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名無しのルーキーの訓練は順調と言えた。
順調である要因は大きく分けて二つあった。

一つはオレグレイ・カレロフのデータである。
激情により発現した『超人間(ギガント・バディ)』の能力。

発現をし、結局は対デスロイド戦により戦死してしまったと言えど、
バトゥロに送ったQXコレクトは生きたデータとして役立つ事になった。

激情。「困難に抗う事」により目覚める『 超 意 識 』。

オレグレイ程では無いにせよ、仲間達の死によって激情を持ち得たルーキーにとって、
僅かではあるが、潜在された能力『 第 七 感 』に目覚めつつあった。

その力こそ怪力無双、人ならざる存在“サイボーグ”としてのパワー。

ルーキーは既に『人ならざる怪力』を持つに至った。


二つは近代スポーツと化した『ボクシング』である。

スポーツは近代化を図れば、近代化を図る程“フィジカル”が重要になっていく。
如何にバランスの優れ、力強く、当たり負けのしない体を創って行けるか・・・?

強靭さ、ボディバランスの良さ、機敏さ、持久力、瞬発力、技術力、その総合力。

数あるスポーツ、格闘技の中で「ボクシング」が一番優れているとは言わないが、
歴史、競技人口と共に高水準維持しているのは言わずもがなである。

そしてボクシングの第一人者である、鷲鼻のバトゥロが指導すると言う事。
ルーキーは多大なる力に振り回される事無く、上手く自分の力としてコントロールする事が出来た。

フィジカルはテクニックを積み重ね、テクニックはフィジカルを養って行く・・・。
力無き技術無き、技術無き力無しと言えば解り良いか?

古来より、自己を鍛練する事はこれ以外に術は無い。


しかし、それでも尚、耐撃の百文字(ジ・ハンドレッド)と戦うには不足であると言わざるを得ないであろう。
もっと爆発的な何かが必要だ。今やる事とプラスして、劇的な何かだ・・・。

そんなある日の事であった。





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            ・





・・・・




○クロガネの賛歌・第4章


 ー ギ ガ ン ト 破 壊 指 令  ー  爆 熱 ! 巨 大 ロ ボ ッ ト 編



 第5話「 暗 雲 ! 毒 針 ・ ア ク ー ト 登 場 ! ! 」





・・・・







 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


「大変だよ!ニュースだよ!!」

必死こいて走る男が1人。赤服を着た男である。
その二つ名は“レッド・スーツ・ボギー”。

本名“ボギヂオ・クラケット”その人である。


コンコンコンコン(ボキヂオはバトゥロ達が居る部屋のドアを、ノックする。)


「コブチだよ!玉無しコブチだよ!!」

「玉無しコブチが戦死したんだ!ギガント28号に敗れたんだよ!!」

「これは!とぉーっても!とぉーっても、えらいこっちゃだよ、ヒーコラヒーコラバヒンバヒン!!」


落ち付けよ、お前ってカンジに騒ぎ立てる中・・・。


カシューゥ・・・(自動ドア開いた)


鷲鼻のバトゥロが現るる。

「そうか。ムッシュ・コブチが敗れ去ったか・・・。」

そう玉無しコブチが敗れ、そして戦死をしたと言う事。

それは決して軽い問題ではない。巨大操兵・巌鈍斧(イワオ・ドンプ)を操り、一振りの戦斧で敵を屠り去って行く男・玉無しコブチ。

耐撃の百文字、そしてギガント28号に敗れるのは仕方ないにしても、せめて脱出成功すればと思っていたが・・・。

どうやらはそれは過ぎた願いであったようだ。

これまで以上に『対ギガント28号』に対し、策を練って行かねばならないだろう。


だが、策が無い訳ではない。


操兵は豊富にある為、侵略範囲を広げれば幾らでも対処出来る。

また冷凍睡眠をしている残りの『七十七のサイボーグ』を投入する手立てもある。

特に後者はバトゥロ最大の『切り札』。奥の手中の『奥の手』と言うべき『最終手段』である。

故にまだ使わない。

使うタイミングは最大の戦果を上げられるタイミング。

アムステラ神聖帝国とQX団の関係を五分に持っていける程の戦果を得られるその時のみに使用すべきである。

だからまだ使わない。それでも尚使うのなら、本当に追い詰められた時。その時だ。


そんな事等、一切知らない暗愚の将、ボギヂオ・クラケットはこう騒ぎ立てる。


「もう、こうなったら、鷲蘆鋼人(シュウロ・コウジン)だよ!」

「ギガント破壊指令を鷲蘆鋼人で行うんだよ!!」

「そもそも『苗字すら持たない死んだ犬ッコロの部下』なんかに、やらす作戦じゃないよ!!」

   そ

   の

   時

   !


