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派手な装飾と厚い化粧を施した、若い男が其処に居た。
響き渡るわ、どこか嫌らしい口調の甲高い声・・。

そう。フランス空軍中佐『アンドレ・ボンヴジュターヌ』は、自身のアルバムを読み耽(ふけ)っている。
迫るフェミリア・ハーゼンを前に「マ、マハンに怒られますよっ!」の一声で“事”を止めたあの日を思い。

一概に片づける事が出来ず。過ぎ去りし少年の日々を懐かしむアンドレの姿が其処にあったのだ。

フェミリアの父『ライブ・ハーゼン』は、当時資金を調達する為様々な人物に融資を持ち掛けており、
“フランスの英雄”と呼ばれていた父『ヴァルル・ボンヴジュターヌ』からは毎年かなりの額の融資を受けていた。

その事もあり、アンドレは幼い頃から何度か顔を合わせていた。
それは『フェミリア・ハーゼン』と。それはマハンこと『ネール・マッハ』と。

そしてアンドレは2人の事を愛していた。
だが3人の中で渦巻いた変わり行く環境は“愛”と言う純粋な感情では一概に語り切れないモノになってしまったのだ。

父ヴァルル・ボンヴジュターヌの出奔、
ボン・マッハの暗殺と同時にネール・マッハが行方不明に。

そしてフェミリアの父、ライブ・ハーゼンの病死。


瞬く間に自分とフェミリア以外の全てが消え去った。


一概に・・・語り切れる訳がない。



「特に・・・。」


アンドレは父ヴァルル・ボンヴジュターヌの写真を抜きとり。


「Papa(パパ)の事はね。」


ビリィ・・。(破いて捨てた。)


感情無く。チリ紙一つを捨て去るが如くに無感情で捨てられたヴァルルの写真。

その写真が。アンドレが持つ父への感情の全てを表していた・・・。



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「ムホホホホホホホホ!ボンジュールですね、テュー(君ぃ〜♪)」

それは甲高い声であった。積み重ねた年齢。歯に衣を着させぬ抑揚。
心の裏側まで覗き込まれるような、イヤラシイ響きを持ちながら、それで居て『ノーブル』。

上品な声質が嫌味ったらしさを際立たせ、「クソ喰らえ」を「ウンコ召し上がれ」と言い換えるような相手を小馬鹿する耳心地を与える。

その者。その男の名は『ヴァルル・ボンヴジュターヌ』。所謂一つの『ゲス野郎』である。




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・・・・




○クロガネの賛歌 第3.5章 ー 短編シリーズ@  ー



 「 お ゲ ス 野 郎 で、ご ざ い ま す 。 」




・・・・







・33年前(ヴァルル15歳)


