南アフリカ ー レゼルヴェ国


通称・リトルおフランス。
近年独立を果たした1国である。

元々は内戦の絶えない1小国であった。
響き渡るは奇声。

アヒィ!だが、ウヒョヒョウ!と言った、とてもペケペケペケェー!に荒れ果てた1国。



 ー 国が荒れ果ている。


 ー それは『秩序が無い』と言う事。



秩序が無い事を良い事に。

前時代の悪しき風習・『フランス植民地時代』を忘れられぬ1狂人がこの地に舞い降りる。


『ルイ=アルベルト=ギヨーム』


後の・・・。



『ルイ=ポナパルト=ヌーヴォー1世』である。




エリートコースを突き進んで居た彼の『突然のドロップアウト。』

彼の望みは唯一つ。




 ー『 栄光ある植民地帝国の時代を再生(ルネサンス) 』



彼は女性モノ下着を着用すると言う『変態』であった。

変態。それは知れ渡る事により『どんな聖人であろうとも、侮蔑(ぶべつ)の対象へと成り下がる。』

彼はそんな世の中に『憤(いきどお)り』を覚えた。



 ー 私は変態だ。


 ー 幼き日に母を亡くし、厳格な父に育てられた私は・・・っ。


 ー『 亡き母の下着を着用する事でしか 自己を慰める術(すべ)を知らなかった 。 』


 ーそうする事で『母上(メーフ)の温もり』が感じられ。


 ー私が私として『生きていて良い様に、思えてくるからだ。』



「理解し難い事柄だろう?」


「『そう言う人が居ても良い』。」


「口ではどうとでも言えるだろう。」



「だがな。」



「それが『お前が属する国家を代表の一人して・・・。』」


「連日マスメディアを通して『 政 治 の 何 た る か を、語っているとする・・・。』」




    ー 鼻で笑って侮蔑(ぶべつ)するのだろうゥー・・・っ?


    ー お前も。 アイツも・・っ。 誰も・・っ。 彼もがなァアア・・っ。




 メ ル ド !  メ ェ ェ ェェルド ! !  ( ク ソ !  ク ソ ォ ォ ォオオ オ ! ! ! )




「それが吾輩なのだよッ!」

「だがな、愚民ども!!」


「吾輩の辞書に不可能と言う文字は無く!」

「吾輩の辞書に敗北と言う文字は、在ってはあってはならないのだ!!」



「故に『支配階級』だッ!!」



「有無を言わさないっ!」


「吾輩が上でッ!愚民どもは下ァアアーッッ!!」

「この小国、秩序が無いと言うのなら、『 吾輩が、叡智(えいち)を授けてやろうっっ!! 』 」




「 白き人々が支配をし、黒き人々(豚ども)が地にひれ伏す『 あるべき 世 界 の形にだぁぁぁああああああああ!!! 』 」












そう彼が志(こころざ)し『20年。』

レゼルヴェ国は独立を果たした。




・・・・・




「確かに『ルイヌーヴォー』は衝撃的だったよ。」

「でも、大きく何かが変わった訳じゃあない。」



 ーオリヴィエ=アマド(24歳男性・大羅建設社員)は、過去を振り返ってこう言う。



ルイヌーヴォーのやった事。

それは『自分にとって居心地の良い 場所(ゆりかご) を作り上げただけ』に過ぎないからだ。


居心地の良い場所に『ただ人が集まって来ているだけに過ぎなかった。』


何処の国も、本質は同じ。

居心地の良い場所に、ただ人が集まって来ているだけかも知れない。



だが決定的に『違う事が一つあった。』



 ーそれは・・・。


 ー世界から『逃げた事。』



 ー世界の常識から、かけ離れる事を良しとし。


 ー現状に甘んじ、現状を最上としてしまった事だ。




「『この現状に満足するだけの為に、この国があった。』」




「其処に発展は無い。」


「だが・・・。」


「昔からそうだ。」


「大きく何かが変わった訳じゃあない。」



 ー 国が荒れ果ている。


 ー それは『堕落(だらく)をしている』と言う事。



大人になれない子供のようなモノだ。

権利だ主張だと言いながら。その実、何もやっていない『言いたいだけの子供のようなモノだ。』



自由(フリーっ!)

