影狼隊徒然記【トラとうわばみの昔語り】後編


〜 宴会所・・・とは銘打ったものの。その実態は宴の後。〜


宴に出席していた影狼隊隊員達の殆どが、部屋の片隅で枕を並べて呻いている。全員、イェンに酔い潰されたのだ・・・。
完全に酔っ払ったら動きも鈍るだろうと高を括っていたら、別にそんな事は無かったぜ! と、いう訳で。総員撃沈状態である。
今やまともに動いているのは、部屋の片隅で酒瓶の山を背にして座る長身の男と、彼の左右に車座になって座っている男女のみ。

「・・・おかしいな? とても気分が良くなって・・・何時の間に私は寝ていたのだ?!」「うぷっ・・・少し呑み過ぎました」

軽く酔い潰されたのは序盤の内だったのが幸いして、シャイラとサイも一応は復活した。生き残ったアルとガッツはへべれけ一歩手前だが。
そして遅れて来たので無事だった影狼隊隊長とルカス、今もマイペースに呑んでるバドスとイェンの8名が残存している。
そのイェンはと言うと、アルから出されたお題にどう答えようかと考えつつ、手近にあった大きな酒瓶に手を伸ばしていた。

「アタシが空戦が上手い理由かぁ〜。(クイッ)・・・ちょっぴりズルしたからと言っても良いかもねぇ?(ゴクッ)」

言葉を考えては一杯、答えながら又もや一杯と杯を重ねてゆくイェンを見て、アルとガッツは蒼褪める。

(「おぃおぃおぃ・・・酔いが醒める処か、更に悪化するじゃないか!」「あげん呑むペースが速かったら、悪酔い必至ばい!」)

しかし、三羽烏の中で結果的に一番被害が少なかったサイは、目聡く『ある事実』に気が付いた。

(「落ち着いて下さい、2人共。彼女の呑んでるあの瓶の中身、お酒じゃありませんよ」「えっ?」「なんやて?!」)
(三羽烏がその事実に気付いたのと同時に。口の端に軽く笑いを浮かべた隊長がこっそりと囁いた。「すり替えておいたのさ!」)

「(ゴクッ)一言で済ますと、『兄貴から最新の技術を貰っていた』からよ。(クイッ…アラッ? 何かジュースみたいね。ま、いっか)」
「アタシにも人並みに欲はあるからさ。腕を上げて目立ちたいとは思ってたのよね。そうなるとまず、ライバルは少ない方が楽でしょ」
「それに丁度、兄貴が最新の空戦技術に通じてたからさ。だから熟練者が比較的少ない、操兵による空戦の技術を磨く事にしたのよ」


 そう。広い宇宙、『人型機動兵器』という存在自体は古くからあった。(その一例として、漫画作品『Gandha-ra theBeginning』など)
 しかし、その存在の殆どは長い歴史の闇に呑まれてしまい、現在はその残滓が細々と残っているに過ぎない。
 従って、アムステラで言う処の『操兵』という人型兵器、言い換えると『軍勢として用いる』人型兵器の歴史は、意外と浅い。
 ましてや『人型』である故に。最初はどうしても人間と同じ挙動から始まる為、陸戦以外の用途の操兵運用は、更に歴史が浅いのである。


「そうだな。操兵はどちらかと言えば、陸戦仕様が多いからな」「考えたもんやのぉ」「それは良い目の付け所ですね」
「でしょ。で、実戦慣れしてる兄貴から技術を教わったからさ。アンタらはともかくとして、空戦でそこらの連中に負ける気はしないわね」
「そうか。その腕が認められて『斬空』を駆る『紅の毒蛾』の異名を得たのだな」「あっ、それがね・・・実はちょっと違うのよ・・・」

