感情のままブン殴り。感情のまま掴みかかる。
自分が『男』なんだなって事を認識出来る瞬間。
『 力任せに相手を制圧する事。 』
男として・・・。『雄』として生まれてこれ以上誇らしい事は無い。
男は『誇り』の為に戦うのだ。
貴方は何を誇りますか?
夢ですか? 希望ですか? 家族ですか? 恋人ですか?
何かって言い切る事に不純物を感じてしまう性質(たち)ですか?
『 強 く 生 き る 事 。 』
恥じる事なかれ『残酷的所業(ナック ナック バイオレンス)』
悔いる事なかれ『奪命的行為(デッド デッド キル)』
誰もが裸(ヌード)で産まれ落ちる『18禁的指定(シークレット・ラヴィ)』
ー DEPRIVEッ! ( 俺 は 今 、 ケ ダ モ ノ ッ ! )
ー FOR(EVER) AND EVERッッ!! ( 止 ま る 事 な か れ 、 こ の 瞬 間 ッ ッ ! ! )
コマンタレヴ・ラプソティ
第6話「その機体、いかり肩にて注意されたし」
・・・・・
いかり肩の機体であった。一つ眼の機体であった。
二の腕が細く、肘から先が太い。
胸部から腰に掛けて、肉食動物の犬歯(牙)をモチーフとした造形(デザイン)になっている。
大地(ガイア)踏みしめる両の脚が逞(たくま)しい。
ー その機体の名、 羅 甲 (らこう)
集いに集いし、羅甲が5機。
その機体、いかり肩にて注意されたし。
・・・・
対するはギガント。
対するは28号。
無骨な鉄の塊と表するに相応しい『鋼鉄の巨人。』
鉄材をハンマーで持って整形に整形を重ねたかのような『顔面』をしている。
その頭部は長髪。造形、オールにてバック。
鉄板と鉄板とをつなぎ合わせ、緩やかな曲線が描かれた胸部。
肘から先と膝から先、そして腰回りもまた緩やかな曲線で描かれたぶ厚い鉄材『堅牢にて強固』。
肩部は楕円。イボのついた楕円の鉄材が、部位(肩のつなぎ目)を守る鎧と化す。
首、上腕、腹、大腿が鋼鉄蛇腹になっている。
ー その怪力、目前全てを叩き潰すッ!
QX団が最終兵器ッ!
ギガント28号、此処にありッッ!!
・・・・
羅甲駆るは『ドッグメェン』。
生まれは下級階層。だから『苗字』が無い。
「ふぅーむ。」
目を凝らすドッグメェン。
ー 奴(やっこ)さん。全長50mってトコらしーな。
ー ざっくばらんな計算ではあるが、奴さんの歩幅は『約22.5m』と推測される。
ー 成人男子の平均歩幅の計算は『身長×
0.45』と言われているからな。
ー そして、おそらくは『 秒速22.5+α(15〜25)m 』。
ー 最大値と推測し『 秒速57.5m 』 と す る 。
「対するは俺達の羅甲。」
ー そもそもの全長が奴さんと比べて1/2以下。
ー 汎用性を重んじ、中近距離でのドンパチに対応すべく、決して鈍重じゃあない羅甲ではあるが・・・。
ー『無武装の近距離パワー型』だろう相手に、近距離を想定した間合いでドンパチしたかぁ無ぇ。
ー 奴さんの『装甲の繋ぎ目』を見ての推測だがね。
ー『形状記憶合金』でも無い限り・・・。武装、特に飛び道具が無いと思われる。
ー おそらくは体術重視の『ガッチガチの近距離パワー型の機体だ!』
ー 接近戦じゃあ『 勝 ち 目 は 無 ぇ ッッ!!! 』
「近距離への移行も視野に入れた・・・、機体特性通りの戦法じゃあ『おらぁ死んじまっただぁ』ってなっちまうのがオチよなぁー。」
ーだがなァー・・・。
ーこのドッグメェン。万年下っ端のさえない1軍人ではあるものも・・・。
ー昨日のように、今日も生き抜き・・・!