解放(フリーっ!)

混沌(フリーっ!)

暴力(フリーっ!)



言いたいだけだ。

それを言いたいが為の『堕落(フリー)』だ。


こんな国出て行ってやる。


そう思って、俺は国も家族も捨て去った・・・。



「でも『あの日。』」


「俺はこの国に『戻って来てしまったんだよな・・・。』」




  ー 何 で だ ろ ・・・ ?



  ー よりによって、この日に戻るだなんて ・・・ 。





・・・・・





「アヒィー!あの日の事かい?」

「家族間で、色々と慌ただしい日であったが、ウヒョヒョウ。」

「耐撃の旦那にゃあ、びっくらこいたぜ、ペケペケペケェー。」v



 ーエモンド=アマド(26歳男性・スラム男(ガイ))は、あの日を振り返ってこう言う。




「このエモンド様。」

「相手がフェンシングの達人だろーと、素手でぶちのめしてやろってなモンだが・・・よっ。」

「度肝抜かれるってのか? あの日、俺は日当全部ブチ込んで、一攫千金おフランスドリームを夢見てたってのによぉ。」


「旦那がカジノに入って来るや否や・・。」


「場内皆(みぃ〜んな)、シィ〜ンとしちまったんだ。」

「俺も。ドリーマーからリアリストになる直前だったってのに・・・。」


「旦那の挙動を、見ずにゃあいられなかったぜ。」



そりゃそうだ。

旦那は、全てが『大それていた。』




 ー我が名は・・・。


 ー『耐撃の百文字(ひゃくもんじ)・・・ッ。』



名前が大それていた。



 ーQX団の名に置いて・・・ッ、


 ーこのレゼルヴェ国を『 支 配 す る ッッッ!!! 』



目的が大それていた。



 ー黒き人々よ。


 ーお前達こそ、『選ばれし 民 だ 。』



語る言葉も大それていて。



 ー礼節。

 ー秩序と言う名の『束縛の鎖』から解き放たれた存在だからだ。



モノの考え方も大きくそれていて。



 ー罪を悔いろ。懺悔をするのだ。『懺悔』。良い響きだ。第一耳心地が良い。

 ーだが・・・。その実。その中身は『衰退』に等しい。



意識そのモノが凡人とは違っていて。



ー生物が生きる事とはッ! 『他の生き物を 殺 す 事 で あ る ッ ッ ! ! 』


ー生物が生きる事とはッ! 『本能赴くままに 他 を 食 ら い 尽 く す 事 で あ る ッ ッ ! ! 』



その考え方は、何よりも太く。







  「 『  黒  き  人  々  よ  ッ  ッ  !  !  !  』 」





「 お 前 達 こ そ 。 」



「 世 界 を 統 べ る に 相 応 し い ・・・・・ ッ ッ ! ! ! 」





そして重かった。




耐撃の旦那の言葉を聞いている内に・・・っ。


俺は『燻(くすぶ)っていた自分』を恥じた。

俺は『今これから出来る事しなくちゃいけない』って気分になってきた。



 ービッグになるんだと夢を見て。


 ー意気揚々と『渡仏したその地。』



   だが俺は、自分で自分を駄目にしちまった。


   人が人として在るべき姿に『我慢が出来なかったからだ。』



事あるごとに『アヒィ!』だとか『ウヒョヒョウ!』と叫んではいけない『 その風習に、馴染めなかったからだ。 』

礼節を重んじ、礼儀を重んじる世界の形に『 物が足りなかったからだっ。 』



「俺ァー、スラム男(ガイ)なんだぜ、アヒィィィイイイイ!!」


「公の場ァ〜ッ?」

「キチンとしなくちゃなんねェだァアアア〜ッ??」




「全く持ってウヒョヒョウだぜ、ペケペケペケェェェェエエエーーーッッッ!!!」




「俺ァ何時だって、嬉しい時にゃあ『 ア ヒ ィ ! 』と叫びっ!」


「頭(あったま)来たら、『 ウ ヒ ョ ヒョ ウ ! 』と殴るのよっ!!」



問題起こして(ヤンチャして)、逃げるようにこの国戻ってきて・・・っ。



俺は一体『何をやっていた?』


カジノで一発当てる事が『俺の夢か?』


ただ意味も無く、惰性に日々を送る事が『俺のヤリタイ事なのか?』