ジリ・・・。

ジリリ・・・。

ジリジリ・・・・。


ヴァルルはにじり寄る。

ヴァルルはにじり寄る。

そしてこう言う。


「ムホホホホホホホホ!ボンジュールですね、テュー(君ぃ〜♪)」


にじり寄っているのは少女にである。

少女は抵抗しながら、こう言う


「いや!来ないで下さい!いや!いやあーっ!!」


ヴァルルは強姦を行って居た。そう。レイプである。
ヴァルル ・ボンヴジュターヌは手篭にする事で童貞卒業を試みているのだ。

ヴァルルはこう言い、少女を犯す。


「フホホホホホホ!」

「何処の馬か解らぬ者を、何のために雇ったと思っているんですが、ヴ〜(貴方は〜♪)」

「良いんですよ。このまま何もせず家に帰しても・・・。

 借金を肩代わりして差し上げるのは何方でしたっけねぇ、マドムワゼル(お嬢さん)」


少女は・・・。

「・・・・・・・。」

何も言い返せない。


ヴァルルは続ける。

「ムホホホホホホ・・・!良い表情ですね、テュー(君ぃ〜♪)。」


「うつむき。唇をかみしめ。そして涙を貯めたその瞳・・・。」


「そんな君に私は、これから“ストリップ”を始めなさいと言い放ちますよ、ヴォートル(貴方のです)。」


「上も下もその中に着こんでいる物全てを・・・。脱ぎ捨ててくれと言って居るのですよ、ヴ〜(貴方に〜♪)。」

 淫乱な女が私を見て発情をし、事に及んだと言うシナリオに“欲情”を覚えるんですよ、スィルヴプレ〜♪(頼みますよぉ〜♪)」


少女は小刻みに震える。

悲痛と。侮辱と。これから始まるであろう『恥辱』に。


「・・・。」


「・・ヒック。イグ」


何一つだって答えられない。

涙を目に貯め。嗚咽をし。ただただ震える。



「フホホホホホホホ・・・!」


被虐的な視線で少女を見つめるヴァルル。

そしてこう言う。

「脱ぐか脱がないのか、残された時間はあと3秒だよ、デュ ポール・・・ッ!(メス豚が・・・ッ!)」


 ー 3(トロワ)

 ー 2(ドゥー)

 ー 1(アン)


「ウウ・・・。」

少女に選択肢は無かった。

少女は涙を流しながら服を脱ぎ始める。

上も。下も。中に着こんでいるモノ全てを。

何もかにもを脱ぎ捨て、生まれたままの姿を曝け出す。

ヴァルルは絶景に口笛を吹きながら、こう言い嬲る。


「手で隠しちゃあいけないよ、デュ ポール・・・ッ!(豚女が・・・ッ!)」


「よつんばになって下さい。その汚いおケツをお向けになって下さいと言って居るんだ、ヴ〜・・・!!(貴方に・・・!!)」


少女は怯えながら、よつんばになり。

後姿をヴァルルへと向けた。

ヴァルルは・・・。

カチャ・・・カチャカチャ。

ベルトを緩め。

ズル・・・。

ズボンを脱ぎ。

ビキィ…ン!

そそり立つ『ナニ』を露出させながら、こう言った。

「突き上げろチビ。し辛いだろうが、デュ ポール・・・ッ!(豚女め・・・ッ!)

  ビ

  ク

  ゥ


少女はビクリと震えた後。

お尻を突きあげてブルブルと震えている。


ヴァルルは高笑いをしながらこう言い放つ。


「ムホホホホホホホーッ!!」


「 『  オ ・ ル ヴ ォ ワ ー ル  ( 童 貞 よ 、 サ ラ バ ァァアアアアアーーーーーッ ッ ! ! !  )  』 」


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            ・




こうして、ヴァルルは童貞を卒業した。
無慈悲に。快楽を。官能しながら。

心底『スカーっと』とした気持ちで、童貞を捨てたのだ。

そして慰みモノとなった少女は女の子を産み落とした。
もちろん認知するつもりなどない。おろせと言ったのに産みやがってといった気分だ。

少女は愛無き子に生まれた、愛ある葛藤の中・・・。自殺をした。


そしてヴァルルの人生は万事がこうであった。

相手の弱みに付け込み。財力に物を言わし他者を侮辱し続ける。

最低だ。最低の人間だ。最低のまま大きくなり。軍人になった。

軍でも美味しいトコロは独り占め。美味しいトコばかり取るから、エースパイロットにもなれた。

インドでもブイブイ言わせているし、人生絶好調。

絶頂のまま人生を終えるハズだった。


そう。あの日まで。






・・・・




・8年前(ヴァルル40歳)


「 私はお前を『殺さない。』 」


「 人は己が持つ弱い心で持って、他者を傷付け・・、そして 死 へ と 至 ら し め る 。 」


「  『  フ ラ ン ソ ワ の 父 親 と は 、 斯 様 ( か よ う )に  弱 い  人  間  で は な い 。  』  」


「 オ・ルヴォワール(失礼する)。 もう二度と、会う事は無いだろう。 」



  そうして、バトゥロはクルりと振り返り・・・。



  バ タ ン ( そうして、部屋を出ていった。 )


