ゴ ォ ォ キ ャ ァ ァァ アア ア アア アア ア ア ア ア ア ア アア ア ア ア ア ア ア ン  ンン ン ン ッ ッ ッ ッ ! ! !




鈍い音である!

打ち据える音である!

叩き付ける音である!!



百文字はッ!!
倒立回転をする、メタリック・サンキストの顔面にッ!!



  『 右 の 足 裏 を、 叩 き 付 け た ッ ッ ! ! 』



乾坤一擲(けんこんいってき)ッ!!

最後に残された一発の弾丸の如くにッッ!!




今ッ!正に、『 剛力(ストロング)の解放(エマンシティション)ッッ!! 』




  『 満 身( マ イ ト ) の 力( エ ネ ル ギ ー ) を、 放 ち て 叩 い た ッ ッ ! ! ! 』




その結果が、叩き付けた『右の足裏』だッ!

その結果が、鈍くも響く、打ち据えて、叩き付けた『 重 蹴 音 』ってヤツだッッ!!





    だがッ! 恐るべきは『メタリック・サンキスト』ッッ!!!




人工筋肉ッ!

鋼鉄の骨格ッ!


試作型アンドロイドのその『 体 駆(にくたい)』ッッ!!


繰り出されるは、『 高速の大回転(ハイ・スピード・ビック・スクリュー)、こ と ッ ッ ! ! ! 』





「 『  メ イ ア ・ ル ー ア ・ ジ ・ サ ン キ ス ト ・ オ ー レ ン ジ ッ ッ ッ ! ! ! ! 』 」


( 100果汁のオレンジジュースを作るが如くの、ミキサー的な、メタリック・サンキストの オ ー レ ン ジ な キ ッ ク ッッッ ! ! )






その最中(さなか)に生み出される、エネルギーは、百文字の『最後の一撃』すらも超え・・・・ッッ!!!





  ゴババァァアア!!! (叩き付けた足裏が、粉砕されるッッ!!)



  グチュルグチュ!!(百文字の肉と骨が混合(ミクシー)するッ!)



  グッッヂョヨヨォォオオオオー!!!(血みどろッ!リングに咲く花の如くに、『 流 血 』にて、彩られたッッ!!)




    その感触に。


    サンキストは、果実的(フルーティー)な情感を官能(おぼ)えて・・・。




   ニ ッ ッ マァァァアア ア ア アア アアーー ー ー ッ ッ ! ! ( 両 の 口 端、 歪 め て 吊 り 上 げ る ッ ッ ! ! )





ああッ!?


耐えにッ!!


耐えたッ!!


百文字こと、ジ・ハンドレッドの最後の一撃がッッ!!


こんなにも脆弱(もろ)くッッ!!


こんなにも、儚(はかな)いモノであるのかッッ!!


人の夢と書いて、『 儚(はかな)い 』と読むッッ!!


如何なる情念ッ!


如何なる不屈ッ!


如何なる誓いを打ちたてようとッッ!!!




  『出来ぬ事は、出来ぬッ!』



  『無い袖は、振れぬッ!』



  『所詮は我等は、愚者(ドン・キ・ホーテ)ッッ!!』



『 風 車 に 立 ち 向 か う が 如 く に 、 愚  の  骨  頂  と で も 言 う の か ぁ ぁ あ あ あ あ ! ! 』 





大勢、決したかに見えたッッ!!



   そ の 刹 那 ッッッ !!!!




悲鳴にも似た・・・・ッ!




  『 絶 叫 一 つ 、 響  き  渡  る ッ ッ ! !  』





百文字でも無いッ!



サンキストでも無いッ!



レディでも無いッ!





 「 『 と ・ 止 め よ 、 メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ ! ! ! ! 』 」




 D r . 劉  は 、 直 感 を し た ッ ! !




刹 那 の !


刹 那 の 出 来 事 で は あ っ た が ! !




  こ れ は 、明 ら か に 異 常 で  あ る 事 を 『  肌   』 で 、 感 じ 取 っ た ッ !