ムラムラしている俺を知ってか知らずか・・。



耐撃の旦那は『 パ チン!』と指を鳴らす。





「 『 来いィーッ! 』 」



「 『 ギ ガ ン ト 2 8 号 ゥ ゥ ウウウウーーーーッ ッ ! ! 』 」




 ド ズ ン !

 ド ズ ン ! ド ズ ン ! !


 ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !


 ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! !


 ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! ! ド ズ ン !


 ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! !




鳴り響くは地鳴りっ。

その地鳴りに合わせてっ。


俺達は皆、『唱和』をしたっっ。



 自由(フリー)!


 自由(フリー)! 解放(フリー!)



 自由(フリー)! 解放(フリー!) 混沌(フリー!)



 自由(フリー)! 解放(フリー!) 混沌(フリー!) 暴力(フリー!)



  ー それで居て・・・ッッ!!


  ー 黒 人 ( ブ ラ ッ ク ! )だぁぁぁあああ ああ あ あ あ ー ー ー ー っっ っ ! ! !



そいつは『奇声と怒号のハーモニー。』

声色までもが黒色と感じられる黒密度(ブラックデンシティ)だったっっ!!





・・・・・





「おっどろいたわよォ〜!」


「首都中が『この世の終わりだぁああああ!!』とか『神よ私を見捨てないでぇえええ!!?』とかパニくりまくって『かなりウケるww』ってカンジ。」

「シティに来て、これ程『血が騒いだ事』は無いわね。」


「ちょwwって思う程『飛んでる事』だったわ。」




 ーアンティエ=アマド(28歳女性・洋菓子職人(パティシェ))は、あの時を振り返ってこう言う。





「ま、無理も無いけどねぇ〜。」


「全長50m体重550tだったっけ?」


「無骨な鋼鉄の巨人と、黒人暴徒(黒いの)がわんさかと首都に攻め入って来るンだモノ。」


「アタシだって、ちょ!!?マジで!?ってカンジ。」


「『まともな奴ほど feel so bad(イカレてやがる).』ってなモンよ。」


「あの日、あの時、正気で居られた人間なんて居やァーしないわ。」





  ー そ れ は 、破 壊 的 な 有 様 だ っ た わ 。


 ー暴徒と化した黒き人々。
 ートコロ構わず暴れて狂う。


  ー軍も警察も無力であった。


  ーすでにこの場を後にした・・・。

  ー無骨な鋼鉄の巨人こと、『ギガント28号』により状態は壊滅。



    ー無秩序な暴力だけが残っていたわ。



「降りかかる火の粉は払うモノ。」


「この国で、唯一黒人がのし上がる事が出来る『パティシエ』とは言えど。」


「白人至上のこの社会、『腕に覚えが無くちゃあ生きていけないし』。」


「暴れるなら暴れるで、自衛くらいしよっかなと思っていたけれど・・。」


「何っっか、様子が変だったのよねぇ。」



 ー 皆、親の仇にでも出会った顔して『建造物』ばかりを破壊していったわ。


 ー アヒィだか、ウヒョヒョウと言った奇声を発しながら・・。


 ー 誰一人、殺そうだとか、犯してやろうとする者が居なかった。



 ーその混沌とした、異様な有様の中。

 ー何が正しくて、何が間違っているのかすら曖昧になって行き・・。


 ー誰もが不安で、誰もが過ぎ去る事を望んでいたその時っ。




ド ズ ン !

ド ズ ン ! ド ズ ン ! !


ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !


ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! !