そう言ったシャイラの言葉を、何故か苦虫を噛み潰した様な顔で訂正しながら、イェンは思い出話を始める・・・

「あれはまだ、アタシが普通の空戦羅甲に乗ってた時期で、任務も偵察が主だったわね・・・」


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〜 時は3〜4年ほど前に遡る 〜

「・・・索敵範囲内、全て異常なーし。ったくもぅ! 最近は毎日偵察任務だし・・・第一、この機体じゃ物足りなさすぎっ!」

軍で空戦機乗りの道を選んだイェン。天性の才能と努力、そして最新の技術に触れる機会によって、その腕前はめきめきと上達していた。
しかし彼女の目論見には一つ誤算があった。陸戦機と比べると空戦機の種類は少ない為、良い機体と出会う機会に恵まれなかったのである。

「あーあ。風の噂じゃあ、アタシ位の年齢で何か有名になってる娘も居るらしいってのに。あたしゃ下っ端街道まっしぐらかぁ〜」
「・・・えぇいっ、止め止め! 兄貴のぼやき癖が感染する前に、とっとと基地に帰還しよっ!」

だが、イェンにとって運命の転換期とも言える出来事が起きたのは、それから数日後の事であった。
イェンが所属する部隊にも一機の空戦操兵が配備されたのだ・・・そう、その機体こそが斬空二式改『黄泉影』である!



 空戦仕様として開発された『斬空』は、最初に偵察任務を主眼とした一式『凶風』と、高速機動戦向きの二式『忌影』が製造された。
 どちらも設計思想を十全に満たしたものの、『忌影』は高性能の代償に操作性が悪く、それ故に熟練パイロットでなければ扱えなかった。
 そこで汎用性を求めて性能を安定させた二式改『黄泉影』が開発され、それを各地の戦場に配備して試験運用する事となったのである。



「・・・あ〜あ。いきなり正パイロットは無理だったかぁ〜。まぁ、今の立場を考えれば副パイロットの一人になれただけ御の字かな?」
「でも、その理由が『お前の操縦は乱暴すぎる!』ってのはあんまりじゃない?!・・・ってか、それって間違ってるのよね」
「そもそも普通の空戦羅甲程度じゃ、アタシが知ってるマニューバを使うのは無理だもんなぁ〜」



 ここで少し、イェンの上官を弁護しておこう。
 操兵による空戦の歴史はまだ比較的浅く、故にバドスの回想でも出た様に、当時は『操兵vs戦闘機』という状況が多かった。
 少々の攻撃ではびくともしない上に攻撃範囲も広い操兵に対して、速度ではやや勝るとはいえ、直撃を貰えば一撃で撃墜される戦闘機。
 例えるなら『鯨に挑む小船』といった処か。従って、その『空の鯨』が脅威と看做すのは、戦闘機よりも地上からの砲火であった。

 言い方を変えれば。当時はまだ、空戦操兵同士の戦闘が少なく、故に操兵を『戦闘機』として運用する必要性が低かったとも言える。

 今でこそ『戦闘機』仕様の機体も増えたとはいえ、操兵の普及度が低い星域では未だに、対地仕様が重視される傾向にあるのだ。
 時期は前後するが、この頃に起きた『コンウェイの乱(SRC外伝「毘沙門」より)』において「操兵による白兵戦では最強」と謳われた
 『毘沙門隊』をも悩ませたのが、対地戦仕様の空戦羅甲であった事例は、対地型空戦操兵の有益性を示す一例といえよう。



「今日も今日とて異常無しっと・・・それにしても、同じ空軍なのにあんなガラの悪い連中が配属されて来るなんて、何の罰ゲームよ全く」
「この地域の連中とは停戦交渉中で、こっちは偵察三昧で暇してるってのに。今更増援って・・・何処の馬鹿よ、配属決めたの」

だが、その日も盛大に愚痴を零しつつ基地の格納庫に戻ったイェンは、思わず自分の目を疑った。

「・・・えっ? ちょっと?! 何で羅甲がごっそり無いのよ!! って、整備のおっちゃん! その腫れた頬どうしたのよっ!!」
「じょ、嬢ちゃんかぃ・・・新入りのゴロツキ共が暴走しやがった」「ハァッ?!」