(そうかッッ!!)



0.1コンマ遅れでッ!



(それは、即ち『プロレスの理(ことわり)ッッ!!』)



頭脳(あくま)が真実(こたえ)を導き出すッッ!!!




   ( 『 強大な攻撃(もうこう) 』を耐えうるッ!! )



   ( 『 強靭な体躯(にくたい) 』に裏付けされたッ!! )



   ( 『 練 磨 を、 さ れ た  そ  の  受  身( ぎ じ ゅ つ ) ッ ッ ッ ! ! ! )




「( 如何に回転の中心軸とはいえ・・ッ!


   遠心力による最大のエネルギーを放つ、メタリック・サンキストの『蹴撃打点』よりも『 深刻な負傷 』をする事などッッ!!! )」





      「  (  『  あ り 得 る は ず が な い の だ ッ ッ ! ! !  』  )  」 




  ー サンキストが繰り出した、これまでの攻撃(カポエイラの蹴撃)の全てがッ!



  ー 蹴り据えッ! 叩(はた)き! 縦横無尽に、ジ・ハンドレッドを蹂躙(じゅうりん)したかに見えッッ!!



  ー その実ッ! 打撲(ふしょう)を最小限に軽減(おさえ)ッ!!




   ーーー 全ては、 この、『 ハ ン ド レ ッ ド ・ タ イ フ ー ン 』 の 布石である と す る の な ら ッッッ ! !






     ゾ ワ ・ ・ ・ ・ ッッッ ! ! ! !




Dr.劉は、悪寒を覚えた・・・ッッ!!!





・・・・





(そう。)


(全てはハンドレッドの『筋書き(シナリオ)』通りよ。)



(Dr.劉・・・。)



(貴方は、何も、)




    ( 『 勝 利 を し て は い な い ッ ッ ! ! ! 』 )




レディ・ミィラは確信をしていた。


自分は、先の大蛇毒砲との死合を除き・・。



全ての百文字の死闘を『 視(み)続けてきた。 』



もし、彼に『二つ名』を冠するなら・・・。


安直。


そして、遮二無二(しゃにむに)に、



    『  耐  撃  の  百  文  字  』と名付けるだろう。




 ー 相手の力を『7』とするのなら・・・。


 ー その力を『8』、または『9』までに引き上げ。


 ー そして、己の『10』の力で、捩(ね)じ伏せる『 風 車 の 理 論 』を根底とした、




      『  ハ  ン  ド  レ  ッ  ド  殺  法  ッ ッ ッ ! ! !  』 




   かつて。


   この『風車の理論』を提唱した、『燃える闘魂』と呼ばれる男はこう言ったわ。




 「 5の力を持つ対戦相手を、捻り潰すのは簡単だ。


   その相手を7の力にまで引き上げながら、こちらは8か9の力で勝ってみせるのだ。 」




 「 危険を犯しながら相手を7の力まで引き上げる。


   馴れ合いでやれば、茶番(ショー)になるだろう。



   だ が ッ !



   命 を 賭 け て い る 『 闘 い の 最 中( さ な か )』 な ら ば ッ !



   そ れ を、 『 格 闘 茶 番( シ ョ ー ) 』と は 呼 ば せ な い ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! 」





・・・・





そうッ!


耐撃にッ!


耐撃を重ねッ!!




  地 獄 に 垂 れ 落 ち た 『  蜘  蛛  の  糸  』を、手 繰( た ぐ り )て 寄 せ る ッ ! !




敵者の速度と己の速度を利用し・・・ッ!


敵者のバランスを崩す・・・ッッ!!




  その時、敵者の直線運動 は 、 急 激 な『 円 の 運 動 』へと変わる ッ ッ ! ! !




 ー 円運動は『遠心力』を生みッ!!


 ー 遠心力は、回転の中心からの距離の『 絶対値 』および『 回転運動の角、速度の二乗 』に比例して大きくなるッッッ!!