ー今日を生き抜き、明 日 へ と 辿りついて来た 男 だ ぜ ?
ーそいつを『 28年間続けて来たんだ。 』
ー『出来ねぇ』なんて、毎 日 毎 度 よ ォ ッ ! !
ー そ れ で も や る ん だ よ 、 死 に た く 無 け り ゃ あ な ァ ーーーーー ッッッ ! ! !
「おい!野郎ども!!」
ドッグメェンは、言い放つ。
ー『回転ベットってあるよなぁーっ。』
ー 今時の子は知らねぇーか? よーは、ラブホにあったクルクル回るベットの事だ。
ー 何故、ベットが回転する必要があるかっつぅーっと、ウソかホントか、眉つばか。
ー 回転する事により、よりよくソレが行き渡り『孕ませるパーセンテージが上昇する』ってぇ事らしい。
ー 解るな?よりよくソレが行き渡るのに大切な事は何だ?
ー そぉーだそうだ。 そう。
ー『 回 転 す る 事 だ ッ ! 』
ー お前らの大ァ〜ィ好きな話だ。ブギウギするほど解り易いだろう?
「ソイツを戦術に応用するッ!!」
ドッグメェンは、命令を下す。
ー3機がマシンガンで持って、牽制するッ!
ー2機が必殺の『 無 反 動 砲 ( バ ズ ー カ )』で奴さんを狙い撃つッ!!
ー 狙いは『 奴さんの右大腿部ッ! 』
ー 右の上腕部を見てみろッ!『 蛇腹箇所に銃弾がめり込んでいるッッ 』
ー 他の部位と比べ、鋼鉄蛇腹は『 装甲が軟弱と、 断 言 出来るッ! 』
ー そして・・・。足一本ヤっちまえば、その時点で『 俺達の勝ちとなるからだ。 』
ー さぁー、此処からが『 戦術への応用だァーっ。 』
ー 頭(あったま)蛍光灯でも、『行き渡るのに大切な事ォ』覚えてるだろぅ〜?
(今時の子は知らねぇーか? 頭(あったま)『蛍光灯』っつぅのはよ。)
ー そぉーだそうだ。『 回 転 す る 事 だ ッ ! 』
ー 俺も含めたマシンガンぶっ放す3機ッ!
ー 俺達は『回転ベット』だ。
ー 奴さん回りを2400m前後で、マシンガンをぶっ放す。
ー 良いか。俺達は『回転ベット』なんだ。
ー『 絶 え ず 回 れ 』 。
ー よりよくソレが行き渡るのに大切な事は何だ?もう解るだろゥ?
ー『 だったら 回 れ っ っ ! ! 』
ー そして残りの2機。
ー お前達は『 ソ レ 』だ。
ー 詳しく言うまでも無いな。『 ソ レ 』だッ!
ー 孕ませちまいなッ! 狙いは『 奴さんの右大腿部ッ! 』
ー 以 上 ッ ッ ッ ッ !!!!!
「行くぜ!野郎ども!!
『 抜 か る ん じ ゃ あ ね ぇ ぇ ぞ ッッッ !! ! ! 』 」
ドォォ ォ オ オ オオ オ ・・・・・ゥ ーーー ー ーー ー 『 ワ 』 ッ ッ ツ ツ ツ ! ! ! ! ! !
『 5体の羅甲 』が、目前立ちはだかる『 ギガント28号(巨人) 』へと襲いかかったっっっ!!!!
・・・・
ド ッ ッ ッ パァ アアア アア ア ア
アアア アア ア ア ア ア ア ー ー ー ッ ッ ! ! !
ズキギャギャギャギャギャギャ ギ ャ ギ ャ ャ キャ キ ャ キ ャキャキャキャキャ
ギャキャキィィイヤァァァァァアアアア ア ア ア ア ア ア ア アアアン ン ン ン ! ! ! !
幾重にも重なった『 銃 音 』が 響 き 渡 る ッ ッ ! ! !