「君こそが!すんごくつおい君こそが相応し・・・・ イ ” ! ! ! ? 」


ボ”ギ”ィ”・・・!!

ボギヂオの右腕が明後日の方向を向いてヘシ折れた。

   ッ

   ッ

   !

「ホ”キ”ョ”ォ”ォ”オ”オ”オ”オ” オ” オ” オ” オ” オ” ! ! ! ! ! 」

ボギヂオは絶叫し・・・。

トスン。(尻もちを着いた。)

そして、何も無い空間から声が響き渡る・・ッ!!


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


「安心しろ・・拳圧だ。本気で殴ったら、お前の右腕が千切れ飛ぶからな。」

「そして、(ドッグメェン)隊長の事を侮辱するな・・・!!」

「ギガント28号は俺が倒す。お前はお茶でも啜(すす)りながら眺めていれば良い。」


それは!サイボーグと化した名無しのルーキーの拳圧によるモノであった!!

繰り出す拳によって、創り出される『風圧』のみでボギヂオ・クラケットの右腕をへし折ったのだ!!

これぞ、QX団サイボーグの極致!“超人間(ギガント・バディ)”のパワーであるッッ!!

   ド

   ォ

   ン

   !

ボギヂオは・・・。

「アヒィ・・・!ハヒィ・・・!!」

呻くだけだ。

   ヒ

   ュ

   オ

   ン

風切り音一つ共に、ソレは接近をし。

   ガ

   シ

   ィ

ボギヂオの首を掴む。

「すみませんでしたと言え!」

「言えないのなら、このまま握り潰してやろうか?」

一瞬で近付くと言う『瞬発力』。

そして、力を入れ過ぎず、首に圧力を掛けると言う『ボディ・バランス』。

何れも“高水準(ハイレヴェル)”!何れも“高均衡(ハイバランス)”!!

訓練の効果は“高効果(ハイエフェクト)”・・・ッ!!


だが、これにはバトゥロ。

「慎(つつし)まぬか!!」

と、彼女を制する。

   そ

   の

   瞬

   間

   で

   あ

   っ

   た

   !


ドギュゥーン!!ドギュゥーン!!ドギュゥーン!!ドギュゥーン!!(銃声が鳴り響く!!)


「・・・ッッ!!」


狙いは何も無い空間ッ!!


 スッ!

   スッ!

     スッ!!


銃弾は何事も無かったの様に素通りした。


女性の声が響く。

「へぇ、やるじゃん。これでもアタシぁ射撃特化タイプのサイボーグなんだけどね。」


何も無い空間が答える。

「キャッチボールをする程度の距離から放たれる銃弾程度なら、避ける事など造作も無い事だ。」

バトゥロが続ける。

「何のようだ、闘売女(ズレアバーシャ)。」


ズレアバーシャが答える。

「アタシ自身が用がある訳じゃないよ。」

「『ウチの人』が“用”があるんだ。」

   ス

   ゥ

白い袖した腕が延び。

   ガ

   シ

   ィ

その腕が、ズレアバーシャを抱き締める。

   ブ

   チ

   ュ

   ウ

そして、ズレアバーシャの唇を蹂躙する『男の接吻(ディープキス)』。

   ア

   ァ

   ン

その接吻(ディープキス)の主こそは・・・!!