     肥 大 化 し た エ ネ ル ギ ー は 、『  破  壊  力  』 と 化 し ッ ッ ッ ! ! ! !





   そ し て ッ ッ ! !




   そ の ま ま シ ン プ ル に 放 り 投 げ る 事 に よ り ッ ッ ! ! !





    『  絶  対  無  比  の  必  殺  投  撃  と  な  る  ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! !  』





  ー 師ッ曰くッッ!!



 耐撃に耐撃を重ねッッ!!


 5の力を持つ対戦相手の力をッ! 7まで引き上げるのだッッ!!


 肥大化した力は『歪み』を生みッ! 歪みは脆くも『崩れて落ちるッッ!!!』




  敵者が生み出した歪んだ直線運動とッ! お前の創り出す円の運動とがッッ!!



  お前の力を『8』にもッ! 『9』にもッッ!!




         否(いいや)ッッ!!!




    お 前 の 力 を ッ !



  『 百 力 の 大 風 車(ひゃくりき の だい かざぐるま) 』 へ と す る だ ろ う ッ ッ ッ ! ! !




 そして・・・ッッ!!


 これがッ!お前に教える『 最後のレスラーへの賛歌 』・・・ッッ!!!




   これがッ! 俺がお前に授ける『 風車の理論 』ッッ!!


   これがッ! この巴 二十八(ともえ にじゅうはち)が、お前へと授ける『 最後のハンドレッド殺法 』ッッ!!



  『 必 殺 投 撃 ・ 地 獄 の 大 雪 山 』・・・ッ!



     改 め ッ ッ ! ! !



   名  付  け  て  ぇ  ぇ  ぇ  ぇ  え  ええ え えええええ え え え え え  〜〜〜〜〜 っっっ ! ! ! !




            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





・・・・




○クロガネの賛歌・第3章 ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令  ー



 第 1 0 話  「  ハ  ン  ド  レ  ッ  ド  ・  タ  イ  フ  ー  ン  ッ  ッ  !  !  !  」







・・・・





  ゴババァァアア!!! (叩き付けた足裏は、粉砕されているッッ!!)



  グチュルグチュ!!(百文字の肉と骨が混合(ミクシー)ってヤツだッ!)



  グッッヂョヨヨォォオオオオー!!!(血みどろッ!リングに咲く花の如くに、『 流 血 』にて、彩られているゥーッッ!!)





(何時、疵が開いてもおかしくもない、頭部を庇いながら、攻撃を受け続けた結果だ。)


(不完全。『風車の理論』は相手の力を引き上げたのみの『矢折れの状態』と言えるだろう。)


(深刻なその負傷により、最早、『正式なハンドレッド・タイフーン』を掛けられる状態では無い。)



(故に・・ッ!!)



(『 この右足(うそく)を、 犠 牲( 贄 ー に え ) とする ッッッ!!!! 』 )





    ブッッッ ジョルボッッッ!!! (砕けた百文字の右足が生み出した 『 血だまり 』がッッ!!! )



     キュュュルルウルウルルルバババッッ!!! (メタリック・サンキストに『 ハイドロプレーニング現象 』を発生させるッッ!!! )





       グンラァァ ァ ァ ア ア  アアアアンンン!!! (メタリック・サンキストは、回転状態のまま、体勢を、崩してしまったァーッッ!!!)






○『 ハ イ ド ロ プ レ ー ニ ン グ 現 象 』



 自動車などが、水の溜まった路面などを走行中に、タイヤと路面の間に水が入り込み、車が水の上を滑るようになる現象。

 いわゆる『ハンドル』や『ブレーキ』が利かなくなり『 スリップをする現象 』の事である。



 原理は以下の通り。


 ・ 路面に溜まった水の量が、タイヤの排水能力を超えた場合に発生をする。

 ・ 高速走行中に水溜りに突っ込むと、水の粘度の為にタイヤの排水能力を水量が超えて、タイヤと路面の間に水が残ってしまうからである。



  そして、この現象は、縦と横の違いこそあるものも、回転をする蹴撃である『メイア・ルーア・ジ・サンキスト・オーレンジ』にも当て嵌まる。


  百文字の血液は、高速回転を続行(つづ)けるメタリック・サンキストの、『 頭部と地面とが、 接 す る 面 へ と 入 り 込 み ッ ! ! 』




   そ の コ ン ト ロ ー ル は、『 メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト 』か ら、 離 れ た の で あ る ッ ッ ! ! !