・・・・
1体が時計回り。
2体が反時計回り。
残りの2体が4000m辺りを間合いを取りつつ、「無反動砲」でギガント28号の右大腿部に狙いを定める。
ー ズキギャギャギャギャギャギャ ギ ャ ギ ャ ャ !!!
硬ぇ硬ぇ硬ぇなァー。ビンビンし過ぎじゃあ無ぇのかい?
ドッグメェンは舌を巻いた。
3機の羅甲が放つマシンガン。
雨よあられよ銃弾(鉛)のシャワー。
牽制が故、3機は鋼鉄蛇腹のみを狙っている訳ではない。
下半身を中心(全長に差があるので、ナチュラルに撃つとこの辺りに集中する)に滅多矢鱈(やたら)に撃ちまくる。
ー ズキギャギャギャギャギャギャ ギ ャ ギ ャ ャ !!!
にしたってッ!鋼鉄蛇腹も含めて大して効果無ぇってのはどう言う了見だァーッッ!!?
ドッグメェンは舌を巻く。
しかし・・・。
ありえない事ではない。これだけの質量を持つ機体だ。全長50mを誇る機体だ。
その装甲ぶ厚く。マシンガン程度では屁でも無い。そう言った可能性も含めての『牽制』なのである。
そう。3機は『回転ベット』だ。
その単体『作りかけのメリーゴーランド』。
その単体『風俗法違反の対象』。
だが、然るべき『 ソ レ 』が備わっているのなら!
快楽と甘美を携えた『 アダルテックなエクスタシー 』と化す!!
ー ズキギャギャギャギャギャギャ ギ ャ ギ ャ ャ !!!
子供にゃ解るまい。薬莢(やっきょう)飛び散らす『無反動砲(バズーカ)』の魅了を・・・よぅッ!!
ドッグメェンはより激しく。
羅甲を操り、機関銃!激しく放ちてマシンガン!!
奴さん(ギガント28号)は目で追っている。
俺達3機(牽制役の3機)を目で追っている。
足を動かしている。
ドズンと鈍重な音を立てて。
反時計周りをしている、俺ともう1機を目で追い・・・。
左足を後方に下げる。
ドズン。
反時計周りをしている、俺ともう1機を目で追い・・・。
左足を後方に下げる。
ドズン。
ー 良い子だ。
ー 良い子だぜ。奴さんよゥ。
反時計周りをしている、俺ともう1機を目で追い・・・。
左足を後方に下げる。
ドズン。
ー 右足を軸として・・・。
ー 左足を後方に下げる。
ドズン。
ー 右足を軸として・・・。
ー 左足を後方に下げる。
ドズン。
「 犯(ヤ)れ・・・ッッ!!! 」
ドッッ ッ ッ ッゴォ オ オ オ オ オ オォォ ォ ー ー ー ー ー ・・・ ・ ・ ゥ ! ! ! !
後方2体!2体が羅甲!!
2丁の無反動砲(バズーカ)が火を吹いたァーッッ!!!
・・・・
「良い動きだ。」
思わず百文字は呟いた。
・・・・
「実に良い動きだ。」
再び百文字は呟いた。
・・・・
「困難、はねのける良い動きだ。」
その超聴力(みみ)を澄ませば瞭然であった。
・・・・
「恐怖、打ち破った素晴らしい動きだ。」
その熟練をしたその動きに合わせる・・・。
・・・・
「そうそう誰もが出来るモノではない。」
ぎこちないまでの『新人的追走(ルーキームーブ)』。
・・・・
「良い動きだ。」
百文字は感じ入る。
・・・・
良い動きであるが故・・・。
お前に合わそうと言う他の者の動きがぎこちなく。
良い動きであるが故・・・。
他の者から放たれる物音に『力み』が生じる。
それは即ち・・・。
然るべき 作 戦 を 暴 露 し て い た っ 。
・・・・
ー 異星の強者(もののふ)よ。
ー ワシには解る。
ー 貴様が、どれ程の『死線を潜り抜け』。
ー 貴様が、どれ程の『歯を食いしばり』。
ー 貴様が、どれ程の『流血(ちをなが)し続けて来たのかを。』
ー その生き様、苛烈にて、日常であり!