   ・
   ・
   ・

   ・

   ・


残さるるは。何度も殴打された腹部を抱えてゲロを吐くヴァルル・ボンヴジュターヌ。

因果な運命であった。

自分の名声を脅かす『フランソワ』と言う女パイロットは『かつて犯した少女が産み落とした“娘”』であった。

20数年の年月をかけ、捨て去った過去が自分を追い詰めに来たと感じられた。
だからヴァルルは『その娘を犯した挙句、無実の罪を着せ“銃殺刑”』にしたのだ。

其処までは良かった。母親にそっくりの『犯し甲斐のある“顔をした女”だった』。

だが『養父の逆鱗』に触れてしまった。

怒りに燃えたバトゥロ・オーギュスタンは基地への強行突破を決行し、ヴァルルに拳で持って『制裁』を加えたのである。


   ッ


   ッ


「 我が娘、フランソワ=オーギュスタンは、フランス軍人として誇り高く生き、そして姦計の中死んでいった。 」


「 一人の父親として・・・。 」


「 そんな娘を思い何が出来るのか・・・? 」




          「  『   答 え は 、 一 つ だ ッ !  』  」




     ド グ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ッッッ ! !!




    ボディだッ!!

    バトゥロの拳が、ヴァルルのボディをメリリと打ち据えるッ!!



    ヴァルルの横隔膜(おうかくまく)は、文字通りの『 圧 迫 祭 り 』ッッ!!!



    ヒィともアンギャーとも言えずに、苦しみ苦痛んで悶えているぞぉぉおおおおおおおおお!!!!





    そ し て ッ ッ ! ! !





     ド ド グゥ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ン ン ッッッ ! !!




    次もボディだッ!!


    その様、正にエイグロン(鷲)の捕食ッ!!

    その腹部を裂き破り、柔らかな腸(はらわた)から、喰いて食(しょく)すかの如き 鉄 拳 打 撃 ィ ー ッ ッ ! !




    更 に は ァ ー ッ ッ ! ! !





     ド ン ン グゥ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ッ ッ ッ ! !!




    次もボディだッ!!




     ド  グ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ッ ッ ッ ! !!



    その次もボディだッ!!




     ド  グ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ッ ッ ッ ! !!



    その次の次もボディだッッ!!




     ド  グ シャァァアアアアアア ア ア ア ア  ア アア 〜〜〜 〜 〜 〜 〜 〜 ッ ッ ッ ! !!



    その次の次の次もボディだッッ!!




    次 の ッ !



    次 も ッ ッ ! !



    次 の ォ ー ッ ッ ! !



    次 も ォ ォ オ オ オ オオオオ オ オ オ オ オ オ オ オーーーー ー ー ー ー ー ッ ッッ ! ! !




            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





    ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!

    ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ! ボディだッ!






      ボ デ ィ ィ ィ イイ イ だ ぁ ぁ ぁあああああああああああ あ あ あ あ  あ あ あ ああ あ あ あ ! ! ! ! !






            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





    ヴ ”ァ ”ァ ” ア”ア” ア”ア”ア”〜〜〜〜 ン” ン”ン” ッ ッ ッ ! ! !


「 『  エ イ グ ロ ン   セ テ   デ リ ス ィ ユ ー  ッ ッ ! ! ( 鷲 の 捕 食 は、 完 了 し た ッ ッ ! ! ) 』  」





    イ”グ”イ”グ”と。


    痙攣(けいれん)をする、ヴァルル・ボンヴジュターヌを、見 下 ろ し な が ら ・ ・ ・ 。



    バ ト ゥ ロ は、『 あ あ 言 い 放 っ た の で あ る 』 。


      ッ


      ッ


「 私はお前を『殺さない。』 」


「 人は己が持つ弱い心で持って、他者を傷付け・・、そして 死 へ と 至 ら し め る 。 」


「  『  フ ラ ン ソ ワ の 父 親 と は 、 斯 様 ( か よ う )に  弱 い  人  間  で は な い 。  』  」


「 オ・ルヴォワール(失礼する)。 もう二度と、会う事は無いだろう。 」


      ・
      ・
      ・
      ・

      ・

      ・


      ・


誰がどう見ようとも・・・ヴァルルの自業自得。
天はヴァルルに罰を与えたのだ。ゲス野郎に下される“聖なる裁き”を。

そうだ・・・!この日からであった!!

