・。」
「あえて『Queen総統』をと言うのは考えにくい。」
「と・・するならば・・・。」
「これもまた『考えにくい』が・・・。」
耐撃があえて言う。
「そうだ『考えにくい』。」
「三人目は『黒兎(くろうさぎ)』。」
・『 黒兎(くろうさぎ)・・・? 』
「そもそも、存在するのかさえ曖昧だ。」
「だがそれは秘密裏にして行動を繰り返す『我等もまた同じ事』が言える。」
鷲鼻が続ける。
「もし・・存在すると言うのなら。」
「どうとなるのか、全くを持って不明。」
「故に可能性が高いとも言えれば。可能性は無いとも言える。」
「だが、耐撃の。」
「要件はこの事ではあるまい。」
耐撃が答える。
「フッフフ。」
「己から話を振りて、そうでは無いとは何と言う言い草だ、鷲鼻の。」
鷲鼻がこう言う。
「今の今。」
「それを行う訳にはいかない。」
「それを知るのは互い様だ、耐撃の。」
耐撃がこう云う。
「だが、今言いて放とう。」
「鷲鼻の。」
鷲鼻のバトゥロは耳にした。
耐撃の百文字が言いて放つ、太くも強いその言葉を。
その言葉とは・・・ッッ!!!
「 『 死 合 い た い ・ ・ ・ ッ ッ ! ! ! 』 」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「QX団が誇る『サイボーグ軍団』。」
「結成より10年の月日をかけ、漸(ようや)く『軍団』と呼べる人員(サイボーグ)が相揃った。」
「だが・・。」
「それらは所詮、模造(レプリカ)に過ぎない。」
「性能を落とし、コストを抑え、量産される事を目的した言わば『別物(アナザー)』。」
「人と言う分類(カテゴリー)から外れた・・・と言う一点のみを同じくする。」
鷲鼻が応ずる。
「そうだ、耐撃の。」
「我等は・・。二人(我等)のみ。」
「故に・・。『比べたい。』」
「どちらが上なのか?」
「どちらが強いのか?」
「その結末が『死』であろうとも、躊躇(ためら)いを持たぬ。」
「この世で、二人(我等)のみ。」
「故に『その真実』に価値がある。」
ーそれは・・ッ!!
「 「 自分(ー ワシ 私 ー)は、
お前(ー 貴様 貴殿 ー)に 勝 ち 得 る 事 が 出 来 る の か ?
最 後 に 立 ち 得 る 者 が、 一 体 ど ち ら で あ る と 云 う の か ? ? 」 」
「 「 『 知 り 得 た い ッ ! !
是 が 非 と も ッ ッ ! ! ! 』 」 」
・・・ ・ ・ ッ ッ” !” !” !”
空気が熱を帯び、凍りつく・・ッ!
一触即発!
その時『温度は矛盾する!』
限りなく『熱い!』
限りなく『凍る!!』
だが・・・。
「失礼(エクスキュゼ ムワ)。」
「我等が二人。どちらが欠けても『組織が被害は、甚大深刻』。」
「死合うその時、今に非ずだ、耐撃の。」
だが・・・!
「フッフフ。」
「だが『その時は近し』だ、鷲鼻の。」
「故にこうして、切り出している。」
鷲鼻!
「それはまさか・・・!!」
耐撃ッ!!
「『レゼルヴェ計画』、時期(とき)近しッ!
いよいよ我等が『QX団』ッッ!!
世界が坩堝(るつぼ)へ 打 っ て 出 る と 言 う の だ 『 鷲 鼻 の バ ト ゥ ロ ! ! ! 』 」
〜〜〜ッッ!!
〜〜〜〜〜ッッッ!!!
〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!
○『 レ ゼ ル ヴ ェ 計 画 』
QX団が総統にして、計画発案者『Queen X(クイーン・エックス)』が、
団員各自に『極秘裏の命令!』、綿密にして着実に計画を進行をさせてきた『1大プロジェクトッッ!!』
世界進出の最大拠点として『 レゼルヴェ国を 占 拠 す る 計 画 』で あ る ッ ッ ! !
各自への『極秘裏の命令!』
故に全貌は不明ッ!故に誰もが使命感を持って!!
