基地イベント(作成中)

基地司令(大佐)「彼我の戦力差はあまりにも大きすぎる……よって、遺憾ながら本基地は放棄する。
しかしここを敵に利用されるとドミノ倒し的に侵攻が進むのは確実だ。施設はすべて破壊せよ。」

司令「脱出の進捗状況は?」
副官「第1・第2飛行隊は、全機友軍基地へ向かって発進しました。他の職員も輸送機および陸路で脱出を図りました。
現在残っているのは司令室スタッフのみです。」
司令「そうか、無事たどり着けることを祈るのみだな……それから、基地内の機密データはバックアップを取ったな?」
副官「はっ。バックアップは脱出部隊に持たせました。あとはマスターを消去するのみです。」

若い声「……困るんだよね。そんなことされると。」

司令室に入ってきたのは、兵器メーカーから技術顧問として出向している、二十歳をいくらも過ぎてない技術中尉だった。

司令「まだ居たのかね……貴官には会社の方からも引き上げの辞令が来ているはずだが?」
技術中尉「いーや。いいこと考えたから戻ってきたんだよ。」

パチン、と指を鳴らすと、特殊部隊らしき一団が室内に乱入してきた。

副官「何だ、貴様らは?!」
技術中尉「ウチの系列の警備会社のみなさんだよ。僕を護衛してくれてるんだ。」

抵抗しようにも、司令にダットサイトの赤い光点がいくつも当てられている状況では無謀すぎる。
副官達もおとなしく両手を挙げるしかなかった。

技術中尉「この基地施設と機密データをお土産に、僕、アムステラ軍に入るから。」
副官「貴様、寝返る気か?!」
技術中尉「寝返る?頭コチコチの軍人どもや本社のジジイ達の相手にはいい加減ウンザリしてたんだ。
華麗なるトラバーユと言ってもらいたいね。」
副官「くっ、この裏切り者がっ!」

副官は腰の銃に手を伸ばそうとしたが、その手が銃に届く前に蜂の巣にされた。

技術中尉「あーあ、ウチの警備会社の人たちって荒っぽいよねえ。」

技術中尉は副官の死体から銃を抜き取ると、司令に銃口を向けた。

技術中尉「さて、あんたにはいろいろお礼参りをしていかないとね。ことあるごとに人のアイデアにケチ付けるし、
態度が悪い、とか言って殴られたこともあったし。」
司令「……裏切り者が重用してもらえると、本気で思っているのかね?」
技術中尉「僕ほどの才能の持ち主が、ビッグな手土産を持って行くんだ。すぐにでもあんたの代わりに司令の椅子に座ることになるさ。」
司令「自国を裏切った輩など、いつまた自分たちを裏切るか分からん。まともな判断力の持ち主なら、裏切り者なぞ使わんな。
使ったとしても利用価値が無くなった時点で粛正の対象だ。ましてや敵の司令官は貴族と名乗っていた。
貴官がそもそも人間扱いしてもらえるか疑問だな。」

ガッ!銃のグリップで司令の顔を強打した。

「うるさい!うるさい!うるさい!僕をお前ら凡人と一緒にするな!!」

何度も何度も殴打する。

「はーっ、はーっ、……こんなバカにいつまでもかかずりあってられないや。それじゃみなさん、あとよろしくー。」

技術中尉が部屋を出た瞬間、司令の顔上半分が吹っ飛ばされた。



オスカー「んー、トレビアーン。我が帝国に恭順の意を示すとは、なかなか先見の明があるよ、君ィ。」
技術中尉「……で、僕を基地司令にしてくれるのかい?」
オスカー「いいとも、いいとも!さ、祝杯を挙げようではないか。ああそうそう、護衛の方たちも別室で丁重におもてなしするように。」
技術中尉「(ハッ、こいつも何か大したことなさそうだし、これからどんどん手柄を立ててバンバン出世してやるさ。)」
オスカー「ところで、新しい基地司令殿にお願いがあるんだがね……」
技術中尉「何だい?何だってやってみせるさ」
オスカー「じゃあ……死にたまえ」
振り向きざまに繰り出されたレイピアが、技術中尉の額を貫いた。
技術中尉「え……?」
オスカー「あいにく、私にはサルを部下にする趣味は無いのだよ。」

オスカー「まったく、汚らわしいサルの血で床が汚れてしまったではないか……念入りに掃除しておけ。」
侍従「はっ、かしこまりました。」
オスカー「他のサルどもはどうした?」
侍従「はい、くつろいでいたところにマイクロウェーブ照射装置を最高出力で作動させましたので、良い感じに“チン”されております。」
オスカー「さぞ部屋がサル臭くなったろう。脱臭剤を山ほど用意しろ。」



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