前回までのあらすじ:
はいぬれじゃんけんに負けてしまい、見事チャモワン役一号に選ばれてしまった十七女ヘレナ。
彼女と同じく、地球側代表のチャモワン役バイトを任されてしまった、現在絶賛幽霊中のマハン=ガン。
夜ともなれば薄ら寒さも感じる会場の外、タスキという名のカマセ担当名札片手に、
ユージロー=ミミー様を待ち続けていた彼女たちの前を通り過ぎていく、観戦者たちの列。
そうやって、幾度目かの人影を見ながら、やがて訪れるだろう暗黒のミミー様に恐れを抱くのだった。
と、その瞬間! ハイヌウェレのエロ担当、十七女ヘレナがふと視線を向けた先に、
見事なまでのショタ少年が所在もなしげに佇んでいる事に気づいた。
迷子か? それとも道に迷ったのか? そんなことはヘレナにはどうでもいいことだった。
なぜなら、そのショタ少年――ジジは、見事ヘレナの趣味どストレートなまでの美ショタだったからだ!
彼女は、その強化人間である身体能力をフルに使いマハン=ガンに気づかれることなくその場を離れ、
ショタ少年ジジを掻っ攫うかのように連れ去ってしまった。
マハン=ガンが生贄仲間であるヘレナの不在に気がついた頃には後の祭り、
こつり、こつり、迫り来る足音が、彼女の元に恐怖の権化が迫り来るという事実を、
言葉よりも如実に語っていたのだった。
そして同じ頃、戦闘状態に入ったジジの持つ主砲リーゲル・カノーネを前に、
打ち震えながらもヤる闘志を漲らせ、くわえ込んだヘレナの運命は、果たして――――ッッ!
第一話 「あ、ちょっとこれ本編じゃなくて外伝の捏造じゃん」
テッシン「さあさあさあ、始まりましたな殿下。第一戦、第一試合の始まりですぞ」
ユリウス「急かすなテッシン。楽しみは、じっくりと楽しんでこそ、面白いのだからな」
年甲斐もなくテンションの高い爺、そして本編より当社比三百倍ものエロニウム成分を含んだユリウスが、
今か今かと黄色い声をあげながら会場を盛り上げようとしている。
もちろん観客席に座ったエロいことが三度の飯より好きな男性客も、
ワーワーと雄たけびをあげながら妄想の数々をその脳裏に浮かべているに違いない。
だが、ここで冷静になって考えて欲しい。
黄色い声をあげる男性司会者二人と、DT臭やオタク臭のする男性客の群れだ。
間違いなくキモい。キモいに違いない。たとえ見た目イケメンでも、そりゃキモいに決まってる。
もちろんここには女性客だっている。
抽選にもれたもの、チームメイトを応援しにきたもの、ライバルに激励をとばしにきたもの、
ストーキング相手に熱愛ラブコール届けに来た百合女、他にも色々な女性客がいる。
そんな彼女たちが、彼らエロボケした男性客に軽蔑の目を向けてても、不思議ではなかろう。
ヒロイントーナメント。
それは女性が世のバカ雄どもに見切りをつけるイベントだ。
多分、大体あってる。
ユリウス「さて、諸君。まずは、この第一試合で闘うヒロイン候補生の名を告げる前に!
今試合における種目がなんであるかを先に発表しようと思うッッッ!
今回の出題者は、この大会のスポンサーである野望ロボチームリーダー、
はんぺら氏からのお題目だ! どう考えてもエロ方面の出題だ、期待するがよい!」
観 客「オ、オ、オ――――ッッッ!!!」
テッシン「では、早速……オホン! お題ッ!(ジャジャーン)
意外、それは―――― 『 お っ ぱ い マ ッ サ ー ジ 』 ッ ッ ッ !!!」
観 客「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!?」
ズ ア
ギ ア ア
ャ ァ ア ア ッ
ン ッ ッ!!
瞬間、会 場 全 体 に 電 流 が 走 る ッ !!
『 お っ ぱ い マ ッ サ ー ジ 』 で あ る !
おっぱいマッサージといえばもちろん、
彼 女 た ち の お っ ぱ い を、
全 身 で 感 じ る こ と が できる、
男 に 生 ま れ た も の な ら 誰 も が 夢 み る、
――――Roman ッッッ! そのものだからだッッッ!!!
・
・
・
・
・
・
・
ッ
ッ
!
柔らかなそれが己のありとあらゆる部分を優しく包み込み、あるいは挟み、
あるいは「おっと、ちょっと手がすべっちゃったぁ〜♪」などとわざとらしい声をあげながらパイタッチできる、
夢のようなイベント、それがおっぱいマッサージ!
なまじ直接的エロ行為に勃発せず、寸止めみこすり半的なもどかしさを残す分、
直接『 ズキュゥゥゥン! 』や『 オラァ! オラオラァ!! 』な行為に走るよりも興奮を招く、劣情のイベント!
『見せる』よりも『見えそうで見えないチラリズム』に萌える、日本人的感覚に近い何かだ、とも呼べる代物だ。
そんなうれしおいしいイベン――もとい審査を、誰が受けるというのか。
そして誰がそのマーベラスでGoodGoodGoodなマッサージを受けるというのか。
観客の、期 待 と 嫉 妬 が 荒れ狂う。
観客の、欲 望 と 劣 情 が 刺激される。
観客の、股 座 と 本 能 が いきり立つ。
俺にもさせろぉぉぉという、魂 の 雄 た け び が 木 霊 す る ッッッ!!!