ヴァルルの素敵な毎日。思い通りに過ごせる日々にヒビが入ったのは!!
結婚をし子供も生まれ、インドでもブイブイ言わせている素晴らしきかな人生に“大きな亀裂”・・・!!

ヴァルルは毎夜毎夜とうなされる悪夢の日々に苛まれるようになった!!
結果、毎日の様に『寝小便』と『寝脱糞』に悩まされるようになる!!

一種の病気である・・・。心のケアが、必要な病気・・・。
だがプライドの塊であるヴァルルにとって、それは病気である以上に、耐えがたい『 恥 辱 』であった。


「(ムホホホホホゥ・・・言える訳が無いじゃあないですかぁ〜ああああ。)」


「(例え妻にでも。例え息子にも。毎朝の様に人目を盗み汚物を処理する毎日だ・・・!!)」


寝排泄が酷ければ酷いほど、家族に当たった。
妻に当たった。息子に当たった。特に息子のアンドレには強く当たった。

エースパイロットと言われる自分の栄光をネタに、幾度も幾度も『叱咤』した。

そうする時だけが、そうする事のみが。
寝排泄をする“ 自 身 の 誇 り ”を守れるからだ。


こうして。誰にも打ち明ける事が出来ず。

当たり散らす事だけで・・・。


1人この恥辱を抱えて生き続ける中・・・。


そんなヴァルルに転機が訪れる。






・・・・





・5年前(ヴァルル43歳)