ー その生き様、挫折が故、勤勉である!
ー だが、異星の強者(もものふ)よ・・・!!
今、貴 様 か ら ッ ! 貴 様 の 命(すべて) を 強 奪(うば)う ッッッ!!!!
・・・・
その刹那(とき)、男(ドッグメェン)は『耳』にしたッ!
「 『 レ ス ラー へ の 賛 歌 そ の 4 ・・・・ ッ 。 』 」
静かに呟く低い声をッ。
・・・・
幻聴か!?
いいやッ!
これは直感だッ!!
・・・・
ー ワシは捧ぐるッ!!
ー『 東 洋 の 神 秘 』と呼ばれるペイントレスラーへと、この『 A S I A N M I S T 』 を ォー ッッッッ ! ! !
・・・・
来るぞッ!
とてつもない何かがッ!
とてつもない何かが来るぞォーッッ!!!
・・・・
・『ASIAN MIST(アジアン・ミスト)』
曰く、ザ・グレート・カブキ! 曰く、東洋の神秘! そう・・それは『元祖ペイントレスラー』の代名詞!!
しかして、その実態『 毒 霧 殺 法 ッ! 』、 即ち『 ASIAN MIST(アジアン・ミスト) 』であるッ!
主にヒール系のプロレスラーが用いるこの技は。
口内含みし液体を、相手その面(つら)めがけて噴射ッ!
その視界を遮るは悪の華!赤と緑に彩られ!オリエンタルに恐怖(ムード)せよ!!
ー その成分。
ー アンモニア水説、ニンニク説、玉ねぎ説、炭酸水説などなどと様々な説があるが・・・。
「 『 こ の 度 は 特 別 だ ッ ! 』 」
ー ギガントよ!
ー『バネ仕掛け』し、踏み下ろしたその『 左 足 』を用いてっ!!
ー 周回運動し続ける、いかり肩(の機体)2機目掛け『 大 地 を 抉(えぐ) り 飛 ば せ ッ ッ ! ! 』
・・・・
左足を踏み下ろした際、
左大腿部の鋼鉄蛇腹を縮めた『ギガント28号ッ!』
そしてギガントは踏み下ろした足を、
『 蛇腹の伸縮と共に、大地を 抉(えぐ)り 飛 ば す ッッ!! 』
大地は散り散り無数の『塊土(かいど)』と化し、2機の羅甲に 乱 れ 飛 ぶ ッ ッ ! !
・・・・
ー 見える。
ー 見えるぞ。
男(ドッグメェン)は『理解』をした。
ー 奴さん『縮んでいやがる』。
・ 4〜5m程度か?
・ そうか。あの鋼鉄蛇腹は。
・ 手足や腰を曲げる為じゃあなく。
「 伸縮する事により『 巨大なバネ 』となりッ! 『 爆発的な瞬発力 を生み出した、 ソ レ は・・・・ッッ!! 』 」
そして耳にした!!
グ ギャ オォオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオオオオ オ オ オ オ オ オ ! ! ! !
ー ギガント が 蛮 声 ッ !
ー そ し て ッ ! !
ボ ッ ッ ッ ッ ゴ ォ オ オ オ オ オ オオオオ オ オ オ ! ! !
ー 抉れる大地ッ! 乱れ飛び迫りくる『 数 々 の 塊 土(かいど) 、 飛 翔 音 ッ ッ ! ! 』
「クソッ! 視界をレーダーに頼れッ!!」
叫ぶはドッグメェン。
ー 消えねぇ!直感が消えねぇ!!
「岩石喰らった訳じゃあねぇんだ! ビビってんじゃあねぇーぞッッ!!」
動揺するもう1機に檄を飛ばす。
ー 違う!そうじゃあねぇ!!
ー コイツは・・! 布 石 ッ ッ ! !
・・・・
「そう。『毒霧』は必殺の技では無い。」
百文字は呟き。
「故に続けるのだ。」
命令を下す。
「賛歌せよッ!ギガントッッ!!」
ー グギャォォオオオー!!