ユリウス「では選手の抽選といこうではないか。
取り出したるはこの福引の際に使われる通称『ガラガラ』君。
正式名称『新井式廻轉抽籤器』! 実は格好のいい名前だ」
テッシン「では、ワシと殿下が一回ずつ回して、出てきた玉に書いてある番号で選手を決めさせてもらう。
いざ、尋常に……回します! 回します! 回します! 回します! 回します!」
ガララッ、ガララッ。この瞬間、会場の緊張は一気に高まり静まり返る。
誰だ、果たしてこんなうれしおいしいイベントに付き合わされるおっぱい娘は、誰なのか。
その 期 待 と 興 奮 だ け で !
会場にいる三割がたの男性が !
そっと『先走った股間に手を当てた(シ ー ク レ ッ ト ・ ペ ニ ス)』 !!
そして――――
カランッ カラカラッ
二つの玉が、『新井式廻轉抽籤器』から転がり出る。
男たちは両手で覆い隠しながら、イった恍惚の表情(フェイス)を浮かべたままの顔で、
ユリウス、テッシン、二人の男が読み上げるその名前に『 期 待 す る (スタンディング) 』 ッ!!
ユリウス「第一戦 第一試合ッ! 青龍の方角!
ガ ブ リ エ ッ ラ = P = ア ン ジ ュ ッッッ!」
テッシン「同じく第一試合ッ! 白虎の方角!
マ リ ア = ス ミ ノ フ ッッッ!」
観 客 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
沈 黙、後、絶 叫。
まさかの好カードに、会場の全員が 立 ち 上 が り ――――
――KKKKKKKHHHUUUUWWWOOOOOOOOO……
瞬間、摩訶不思議な鳴動音と共に会場中央、特設フィールドが、揺れる、揺れる、揺れる。
果たして、それは五秒ほどの揺れだっただろうか。
気づけば中央には如何な手段で用意したのかマッサージ用の台にタオル、『それ』用の香油、
椅子、シャワー、バスタブ、はてはスケベイスにエアマットまでスタンバイされている。
さらに、それだけではない。先ほど名を呼ばれた二人、
つまるところ今試合で競い合う二名のヒロイン候補戦士、
すなわち、ガブリエッラ=P=アンジュとマリア=スチノフの二名が佇んでいる。
限定空間内における空間歪曲転移装置。
つまり、空間ワープによって二人と道具の数々が突如出現したわけである。
誤差ミリ以下の転送、それも生身の人間を直接空間移動させる技術。
こんな馬鹿企画の為に作り上げる変態技術者たちは、正直どうかとは思う。
閑話休題。
何はともあれお題が決まり、会場も万全で、選手もそろったのだ。
それで十分だ。それで十分なのだ。
あとはただ、競い合わせればいい。
それだけの話だ。
マリア 「……まさか、あなたみたいな相手と初っ端から戦うハメになるなんてね……」
ガブ 「…………?」(←ぽけーっとしている)
闘いは、であった瞬間から始まっている。
マッサージを仕掛ける相手がいなくても、口で相手を圧すことは可能だ。
戦争を生き延びた兵士としての感覚か、先手とばかりに口を開かせた。
先手を取る。それは戦いの中で優先すべきもの。
だが、この瞬間、それはかえって裏目へとでる。
ガブ 「あ、マリアさんなんですね、私の最初の対戦者の人って〜」
ぶるん
ぶるん
マリア 「…………ッッッ!!?」
声 に 反 応 し た ガブリエッラが振り返り、
その振り返った反動が 乳 を 揺 ら し 視 界 に 飛 び 込 む 。
ぶるん ぷるるっ
ぶるるん
何も口だけが先制攻撃ではない。
視界に映るものもまた、攻撃に違いない。
マリア (で、でかいッッッ!! うわさには聞いてたけど、聞いてたけど――ッッ!
これ、本当に人類のデカさだっていうの!? これは人がもっていい大きさだっていうの!?」
ガブ 「マリアさーん、途中から口に出ていますよ?」
マリア (ええと……大会の入場のときにサイズがどうとか言ってたわね……。
108センチにアイカップ……? 108って何、波動球? それってトップのこと、それともアンダー?
いいえそれにアイカップって何? アイって目のEye? それともローマ字のT?
そもそもTって何番目だっけ? ええと……A……B……C……え、それより上?
それより上って……あ、ありえないわ! C以上が存在するなんて、あ、あ、ありえないッッッ!!!)
ガブ 「あのー……? 大丈夫ですか、さっきから固まってますけど……」
それは対戦相手にかけるにはあまりにも優しすぎる言葉。
だがそれこそが、この瞬間一番の破壊力をもたらす!
む
にゅ
っ
頭を抱えてうずくまったマリアを心配し、ガブリエッラが膝に手をあて座り込む。
すると自然に膝がその『巨大な双丘』を押し上げ、
同時に膝の上におかれた手が左右から『巨大な双丘』を押さえつけ、
逃げ場をなくした『巨大な双丘』は正面へと突き出される。
そう、『突 出 す る(ロケットオッパイ)』!!
