ギャグクリオー日和OPテーマ 歌:ファントム・オーガ

バチカンの街には 法王(まもの)が住むの
ヘタリアの剣士は みんな対空死んでる
新たに女性が入るも やっぱ対空死んでる
シンちゃんとカー兄貴 所属違うけど
シンちゃんの同僚は カー兄貴の友達
大体そんな感じ  ギャグクリオー日和



『地球へ…』

地球とアムステラ戦争が始まってからかなりの時が経った。
地球人の予想以上の抵抗により遅々として進まない侵攻についに一人の男が立ち上がった。
オスカー・フォン・ベインシュテルン、ユリウス宰相の腹心であり優秀な武人として知られている。
彼は最新の強化人間三人(イオ、アシェル、ウドラン)を連れ今まさに地球へと到達しようとしている。
地球の命運はここまでなのか!?

アシェル「後、数分程で地球のアメリカという大陸に着陸の予定です」
ヒゲ「…」
アシェル「オスカー様?」

アシェルの言葉には答えず、オスカーはタイミングを見計らうかのように目前に迫る
青い星を見つめ続ける。
そして、輸送艦が大気圏に到達したと同時にハッチを開け雪烈華(セツレッカ)を発進させたぁ!

ヒゲ「よっしゃ一番乗り!」
アシェル「あっ、自分一人で先に乗り込むつもりだ!」
イオ「ずるい」


非常に好戦的なオスカーは輸送艦でのゆるりとした到着を我慢する事が出来なかったのだ。
華麗なポーズを取りながら外付けのスラスターを噴かせてアメリカへと突っ込んでいく。
だが、彼の先行を許す程部下の強化人間は緩い性格をしていなかった。

イオ「飛べ、辛煉種」

ズシャァァ!
イオの愛機、虚輪(コリン)のビットが雪烈華の尻に刺さる。

ヒゲ「ケツがぁ!!」

ビクンビクンと痙攣し動きを止めるオスカーの機体、これは決して彼のアナルが弱いのでは無く、
辛煉種に仕込まれたウイルスの効果である。
動きを止めた雪烈華を捕獲し、一旦全員が輸送機に戻る。



ヒゲ「いいですか、イオ。味方の、それも指揮官機体を後ろから撃つのは軍人として
絶対やっちゃいけないことなんです」
イオ「オスカー様が一人で抜け駆けするから」
アシェル「そうですよ、僕らだって一緒に戦いたいのに勝手に行かないでくださいよ」
ヒゲ「私達はそれぞれが圧倒的武力を持っています、だからこそ仲たがいなどしてはいけません」
アシェル「いや、ですからオスカー様が」
ヒゲ「思いだすのです、ウドランが最後に言った言葉を」


地球到達寸前、ウドランは窮地に追い詰められていた。まさか味方だと思っていた奴ら全員が
自分に牙を剥くなんて、絶対に信じられない事だった。

ウドラン「や、やめろよ。やめたほうがいいって、俺様のプロペラントタンク公衆便所みたいな
臭いするからさ、や、やめーろーよー」

ヒゲ「…そうです、今回出撃出来ないウドランの為にも我々は仲たがいしてはいけないのですよ」
アシェル「いや、だからオスカー様…でも…」

共犯者という鎖がアシェルのツッコミを鈍らせる。

イオ「では、全員一緒に移動しますか?」
アシェル「う、うん。まあそれなら平等だね」
ヒゲ「それで行きましょう」

これ以上オスカーを攻めても事態は好転しないと考えたアシェルはイオの建設的な意見に賛同し、
自分への矛先をそらせられるとばかりにオスカーも追随した。

ヒゲ「じゃ、せーの」
イオ「せーの」
アシェル「せーのっと」

全員が輸送艦から同時に出発し、同じだけスラスターを噴かせる。
これで全員同時に到着出来ると思いきや、そうは問屋がおろさない。

ヒゲ「あれ?『せーの』って合わせたのにアシェルの機体だけ随分前に進んでませんか?」
アシェル「お忘れですか、僕の羽叫(ウキョウ)は超加速特化機ですよ。同じだけ進めってのが無理な話です」
イオ「これじゃあアシェルがどんどん先に行ってしまいますね」
ヒゲ「ダメですダメダメ!全員一緒に着かないとこの『せーの』に意味がありません!」
アシェル「オスカー様が真っ先に抜け駆けしたくせに…」
ヒゲ「思い出すのです。ウドランが出撃不能になる半日前に言った言葉を」




アムステラを旅立った後、4人を乗せた輸送機は地球以外の異星人に襲撃されていた。
オスカー、イオ、アシェルの機体は傷こそつかなかったものの、その戦いで燃料の大部分を使いきっていた。

ウドラン「何ヒソヒソ俺様の臥碧鬼(ガヒャッキ)見て話してるんだよ、
燃料ならこいつの使えばとかそういうの冗談でも言うなよ。…え、冗談じゃないの?」



ヒゲ「では到着まで全員輸送機に篭って着陸後迫ってくる地球人を迎撃という形で…」
アシェル「それなら平等ですね」
イオ「ではそれで」

無表情で肯定しつつイオは輸送機の外にビットを待機させる。

アシェル「イオ!そのビットそういう使い方できたの!?」
イオ「さっきやってみたら出来た」
ヒゲ「駄目ですー!!何で二人ともそうやって出し抜こうとか考えるんですか!?」
アシェル「だから、そもそもはオスカー様が」
ヒゲ「こんな事じゃ出撃不能になったウドランが悲しみますよ!
思いだすのです、彼が出撃不能になる前日の事を」