彼の話を要約すると。穏便な解決よりも空爆による手柄と名声を選んだ増援部隊が、自分達の空戦羅甲で出撃したと言うのだ。


「ちょっ、ちょっと待ってよ。でも停戦中でしょ? 手柄も何も…」「…甘ぇよ嬢ちゃん。理由はでっち上げれば済む」
「で、誰も止めなかったの?!」「いや、無茶言うなや。大体うちは警備隊に毛が生えた程度の規模だぜ?」
「本部へ通信…」「…長距離通信機の部品を抜いていきやがった。上の査察が入る迄に、既成事実を創って誤魔化す腹だろうよ」

その余りにも情けない状況を受け入れざるを得ない事に、苛立って歯軋りをしていたイェン。しかし、すぐにその眼が輝いた。

「・・・って何よ。斬空があるじゃない! おっちゃん! 当然動くよね!」「あ、あぁ? そりゃ整備はしてるが…」
「ありがとっ! チョット借りるねっ!」「おいコラ待てっ! たった一機でどうする気だ?!」

そう言い放ったイェンは、整備士の制止を振り切って黄泉影に搭乗し、先行する空戦羅甲部隊を最大速度で追跡する。
その機影が遠目にも、重爆撃仕様の装備をしているのを見て取ったイェンはボソリと呟く。

「・・・やっぱりね。絨毯爆撃する気満々じゃないの・・・でも、それがアンタらの命取りよ・・・」


その無法ぶりに対する怒りに、ギリッと歯軋りしつつ。イェンは羅甲編隊に近付きながら通信を送る。

「そこのゴロツキ共、今は停戦中よ? そんな爆装で一体、何しようってのよッ!!」
「何だこのアマ?」「ハッ! 反乱分子を退治するんだヨォ!」「クソガキの出る幕じゃねぇ!」
「・・・反乱分子? っていうか、でっち上げでしょ。アンタらが素直に投降するならそれで良し。でなければ・・・」
「どうするってんだ? エェッ?!」「証拠も無しにそんな事、言っちゃいけねぇぜぇ」「まっ、証拠なんぞ無ぇけどナァ!」
「証拠? あるわよ。この黄泉影、試験運用の為に配備されたのよね・・・その意味が判る?」
「テメェ、ナニ言ってんだ?」「・・・ッ! 行動が記録されてんのかっ!」「おいオメェら、こいつを逃がすな!!」

その指示と共に羅甲達が散開して黄泉影を包囲、マシンガンを構えて威嚇する。

「そう・・・アンタらの暴走行為は、この黄泉影が見届けてるわよ。だから、大人しく武器を仕舞って投降しなさいな」
「馬鹿かテメェ。もっと簡単な手があるぜッ!」「8対1でよくそんな口が叩けるナァ!」「命が惜しきゃ、テメーが降参しな!」
「ったく・・・間違ってるわよ」


イェンがそう呟くのと同時に、黄泉影が包囲網の中から消えた!!

 ザ リ ッ ! ! ガ ギ ィ ン ッ ッ ! !

金属同士がぶつかり合う衝撃音がしたかと思うと、斬首され、脇腹をしたたかに切り裂かれた羅甲が、前のめりになって墜落する。


「ホラッ、兄貴直伝・・・」次の瞬間。包囲網の外に現れた黄泉影が、手近に居た羅甲にポイッと丸い塊を投げ渡す。
「??・・・ッ!!」懐に飛び込んだその金属塊を、思わず受け止める羅甲。しかし次の瞬間、その塊の正体に気付いて慌てるが・・・
「・・・爆雷(マイン)の直当てっ、と」時、既に遅し。先程、首無し羅甲から奪った爆雷が光球と化し、受け取った奴を巻き込み爆発する。