それは、すっきりとしたマッチョであった。
七三髪型(カット)に、黒ブチめがね。

タイトなビジネススーツを着こなした 社 畜 野 郎 。


QX団No.3の戦闘力持つサイボーグ『企業戦機(モビルスーツ)・ジャック=ダグラス』の来訪である。

闇夜の中、ヴァルルの部屋に忍び込み。ジャックをこう言いヴァルルを誘う。


「『高性能ステルス機・アロンズィS05。』」

「レゼルヴェのヴァルルは化け物か?と言われる位の性能がありますよ、HAHAHA!!」



優れた科学力による優れた兵器の譲渡である。
代償は・・・。レゼルヴェ国建国の為に、アフリカ大陸南部へと向かい。

『ルイ・アルベルト・ギヨーム(=ルイヌーヴォー)の部下となる事。』

それは卑屈でチッポケなプライドを守る事に精一杯なヴァルルに訪れた“ビッグなチャンス”であった。

自分の腕を持ってすれば、すぐにでも“栄光”を取り戻す事が出来るだろう。
だが、ヴァルルは首を縦に振らなかった。


「ムホ!フホホホ!!ムホホホホホホ!!ヒヒィ!!」

「良き話ですね、ジャ〜ック。喉から手が出る程の願っても無い話ですよ、ヴ〜(君ィ〜♪)」


「でも足りません。足りませんね、ジャ〜ック!!」


「基地内と言う絶対的に安全な場所でも、暴行を受けましたよ、ジュー(私は!!)」


「もっとが良いのですよ!! モノ凄い性能を持っているモノを欲しているんですよ“私”は、オ スクゥゥゥゥゥル(助けてくれ!!)」



ジャックは答える。


「『甘ったれるな!』」


「アロンズィS05を任されたからには、貴様は“ルイ・アルベルト・ギヨーム(=ルイヌーヴォー)”を手助けする義務がある!!」


だがヴァルルはこう言う。


「ムホ!ムホ!ムホホホホホホ!!」

「もちろん・・・タダじゃあありませんよ、トワ〜!(君ィ〜!)」

「QX団とか言う組織が喉から手が出る程欲しい『モルモット』を挙げるよ、アタンスィオンッ!!(危険だなぁ〜って位のを!!)」


ジャックがこう問う。

「聞かせて貰おうか。ヴァルル・ボンヴジュターヌが言うモルモットの性能とやらを?」


ヴァルルが答える。


「脳波で物質を動かす才能のきざし。」


「 精 神 感 応 能 力 者 の 身 柄 の “ 拘 束 ” 」


  ッ


  ッ


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


ヴァルルは知っていた。

インドにて、(この時点で)起動せぬガンダーラを寺院から力づくを奪う計画がある事を・・・!

そして、QX団が持つ科学力。アロンズィS05を作成出来る程の科学力で創られた『サイボーグ・ジャック=ダグラス』の力を持ってすれば・・・。


能 力 者 と 言 え ど 、 好 き に 出 来 る ハ ズ ッ !


本国を捨てレゼルヴェ国に加担をすれば、ボンヴジュターヌ家から縁を切られる事は目に見えているのだ。

そうとなれば、インドへの出資であるとか。これまでの人間関係など『ゴミクズ』のようなモノである。


ヴァルルはより良き“未来の為”に、何もかにもを捨て去ろうとしたッ!!


そして・・・。ジャックは・・・。


「Yes」と答える。


何故ならQX団にとっても“精神感応能力者”に関してはまだまだ未知の分野と言えるからだ。

それが手に入るとなれば、答えは「Yes」しかなかった。

だがそれと同時に『反吐が出る思い』をした。

綺麗事じゃない。腐った世界に身を置いているが・・・。

これ程までの『下衆野郎』。お目にかかった事はないからだ。


「(寒い時代とは思わんか?)」


ジャックはその言葉を胸にしまい込んだ。






・・・・





そしてジャックは『拉致』を決行する。

それはガンダーラ強奪の決行前夜。精神感応能力者の父親を殺し、娘を攫(さら)ったのだ。

能力者は思いの他強かった。『パパウパウ』と歯の隙間から、水を押し出し攻撃を仕掛ける等、出会った事の無いタイプの攻撃方法を仕掛けて来た。

自分と同じく『近距離戦』を得意とする“娘”ネール・マッハは、経験の差と身体能力の差が共に勝り、気絶させる事に成功をしたが・・・。

その『父親』は殺さざるを得なかった。父親は出会った事の無い戦法。その熟練度が故に『殺害』する事でしか、倒す手段が無かったからである。


事を終えたジャックは・・・。

幾度も汚い事をやり遂げて来たとは言え・・・。

裏切られた事実を知らぬ親子を襲い、その親を殺し、娘をモルモットにすると言う事柄に反吐が出る思いをした。

良き友であったのだろう。死に際。親しい者の名を呼ぶ時・・・。確かにも『ヴァルル』の名も含まれて居たからだ。


「ああ憎んでくれていいよ。娘は良きサイボーグとして働く事になるだろう。」


ジャックはそう言う事だけが精一杯であった。






・・・・





・5年前(ヴァルル43歳)


「ムホホホホホホホ!!」

  ッ

  ッ

「フホホホホホホホ!!!」

  ッ

  ッ

「黒いのが死んでいきます!黒いのが死んでいきます!」

  ッ

  ッ

「黒いのが死んでいきますよ、ヌワァァァァァァル(黒いのがぁぁぁぁぁぁ!!!!)」

  ッ

  ッ

ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアアア ン (放たれるは“銃弾”!)

  ッ

  ッ

ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアアア ン (放たれるは“銃弾”!!)

  ッ

  ッ

ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアアア ン (放たれるは“銃弾”!!!)