ド ズ ン ! ド ズ ン ! ! ド ズ ン !  ド ズ ン ! ! ド ズ ン !






   ー 鋼鉄の巨人(ギガント28号)が舞い戻った。









  グ ギィィィ イ イ イ ヤ ャ ャ オォオオオ オオ ォ オ ォ オ オ





         オ オ ォ ォ オオ ォ オ ォン オン オンオォン ォンオォ ォ オ オオーー ー ー ンン ッッ ! ! ! !






      ー 雄 叫 び が 響 き 渡 る ッ !




 ー その蛮声、耳にした黒き人々は皆・・・ッ!!






 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)

 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)

 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)


 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)


 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)


 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)


 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)



 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!) 支配者(オッサッッ!!)




讃えて唱和(コーラス)。

奇声と怒号が和音(ハーモニー)。




 皆、鋼鉄の巨人(オサ)の登場を讃えた。

 皆、黒服の男(オサ)の登場に狂喜した。



「でもね。」

「驚く事は『其処じゃあない。』」



「黒き人々(彼等)の唱和に呼応するかのように、鋼鉄の巨人(ギガント28号)が両の腕を左右に広げた瞬間・・・っ。」




「誰もがその様に『魅入ってしまった』の・・・っっ。」





「コルコバードのキリスト像(クリスト・ヘデントール)のように雄大で・・・。」


「とても神秘的な『その様』を見た時。」



「黒も白も関係無く。」



「『誰もがそれに魅入ってしまった。』」




  ー 何故だとか、どうしてだとか要らない世界が其処にあった。



  ー 結果として『嫌悪感無くSEX出来る』のなら・・・。


  ー 愛に理由が要るのだろうか?


  ー 惚れたに理由が要るのであろうか?


  ー そう快感(感じて)しまうのと、類似した空間が其処にあったわ。





 バルルルルルルル ル ル ル ル ル ゥルルル ゥゥ ウ ウ ウ ウーーーーーーー!!!(ヘリが飛んでいる。)






