第三〇五辺境警備隊のオペレータ。五十二歳。穏やかな表情をした老婦人。口癖は『あらあら』。

軍人としてかなりの老齢だが、オペレーティングの知識は誰よりも深く、部隊にかかわるシステム全般を管理している。

その穏やかな雰囲気には相談事がしやすいらしく、他の部隊からも女性軍人が相談に訪れることが多い。

彼女の助言で恋が成就した例も多く、たまに感謝の手紙と共に差し入れが届く。

時折、今は亡き家族の写真を見て寂しげに目を閉じることがある。

戦争で夫と子供を亡くし、今はもう一人だけ。

いわばその死の元凶とも言える宇宙軍に従事し続ける気持ちは、部隊の誰にも窺い知ることはできない。


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