  ッ

  ッ

ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアアア ン (放たれるは“銃弾”!!!!)

  ッ

  ッ


こうして手に入れたのが 全6機からなる、この『超ステルス銃撃機・アロンズィS06』!!

超ステルス仕様の、この『アロンズィS06』は、
自機の前後の風景を自機のボディに投影する事により、その場に居ないように見せかける事のできる超ステルス機能を持つ銃撃戦闘機だ。

加えるに『プロペラシステム』。

銃撃をしない機体がプロペラ音を出す事により、銃撃する『アロンズィS06をカモフラージュッ!』
そして、それ自体が妨害電波発生機と化し、レーダーからも姿を消す事を可能とする優れモノである。

極めつけは『リモートコントロール形式』。

妨害電波の中を、リモートコントロール出来るなんて思いもしないだろう。
独自の識別コードを持つ電波と言うヤツだ。それ故にコントロールを可能とする。

付け加えうるに・・・。
市街戦、街中で戦闘する事を旨とする為、操者を攻撃する事は『100%不可能。』
寂しい荒野で、一人操縦するのならまだしも。人と人とが入り混じっている中から、特定した一人を探し出すと言う事は、不可能と言いきれるゥ!!

ヴァルルはアロンジィS06にて、八面六臂の大活躍をした。

『一方的に敵機を撃破する事が出来ますよ?』の謳い文句そのままの一方的なチート(ワンサイド)!!

  ッ

  ッ

「実に良い気分ですね!実に素晴らしいですね!!」

  ッ

  ッ

「こんな素敵に無敵な事柄をおやりになるお方は何方?」

  ッ

  ッ

「『 ヴァルル ・ボンヴジュターヌ 』だよ。ジュー(私がさァー!!) 」

  ッ

  ッ

「ムホホホ ホ ホ ホ ホ ! ! 」

  ッ

  ッ

「フホホホ ホ ホ ホ ホ ! ! ! 」

  ッ

  ッ

「黒いのが死んでいきます!黒いのが死んでいきます!」

  ッ

  ッ

「黒いのが死んでいきますよ、ヌワァァァァァァル(黒いのがぁぁぁぁぁぁ!!!!)」

  ッ

  ッ

悩まれ続けて居た『寝排泄』も解消。レゼルヴェ国の重鎮としてデカイ顔もして居られる。

ヴァルルは再び『人生の絶頂』に舞い戻ったのだ。

だが、『落日』もまた近付いていた。






・・・・





・現在(ヴァルル48歳)


甲高い声であった。積み重ねた年齢。歯に衣を着させぬ抑揚。
心の裏側まで覗き込まれるような、イヤラシイ響きを持ちながら、それで居て『ノーブル』。

上品な声質が嫌味ったらしさを際立たせ、「クソ喰らえ」を「ウンコ召し上がれ」と言い換えるような相手を小馬鹿する耳心地を与える。



耐撃の百文字は・・・。

「・・・・・。」
微動たりしない。


甲高い声は・・・。
「サ ヴァ(ハァーイ)」更に響き渡る。



「お黙りになられているな。テュー(君は)」
心の裏側まで覗き込まれるような、イヤラシイ響きと。

「お小水でもご放水なさいたいのを、おあずけになられているのですか?ヴー(あなたは)」
相手を小馬鹿する耳心地を与えながら。




 ー バルルルルル ル ル ル ル ゥルルル ゥゥ ウ ウ ウ 

 プロペラ音。


 ー ・・・・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ 。

 現れぬ実体。




 ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアアア ン ッ ッッ ッ ! ! ! !! !


 銃 声 が響き 渡 っ た ッ ッ ! !