 ー ヘリがギガントの左肩に近付いた。


 ー 白服に身を包んだ『ルイヌーヴォー』がヘリから降りる。




   ヴ ゥ ・ ・・・・ン



 その様子が巨大な立体映像となり、映し出されて。

 電波をジャックしているのか、その様子は其処ら中の映像機関に流れていた。



「この時。」

「柄にもなく、センチな気持ちになったわ。」



「この国も終焉(終わり)を迎えるんだなってね・・。」



「弟達は、皆国から出ていった。」

「でも私はこの国に残った。」


「生まれて育った国じゃない。」


「フっと思い出した時。」



  ー『でも今は、違う国に居る・・・って、負い目を負うだなんて嫌だもの。』




 ーアタシはアタシの力でこの国でのし上がりっ。


 ーそして、この国で生きて行くんだっ。



「そう信じて疑わないからこそ、今までやって来れた。」


「それが終焉(終わり)を告げようとしている。」




 ー 万感が込み上がる中・・・。




 ト・・・。

 ルイヌーヴォーが。



 ト・・・。

 黒服の男(百文字)の元へと歩み寄る。




 ス・・・。

 歩み終えた、ルイヌーヴォーは。





    ー スゥと、彼の前で、跪(ひざまず)いた。






・・・・・






「どうしようもない事。」


「そんな無責任な・・・。」
「そうも言いたくなるようなその言葉。」

「だが・・。」

「世の中『どうしようもない事』として、受け止めなければならない事が余りにも多い。」


「いいや、多過ぎる。」



 ールイ=ポナパルト=ヌーヴォー1世(59歳男性・レゼルヴェ国首席)は、あの瞬間を振り返ってこう言う。




「無責任と言うなら言えば良い。」


「罵(ののし)りの言葉を甘んじて受けよう。」




私は・・・。

自分の無力さを、思い知ったのだ。


耐撃の百文字が起こした、このクーデター。


そして。

その同日に行われた『アムステラ神聖帝国の侵略行為。』


それは外銀河全域を支配していると言う『途方もない帝国であった。』


途方もない帝国の。

途方もない赤ん坊が『支配を享受せよと迫って来る。』



  私は『すすり泣いた』。


  私は『後悔』をした。



 もう、女性モノの下着を履かない。

 もう、黒人を差別しない。


だから、もう許してくれ。


クーデターを起こすなら起こせば良い。

侵略するなら、勝手にしてくれ。

全てを拒絶したかった。

後悔して後悔して仕方が無かったのだ。



「だがね。」


「私は『生きていたい事』を選んだのだよ。」



私はこの目で見たのだ。

迫りくるアムステラ神聖帝国の軍勢に、雄々しくそびえ立ち、

そして、悠然と立ち向かう『 ギガント28号 』のその姿を・・・っ。



「陳腐な言葉だが・・。」


「『憧れてしまった』のだよ。」


「この男。この鋼鉄の巨人になら・・・。」



   ー 私の全てを捧げても良い。



「そう思えてしまったのだ。」


「何よりも強く。」

「何よりも雄々しい事に、賛歌せずには要られなかったのだよ。」



これから行う事柄は、全国民を裏切る事柄となる。

国を支配する者がクーデーターを受け入れる。

それはどんな理由があろうとも『全国民を裏切る事柄』であるからね。


だが、この事柄のみが、全国民を守りきる事柄となるのだ。


喜んで支配をされよう。

貴方(百文字)を支配者(オサ)とする事に何の不服もない。


 私が間違っているか、そうで無いかなど・・・。

 後の歴史が決めれば良い。


  私はこうするしかなかったのだ。

  私にこうする事しか、出来ぬのなら・・・。


 せめて、貴方に『心酔』していたい・・・。


 力強き支配者(オサ)よ。

 虚空から侵略者(アムステラ)から、我等をお守り下さい・・・。





 ス・・・。

 跪(ひざまず)いた、ルイヌーヴォーは。





 ・・・・ッ。


 ゆるりと差し出した、百文字の右の手に。





    ー Kiss( キ ス )をする。 ー





 それは、このクーデーターへの「服従」を意味し・・・。


 そして・・・。



 スゥ・・・・。

 促されるまま、起立をしたルイヌーヴォーは。


 ト・・・・。

 促されるまま、百文字へと進み寄り。






   ガ シ ・ ・・ ッッ 。  ー 互 い が 互 い を 、 抱 擁 し 合 っ た 。 ー





  ー  服従。然る後に「 抱 擁 」。  ー



    ー  意味する事は、一 つ 。  ー





     ー  『 和 解 。 』  ー







 革命と和解の『狂詩曲』と言うこの奇跡に。


 国の者、皆、歓喜をした。






   ー そ う っ っ っ !!!








  この瞬間、『 コ マ ン タ レ ヴ ・ ラ プ ソ デ ィ ( 歴 史 的 大 狂 詩 曲 ) 』 が 行われたのであるっっ!!!




 そして、百文字の声が響き渡るっ!




「皆の者ッ! 聞くが良いッッ!!」



「不倶戴天の敵来るっっ!!!」


「その名『アムステラ』・・っ!


 その名、外銀河全域を支配する、超巨大国家と 宣 言 を す ッッ!!! 」




  「 だが、恐れる事はない ・・っ 。 」



 「 そ し て 、 目 に 物 を 見 る の だ ・・・ ッ ッ ! ! ! 」




「 我 は 、 耐 撃 の 百 文 字 ・・・・ ッ ッ ! ! 」



   ー そして・・ッッ!!!






 『 ギ  ガ  ン  ト  2  8  号  で  あ  る  ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! 』





グ ギャ オォオオオオオ オオオオオ オオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオオオオ オ オ オ オ オ オ ! ! ! !