       ガ ッッッ シ ィィィィイイイイイイイ イ イ イ イ イ ! ! ! ! (百文字がッ!!サンキストの蹴り足を掴んだァーッッ!!!)








(此処から『円運動』へと移行をするッ!)


(だが・・ッ。)


(この砕けた右の足・・・ッ。)


(『円運動』は愚か・・・。)


(このままでは、体勢の崩れた『メイア・ルーア・ジ・サンキスト・オーレンジ』の暴走(スタンピード)に巻き込まれ・・・。)


(あえなくは『自滅』ッ!)


(敗れ、朽ち果てる事、『 必然( 自明の理 ) 』と言えるであろう・・・・ッ!!)





ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド





(故に『真の耐撃』は、此処からであるッ!!)


(何故ッ。ワシがッッ。)


(砕け粉砕する事を、もろともせずにッッ!!)



(『 右、足裏を、メタリック・サンキストの回転軸へと叩きつけたのかッッ??? 』)



 ( そ れ は ッ ッ ! ! ! )




   ダンッッッ!!! (百文字は、叩き付けるッッ!!!)




 ( こ の 右 足( う そ く ) を ッ ッ ! ! ! )




   〜〜〜〜〜ッッッ!!! (百文字は、叩き付けたのだッッ!!!)




 ( 円 運 動 の 軸 と し て  ッ ッ ! ! ! )




   ッ ッ ッ ッ ! ! ! (グチョグチョになった『 右 足 』をッッッ!!!)




 ( 『 一 本 の 縦 軸 』 と し て 、 右 足 首 を 捨 て 去 る 為 で あ る ッ ッ ! ! ! )







     〜 〜 〜 〜 〜 ッ ッ ッ ! ! !( 『 剥き出しの疵口 』を、 地へと 叩 き に 付 け た の だ ッ ッ ! ! ! )







  ギッッンンンッッッッ!!!! ( 百文字の眼光が、鈍くも光を放ったァーッッ!!! )





「見 よ ッ !


 メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト よ ッ ッ ! ! 」




「 そ し て ッ ッ !



『 悪 魔 の 頭 脳 を 持 つ 科 学 者 よ ッ ッ ッ ! ! ! 』 」





 ーーー いかなる『台本(ブック)』や『仕掛け(アンクル)』によっても演出する事の出来ない・・・ッッ!!!






   ーーー  『  豪  壮  無  類  な  プ  ロ  レ  ス  殺  法  ッ ッ ッ ! ! !  』  ーーー






   『  レ ス ラ ー へ の 賛 歌   そ の  2 8  ・ ・ ・  ッ ッ ッ ! ! ! 』




   『  故 ・ 巴  二 十 八  直  伝  ッ ッ ッ ! ! !  』





      そ の 名 も ッ ッ ッ ! ! !





「  『  ハ  ン  ド  レ  ッ  ド  ・  タ  イ  フ  ー  ー  ン   ッ  ツ  ツ  ッ  ッ  ! ! !  』  」






     グ ” ッ ” ッ ” オ ” ォ ” ォ ” ォ ”ォ ”





                オ”オ” オ”オ” オ” オ”  オ” ォ” ォ” ォ”






         オ ” オ ” オ ” オ ” オ”ォ”ン”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”






                 ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン  ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !





  ズ ” ッ ” ッ ” ォ ” オ ” オ” オ” オ”オ”オ”オ”オ” グ ” オ ” オ ” オ ” 〜〜〜〜 〜 〜 〜 ッッッ ! ! ! !