そうだとも、『前 方 へ と 突 出 す る(パーフェクトロケットオッパイ)』のだ!!!
マリア 「――――――ッッ!?」
言葉もないとはこのことか。
圧倒的戦力差、それも自分のような『並(自分の尊厳のためこう比喩させてもらうわ!)』では、
絶対に太刀打ちでいないほどの、その ボ リ ュ ー ム 感 !
もはや蟻と象の闘い、大貧民と大富豪、虚と巨の闘いだ。
たとえ口で勝とうとも、相手はその勝利を一発で吹き飛ばしてしまえる威力(バスト)を持っている。
戦力差でたとえるならば、戦車に対してトカレフで闘いを挑むようなものなのだ!
マリア (え……ちょ、これ、マジなの? 洒落になんないわよ――)
ユリウス「では副審査員の発表を行う! 一の方、カーフィル=レイス―――」
マリア 「ちょちょちょ! ちょっと待ちなさいよこのエロ宰相!
つーか何なのこの対決、意味わっかんないわ! ていうかマッサージって何よ!
それにカーフィルってアンタ、ガブリエッラの相棒じゃない。
平等な審査なんて行えるとは思わないわ! ふざけてるんじゃないわよ!!」
マリアは、簡潔に言えばキレた。
圧倒的に不利な状況で、さらにガブリエッラ側に有利な審査員がついたのだ。
当然キレもする。キレもするのだが……傍目からすると、乳のサイズ差に逆上したようにも見える。
それが哀れにも見えたのか、あるいはその剣幕に圧されたのか、快王ともあろうユリウスも腰が引けている。
ユリウス「い、いやだな、しかしこれはもう決定事項でな! し、仕方がないのだ、諦めよ。
それに、お、お前は勘違いをしているぞ、ザ=ツンデレのマリアよ!!」
マリア 「人の名前の頭に一本千五百円くらいで売られてそうな単語つけてんじゃないわよ!
で、何よ、勘違いって。あたしが一体何を勘違いしているってーのよ!?」
テッシン「落ち着きなさい。えー、ウオッホォン! 対決の内容こそ乳房によるマッサージとなっておるが、
それは『その行為さえしていれば他に何をしてても一切を問わない』という意味がある。
つまり相手選手の乳を揉みしだいて妨害してもよいし、しなくてもよい。
またマッサージを行いながらも同時にツンデレを披露するのもよい。
大会の趣旨にさえ逆らわないのであれば、文字通りの『なんでもあり(バーリ=トゥード)』というわけじゃ。
つまりお嬢さんにもまだまだ手段によっては勝機ができるという事。
むしろ、敵の支持者をコロリと誘惑できぬようでは、到底優勝など不可能ッッ!!!」
マリア 「ッッッ!!!」
盲点……ルールの抜け穴……。
激情に駆られたが故に気づけなかった……この大会の趣旨……。
どんな手を使って……男心をくすぐり虜にする……
……それが勝利……優勝への架け橋……チャンス……ッ!
問題なのは乳ではない……どうやって勝つか……。
サイズはどうでもいい……需要と供給……そしてさじ加減……それが重要……。
如何に作者に飽きられず、読者に飽きられず……自分の長所で闘うか……。
……それこそが……自分が今……考えるべき事……!
乳などどうでもいい……ッ!
どうでもいいのだ……ッッッ!
……決して乳サイズの負け惜しみではない。
……決して。断じて。
ユリウス「どうやら理解してもらえたようだな。そしてナイスアドリブ、テッシン。
さてもう一名の審査員だが、担当してもらう人はこの人、カスム隊のレイナ=ハーディアス!
というわけで、この私ユリウスとカーフィル、レイナの三名で審査を行わせてもらう。
ふふ……楽しみだな、ティカより××サイズもでかい乳とはな……ふふふふふ……」
マリア 「やっぱ待てなんか納得がいかないわよすっごく理不尽な部分しかないとしか思えないってゆーかってーよりも今ナイスアドリブゆーたわねアンタアドリブって何よそれにでかいのが楽しみだなって何よやっぱあんたサイズしか目にはいってないじゃないバッカじゃないのバッカじゃないのバッカじゃないのふざけてんじゃないわよこらー」
テッシン「では第一試合、開始ッ!」
マリア 「ってぇー、何はじめてんのよコラァー!」
第一回戦 第一試合
種目 おっぱいマッサージ
カブリエッラ=P=アンジュ vs マリア=スミノフ
決 闘 開 始 ッ !!
テッシン「おお、まずはガブリエッラ選手が動き出しおったか。
向かう先はカーフィル選手の方角、対してマリア選手はまだ殿下に文句を言い続けているー!」
マリア 「って、こらちょっと待ちなさいよ! なんで勝手にはじめてンのよ!