 異音にて雄叫ぶ、その姿(ギガント)に。


 国の者、皆、酔いしれた。





・・・・・





「それから後は大変だったわ。」


「三日三晩動きっぱなしで為し得た『 コマンタレヴ・ラプソディ ( レゼルヴェ国が一日革命 ) 』。」

「その後、休む事無く『 新体制の整備 』。」

「アムステラの動きも注意しなくちゃいけない。」



「愚痴の一つや二つ、溢(こぼさな)きゃやってられないわ、百文字(ハンドレッド)。」


「貴方は偉そうに『だが、恐れる事はない』だとか、『そして、目に物を見るのだ』と言っていれば良いかも知れないけれど、

 具体的に指示を出すのは、ルイヌーヴォー。

 そして、その原案を作るのはこの私なのよ、百文字(ハンドレッド)?」




 ーレディ・ミィラ(年齢不詳の女性・レゼルヴェ国、全機械技術機関 最高顧問)は、今を顧みてこう言う。




「レゼルヴェ国は、『対アムステラ神聖帝国』を旨とする『 軍事国家 』へと変貌した。」


「細かいトコで摩擦はあるけれど、まぁ上手く動いているのではなくて?」

「国力の割には良く持ちこたえているわ。」


「そうそう。」


「作戦を立てる時、

 作戦名が『 オペレーション・アヒィ 』とか『 オペレーション・ウヒョヒョウ 』とかになるのは、どうにかならないのかしら?」



「『 ちょっと国防長官?  これは一体なぁに?  』」



「と、常々問い質(ただ)したいと、思っているトコ。」



「とは言うものも・・。」




  ー 各国それぞれ、アムステラ神聖帝国に対抗を開始し、世界中で戦争が始まったこの最中(さなか)。



  ー 新体制も何とか整い。
  ー 苦戦と言うよりも、壊滅状態と言えるこの南アフリカ大陸戦線に置いて、



    唯一、『 互角以上に抗戦 を している 国 家 』として名乗りを挙げていると言うのは、 上 出 来 に 等 し い わ 。





「ギガント28号との、『 共同戦線の話 』も舞い込んで来ているし。」


「新たな『スーパーロボットの開発』、『安価な量産機の作成』と・・・。


 一杯一杯の中だけれど、何とか反撃の体勢が出来てきたってカンジかしらね。」



「ネーミングセンスは悪くとも、良くやっているわよ。 国防長官・・・♪」




 ー けれど。


  ー そんな中だったからこそ・・・。




  余りに『 衝 撃 的 な 事 柄 』と言えたのも確か・・・。



  ー 全ては・・・。


   『青く塗り固められた、一通の果たし状』から始まった。




 ー ギガント破壊指令。


 ー 開戦以降・・・。


  全く動きを見せて居なかった『ドクトル・ベイベー』が・・・。




        遂  に  動  き  出  し  た  の  だ ・・・・ っっっ 。





「けどねっ。」


「如何なる困難が、待ち受けていようともっ。」



  ー 我々は全てを投げ打ってでも、その野望打ち砕かねばならない 理 由 ( わ け ) が あ る っっ。



「そう。」


「そして、それは・・っ!!」






ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ






「来るが良い・・ッ。」


「そして、目に物を見るのだ・・・ッッ。」



「やり遂げれられるモノなら、成 し 遂 げ て み せ よ ・・・ ッッッ !!!」






 ー 耐 撃 の 百 文 字 ( 年齢不詳の男性 ・ レゼルヴェ国、支配者(オサ) )は、言い放つ。






「 ワ シ は 、 耐 撃 の 百 文 字 ・・・・ ッ ッ ! ! 」



   ー そして・・ッッ!!!






 『 ギ  ガ  ン  ト  2  8  号  で  あ  る  ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! 』





グ ギャ オォオオオオオ オオオオオ オオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオオオオ オ オ オ オ オ オ ! ! ! !






 ー 如何なる外敵(てき)が、来ようとも・・・っ!!



 ー 我々は・・・っっ!!





     ギ  ガ  ン  ト  は  、  敗  北( や ぶ )  れ  ぬ  っ っ っ っっ ! ! ! !! ! ! !






・・・・




○超鋼戦機カラクリオー 外伝(サイドストーリー)



 





・・・・





ーーーーーー





 ・・・続く。