            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・



・・・・





「オーレンジ!? オーレンジ!!?」



メタリック・サンキストはッ!



「Oh! レェェェエエエエンンジィ!!?」



恐怖をしているゥーッ!!!




(こんなのね! そんな馬鹿なだよね!!?)


(ぼ・僕はッ!! こ・ここ・こ・こ・こ・ここの僕がァァァアアンアンアアンンーーーーーッッ!!!?)






グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン (『百力の大風車』はッッ!!! )


グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン ( 百文字の右足を、ゴズリゴズリと削りながらッッ!!! )


グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン グォンン ( 尚ッ!その回転力を強めていくッッ!!! )





「キィィス! キスキスゥゥゥウウウウウウウ!!????」



メタリック・サンキストはッ!



「サァンキィィストォォオオオゥゥゥウウウウウウウ!!????」



とっても、果実的(フルーティ)な錯乱をするゥゥゥウウウウウウーッッ!!!





(ま・まるでね!)


(これは、さながらねッッ!!)


(丸ごとミキサーに掛けられるオーレンジが、容器の中の刃によって『 粉砕して混ぜられる時 』のような・・・・ッッ!!)


(僕が『 ミキサーの中 』にでも、居るって言わんばかりみたいな・・・・ッッ!!!)


(僕が『 オーレンジ 』で・・・ッッ!!!)


(ジ・ハンドレッドくんが、『 巨 大 な ミ キ サ ー 』だと・・・ッッ!!)




   ( 言 わ ん ば か り み た い な ァ ァ ァ ア ア ア ア ー ー ー ッ ッ ッ ッ! ! ! ? ? ? ? )






オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン!


オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン!


オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン! オォン!





      ー 円運動は『遠心力』を生みッ!!



      ー 遠心力は、回転の中心からの距離の『 絶対値 』および『 回転運動の角、速度の二乗 』に比例して大きくなっていくッッッ!!





            ー タ イ フ ー ン の 完 遂 は、 間 近( ち か ) し ッ ッ ッ ! ! ! !






「サンキスト!? サンキスト!??」


羅列するッ。


「サンキスト!? サンキストォーッッ!??」


意味無く策無く、単語を羅列ッ。



( 『 ジ ュ ッ !



    ジ ュ ゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ス に な っ ち ゃ う よ ん ! ! ? ) 




( 『 こ ・ こ の ま ま じ ゃ ッ ! ! ?



    あ べ こ べ に 、 僕 が ジ ュ ー ス に な っ ち ゃ う よ よ よ ぉぉおおおおんん ッ ッ ッ ! ! ? )







ギィィ ィ ィ ヤ ァ ァ ル ゥ ルル ルルルゥ ッ ッ ォ ォ オ オ オ オオオオ オ オ オ オ ー ー ー ー ー ー ッッッッ ! ! ! !






      ーーーー 百 力 の 大 風 車 は、 臨 界 点 を む か え て ・ ・ ・・ ッッッ 。





(僕はね!)


(100%果汁のね!)


(オーレンジジュースをねッッ!!)





   グ ッ ッ ッ ン ン ウ オ オオ オ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ー ー ー ー ー  ッッ ッッッッ ! ! ! !





      ーーーー 百 文 字 は、 シ ン プ ル か つ 、 扉 の 外 、 廊 下 の 壁 に 目 掛 け て ・ ・ ・・ ッッッ 。






(飲んだりねッッ!!)


(しゃぶったりねッッ!!!)


(おジュクジュクとお舌で嬲り回すのが好きなんだッッッ!!)






            パ  ァ  ッ  ッ  ン  ン  ー ー ー ー ー ー ッ ッッ ッ ! ! ! !





      ーーーー メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト を、 解 き て 放 っ た ・ ・ ・・ ッッッ 。






(対戦相手を嬲るも好きだッ!)


(残虐ファイトってヤツでねッ!)


(マスクやねッ!パンツにねッ!隠し持った凶器の数々でねッッ!!)