「やっ、野郎ッ!! 撃て、撃てぇ〜ッ!!」弧を描く様に横移動する黄泉影に向かって、6機の羅甲がマシンガンを連射する。

 ス ッ ッ ・・・

元・包囲網の一角、やや外側に位置して居た一機の羅甲の眼前に、マシンガンの乱射を避けた黄泉影が現れた。

「てっめぇぇぇ〜〜ッ!!」無論、その羅甲は目の前に居る黄泉影にマシンガンの銃口を向けるが・・・

 ズ ガ ガ ガ ッ ッ !(ズ ガ ガ ガ ッ ッ !)ズ ガ ガ ガ ッ ッ !(ズ ガ ガ ガ ッ ッ !)ズ ガ ガ ガ ッ ッ !

「やっ、止め・・・ウギャアァァ〜〜ッ!!」黄泉影を攻撃してた仲間達の、勢い余ったマシンガン連射がその羅甲の背に吸い込まれる。


その羅甲がマシンガンの連射を浴びて爆発するのと同時に、黄泉影は両肩に装備された十数発の小型ミサイルを一斉に発射!
爆発の先に居る筈の黄泉影にも当たるだろうと、甘い見通しでマシンガンを盲撃ちしていた羅甲達を出迎えたのは、そのミサイル群だった。

「なっ、何だ・・・ヌオォオォ〜〜ッ!!」「来るなアァ〜ッ・・・グワァアァァァッ!!」

迎撃に失敗して動きが鈍った2機の羅甲に、次々と後続のミサイルが着弾する。1〜2発なら耐えられたろうが、こうなるともう無理だ。


「う、嘘だろ・・・」「おっ、落ち着け手前ら! 背中合わせで円陣を組むぞ! そうすりゃ同士討ちは無い!」「ヘッ、ヘイ!」

生き残った3機の羅甲は、背中合わせで周囲を警戒する。だが・・・黄泉影は一体、何処に?!

「やっ、奴は何処だ・・・」「うろたえるな! ミサイルはあれで使い切った筈だ! この状態なら…」「ッ!! 下ァ?!」


下方に居た黄泉影に気付いてマシンガンを向けようとした羅甲に向かって、逆に黄泉影は急上昇を仕掛ける。

 ザ リ ザ リ ザ ク ッ ッ ! !

最初の羅甲を仕留めた武装。黄泉影のヒートクローが、下を向いた羅甲の股下から頭頂までを縦一文字に切り裂いた!


「テメェ・・・ウッ!!」「貴様ッ ・・・ヒィッ!!」

仲間を切り裂きつつ上昇した黄泉影を追う羅甲達に、黄泉影は拡散ビームキャノンの銃口を向ける。
高速機動戦を主体とする特性上、命中時の威力がやや低いとはいえ、攻撃範囲の広い拡散ビームを放つ、斬空二式系向けの銃である。
しかし、だ。この近距離では避ける暇も無く拡散ビームを目一杯浴びるのは必至・・・もちろん、そうなった。


「お頭ッ?!…ギャアァァァ!!」

しかしリーダー機の羅甲は、とっさに仲間の羅甲を引き寄せて、拡散ビームへの盾とする。

「このアマァッ!! 生かしちゃおけねぇッッ!!」

怒号しつつ、マシンガンを黄泉影に向けるリーダー機だったが・・・

「・・・そりゃこっちの台詞よ。消えな」

黄泉影の拡散ビームキャノンが光の雨を放ち、その直撃を浴びた最後の羅甲が爆散する。
爆風が散った後、空に黄泉影以外の機影が無い事を確認したイェンは、軽く溜め息を吐いて基地へ連絡を取る。