てゆーかガブリエッラ、あんた何もう始めてんのよ! なんなんなのよもう!」
ユリウス「フフ、残念ながらツンデレは余の趣味範囲外、ストライクゾーンに迫るには些か暴投球にすぎる。
おろかな娘よ、いやツンデレひんにゅータソよ! 勝ちたければまずその胸で語るがよい!」
格好いい台詞を吐いているようで実は内容的にはアレだが、多少はマリアの頭を冷やす効果はあったらしい。
ぴたり、振り上げた黄金の左腕も止め、口撃もやめ、マリアは考える、考える、考える。
勝つための手段を。これから自分がとるべき方法を。
テッシン「(考えている余裕はないと思うんじゃがのぅ……)
ふむ、ではあちらも落ち着いたようですし、カーフィル副審査員に感想を聞いてみようかの」
マリアは気づくべきだった。
先ほどから、生唾を飲み込む音とぬっちゃりとした生々しい音しか会場内に響いていない事を。
ぬっちゃぬっちゃ
たっぷたっぷ
擬音、それだけで破壊力が抜群の。
ガブリエッラの『 攻 撃 (マッサージ) 』 ッ!!
その『 破 壊 力 (肉 厚 感) 』 ッ!!
カー兄貴「…………ッ! お、おお? 俺に感そ、イ、イケんだって? おお……っ。
ぐ、……昔……教官にクソ殴られた経験よ、りも……こ、これは……強烈過ぎるッッッ」
ガブ 「ああ、もぉ、動かないでくださいよカーフィルさーん。
あ、ところで、かゆい所はないですか〜……きゃっ!?」
ガブリエッラの乳が生み出す『刺激』が強すぎて耐え切れなくなったか、カーフィルは思わず身動ぎする。
しかし今の彼の背にはガブリエッラが乗っかっている。それも、香油(ローション)たっぷり塗りたくった状態で。
そんな状態で不用意に動けばどうなるか。それはもう、自明の理だ。
ぬ る ん っ
ガブ 「きゃっ!?」
カー兄貴「ッッッッッ!!?!?」
すべった。それはもう見事にぬるんとすべった。
だが滑った方向がまずかった。いや男としては美味しい方向にすべった。
カーフィルの大きな背全体をマッサージするために大きく前後に動いていた。
二人の間に塗りたくられた香油が摩擦を減らしていた。
その二つの理由によって、その奇跡は発生した。
ぼよん
ぶにょん
ガブ 「きゃ、くすぐったいっ。髪の毛がちくちくします、カーフィルさん」
頭 in 谷間。
唯一香油のついていなかった髪の毛の抵抗に勢いを殺されたせいか、
カブリエッラの体はそこで一時停止する。
だがそれは同時に胸の谷間にカーフィルの頭部を挟み込む行為にもなっている。
しかもそれだけじゃない、カーフィルの体から滑り落ちそうな体を支えるために、
乳に体重の一部が預けられ、また両腕が赤子を抱えるように彼の頭を抱きこんでいる。
いわば、格ゲーにおける女投げキャラが時折披露する、
『 し あ わ せ お っ ぱ い 固 め』に他ならない。
ユリウス「……ッ! これは決まったな……」
決まったとは、果たして何のことか。
痴態を見かねたレイナがガブリエッラに手を貸してカーフィルの上から降ろさせるが、
男は、最後の悶絶を機に、ぴくりとも動かない。
テッシン「ふむ。医療班、気付薬のブランデーと、新しいパンツを彼に!」
ユリウス「あの男……無茶しやがって……」
カーフィル=レイス。享年二十七歳。
別に死んだわけではないが腹上死ならぬ胸下気絶をした彼の、
その幸福に満ち緩みきった『笑顔(イッたフェイス)』は、観戦者と他の対戦者全員を震撼させた。
バスト × 天然 × ハプニング = 破壊力。
これがガブリエッラ=P=アンジュの ヒ ロ イ ン パ ワ ー (攻 撃 力) だ。
見よ、その破壊力が直撃した男の姿を!
見よ、彼の下半身の高ぶりとパンツの染みを!
見よ、数々の女を食いつぶしてきた男が、唯の一撃で敗れた様を!
乳がでかい。ただそれだけで、これほどの破壊力を出すのだ!
ガブリエッラ=P=アンジュ。まさしく、乳界最強の『女神(ゴッデス)』ッッッ!
レイナ 「次は、私の番ね……」
ごくり。同じ女でありながらも、生唾を飲み込んでレイナが言う。
待て、早まるな。これは罠だ。行けば死ぬぞ。脳裏で、冷静な部分が叫び声をあげる。
だが、引けない。引いてはいられない。
相手は……乳の女神なのだから。
神に逆らえるものはいない。
神に触れようとする瞬間、その顔を背けるものなどどこにはいないのだ。
マリア 「ま、まずいわ! 場の流れが完全にもっていかれちゃってる!
どどど、どうしよう……どうすればいいっていうのよ……」
ユリウス「いやだからお前もマッサージすればよいのだ、小娘。
丁度いいではないか、余は今身があいている。余に仕掛けてくるがよい!」
先制口撃ではカウンターをもらい、続けざまに乳攻撃(チャーム)を披露されている。
こうなればマリアの勝機は薄い。ついでに胸板も薄い。勝ち目はほとんど残されていない。
だがそれでも、それでも反撃の意志は薄れない。
むしろ少しずつ怒気を孕んで膨れ上がっていく。
それは何故か、何故なのか、マリア=スミノフ――
ユリウス「早くしないか小娘(ハァ…ハァ…)、早く余の怒張を慰めてみよ(ハァ…ハァ…)、
ンム、『無い』のは乳だけかとは思っていたが、どうやら尻も太もももな――
―――― ぶ げ ぁ ッ ッッ !!?」
それは、むろん――
つい先ほどから胸腰尻にとどまらず、全身くまなくセクハラ行為を働いていた、
宰 相 ユ リ ウ ス = ア ム ス テ ラ に対する憤怒だ ッ ッ ッ ッ ッ !!