   グ ” ッ ” ッ ” ル”ル”ル” ル ” ウ ” オ ” オ” オ ”ォ”ォ”ォ” オ ” オ ” ー ー ー ー ッ ッ ッッ ! ! ! !





      ーーーー 飛 び ま す 。 轟 音 と 共 に メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト が ・ ・ ・・ ッッッ 。








(切ったりね・・・ッ!)


(抉ったりね・・・ッ。)


(グシャグシャな混合(ミクシー)にしてやるのが、大好きなんだよぉぉ〜〜〜〜・・・ッッッ。。)






  〜 〜 〜 〜 〜〜 〜 ” 〜 ” 〜 ” 〜 ” ー ” ー ” ー ” ー ” ー ” ー ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ! ! ! !






      ーーーー メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト は、 最 後 に 『 こ う 思 っ た 』・ ・ ・・ ッッッ 。








も。もしも許されるなら・・・ッッ。


僕の技を受け継ぎ・・ッ。


この『サンキスト・マスク』を被る者の誰かが・・ッ。



  『 ジ・ハンドレッドくんへの 復 讐 を果たす事を 切 に 願 い た い 。 』




だ・だってだよ・・・。



じゃなきゃあ・・・!



せっかくッ!



プログラミングに過ぎないとは言えッッ!!



Dr.劉が構築したデータとして・・・ッ!!!





『 せ っ か く 蘇 っ た、こ の 僕 が ッ ッ ! ! 』





『 煮 込 み 過 ぎ た オ ー レ ン ジ み た い に ・ ・ ・ ・ ッ ッ ! ! 』





『 グ チ ャ リ と 潰 れ る、  最  後  を 迎 え る だ な ん て ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ え え え え え ! ! ! ! 』





 オーレンジ!!? オーレンジ!!?



 オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!?



 オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!?



 オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!? オーレンジ!!?






    ーーーーーー→→→→→→→ そして、メタリック・サンキストは、『 断 末 魔 を、挙 げ る ・・・ ッ ッ ッ ! ! ! ! 』








「  『  キ ィ ィ ス キ ス キ ス  サ ・ ン ・ キ ・ ス ・ ト ォ ォ ォ オ オ オ ーーーーー ッッッッ ! ! ? ?  』  」





    ゴッッ ッッ ッ 



    ド ド ド



    ド”ッ”ッ”パ” ァ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ ” ァ”ア” ア”ア”ン” ン” ン ”ン ” ン ” ! ! ! !




            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





『爆(は)ぜた。』



メタリック・サンキストは、無残に『爆(は)ぜた。』



グチョグチョの。


ドロドロの『物体(何か)』へと 変 貌 し た 。



その体液は、いみじくも『 オレンジカラー 』であり・・・。


グチョグチョの物体(何か)と相まり・・。


さながら。


出来たてホヤホヤの、




  『 1 0 0 % 果 汁 の オ レ ン ジ ジ ュ ー ス 』のようであった・・・・ッ。。






  ー メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト ( ア ン ド ロ イ ド )



    必殺技 『 メ イ ア ・ ル ー ア ・ ジ ・ サ ン キ ス ト ・ オ ー レ ン ジ 』




           ・・・ ・ ・ ・ ・ 『  完 全 破 壊 ッ ッ ! ! ! 』





・・・・





『 残 心 』 。


百文字は『残心』している。



『残心。』


それ即ち『武道における心構え』の一つである。

一つの動作が終わっても、尚、緊張を解かないこと。

剣道で相手に打ち込んだ後、相手の反撃に備える心の構えのである。

弓道で矢を射た後、その到達点を見極める心の構えの事を言う。



百文字は、その『残心』。

その『心構え』を、今、行っていた。


グチョグチョになった、メタリック・サンキストに対してか?