強化人間用の機体を全て乗り込ませた後、オスカー達と他の乗員は
あまりに巨大な臥碧鬼を見上げているとウドランは得意げにこう言った。

ウドラン「おいおいそんなに見つめるなよー、俺様は補給ユニットじゃねーぞ。
まあ、お前ら全員動かせるだけの燃料はあるかもしれないけどな。なーんちゃって、ブヒィ!」

ヒゲ「もうこうなったら全員で『ヨーイどん』で一斉に発進して恨みっこ無しで行きましょう」
アシェル「結局そうなるんですか。で、誰が『ヨーイどん』いうんです?」
ヒゲ「無論一番偉い私です」
アシェル「はーい、もうそれでいいでーす」
ヒゲ「では…位置について…」

輸送機のハッチが開き全員がスラスターを噴かせる。
この条件ならアシェル優勢だがスタートのタイミング次第ではどう転ぶか分からない。
そう、全てはオスカーの『ヨーイどん』にどれだけ即座に反応できるかにかかっている。


ヒゲ「エレガンッ!」

奇声と共に発進する雪烈華。無論のことイオもアシェルも反応すら出来ず、
1ターン分の距離を開けられた所でようやくスタートする。

アシェル「何ですか『エレガンッ』って!?『ヨーイどん』と全然違うじゃないですか!」
ヒゲ「お黙りなさい!勝てばいいのですよ!フハッハハハハハー!」
イオ「これはあまりにも酷い。飛べ、辛煉種」

再びイオのウイルスビット・辛煉種がオスカー機の背中に迫る。
だが―

イオ「駄目、あとちょっとだけ届かない」
アシェル「イオ、僕の高性能レーダーを使って!!」
イオ「了解、さらに飛べ、辛煉種」

ズシャァァァ!

ヒゲ「ケツがぁぁぁ!」

雪烈華のケツに射程が+1された辛煉種が命中、薔薇が散るエフェクトと共に痙攣し動かなくなる。


ヒゲ「全く、アシェル!そんな強化パーツどこで手に入れたんですか」
アシェル「地球に着くまでに戦った敵のボスが持ってました」
ヒゲ「とにかく、イオはそのビット全部収納して!アシェルも強化パーツは置いてきなさい!」
アシェル「はーい」
ヒゲ「では今度こそ正々堂々…ヨどん!」


再び不意打ちで雪烈華猛スピードで飛ぶ、虚輪と羽叫はまたもや1ターン分出遅れる。

アシェル「待てー!ヨどんって!ヨどんって!」
ヒゲ「うるさい勝てばよいのだよフハハハハハハハアー!!!!!」
イオ「大丈夫、オスカー様の機体は飛行向きじゃない上に重装甲」

イオの言う通り、雪烈華は緊急時の輸送艦からの離脱用に付けたスラスターで
飛んでいるだけであり、空戦機の羽叫はもちろんの事、比較的小型である虚輪も
1ターン分の差を瞬く間に詰めてくる。

ヒゲ「ぬわー、こいつら速い!」
アシェル「オスカー様が遅いんですよ、ではここで一気にトップはもらいます。変形!」

ジャッキーン!
羽叫が巡航形態へ変形し、同時に新型の重力制御装置『唄霊』が唸りを上げる。

ヒゲ「アシェルー!今それ使っちゃ地球の猿どもの目の前でガス欠になりますよ!」
アシェル「うるさいなあ、僕だって一番のりしたいんだよウッキャキャキャキャー!」
ヒゲ「させません、行けいロイヤルナイツ!」

オスカーの周りに現れたロイヤルナイツ羅甲がアシェルとイオに纏わりつき、ブレーキをかける。

アシェル「どこから出したんですか!」
イオ「理解不能」
ヒゲ「何か呼んだら出てきました!私もビックリです」

大量展開されたロイヤルナイツにより文字通り団子状態でアメリカ大陸に落ちていく三機
果たして最初に着陸するのは…。



ヒゲ「あ」
イオ「あれは」
アシェル「臥碧鬼」


それは夢か幻か、いや、まぎれもない本物の臥碧鬼だった。
燃料を全て抜き取られ動けないはずだったそれは三人がごちゃごちゃやってるターン分の回復により復活し、
ごく普通に輸送艦から発進したのである。

ウドラン「ここが地球のサルどものネグラか。俺様の砲撃機体の力を見せつけてやるぜぇ、
接近戦でな!なーんてな、ブッヒッヒャーイ!」

この後、臥碧鬼はアメリカ基地でマジすげえ戦果を上げるのだが
オスカー達は何故か終始不機嫌だったという。




ギャククリオー日和EDテーマ 歌:にゃんガールズ

にゃーにゃがにゃがにゃがー(にゃー)
にゃにゃにゃがにゃがにゃんがー(にゃにゃー)
にゃーにゃがにゃがにゃがー(にゃー)
にゃにゃにゃにゃにゃんにゃがー(いえー)


終わり