ユリウス「き、きシャま……審査いいんひょーにぬあんてこと――ぶへらばっ!?」
マリア 「それがどうしたこの痴漢男ッ! つーか何ベタベタさわってんのよキィィィ――――ッッ!!」
ユリウス「ま、まてマリ――――」
かつて、地球最強とも名高い男、『武術王』李白鳳が『それ』を目撃したとき、こう語った。
『その瞬間目を疑ったアル。あの、世界でも五本の指に入るだろうシンくんが、まったく反応できてなかったよ。
神速とかそういうものじゃないアル。タイミング、呼吸、体勢、そして構えから振りかぶりに至る段階、
そしてそこから拳を突き出すまでの挙動、相手にインパクトするまでの描いた線の美しさ、その全てが完璧。
さらにそこには相手を一撃で倒すほどの破壊力まで備わっているアル。これはとても恐ろしい事よ』
――と、いうと?
『つまり、これを防ぐ手段が無いって事よ。
技に入った段階で、いや彼女が技を繰り出そうと思った瞬間に、もうこちら側の負けが決まっているね。
予測不能、回避不能、一撃必殺の、完璧極まる最強の左。これを防げるものはいないね。
たとえこの李白鳳でも、『あれ』を本気で放つ気になった彼女の相手だけは御免したいアル』
そして今、英雄として称されるほどの『武』を極めた男すら恐れた一撃が、
今この時、アムステラ十二強の『武』、快王ユリウスへと突き刺さった。
フォーム、インパクト、スピード、パワー。
何から何までが理想的な一撃。一撃必殺、最強の『黄金』ッ!
金色の輝きを生み出すのそ左腕が、今見事に、ユリウスを捉える。
今この場で、白鳳がコメントを求められたらこう答えただろう。
――あの時よりも、はるかにキレが増している、と。
ユリウス「グ――ゲハッ…………」
シンを一撃で倒し、白鳳を震え上がらせたその左腕。
それがさらに進化したともなれば、ユリウス、最強の男であろうとも……。
テッシン「で、殿下ッ!? ……ば、ばかな、死んでる――ッッ!」
ユリウス=アムステラ。ギャグ漫画理論で次試合時には自動的に復活が予測されるものの、
今この日この瞬間に、一度目の『死 亡 確 認』。
しかし審査員が死んでしまっては進行に問題が出る。
それをどうするというのだ、ユリウス(故人・3X才)よ!
テッシン「仕方が無いようですな。ここは私、司会者であるテッシンが、
今回の審査員も兼ねることにしましょう……むふっ」
死んだ上司を歯牙にもかけず、好色な欲望丸出しにするか。
テッシン、おん年七十二歳、そろそろ自重しろ。
対しマリアがどう思ったかといえば、先ほどまでセクハラを行い続けてた変態ムダ毛男な宰相に比べれば、
好色丸出しとはいえこの老人のほうがはるかにマシなのは確定的にあきらか。
むしろ老人な分孫が介護マッサージをやっているようにも見えるはずだ、
そう心の中で言い聞かせる事に専念する。
ならば、後は行動に移すのみだ。
後は度胸を示すのみだ。
躊躇いなど、微塵も心に浮かべてはいけないのだ!
観 客 「…………ォォォオオオオオッッッ!?」
この瞬間、初めて観客一同がマリアの姿に驚きの声をあげる。
何故ならば、突然彼女が服を脱ぎだしたからだ。
14歳の生脱ぎである! スタンダァップしないほうが不思議なくらいだ。
観客席の男たちはガブリエッラに向けていた視線をマリア一点にのみ絞り、
彼女の痴態を凝視する、凝視する、凝視する。
果たして、彼女が軍服を脱ぎ放った時目に映ったものは――
観 客 「――――ッ!!」
テッシン「こ、これは――」
白 ス ク 水 。 それは『白スク水』だッッッ!
マリア 「……し、失礼します……」
テッシンが放心している隙に、彼女はススス、と音もなく動き背後を取る。
これが武道の対決であれば致命的な隙、だがこれは武道ではない。
女の意地の闘いだ。
マリア 「んっ……しょっ…………んっんんっ……(こ、こんな感じ……?)」
テッシン(……ほぅ……これは…………?)
正気を取り戻したテッシンの心に去来したもの。
それは、意外にもエロスな感情ではなかった。
テッシン(ふむ……全体的に体を使って満遍なくやろうと努力しているようだな。
ほう、そこを塗るか……ふむ……かゆい所がありそうだと思えばそこを的確に触れるか……
なるほど……中々気配りができておる……それに、親身になってやってくれておる……
何よりも一生懸命だ……この娘は本気で……こんな老人相手にこのような行為をしてくれておる……)
ぬっちゃぬっちゃ。擬音こそエロスな類だが、心はむしろ晴れやかに、そして温かい。
人とこうして、肌を合わせて温もりを感じなくなったのは何時からだったろうか。
誰かにこうして、心から背や全身を預けたのは、何時やっただろうか。
心穏やかに、体をもまれ心地よい休息感を得たのは、何時が最後だったか。
心穏やかなれば、我、幸福なり。
テッシンの心に去来したもの。
それは、人のぬくもり。人としての温かさ。
テッシン「……もう、よいぞ?」
マリア 「え、で、でも私、まだできます! できますから……ッッ!!」
勝利を願う以上、彼女も必死だ。
テッシンの止めの声も、自分に飽きられたからだと曲解したのか、
マリアはまるで叫ぶかのように懇願する。
だが違う。
それは違うのだ。
テッシン「いいえ、そうではない。私はもう、心から満足した。
ありがとう、お嬢さん。ワシに、人の温かみを教えてくれて……」
マリア 「えっ…………?」
テッシン「それに、ほら、あちらを見るとよい。彼女のほうももう終わっている。
彼女、ガブリエッラ選手と交代して、レイナ審査員の相手をしなければいけなかろう?