「こちらイェン・マイザー。造反した羅甲部隊を鎮圧・・・黄泉影で基地に帰還する」


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「・・・っとまぁ、こういう次第だったのよねぇ。初手柄が友軍のゴロツキ相手だったってのが、未だに複雑な気分でさぁ〜」
「いや。軍の規律を乱し、無抵抗の者に害を与えようとした者達を成敗したのだから、誇っても良いと思うぞ? 私は」
「でもイェンさん。いくら腕に自信があるからって、無茶しすぎじゃないですか? そりゃ勝てたから良いものの・・・」

機嫌良くほろ酔い状態のイェンは、シャイラの言葉に感謝の念を示しつつ、ルカスの疑問に対してこう答えた。

「んん〜っ? アタシと同じ事は、シャイラ隊の皆やうちの隊長、兄貴だって一応は出来ると思うわよ」
「・・・えぇっ〜?! そうなんですか??」
「確かに、私にも出来る」「試さんと判らんけど、やれそうやな」「その条件なら可能でしょうね」「ん? 出来るとは思うぜ」
「出来んとは言わんが・・・めんどいねぇ〜」「まぁ、可能だな」


口々にイェンの答えに賛同する皆を見つつ、目を白黒させるルカスに隊長は助け舟を出す。

「そうだな・・・ルカス。お前、武器はマシンガン一丁のみの、装甲を外した雲殻でイェンと勝負出来るか?」
「・・・ハァッ?! ただでさえイェンさんには勝てないのに、そんな無茶苦茶な条件では何度やっても無理ですよ!!」
「対地爆撃仕様の羅甲も同程度だと思えばいい。空戦仕様の黄泉影にとっては、何機いようと良いカモだった訳さ」
「そういうものなんですね・・・」「そういうモンなんだよなぁ〜、これが」


その説明で一応は納得した様子のルカスを見て、イェンが付け加える。

「あぁでもね。逆に地上の奴を相手すんのはチョット苦手なのよ」「へぇっ? そうなんですか?!」
「射程の関係で近付かないと駄目だし、地上付近で高速機動するのも神経使うのよねぇ〜」「なるほど・・・」
「そーいや以前、砂漠地帯かどっかで黄泉影が鹵獲されたとかいう話も誰かから聞いたっけなぁ〜・・・誰かららっけ?」
「兄貴、それってルース君からりゃにゃい?」「・・・あぁ〜、ほかほか! ルッチーから聞いたんらっけか」
「・・・はれっ? にゃににゃまってんのハニキ・・・zzz」「ホメーこほ、舌がまはってねぇぞ・・・と?・・・zzz」


会話中に突然、コクリコクリと船を漕ぎ出したイェンとバドスに皆が驚きの目を向ける・・・但し、その原因を作った者は除いて。

「・・・まぁ、頃合だ。宴会もこの辺でお開きで良かろう?」影狼隊隊長が、さりげなくポケットに小瓶を仕舞いながら言う。
「この2人に最後まで付き合ってたら、介抱出来る者が誰も居なくなるからな・・・ルカス、後片付けをするぞ!」「了解ですっ!」

その隊長の台詞に『助かった!』という表情をする三羽烏。だが、ほろ酔い気味のシャイラは、キョトンとした顔のまま聞いている。


そして、帰路にて・・・

「うぅっぷ・・・流石に呑み過ぎだぜ・・・」「しばらく酒は呑む気になれんバイ・・・」「二人とも、お疲れ様」
「それにしても、イェン達は何であんな急に眠ったんだろうな?」
「・・・シャイラ隊長? まさか、判っちょらんかったとか?!」「ッ! そう言われると、何故あの人は眠り薬なんか・・・まさか?」
「イェン達は酒が入るとあぁなる事を判ってて、だから自分はわざと後から来たんじゃ無いだろうな・・・」

・・・色々と感想や推測を展開してゆく三羽烏とシャイラであった。だが、その中で意見が完全に一致した内容がある。それは・・・

『イェン・マイザー(及びバドス)と一緒に酒を呑むな』


THIS EPISODE END