ギガントは異音にて答えるッ。
・・・・
ドッッ ッ ッ ッゴォ オ オ オ オ オ オォォ ォ ー ー ー ー ー ・・・ ・ ・ ゥ ! ! ! !
爆音と共に放たれた無反動砲(バズーカ)の弾丸2発。
シュォオオオッッ!!!
大地蹴り飛ばした、その(左)足、弾丸2発の軌道に合わせ。
ド ッ ッ ヴァァア ア ア ア ア ア
ア ア ア ア アアアアア ア ン ッ ッ ッ ! ! !
左脛(ずね)にて『 防 ぐ ッ 。 』
グッ・・・・ ギィギ ギ ギ ッ ッッ ! ! !
その一連の動作中、右大腿部・鋼鉄蛇腹を『伸縮』し。
「レスラーへの賛歌その5・・・ッ!」
間を置く事無く。
「 ワ シ は 捧 ぐ る ッ ! 」
ー 次 な る 一 手 っ 。
「 『 千の顔を持つ男 』と呼ばれた仮面貴族へと、この『 S K Y H I G H 』 を ッ ッ ! ! 」
・・・・
・『SKY HIGH(スカイ・ハイ)』
世界で最も著名な覆面レスラー「アレン・ロドリゲス(本名)」の入場テーマ。
ルチャリブレ(メキシカンプロレス)を代表するルチャドール(プロレスラー)を讃えるに相応しいその曲と曲名は。
彼のファイティングスタイルである『 空中殺法をッ! 』、彼の必殺とする『 フライング・クロス・チョップ を・・ ・ ッ ! 』
ー そ し て 、 も う 一 つ 。
ダ ッッ ギ ィィイイ ーー ュ ゥ ッッ !!!
ー 右大腿部の『 伸 縮 ( ズ ゥ ー ム ) ッ ! 』
グゥゥゥウ ウ ウ ウ ォ オオオ オ オ オ オ オ オー ー ーー ッ ッ ッ ! ! !
ー 己が前方へと『 並 行 跳 躍 ( ス プ リ ン グ ・ ズ ゥ ー ム ) ッ ッ ! ! 』
・・・・
「 『 朦 朧(もうろう)と 佇 む 、 敵 者 へ ッ ! 』 」
「 コーナーポストより、飛び降り(ダイブ)し、
肉全体『 弾 丸 』と化し、浴びせ倒す事にて『 ダイビング・ボディ・アタック 』と相成るが・・・ッッ!! 」
ー 「 『 こ の 度 は 特 別 だ ッ ! ! 』 」
ー ギガントよッ!
ー この並行跳躍中ッ!既に『 両脚の金属蛇腹を 伸 縮 させているな ッッ!! 』
ー 「 『 な ら ば 言 う ま で も な い ッ ッ ッ ! ! ! 』 」
マ” ス” カ” ラ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ァ” ア” ス”
・ 両の足を、大地突きッ!
・ 両の鋼鉄、伸縮蛇腹ッッ!!
・ 今ぞ放そう、燃え尽きるほど『 伸 縮 ( ズ ゥ ー ム ッッ !!! ) 』
「 『 天 高 く ー S K Y H I G H ー 』 」
ダッッッッッ ギュュュ ュ ユ ユウ ォ オ オ オ オ オ オ オ オオオオ オ オ オ オオオオ ーーーーーー ッッッッ!!!!
「 『 両脚的超跳躍故似天空 ( ダ ブ ル ・ ズ ゥ ー ム ・ ス プ リ ン ガ ー ) ! ! ! 』 」
ズ ッ ッ ッ オオ オオオ オオ オ オ
オオオ オオ オ オ オ オ オ ー ー ー ッ ッ ! ! !
ギャンギャンギャンギャンギャ ン ギ ャ ン ギ ャン ギ ャ ン ギャンギャンギャン
ギィィィィイイイキャァァァァアアアア ア ア ア ア ア ア ア アーーー ー ッ ッ ! ! ! !
