作者注記)このSSは、トーマスさんの漫画をイメージ元に作成した戦闘シーンだけのSSです。
       ですので、導入部や終了部はありません。ご了承下さい。(^^;;;


今回の任務は、地中海地方の山岳地帯に築かれたアムステラ帝国の前線基地を破壊する事。
この天然の要害を突破する為に、消耗戦となり犠牲を強いられる大軍ではなく、少数精鋭による地上からの強襲作戦が選択された。

そしてその任に選ばれたのは、次の3機。ギリシャ陸軍『ダイアンサス』、イスラエル陸軍『ジブリール』、
そしてイタリア・ローマ教皇庁聖堂騎士団所属『サントスパーダ』の3機。いずれも、一騎当千の強者である。

〜作戦開始より数時間後〜
羅甲の迎撃部隊を次々と撃破する3機。いずれも接近戦を得意とする機体であり、地形を利用して間合いを詰めたが最後、
無敵の槍が、輝く掌が、灼熱の剣が羅甲を粉砕してゆくのである。

「ところでカーフィル君。少しお尋ねしたいのですが、宜しいですか?」
「ンッ、何だぁ?! 言ってみなよ、生臭神父」
「しっ、神父様に失礼ですよ・・・カーフィルさん」
「構いませんよ、お嬢さん。ジブリールの剣ですが、三日月型の鎌と言うか・・・妙な形ですね。どの様に使うのです?!」
「こいつはショーテルだ。使い方?まぁ、雑魚にゃ使うまでも無いんだが・・・」
「・・・無駄口を叩いてる暇は無さそうよ。新手が、来る!」

3機の前方に現れたのは新たなる羅甲小隊。そして、異形の機体が2機。多脚型ロボットの様で、その姿はまるで蜘蛛!

「既存のデータに無いわね・・・仕掛けてみるわ」

ダイアンサスが、蜘蛛型機の一体に肉薄する!
迎撃のビームを大盾『アマランサス』で防ぎ、振り下ろされる脚の爪を高周波超振動ランス『アスフォデル』が脚ごと貫いて、主脚2本と胴体の一部を粉砕した。
瞬時に大ダメージを負った蜘蛛型機は、残った脚を駆使してダイアンサスの右側を抜けようとする。

「逃さな・・・何っ?!」

ダイアンサスとすれ違う蜘蛛型機の側面・・・いや、それが先程見た『正面』と同じだと気付いた瞬間、とっさに構えた盾に衝撃が走る。
二度、三度・・・この体勢では槍を構え直す事も出来ない。その瞬間、ダイアンサスの背後から伸びた鋭利な切っ先が蜘蛛型機の無傷な主脚を貫いた。

「・・・と、こう使う訳だ。動くなよ、アイアン・メイデン」

ショーテルの切っ先が、ダイアンサス越しに次々と打ち込まれる。たまらず蜘蛛型機が弧を描く様に動き、まだ無傷な面をジブリールに向ける。
しかし、既にその動きは読まれていた。

「・・・遅ぇんだよ」

蜘蛛型機にパイルバンカーが叩き込まれる。一機、撃破完了。

「なるほど?!面白い剣技ですね。ならば私も」

サントスパーダは、もう一機の蜘蛛型機を相手取っていた。
冷静に蜘蛛型機の攻撃を捌き、隙を窺って居たのだが、その背後に近寄る羅甲。今にも不意打ちを仕掛けようとした時!
サントスパーダは背後にも眼があるかの様に半歩横に避け、頭を振る。その頭部から伸びた『選定の鎖』は、まるで生き物の様に羅甲の首に巻き付く。
次の瞬間、首を引かれてバランスを崩した羅甲が蜘蛛型機に衝突する。そして、その隙を逃さず振るわれた『断罪の剣』は、
蜘蛛型機に向きを変える暇を与えず、その機体を両断したのである・・・撃破完了。

戻る  続く