ならば、これ以上ワシなんか相手にせず、あちらにもやったほうがいいと思う。違うかの?」
マリア 「…………」
満足。老人はそう言った。
満足。少女はそう聞いた。
それで、十分だった。
マリア 「……いえ。こちらこそ、ありがとうございます。では、私……いってきます」
テッシン「ああ、がんばりなさい」
初めて心が通じ合った瞬間だった。
テッシン「――では、審査を始める」
マリアがレイナ相手にマッサージをし、ガブリエッラは疲れていたので休憩したのちに、テッシンはそう宣言した。
下馬評では圧倒的にガブリエッラが優勢だったとはいえ、
マリアはマリアで白スク水という凶器を引っさげて食いついてきた。
しかもその白スク水は旧スクだったというのが認識されたとたん、
一部の観客には『白スクマリアたん最強』と熱狂的な信望を向けられている。
もはや、完全敗北という言葉はマリアにはない。
あるのは、彼女の手に届く距離にまで近づいた――勝利の二文字。
テッシン「カーフィル審査員、あなたはどちらが?」
腰が抜けたままの姿で、カーフィルは言葉も出す事ができないのか、
震える腕で渡された画用紙を手に、プルプルと歪んだ文字を書く。
そこに書かれた文字は――
『 ガ ブ の お っ ぱ い 凶 器 』
テッシン「ふむ、ではワシなりに意訳させてもらったが、カーフィル選手の意見により、
まずはガブリエッラ選手に一票、かの。では次に、レイナ審査員はどう思うかの?」
次は、ここまで沈黙を続けていたレイナに意見を求める。
今度は同じ女性からの意見だ。
果たしてどんな返答がくるかは、誰にも予想がつかない。
レイナ 「……あれは、そう、そうね……凶器だったわ、反則だったわ、殺人的だったわ…」
テッシン「では、レイナ審査員もガブリエッラ選手を……?」
マリア 「ゴクリ…………」
緊張の一瞬。
彼女は口を開き――
レイナ 「いえ、私は、そう、マリア=スチノフに一票を投じる事にするわ」
観 客 「な、何ィィイイイ〜〜〜〜〜ッッ!?」
テッシン「ほう、これは意外ですな……」
意外! 好評価を下しながらも、彼女はガブリエッラを否と言う。
それは何故か、どうしてか!
疑問、疑念、好奇心が、彼女の次の言葉を待っている!
レイナ 「……だって、デカいんだもの、アレ」
マリア 「は……?」
レイナ 「だから、でかすぎたって言っているのよ! だから選ばなかったのよ!」
テッシン「胸の大きさの話……ですかな。いやいや、なるほどのう……。
ですがレイナ審査員、アナタもかなりの大きさを持っているようじゃが……?」
確かに、彼女――レイナ=ハーディアスもかなりの乳を持っている。
それはもちろん、温泉編を見てくれれば明らかな事だろう。
そう、彼女は貧ではない。
貧ではないどころか巨である以上、そこまで強烈な嫉妬心、敵愾心を持つとは思えないが――?
レイナ 「……何事にもね……限度ってものがあるのよ、限度ってものが……。
『アレ』に比べれば私なんて……そう、脂肪ですらないわ。二の腕レベルよ、二の腕」
グサッ――。
その、二の腕以下の『乳のような何か』しか持ち合わせていない女性陣の全てが、
心にトラウマを植えつけられた瞬間であった。
テッシン「な、なるほどの……その、なんとゆーか、尋ねてすまなかったの……。
ウォ、ウォッホン。では、レイナ審査員はマリア選手に一票ですな。
そして最後にワシの審査が残っておるんじゃが……そうじゃのう……。
男性諸君を一瞬で魅了して見せたガブリエッラ選手のその力、ワシは評価をしたい。
だがワシは、こんな見ず知らずの老人相手にも、真摯に付き合ってくれた少女の、
その温かな心を思い返すとな……こう、ワシ自身の心も、温かく、穏やかになっていくのを感じる……」
マリア 「で、では……」
満面の笑みを浮かべ。
老人と少女は顔を見合わせ、そして。
テッシン「……そうじゃな、ワシはマリア選手に一票を――――」
観 客 「イィィィヤッホオオォォォォォ――――」
ユリウス「――――異 議 あ り ッッッ!!!」
テッシン「で、殿下!? いやさ、審査委員長殿ッ?!!」
最後の言葉を吐ききる直前、待ったをかけた声。
それは、次回復活予定だったのに、たった今息を吹き返したばかりのユリウスだ。
息も絶え絶えに、左こぶしの形をしたあざを顔に浮かべながら、ユリウスは言う。
ユリウス「愚か者め! 貴様、気づいていないのか! 耄碌したか、テッシン」
テッシン「お言葉ですが、気づいていない……とは?」
もっともな疑問。
テッシンは、あるいはこの場にいる全員は、果たして何に気づいていないのかを。
ユリウス「だぁからお前は阿呆なのだ、師匠ッ――!