全長50m!体重550tのギガント28号の『 巨 体 が 唸って 空 飛んだ ァァアアア ア アア ア ア ッ ッ ! ! ! 』
・・・・
・ ・・ 。
ドッグメェンは。
・・・・
も う・ ・ ・ 。
覚悟した。
・・・・
ダ メ だ ・・ ・ ・ 。
この命、燃え尽きる事を。
・・・・
28年間。
何時だって死ぬかと思った。
歴戦だなんて聞こえが良いだけだ。
何時だって必死で、ケツを割りたかった。
ダメだと思ったトコロで、ダメにしかならない。
それを知るからこそ『 強く生きてきた 。 』
ズ ッ ッ ッ オオ オオオ オオ オ オ
オオオ オオ オ オ オ オ オ ー ー ー ッ ッ ! ! !
幻聴じゃあない
確かに『聞こえる。』
あの巨体が『空から降ってくる。』
それでも最後まで諦めずに・・・?
いいや、ダメだね。
だ っ て よ ぅ 〜〜 〜 。
「 ヒィィィィィイイイ イ イ イ イ イ イイ イ イ ! ! か・母ぁぁぁさぁぁぁぁああああ あ あ あ あん ん ん ! ! ! 」
こんな新兵(ルーキー)に死なれちゃあッ!!
目覚めが悪くて仕方がねぇえええええええええええええええええ!!!!
ー 男・ドッグメェン!!!
ー『尻尾振って生きるのが精一杯かも知れねぇが!!』
ー『尻尾を巻いて生きる気なんてぇ、ちゃんちゃら無ぇーぜ!! 俺ァー強く 生 き る の よ ッ ッ ! ! ! 』
「アバヨ!ルーキー!! 母ちゃんを大事にするんだぜ!!!」
ド ン ッッ!!
ドッグメェンは、その羅甲にて、隣の羅甲。
新兵(ルーキー)駆る、羅甲突き飛ばすッッッ!!!
「た・隊長・・・・ゥ!!?」
ルーキー呟く、その刹那。
ギィッ ッ ッ シ ャ ァァアア ア ア アア ア ア アアアアア
アアアアア・・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ アア ア ア ・ ・ ・ア ア ・・・・・ ・ ッ
・・・・。
・・。
ッ。
天空より降り注ぐ、
鋼鉄の巨人、ギガント28号により・・・・。
ドッグメェンは息絶えた。
ーーー享年42歳であった。
・・・・
「た・隊長・・・?」
目前信じられぬ、ルーキーを尻目に。
グゥ オッ オッ オッ オオオオ オ オ オ オ オ オ ・・・・・・・ッッッ!!!
ー ギガント28号が立ち上がる。
・・・・
「・・・・・・。」
「あ・・・。」
「ああ。」
「 ア ッ ッ ! ! ! 」
・・・・
プ ツ ン ! !
・・・・
キレた。
ルーキーの中の何かがキレた。
余りの戦力差に絶望するしか無かったルーキーの中の『 何かがキレた ! ! 』
それは『彼』だけではなく。
・・・・
「 「 「 うぉおおおおおおおおお!!! 隊 長 の 弔 い 合 戦 だ ぁあ あ あ あ あああ ! ! ! ! 」 」 」
・・・・
皆、怒りに震えていたッ!
皆、彼を慕っていたッ!!
下品で!説教臭くて!面倒見の良い彼を『 誰もが慕っていたッッ!! 』
咆 哮 ッ !
隊長はいつも言っていたッ!!
どんなヘボな飼い犬にだって!牙もあれば噛み付いて『 死 に 至 ら し め る 事 』だってあるんだッッ!!
俺達はヘボかも知れないッ!
俺達のヘボが、隊長の死を招いたのかも知れないッ!
ー だがッ、そんな俺達にだってッ!
「 牙もあれば噛み付いて『 死 に 至 ら し め る 事 』だってあるんだッッ!! 」
ー 弔 い 合 戦 ッッッ !!!!
猛り狂う羅甲の衆ッ!
その最中(さなか)ッ!
招かれざる『 巨 獣 が 、 1 機 っ 。 』
グシャッ!