「ヒィッハッーハッハッハッーーー!!!」

“毒針”アクート少佐である。


「ようバトゥロ。」


バトゥロが問う。

「何用か、アクート少佐?」


アクートが答える。

「ギガント破壊指令を、俺にも一枚噛ませろよ。」


バトゥロは再び問う。

「どのように?」


アクートがこう言う。

「簡単な話だ。決闘の時、俺の邪蠍蟲(ジャカツキ)が地下に潜んでいるって話だ。」

「油断したトコロをグサリ・・。どうだ、簡単な話だろう?」


バトゥロは即答する。

「断る。」


アクートが問う。

「何故だ?」


バトゥロが答える。

「1対1の決闘であるからこそ意味がある。」

「事にルーキーの力を引き出す為にはな。」


アクートはこう言う。

「その可能性だって完璧じゃねぇんだろう〜?」

「ズレアバから聞いたぜ?元祖・銀装隠密はムラが激しいタイプだったてな。」

「どこまでアテに出来るのかい、そのポンコツは?」


何も無い空間から、怒気が吐露される。

「貴様・・!!」


アクートが続ける。

「何が貴様だ。」

「そろそろ大佐を離したらどうだ?」

「マジで逝っちまうぜ?」


ボギヂオは泡を吹きながら。

「ブクブクブクブクブクブクブク・・・・!!」


何も無い空間は苦虫を潰すように。

「クッ・・・!!」

  バ

  ッ

  !

ボギヂオ大佐が解放された。

「ゲホゲホ!ゴッホゴホゴホ!!」

「ア・アクートくぅん、コイツ、何も悪い事しないのにいじめるんだよぉ〜〜〜〜!??」


アクートはあやす様に。

「おうおう、よちよち。其処で座って見ていな。」

「話を続けようか、バトゥロ。」


バトゥロが答える。

「良いだろう。」


アクートがこう言う。

「どっちが勝率が高いか、言わんでもないよな、バトゥロよう。」


バトゥロが答える。

「サイボーグにはサイボーグのやり方がある。口を挟まないで頂こう。」


アクートがつっかかる。

「それで、納得出来ると思うのか?」


バトゥロは答える。

「全権は私にある。貴殿は従って貰う立場にある。」


アクートは続ける。

「聞いているぜ。手前等QX団の立場は俺達と対等な関係じゃないってな。」


バトゥロが断言する。

「だが全権は私にある。」


アクートは問う。

「(ボギヂオ)大佐。アンタの意見はどうなんだい?」


ボギヂオは・・・。

「ゲホ!ゲホ!!」

「痛いよぉー!腕が!腕が折れちゃったよぉおおおおおおお!!」

取りつく暇が無い。


アクートがこう言う。

「その様子じゃあ話にならないな。」

「俺は行くぜ。精々気張ってくれや。」

「ヒィッハッーハッハッハッーーー!!!」

アクートとズレアバーシャが去る。


ボギヂオもまた・・・。

「ヒィ!ヒィィィイイイイイイイイイ!!!」

腕を押さえながら去っていった。

訪れるは静寂・・・。

バトゥロがこう言う。

「邪魔が入ったな。続けるぞ。」

何も無い空間は。

「はい!!」


と答えた。






・・・・







それから二週間が過ぎた。

名無しのルーキーは爆発的な伸びこそないが、順調に実力を積み重ねて行った。


そんな矢先の事であった。


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


 タッ


  タッ


「大変だよ!ニュースだよ!!」

バトゥロ。

「如何致した、ボギヂオ大佐。」

ボギヂオは叫び声を挙げる。

「 冷 凍 睡 眠 し て い る

“ 七 十 七 の サ イ ボ ー グ ”が『 皆 殺 し 』に さ れ た よ ! ! 」

バトゥロの背筋が凍る。

「なんだと・・・!!」

それは・・。そうそれは思いもしない出来事であった。

何故だ?誰が?何の為にこんな事をした??

否定をしてしまいたい。無ければ良かった。これは嘘だ、そうあるべきだと思ってしまいたい、その事実。

だが現実にそれは起き、今、ボギヂオ・クラケットの口からそう告げられた事実がある。


「ヒィッハッーハッハッハッーーー!!!」


そんな中、“毒針”アクートが現るる。


「難儀だなあ、バトゥロ。こうなったら、どうするよ?」







ーーーーーー





 ・・・続く。