それもある。


だが、その根幹。その本質となるモノは、『Dr.劉』。



おそらくは賛歌(わざ)の最中。

既に『この場から立ち去ったDr.劉』に対して『残心』を行っているのである。



己の体駆(にくたい)は、最早ズタズタである。

自殺行為と例えられても過言では無い、ゴリ押しの『ハンドレッド・タイフーン』を放ったのだ。



右足は、膝上まで『欠損』している。

食いしばる歯は、過剰な圧力の為、奥歯の3本が『粉砕欠歯』をした。


口端からは血が滴る。ポタポタとポタポタと流れて落ちている。


目は見開いたまま。唇は閉じられたまま。

痙攣(けいれん)と硬直(こうちょく)。


どちらも『閉じれない』、『開けない』。




故に。

格闘士とは言い難い、Dr.劉とは言え・・・。



『否(いいや)』。



そうではない。

それだけでは、正しくない。




  ーそれは・・。 



  ー『余りに見事な退却』であったからだ。




退却。

言わば『敗走』。


『覚えておれ』と恨み文句の一つでも、垂れながら行ってしまいたい『情けない行為』。




  ーだが。


  ー『これ以上に無いタイミングで、鮮やかにそれを行った。』




誇りはある。

矜持(きょうじ)もある。


だが『倫理(りんり)』は無い。



故に頭脳が『悪魔』であるのだ。




『 悪魔は、 悪魔の価値観  を、持っているのだ。 』




だから、退却(ひ)ける。

己の威信が砕かれた見えた『メタリック・サンキスト』の敗北と言えど、敗走する機を逸脱しなかったのだ。




『どんなに非難や弾劾(だんがい)を浴びようと。』


『己を変える事をしない、狂気の科学者。』




敗走する敵者を思い、勝ち誇るか?


否(いいや)。


百文字は、そんな慢心(気持ち)には、なれなかった。




 ー 野 に 虎 が 下 っ た か と 思 え る 、憶 え る は『 驚 異 』 。




故に『残心』を止められなかった。


そして・・・。


体駆(からだ)は、その余裕すら、持ち得ていなかった。





・・・・





研究。

それは、夥(おびただ)しくも、数多(あまた)な『 数々の失敗 』によって彩られるモノである。


Dr.劉は思い返す。


帰路を歩みて、思い返している。



私が創り上げた『メタリック・サンキスト』は、見るも無残に敗れて破壊(さっ)た・・・。


だが。

所詮は、試作型のアンドロイドである。


己の研究が足りなかっただけの事。


死者蘇生の原理、解明の一貫。


まだまだ先が長く。

幾多の峠。数多の山を越えなければならないと言ったトコロか・・・。



ゴソ・・・。



Dr.劉はポケットを弄(まさぐ)る。



ス・・・。



取り出すは一通の『 招待状 』。


Dr.劉は。

既に封を開けてある、その招待状を目を通した。



差出先は・・・・。



『 米国・地下プロレス協会 』。




かねがねの話だ。


ブラッククロス・米国支部は・・・。


Dr.劉。


その悪魔と例えられる頭脳の持ち主が、

日本へと流出をした事柄に、強く歯噛みを覚えていたようであった。



そして創り上げたモノ。


それが『米国・地下プロレス協会』である。



  ー アメリカに戻り。


  ー その研究を続けてくれまいか?


  ー 付きましては。


  ー その頭脳。


  ー 他の方面にも、生かして欲しいと思いまして・・・。




フン。

好き勝手、言いおるわ。


だが良い。


奴に敗れた『モノ』の研究をし続けたトコロで・・・。


私の研究が。


終着に達するとは思えぬわ。


行こうか。


アメリカ大陸。


そう・・・。



   私 は 。



 『 奴 を 、 超 え る の だ ・ ・ ・ ッ ッ ! ! 』




Dr.劉は・・ッ。



『 奴 』 を、讐(おも)うッ!





『 ジ・ハンドレッドッ。 』



度々と重なり。


尚も、負いた、『 その疵(おおけが)・・・ッッ。 』


大蛇のように『帰れる場所』が無いお前達にとって・・・。


『それが何を意味するか』、解らぬ訳ではあるまいなッ?