グシィャアア ア ・ ・ ・ッッ!!!
後方にて無反動砲(バズーカ)を射撃(う)っていた。
羅甲の2体が『 踏み潰された。 』
その機体の名『 暴 顛 贅 ( あばれ てん ぜい ) 』 。
全長50m。肉食恐竜型の『ドクトル・ベイベーが作り出した 新 型 操 兵 である ッッッ!!! 』
・・・・
「データ収集ご苦労さまです。」
操者「ピピアン・クラケット」。
「ドクトル・ベイベーが携(たずさ)わったQX団最終兵器。」
通称「ピピアンボーイ」。
「如何なるモノと、ドクトル共々危惧しておりましたが『 予想範囲内。 』 」
所謂、上流階級(エリート)である。
「もう作戦の意味はありません。貴方達の役目は終わりです。」
冷た過ぎるほど『静か』で。
「そして、愚民ども。」
冷た過ぎるほど『酷い』。
ー 『 弔い合戦 って 何 で す か ? 』
・ ボーイは冷たく言い放つ。
ー 「 『 戦う事は 国 の為。 』 」
「 『 苗字すら持たぬ死んだ犬ッコロなんかの為に 戦 お う と し て る ん じ ゃ あ な い 。 』 」
「制裁です。」
速やかに告げる。
「貴方がた愚民は、戦闘の末『敵巨大兵器』に、 惨 め に も 敗 れ 去 り ま し た 。 」
「そう報告しますけど、構いませんね?」
イ イ 訳 あ る か ぁ あ ああ あ あ あ あ あ あ ああ あ あ ! ! ! ! !
ー 侮辱され憤怒ッ!
ー ギガントの周りを時計回りしていた『羅甲』が戦斧で持って、『暴顛贅(アバレテンゼイ)』に切りかかるッッ!!
ー 詰め寄る ッ !
ー 詰め寄る ッ !
ー 接 近 ッ ! !
パ ッッ ァァア ア ン ン ン ッッ!!!
破 裂 音 が し た 。
ー その瞬間『拉(ひしゃ)げ飛ぶ 羅 甲 』 。
ー 無残にも拉げ飛んだ羅甲は・・・。
ー 動かぬまま『 落 下 。 』
ー スドォ!
ー 音を立て。
ー 歪んだ機体さらして『もう動く事は無かった。』
「とても『惨めに敗れ去りましたね。』」
ボーイは、冷た過ぎるほど『静か』に言い放った。
・・・・
ー ギロォ・・・ゥ!
「さて。」
ボーイは、残った新兵(ルーキー)を見つめて。
「貴方。戦闘中に『母さん』って叫びましたね。」
そして、詰め寄る。
「制裁です。」
ーズドゥ!
「国より大切な母など居るか。」
ーズドゥ!
「戦死した貴方は『裏切り者』であった。」
ーズドゥ!
「内通疑わしきは『その母も同じく』とします。」
ーズドゥ!
「死ぬより辛い『辛苦』を味わって頂きましょう。」
ーズドゥ!
「そう後処理しますけど、構いませんね?」
ーピタッ!
先に羅甲が拉げ飛んだ『間合い』にて止まる『 暴顛贅(アバレテンゼイ) 』
ふ ざ け る な ぁあああ あ あ あ あ ああああ あ ! ! ! !
ー 震えるは怒り!
ー 激怒を持って立ち向かわんとす、新兵(ルーキー)、
ー そ れ を 、遮 ( さ え ぎ ) る は っっっっ !!!!!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
・無骨な鉄の塊と表するに相応しき『鋼鉄の巨人ッ!』
「 『 異星の無粋者(おろかモノ)よ。 』 」
・「ギガント28号ッ!」
「 『 貴様は、ワシの強奪(せんとう)を 侮 辱 した 。 』 」
・そして、その操者・・・ッッ!!!
「 『 万 死 こ そ が 、 相 応 し い ・・・・・・ っっっ っ ! ! ! ! 』 」
ー「 耐 撃 の 百 文 字 」で あ る っっっ !!!!
ーーーーーー
・・・続く。