羅甲などの雑魚を蹴散らせるぐらいには出力が高い機体だが、その本来の運用目的は「機体を犠牲にして強敵に損傷を与え、
後に続く味方の戦闘を有利にする」である。
ダイアンサスが「格闘戦が得意」なのも機体の構造を単純化して建造費用を安く上げる為であり、最初から使い捨てを想定した
機体なのだ。

ギリシャ軍にはダイアンサスの予備機体が常に5体はストックされており、現在のボディが完全に破壊されたとしても戦線復帰は
直ちに行なわれる。(注1)

ダイアンサスの換えの効かないパーツはまず、本体以上の設計と予算をつぎ込まれた2つの装備。
最強の盾『アマランサス』と、無敵の矛『アスフォデル』、そして屈指の適正値を持つパイロット『ソニア=アリストン』のみである。
この三つの確実な帰還を達成させる為に、盾と矛にはバーニア付きの自動操縦装置が装備されている。
そして、コクピットには転移装置が搭載されている。(注2)

(注1)
現在の機体が破壊されたら新しいストックを建造する事になるが、建造費を低く設計されているとは言え
曲がりなりにもスーパーロボットである以上、戦闘機10機では効かない程の出費を強いられる事となる。
軍人であるアリストン大尉が戦闘と関係ない活動を行なっているのも、ファンクラブからの収益を常時火の車である
ダイアンサス関係の予算に回す為。
アムステラの黒い「デモン」の右手と引き換えに自爆した時は日本のタレント「エリコ=タムラ」からヒントを得た写真集を
発刊する事で何とダイアンサス2機分の建造費を捻出した。

(注2)
搭載された転送装置は安全、確実にパイロットの身体を機体外に脱出させるが現在でもクリアできない欠点が二つある。
一つは転送距離が短い。
戦闘エリア内にしか転送できないので僚友であるスーパーロボットのコクピットに受信装置を搭載してそこに転送する事となる。
二つ目はパイロットの「身体」しか転送できない。
転送できるのは有機物のみで無機物は不可能。
先に上げた日本のカラクリオーチームとの共同での対デモン戦では雀王機に転送するはずが誤って剣王機に転送されてしまい、
剣王機パイロットが混乱を来たして右手を失ったデモンの追撃が不可能になるというアクシデントを起こす事となった。

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