    だが・・ッ。


    また会う日が来るであろう・・・ッッ。



 不完全ッ。


 研究途中の代物とは言えッ。



 『 私 が、 創 り 上 げ た モ ノ ッ ッ 。 』



 『 私 が、 創 り 上 げ た メ タ リ ッ ク ・ サ ン キ ス ト 』を、 破 壊 を し た の だ か ら な ッ ッ 。




その力の根幹は『愛』かッ?


それとも『情』かッ?


『希望』かッ?


『倫理』かッ?


それとも『律法』か?




 否(いいや)。



 その・・・ッ。



 ど れ で も な い ッ ッ 。




 この度、お前が、勝ち得た『 力 』。



 それは、『 お 前 だ け の 力 だ よ 、 ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド 。 』



 お 前 は 知 っ て い る の か ?


 お 前 が サ ン キ ス ト を 投 げ 放 つ 時 の 。



『 あ の 悪 鬼 に も 似 た 、羅 刹 の 表 情( か お ) 』 を ?





 人は、『やり遂げなければならない事』があるよりも・・。



『 今、自分に一体 何 が 出来るのか? 』と言う時にこそ・・?




 違うな。


 奴の本質は・・・。



 この。


『 D r . 劉 と 同( お ん な )じ ・ ・ ・ 。 』




 フッフッフ・・・・。



 それだけの力。



 如何なる疵を負おうとも、私以外のモノに、敗れるモノでは無いと悟るに至った。




 故にこの場を去ろう。



 ジ・ハンドレッド。


 そして・・・。




 レディよ。





 今度、相見える日こそ・・・。




『  お 前 達 の 最 期 の 日 と な る で あ ろ う ・ ・ ・ ッ ッ ! ! !  』






「『 ク ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ! ! ! 』 」




Dr.劉は、高笑い。


そうして、日本を去っていった。




   ・
   ・
   ・

   ・

   ・





この。

10年後。


Dr.劉は創り上げる。


百文字、地下プロレス最後の戦いにして、


『最大の決戦』となった、その『 敵 者 』・・・。




   ー 『 改 造 人 間 ・ デ ビ ル ク ラ ー ケ ン 』を引っさげて。



   ー 日 本 地 下 プ ロ レ ス 協 会 。



   ー そ し て ッ 。




     百 文 字 ( ジ ・ ハ ン ド レ ッ ド ) の 前 へ と 、 舞 い 戻 っ て 来 る の だ ・・ ・ ッ ッ ! ! !




そして。


この決戦が・・・。


百文字。

そして、レディ・ミィラを『 Q X 団 』へと引き入れる事となる・・・。




  『  鋼 鉄 の 赤 ん 坊 を抱き抱えた、 盲 目 の 淑 女 との 邂 逅( 出 会 い )の 一 因 となるのだが・・・  』




それはまた。


別の話である。




   ・
   ・
   ・

   ・

   ・





舞台は再び『現代』へと戻る。


鷲鼻のバトゥロとの闘いの最中(さなか)。


全長45m。

体重460tを誇る、


『クルイ・ケン・キャク』の一撃にて、瀕死の重傷を負った『 耐撃の百文字 』。



その先に向かうのは・・。


QX団製多目的ヘリコプター・『 ドニゼッティGT−18 』を駆る『 レディ・ミィラ 』。




何もかも同(おんな)じ。


そう。


20数年前の・・・。



 『 こ の 日 と 、 同 ( お ん な ) じ ・ ・ ・ 。 』




記憶(おぼ)えている。


百文字(ハンドレッド)・・・?




ヘリを駆る、レディ・ミィラ。



既にレディは・・。


己の全身を覆う。


『 数多の包帯 』を解き放っていた。



そして、その姿は。



『 惑 星 ・ オ オ ウ 』。



『 二 足 の 犬 種 』と 例 え ら れ る 、定 型 か ら 離 れ た 土 着 星 人 に 似 て ・ ・ ・ ・ ッ ッ 。 






ーーーーーー





 ・・・続く。