お前は先ほどマリア=スミノフの乳を味わった。
だが! しかぁし! お前はまだ、ガブリエッラの魔乳には触れてもおらん!
そんな状態で、お前に平等な審査ができるとでも、本気で思っているのかァァァァー!」
テッシン「――ハッ!? そ、それは……し、しかし」
ユリウス「シカシもデモもストライキもない! 貴様、何勘違いしている。
おい、スタッフ! スタァァァーッフ! テッシンを拘束しろ、今すぐにだ!
そしてガブリエッラ、お前はあの阿呆に心からのマッサージを行ってやれ!」
ガブ 「はーい」
ギャグ補正の掛かった話の都合上、あるいは孫娘マッサージプレイで和みきってしまったせいか、
テッシンは容易く取り押さえられ、ベッド台に寝かしつけられる。
そんな彼の背に、ぬちゃあ……ねたぁ……とした香油片手に、
笑顔で、乳の形をした最終鬼畜兵器が、笑顔で迫る、迫る、迫る。
その先の光景は、ダイジェストでご想像していただきたい。
「あ、ちょっとまつのだ、やめよ、ワシはもうマリア選手に一票を――ぬわぁぁぁ!」
「ひいいいぃぃぃぃ、あひぃぃぃぃぃぃぃ!」
「も、もうよい! もうよいではないか……もうヤメ、あっまてそこは……そんなところはぁ……」
「……うっ、くっ…………も……もぉ……うぐぐ……………」
「……あっ………(ビクビクッ……)……ひぃ、も、もぉらめぇぇぇ…………
…………もぉわし、ワシぃぃぃぃ………か、感じすぎちゃうぅぅ〜〜〜……っ……」
「………………………………(プヒュー……シュコー……ビクンビクンッ…………)」
ユリウス「で、君の意見はどうだね、テッシン」
テッシン「 お っ ぱ い 最 強 !!」
ユリウス「だろう?」
マリア 「(´゚д゚`)ポカーン……」
勝者、ガブリエッラ=P=アンジュ。
それが、この試合の結末だった。
――ワァァァァァァッ!
――ワァァァァァァッ!
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
あたり一面からのおっぱいコールが響き渡る。
はたから見ていて最悪だ。
だが彼らはおっぱいコールを決して止めはしない。
なぜなら、そこにおっぱいがあるからだ。
ユリウス「静粛に! みなのもの、静粛にだ!
さて、ここで勝者であるガブリエッラ選手にインタビュー・ウィズ・おっぱいを。
ガブリエッラ選手、いかがだったかなこの試合は。君の率直な意見を聞きたい」
ガブ 「ええと、みなさんに喜んでいただけてうれしいです」
ぷるん
観客席へのお辞儀と同時に、重力係数を間違えたかのような弾力で乳が揺れる。
たぷん、たぷん、たぷん、たぷん。視覚効果は絶大だ。
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
先ほどよりもさらに2オクターブほど増大したおっぱいコールを聞きながら、
ニコリ、彼女は女神(おっぱいゴッデス)のように無邪気な笑みを浮かべる。
まさしく、今会場の男性諸君の心は、そのおっぱいの谷間の中にある!
テッシン「はぁ……はぁ……わ、わし、年甲斐もなく『ピー』年も勃たなかったあれが……
はぁ……はぁ……うっ! ………ふぅ、『ピー』回とは、わしもまだまだ若いの……」
ユリウス「その発言はぎりぎりすぎるぞ、テッシン。年考えろ、年。
ああ、そうだ、ガブリエッラ選手。
一つ尋ねたいのだが、
君の考える、 女 の 子 ら し い 萌え要素は何だと思う?」
ガブ 「萌え要素……(って、何なんでしょ、カーフィルさん……)。
ええと、質問の意味がよく判らないんですけど、そうですね……。
女の子らしいところ、といえばやっぱり、
歌が上手だったりしたら、素敵だなぁって思います」
ユリウス「歌、歌ね……ああ、確かに歌はいいな。あれは人類が生み出した文化だ。
ふむ、了承した。ではそれを、第二試合のお題とさせてもらおうか!
諸君、彼女は歌を ヒロインなら歌うべきだと言っている。
諸君、この場に集まった独身男性の諸君。
君達は一体 何を望んでいる?
天使のような歌を望むか?
情け容赦のない、ジャイアンの様な歌を望むか?
声の限りを尽くし、三千世界の鴉を射止める、音楽の様な歌を望むか!?」
観 客 「美声(キュート)!! かわいい声(キュート)!! エロい声(キュート)!!! 」
ユリウス「なるほど……よく判った諸君。いやよく判っている、諸君ッッッ!!
ならば告げよう! 第二試合、そのお題ッッッ!!!
歌 唱 対 決 ッッッ!」
――ワァァァァァァッ!
――ワァァァァァァッ!
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
――ハイィィィル! おっぱぁぁぁぁぁぁ!