      ・
      ・
      ・
      ・

      ・

      ・


      ・


戦闘は終始優勢に進められた。

如何に50mはあろう巨大ロボットと言えど、何も無いトコロから銃撃をされては勝てる道理が無い話である。


「お前の命はあと3秒だよ、デュ ポール・・・ッ!(豚が・・・ッ!)」


 ー 3(トロワ)

 ー 2(ドゥー)

 ー 1(アン)



「 『  オ ・ ル ヴ ォ ワ ー ル  ( サ ヨ ナ ラ だ 、 ク ソ が ァァアアアアアーーーーーッ ッ ! ! !  )  』 」





 ガァァ ァ ァ アアア ア ア ア ア ア アアア ア ン ッ ッ ッ ッ !  !  !  !



 そして、銃 声 が響き 渡 っ た ッ ッ ! !


      ・
      ・
      ・
      ・

      ・

      ・


      ・


   ド ッ ッ ッ  パァ アアア アア ア ア



             アアア アア ア ア  ア ア ア ン ン ン ! ! ! ! !





次の瞬間。ヴァルルは下半身は『吹き飛ばされていた』。

何を言ってるか理解出来ないかもしれない。

ヴァルルが巨大ロボの肩部に居る黒衣の男。

“耐撃の百文字”目掛けて銃撃を撃射した、次 の 瞬 間 ッ ! !


巨大ロボットが、肩部の“百文字(大男)”を投げつけて来たのだ!!


ありえない話であった!

ありえない話であった!!


そもそも何故、この場所が解った?

人混みの中、ヴァルルが其処に居る事など解らないハズだ!!


もし・・・。
それを可能と仮説するならば・・。

コントロール機が放つ機械音。携帯電話のマナーモード程度のこの音を手繰り寄せ・・・。
この音がアロンズィS06と『連動している』と判断する事が出来るのならば『 可 能 かも知れない 。 』


ありえない話であった。

ありえない話であった。


後に『コマンタレヴ・ラプソディ』と呼ばれる“一日革命”のその日。

ヴァルルはQX団の最終兵器『ギガント28号』と対峙し・・・。

そして、下半身をふっ飛ばされ敗れ去った。


「ギガントよッ!その頭髪を用い、墜落するアロンズィS06を全て捕縛』するのだッッ!!!」


「グギャォオオオオオオオオオオーーーーーッッ!!!」


黒づくめの男。

耐撃の百文字と名乗る男は、コントロールから離れ暴走するアロンズィS06を捕縛し。


そして、こう命ずる。


 ー いざいざ行かん、黒 き 衆 ッ ッ ! !


 ー 今こそ我等が 世 界 を 統 べ よ う ! !


  ー 制 す る この 身 、 それで居て、 ブ ラ ッ ク な り ぃぃぃいいいいーーー ー ー ッ ッ ! ! !

      ッ

      ッ


ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(突き進むは黒人!)


ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(突き進むは黒人!!)


それは正しく『 黒 き 大 波 』。


巨人の導きにて、突き進む『 暗黒の大河(ド・ブラック・リバー) 』で あ っ た 。


      ・
      ・
      ・
      ・

      ・

      ・


      ・


そして、ヴァルルの最期の時・・・!!


ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(突き進むは黒人!)


ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(突き進むは黒人!!)


「ヒィ!来るなぁあああああああああ!!??」


「来るんじゃあない!来るんじゃあないぞ、ヌワァァァァァァル(黒いの共めがぁぁぁぁぁぁ!!!!)」



ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(黒人達は足元のヴァルルなど、意も介さない!)


ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!ドズン!(ただただ首都・コマンタレヴシティへと進むのみ!!)


「ムホ!フホホ!!踏み殺されるッ!!」


「い・嫌だ!黒いのに踏み殺されるのだけは嫌だ!黒いのに踏み殺されるのだけは嫌だァー!!」

      ッ

      ッ

「メェェェェェェエエエエエエエルドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!! (このクソッカスどもがぁぁぁああああああああああああ!!!!)」


      ・
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      ・


ヴァルルはもみくちゃに踏まれ“バラバラ死”した。

下衆野郎に相応しい、虫けらのように踏み潰され“死した”のだ。






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     ー 『 完 』 ー