進めに進めた『 計 画 一 途 ッ ッ ! ! 』
その計画を近々ッ!!
決行をすると、百文字が言い放ったのであるッッ!!!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
耐撃はこう言う。
「なあ鷲鼻の。」
「『世界を我が手に』。」
「数々の悪事に手を染めて来た我等である。」
「何処までも続く『修羅の道』。」
「終わる事無い、『螺旋の階段』。」
「その事柄。」
「そうとしてしか生きられるのその運命(さだめ)に・・・。」
「恨みも無ければ、辛みも無い。」
「だがな、鷲鼻の。」
鷲鼻もまた言う。
「みなまで言うな、耐撃の。」
「そうだ・・。その通りだ。」
「我等に流るる『油液(ガソリン)』より強く循環するモノッ!!」
「我等に鼓動す『半永久機関(小型プロペラ)』よりも激しく回転をするモノッッ!!!」
「それこそ、それはッッ!!!」
そして、サイボーグ二人はこう言い放つ!!
「 「 『 己が! ”男”だと言う事であるッ!!』
恩よ! そして義よ!!
幾らと幾ら払おうと! 足りぬよ足りぬ、尽きぬは情(おも)い!!
然れど、一先ず! 一先ず、一つの、一区切り!!
長年に渡りこの胸に秘め、決行に向い心決めを募ってきた『レゼルヴェ計画』が行われると言う事ッッ!!
返したとは言わぬ! 足りたとも言わぬ!! その先も共に歩まねばなるまいッッ!!!
だが『その時!』 長年の念願達した『その日』を持ってのみ! 我等には『為すべき事』があるッッ!!!
そ れ は ッ ッ ! !
男 に は 、 ハ ッ キ リ さ せ ね ば な ら ぬ 事 が あ る と 言 う 事 で あ る ッ ッ ! ! !
男 に は 、 避 け て は 通 れ ぬ 『 道 』 が あ る と 言 う 事 で あ る ッ ッ ッ ! ! ! ! 」 」
耐撃ィー!!
「時は『レゼルヴェ計画のその後ッ!その直後であるッッ!!』」
「場所は『あの路地裏が良い!』」
「闇夜の屋外!人気の無い街中!!」
「そうだ!初めて貴様と出会った、今はレゼルヴェ国と名を変えた『あの場所でだ!!』」
「その場、スラム街より10km『 廃 工 場 』になりてと 聞 き 及 ん で い る ッ ッ ! ! 」
鷲鼻ァー!!
「受けて立つまい、『 耐撃の百文字!! 』 」
「願わくは闘争ッ!誇り高き決着ッッ!!」
「然れども、その誇り『流血にて残酷ッッ!!』」
「『其処に美しいモノなど、 何 も 無 い ッ ッ ! ! 』 」
「だがな、耐撃のッ!!」
「例え其処に、美しいモノが何も無くともッ!!」
「 私 は 尊 敬 の 念 を 持 っ て 、 こ の 決 着 を 『 捧 げ よ う ッ ッ ! ! ! 』 」
ク ル ッ ! ! ( サイボーグが二人、共に踵を返すッッ!! )
「 「 友 よ 、 ま た 会 お う ッ ! ! 」 」
「 「 来 る べ く そ の 日 ッ ッ ! ! ! 」 」
「 「 『 死 合 え る そ の 時 、 待 ち に 望 み て ッ ッ ! ! ! 』 」 」
ガ ッ ッ ゥ ン ! ! ! ( 轟音ッ! そして共に去りたは、二人・・・。 )
・
・
・
・
・
・
・
・・・この時。
二人は知る由も無かった。
奏でらるるは序曲。
題目は『破滅』。
魔の手は既に、どうしようも無いくらいに入り込んでいた。
それは『世にも奇妙な鋼鉄の赤ん坊』・・・。
手の平で隠すはその『ペニス』。
彼は『組織用無し(シークレットペニス)』の令の元に、着々と寄生主(QX団)を蝕み続けていた・・・ッッ!!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
・『 世にも奇妙な鋼鉄の赤ん坊 ・ ドクトル ベイベー 』
ーーーーーー
・・・続く。