おっぱいは歌に関係ないだろう。
ともかく、これにて第一試合が終了した。
〜オマケ〜
〜試合その後〜
テッシン「あ、あの……ま、マリア……ちゃん……?」
マリア 「……ギロッ!」
テッシン「お、怒らないで聞いてほしい……さっきの判断、申し訳なかった。
わしが耄碌しておった。気の迷いだったんじゃ、ホント、ごめんっちゃ!
とまあそれはおいといて、また今度ワシに気持ちイー孫娘マッサージぷれいをじゃな――」
マリア 「――死ね! 氏ねじゃなくて死ね!!」
きょうも まりあさんのおうごんのひだりは てんかいちの きれでした。まる。
テッシン、人生初の死亡経験であった。
〜オマケ2〜
〜ハイヌウェレ狂騒〜
二十二女アイジ「テレッテッテッテー!
お姉さま、二十二番目のハイヌウェレであるこのアイジが、
あの現乳神であるガブリエッラのブラジャーを見事くすねてきたであります!」
長女ティカ 「見事だわアイジ、褒めてあげるちゅっちゅ!
ふむふむ、これがぶらじゃーっていう存在なのね。
基本的に私達はこんなものつけないから、新鮮だわ……」
二十二女アイジ「いわゆる地球でいうところの、ノーブラというやつであります!」
長女ティカ 「そうね、よく知っているわねアイジ。褒めてあげるちゅっちゅ!
さてさてこれを試しに試着……わぁ! 見てアイジ、こんなにぶかぶか!」
二十二女アイジ「ワー、ホントでありますお姉さま。ビックリ仰天であります。
思わずアメリカンな通販番組じみた発音になっちゃうくらいすごいのであります!」
長女ティカ 「Wow、これじゃあ私がつけてもずり落ちちゃうわね、HAHAHA!
ま、それはおいといて、ここで唐突に取り出したるは地球のメジャー(目計り紐)。
カップとやらの計測方法は知らないけど、これで私の乳サイズは数値で計測できるわ!」
二十二女アイジ「私が測れってことでありますね、了解でありますお姉さま!
不肖このアイジ、お姉さまのバストサイズを完璧に計ってみせるのであります!」
――ジジィィィ……ぬぎぬぎ……(服のジッパー下ろして脱ぐ音)
――シャー……(メジャーを伸ばす音)
二十二女アイジ「…………お姉さま、一つよろしいでありますか?」
長女ティカ 「何? ユリウス様の夜のお相手の回数を増やす事以外なら、
なんでも聞いてあげるけど……何なの?」
二十二女アイジ「これ、地球産のメジャーでありますか?」
長女ティカ 「そうよ、最初にそう言ったじゃない。それがどうかしたの?」
二十二女アイジ「恥ずかしながらこのアイジ、地球の文字がまったく読めないであります!」
長女ティカ 「あらあら、それは盲点だったわね。いいわ、気にしてないからしょげないでいいわ。
まったく、アイジったらドジっ娘さんなんだから、このこの、んーちゅっちゅ。
でも困ったわね、これじゃあ私の乳サイズが不明のままだわ」
二十二女アイジ「とりあえずこのガブリエッラのブラジャーを着けた際に生まれる空白を、
アドニスママからパクってきたこの三次元計測器を使って計測し、
ガブリエッラとお姉さまの乳の質量差を測ることはできるであります」
長女ティカ 「でかしたわ、流石ねアイジ、褒めてあげるちゅっちゅ!
では装着……そして赤外線で計測、それをデータに出して……」
二十二女アイジ「判明したであります! ええと、読み上げさせてもらうであります!
……ええと、胸囲差約0.868倍? つまりあちらは約1.1倍ほどでありますか。
質量……もとい予測重量差が約0.75倍……お姉さまの約1.4倍ほどであります」
長女ティカ 「…………デカいわね」
二十二女アイジ「デカいでありますね……」
長女ティカ 「…………ユリウスさまにあの乳マッサージをされなくてよかったわね」
二十二女アイジ「味わられていたら最後、今後はもう二度と『ティカのおっぱいやわらけー』とか、
『ふむ、流石は余が見初めただけはあるきょぬーだ』とか言われなくなったであります」
長女ティカ 「そうね。確かにそうだわ。さりげなく危なかったのね、私の巨乳キャラ立ち位置」
二十二女アイジ「危うくスタイル抜群お色気キャラから美脚美尻キャラに転落だったであります」
長女ティカ 「……あんまり下がった気がしないわね。まあ、それよりもアイジ、わかっているわね?」
二十二女アイジ「もちろんであります! 今すぐ休憩室に戻ってブラジャーを戻し次第、
勝利者が次試合対戦に無理難題を言い出したときのために用意した、
対戦種目の抽選ボックスからおっぱいと書かれた紙を全部抜き取っておくであります!」
長女ティカ 「そう、その通りよアイジ。褒めてあげるちゅっちゅ!
というわけでそっちは任せたから、私は今後の試合の為にイメトレしとくわ。
後は任せたわよアイジ。好き好き超好き超愛してるから、お願いねちゅっちゅ!」
二十二女アイジ「ということがあってキスマークだらけになったであります」
ガチレズ五女デメテア「うらやまSHEEEEEEEEEEEE!!」
いい加減終われ。